JPS6112610Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープカセツトの押え装置に係り、特
に、略コの字状の弾性線材をカセツト蓋の内面に
設けた溝に弾持せしめ、テープカセツトに対する
適切な弾圧効果を得るとともに、その弾圧構造の
簡素化を図つた新規なテープカセツトの押え装置
を提供する。

従来、カセツト蓋に取り付けられるテープカセ
ツトの押え用のばねは、合成樹脂製のカセツト蓋
本体に金属製の板ばねを熱溶着またはビスにより
固定したり、カセツト蓋本体のモールド時に一体
的に設けたものであつた。しかし、熱溶着したも
のでは板ばねの交換が面倒であり、ビス止めする
ものではその取付作業の能率が悪いという欠点が
あつた。また、カセツト蓋にばねを一体的に設け
るものでは、そのばねが次第に弾性を失うという
問題があるばかりか、一体成形のための金型が複
雑かつ高価となる欠点があつた。

本考案はかかる従来の問題点に鑑みて成したも
のであり、略コの字状の弾性線材をカセツト蓋の
内面に設けた係合溝に弾持させ、その弾性線材の
突部がカセツトを押圧する様なし、その弾性線材
の上記係合溝に対する係合操作の簡易化と、その
構成のローコスト化とを図つた新規なテープカセ
ツトの押え装置を提供することを目的とする。

以下に、本考案の一実施例を図面について述べ
る。

第１図は本考案にかかるテープカセツトの押え
装置を具体的に示すカセツト蓋の組立斜視図で、
このカセツト蓋を内面側から見たものである。図
において、１はカセツト蓋の本体で、蓋板２とそ
の中央部の透孔３周辺に透明板４を接着したもの
からなる。上記透孔３周辺には切欠５が設けられ
て、蓋板２が肉薄となつており、この部分に貼着
された上記透明板４の前後両縁には、その肉薄部
との間に空隙６，７を形成する様に、平行な係合
溝８，９が設けられている。これを第２図に詳し
く表わしてある。また、上記係合溝８，９を作る
突縁１０，１１は透明板４の前後両縁の全長に及
ばず、一方の突縁１０に対応する上記切欠５の長
さは短くなつて、後述する弾性線材の係合片の規
制部１２が設けられている。１３はカセツト蓋の
ブラケツト、１４はカセツト蓋の閉止状態を維持
する係合爪である。

一方、１５はステンレス鋼線で形成した弾性線
材で、全体として略コの字状に曲げ加工されて、
カセツト押えばねを構成する。この弾性線材１５
は係合片１６と、これに対向し開口端を有する係
合片１７と、これらの両係合片を結び山状に中央
部を突出した屈曲片１８，１９とからなる。ま
た、屈曲片１８，１９が各係合片１６，１７と連
続する部分は下方に垂下する如く屈曲されてい
る。

上記カセツト本体１に弾性線材１５を取り付け
るには、この弾性線材１５を上記透明板４上に載
置し、屈曲片１８，１９を指で押圧する。これに
より、屈曲片１８，１９は第２図の鎖線で示すよ
うに撓んで、各係合片１６，１７が互いに開くよ
うに移動し、これらが切欠５に落ち込む。ここで
指を離すと、屈曲片１８，１９は復元し、これに
よつて各係合片１６，１７が突縁１０，１１の下
部の係合溝８，９内に移動する。すなわち、係合
溝８，９内に係合片１６，１７がそれ自体の弾発
力によつて嵌合保持される。この場合において、
屈曲片１８，１９と係合片１６，１７とが連続す
る垂下部は突縁１０，１１の両端に係合する。こ
のとき係合片１７の垂下部は突縁１０の両端に対
向する規制部１２によつて、左右の拡開方向への
移動が規制され、その係合片１７の上記係合溝８
からの自由な脱抜が防止されている。一方、上記
弾性線材１５を取り外す場合には、上記屈曲片１
８，１９を押圧し、各弾性線材片１６，１７を係
合溝８，９からすくい上げることにより、容易に
脱抜され、これらの交換やサービスが簡単に行え
る。

以上説明した様に、本考案はカセツト蓋の内面
に設けた２本の平行な係合溝に、その一方の係合
溝に係合する係合片と、他方の係合溝に係合する
開放端を有する係合片と、これらの各係合片間を
結び中央部付近が突出する屈曲片とを有する略コ
の字状の弾性線材を弾持せしめたことによつて、
カセツト押え用の弾性線材のカセツト蓋に対する
取り付けを容易に行えるとともに、カセツト押え
構造が簡単かつ安価に得られるところから、これ
を実用に供すれば、頗る有利となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るテープカセツトの押え装
置を具体的に示す分解斜視図、第２図は同じく側
面断面図である。 １……カセツト蓋本体、２……蓋板、８，９…
…係合溝、１５……弾性線材、１６，１７……係
合片、１８，１９……屈曲片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセツト蓋の内面に設けた２本の平行な係合溝
   に、その一方の係合溝に係合する係合片と、他方
   の係合溝に係合する開放端を有する係合片と、こ
   れらの各係合片間を結び中央部付近が突出する屈
   曲片とを有する略コの字状の弾性線材を弾持せし
   めたてことを特徴とするテープカセツトの押え装
   置。