JPS6112497B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はパウダーの飛散防止装置に関し、更に
詳しくは印刷紙の裏写り、ブロツキング防止用の
パウダーがスプレーから噴射された時エアーカー
テンに遮断されて印刷機の周囲に飛んだり、舞つ
たりするのを防止するようにしたパウダーの飛散
防止装置に関する。

一般に印刷機では多数の印刷紙が連続的に印刷
され、印刷が終つた印刷機は収容容器等に重ねて
回収されるようになつているが、印刷されたばか
りの印刷紙表面、裏面には一色もしくは多色のイ
ンキが附着し完全に乾ききつていない状態にあ
る。この為この状態で容器に多数の印刷紙を重ね
るとこのインキによつて印刷紙同志が附着した
り、裏写りをしてしまう。従つて従来の印刷機で
は容器等に回収する一歩手前にパウダースプレー
装置を配設し、このスプレー装置から澱粉質性の
粒子のこまかい多数のパウダーを印刷紙表面に噴
霧させ、このパウダーがインキに附着した時イン
キの水分を吸収させたり、その他の作用でインキ
を乾燥させ又印刷紙を多数重ねた時このパウダー
の直径分に相当する隙間が印刷紙同志間に形成さ
れるために印刷紙の裏写り、ブロツキングを防止
させているのが普通である。しかしながらこのパ
ウダーは圧縮空気等を利用し多数のノズルから印
刷紙の表面に噴射させる分けであるが、パウダー
の重量が比較的軽いためパウダーの全量が印刷紙
に附着するとは限らず、一部のパウダーは印刷紙
の手前で曲がつたり、噴射方向がずれたり、噴射
スピードが落下したり、又は風がふいたりした時
印刷機の周囲、室内に飛散してしまう。この為室
内がパウダーで充満して非衛生的であり、作業者
がこのパウダーを体内にすい込んで病気の原因と
なり、工場内がよごれ、更に印刷機の小さな隙間
に入り込んで印刷機の作動不良を起させ、発錆の
原因にもなり、パウダーの処理が重要な問題とな
つている。

従つて、本発明はかかる従来の問題点を改善す
べく成したものであり、特に、パウダースプレー
装置の周辺にエアーカーテンを形成する様にな
し、ノズルから印刷機に向つて噴射されるパウダ
ーの周辺への飛散を防止するとともに、全てのパ
ウダーを印刷紙に向つて案内させて印刷紙への効
率的な付着を促進し、パウダーの無駄並びに公害
発生を防止する様にした、新規なパウダーの飛散
防止装置を提供する。

以下に本発明の実施例を図面について説明す
る。

多数のパウダーノズル１を連設したパイプ２の
左右両側にパイプ２と平行にエアー噴出パイプ
３，４が配設され、これらに於ける複数位置には
互いに対向する如くエアーノズル５，６が設けら
れている。上記パイプ２の端部にはホースやパイ
プ等からなる導管７を介してブロアー等の空気供
給源８やパウダー源８ａが接続されている。ま
た、空気源８からは分岐管９，１０が分岐接続さ
れ、それぞれエアー噴出パイプ３，４に接続され
ている。８ｂは順次送られる印刷紙どうしの間隔
が長い場合、パウダーの噴出を断続させるための
電磁弁装置であり、印刷紙の上記間隔が殆んどな
い様な場合には装着されないこともある。絞り弁
１１，１２はパウダーノズル１とエアーノズル
５，６へ供給する空気量を按分するためのもので
ある。パウダーノズル１は第５図および第６図に
示す如くこれを取り付けた本体１３内の通路１４
を介してパイプ２内に接続され、パウダーが矢印
１５方向に片寄るのを防ぐため、第７図ａ，ｂに
示す様なスピンブレード１６がその通路１４内に
設けられている。また、パウダーノズル１の噴出
口１７を第６図および第８図に示す如くスリツト
状にしたことに依り、吹付けパターンが通常の丸
孔の場合に比較して、大幅に平均化される。

一方、第９図および第１０図に示す如く、上記
パウダー源８ａは本体１８とケース１９とからな
り、これらの上部にパウダー補給タンク２０が設
置される。空気供給源８より圧縮空気が本体内１
８に供給され、一部の空気は絞り弁２１を通過し
てパイプ２方向へ向い、残りの空気は仕切弁２２
で開口調整された孔２３からケース１９内に入
り、パウダー２４を巻き上げて、仕切弁２２にて
調整された孔２５から出て、上記パイプ２方向へ
出る。尚絞り弁２１および仕切弁２２は摘み２６
の操作に依つて連動して回動する。かかるケース
１９に於いて、パウダー２４が巻き上げられて、
上記孔２５から脱出すると、ケース１９内のパウ
ダー２４が低減する。すると、補給タンク２０内
のパウダー２４の圧力とパウダー２４の摩擦抵抗
とのバランスが崩れて、補給管２７を通じて上記
補給タンク２０内のパウダー２４が自動的に落下
し、パウダー２４のケース１９内に於ける量が常
に一定の範囲内に維持される。また、この場合に
於いて、上記の圧力と摩擦抵抗とのバランスが微
小値であるため、空気連通用の連成管２８を別途
設けて、補給タンク２０内の空気圧力と、ケース
１９内の空気圧力とをバランスさせてある。尚、
絞り弁２９はコツクハンドル３０にて開閉制御さ
れ、補給タンク２０からケース１９へのパウダー
２４の供給を任意にコントロールする様になつて
いる。この様にして、パウダー源８ａからパイプ
２を通じて供給されたパウダー２４は、第５図に
示すノズル１から第２図乃至第４図に示す様に印
刷紙Ｂの表面に向つて噴射される。

一方、エアー噴出パイプ３，４にはエアーノズ
ル本体１３ａ，１３ｂが設けられ、これにエアー
ノズル５，６が取り付けられて、そのエアーノズ
ル５，６の先端にはスリツト１７ａ，１７ｂが形
成されている。パイプ３，４の端部には分岐管
９，１０を通じて圧縮空気が供給され、上記の噴
出用スリツト１７ａ，１７ｂより例えば印刷紙方
向に第２図に示す如く空気が噴射される。このた
めノズル１からのパウダー２４の噴出方向と平行
に噴出スリツト１７ａ，１７ｂから空気が噴出さ
れ、これに依つてエアーカーテン３１，３２が形
成される。この為ノズル１から噴射されたパウダ
ーの噴出スピードが落下して進路Ａが曲がつたよ
うな場合でもエアーカーテンの噴射スピードでパ
ウダーの進路Ａを垂直方向に補正し、又一部のパ
ウダーが横方向に飛んだり、舞つてしまつた場合
でもこのパウダーはエアーカーテン３１，３２の
内側に衝突し、エアーカーテンの落下する勢いで
垂直方向に導かれてしまいエアーカーテン３１，
３２より外側には飛び出さないものである。

一方、第１図に示す如く、各パイプ３，４の前
後両端には第１１図ａ，ｂに示すカラー３４，３
５が取り付けられている。このカラー３４，３５
の内側にはその径の90゜の角度範囲に亘つて複数
の噴出孔３６，３７が穿設されていて、この噴出
孔３６，３７を通じて噴出されるエアーカーテン
に依り、パイプ２両端部を封じ込め、パウダー２
４の前後方向への飛散を防止する様になつてい
る。かくして、上記ノズル１から噴出されたパウ
ダー２４はパイプ２を周囲から囲んだエアーカー
テンに依り、外部への飛散が防止される。尚、パ
イプ２とエアー噴出パイプ３，４はブラケツト３
３で相互に平行に連結され、これらのパイプ２，
３，４はブラケツトその他の取付部材を介して印
刷紙の進行方向に対向して印刷機本体３８、レー
ル３９等に固定される。

以上のように本発明の構成は多数のパウダーノ
ズルを連設したパイプの左右両側にエアー噴出パ
イプを平行に配設し、エアー噴出パイプにはパウ
ダーノズルに対応するエアーノズルが設けられ、
各パウダーノズルとエアーノズルの各噴出口には
下方に向くスリツトを形成し、更に前記エアー噴
出パイプの前後両端にカラーを取り付け、このカ
ラーの内側には90度の角度範囲に亘つて複数の噴
出孔を穿設したことを特徴とするものであり、こ
の構成により次のような特有の効果を有する。

パウダーノズルから下方に噴出されたパウダ
ーに対してエアーノズルから下方に噴出された
エアーによつて左右平行にエアーカーテンが形
成され、又、カラーの噴出孔から直角方向に噴
出されたエアーによつて前後平行にエアーカー
テンが形成され、パウダーは前後左右からエア
ーカーテンによつて完全に包囲される。

パウダーノズルとエアーノズルの各噴出口に
は下方に向くスリツトが形成されているから、
これらのスリツトから噴出されるパウダーとエ
アーの噴出方向が一定であり、噴出量にはばら
つきが無く、均一化され、これによりパウダー
自身の飛散が少なく、左右のエアーカーテン自
身も平行を維持できる。

パウダーはエアーカーテンにより包囲され且
つスリツトにより均一に噴出されるから印刷紙
面への均一散布が可能となる。

エアーカーテンより外側にはパウダーが飛散
しないからこれが印刷機の隙間に侵入したり、
工場内に散乱せず、常に公害の無い衛生的な環
境を維持できる。

【図面の簡単な説明】

添附図面は本発明の実施の一態様を示し、第１
図はパウダーの飛散防止装置の全体を示す平面
図、第２図は同じくパウダー噴出ノズルの正面
図、第３図は同じくその側面図、第４図はパウダ
ー噴出ノズルとエアーノズルとの配置関係を示す
一部の斜視図、第５図および第６図はパウダー噴
出ノズルの拡大した平面図および正面断面図、第
７図ａ，ｂはスピンブレードの正面図および平面
図、第８図はパウダーノズルの一部の拡大側面
図、第９図はパウダー源の詳細を示す断面図、第
１０図は同じくその底面図、第１１図ａ，ｂはカ
ラーの断面図および斜視図である。 １……パウダー噴出ノズル、２，３，４……パ
イプ、５，６……エアー噴出ノズル、８……空気
供給源、３１，３２……エアーカーテン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数のパウダーノズルを連設したパイプの左
   右両側にエアー噴出パイプを平行に配設し、エア
   ー噴出パイプにはパウダーノズルに対応するエア
   ーノズルが設けられ、各パウダーノズルとエアー
   ノズルの各噴出口には下方に向くスリツトを形成
   し、更に前記エアー噴出パイプの前後両端ににカ
   ラーを取り付け、このカラーの内側には90度の角
   度範囲に亘つて複数の噴出孔を穿設し、パウダー
   ノズルから下方に噴出されるパウダーをエアーノ
   ズルとカラーの噴出孔から下方及び直角方向にそ
   れぞれ噴出されるエアーカーテンにより前後左右
   から包囲するようにしたパウダーの飛散防止装
   置。