JPS61116715A - 潤滑性絶縁電線の製造方法 - Google Patents

潤滑性絶縁電線の製造方法

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JPS61116715A
JPS61116715A JP25732085A JP25732085A JPS61116715A JP S61116715 A JPS61116715 A JP S61116715A JP 25732085 A JP25732085 A JP 25732085A JP 25732085 A JP25732085 A JP 25732085A JP S61116715 A JPS61116715 A JP S61116715A
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JP
Japan
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lubricant
insulated wire
wire
acid
lubricious
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Pending
Application number
JP25732085A
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English (en)
Inventor
山本 昭之
中林 洋彦
川口 宗孝
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は捲線性のすぐれた潤滑性絶縁電線の製造方法に
関するものである。
近年、エナメル線を使用する電機メーカー等に於ては、
機器の製造工程の迅速化を図るため、高速自動捲線機を
使用するようになって来ている。しかし、この場合、工
程の迅速化により機器の加工費は著しく減少させること
が出来たかに見受けられるが、実際には捲線加工時エナ
メル線は摩擦等をうけ、絶縁層が機械的損傷をうける。
このため機器に組み込まれた後、レアーショートを起し
てロス率が大幅に増加するという大きな問題を有してい
る。これを解決するため、エナメル線に潤滑性を付与し
、機械的損傷を低減することが試みられている。このこ
とは自動捲線機のみならず手作業においても同様であり
、例えばモーターの狭いスロットにエナメル線を挿入す
る際、手作業の能率を高めるためすべり性の良いエナメ
ル線が要望されている。
エナメル線自体は潤滑性に乏しいため、エナメル線同志
、エナメル線と捲線機間、エナメル線と機器間等のすべ
りが悪く、絶縁層に損傷を受けたり作業効率が悪くなっ
たりする。このため、エナメル線上に流動パラフィン、
冷凍機油等の液体の潤滑剤を塗布する方法が取られてい
る。しかしながらこの方法は潤滑性、すべり性が不十分
であるため、手作業において線さばき性が悪く、又捲線
時にはトランス、コイル等の整列巻性が悪いという難点
があり、更に近年の高速捲線化、占積率向上インサーク
一方式の適用拡大等によりレヤーショートが増大してい
る。又この方法は液体の潤滑剤を使用するので、電線に
ゴミが付着しやすいばかりでなくコイル捲後線のばらけ
や、端末止めのための粘着テープとか接着テープの粘着
力、接着力に悪影響を及ぼしテープがはがれ易いという
欠点もある。
この解決のため、コイル播きを行う電機メーカーでは例
えば塊状の固形パラフィンの上に電線を通して電線表面
に固形パラフィンをこすりつける方法をとる事もあるが
、付着量が不均一でむらがあり、一般に多すぎる事、電
線が固形パラフィンにすぐに喰い込んでゆきそのたびに
取り替え、又再生のために融解して後固化再生をたびた
び繰返す必要がある事、作業能率が低下する事等の欠点
があり、電線メーカーに対して用途、サイズに応じて潤
滑処理を行い、かつ用途、サイズ等に応じて潤滑剤の種
類、量を変えるよう強く要望されている。
これを受けて電線メーカーでは、例えばベンジン、キシ
レン等の溶剤゛に固形パラフィンを1%程度溶解して電
線表面に塗布或は塗布後加熱乾燥をするという方法でや
むなく対処しているのが現状である。
しかしこの方法の場合、大部分が溶剤であるため大量の
無:j、iになる溶剤を消費し、衛生、安全上排気設備
を必要とし公害対策上排出された溶剤の燃焼等による除
去設備を必要とし、かつ引火点の低い溶剤を使用するた
め火災の危険性をはらんでいる。又加熱乾燥を行う場合
は加熱炉を必要とする。
次に特性面よりみると、溶剤が電線表面に接触した時電
線品種によってはクレージングを発生し電線として商品
価随がなくなるため適用品種が限定され、又潤滑剤溶液
は低濃度で非常に低粘度であるため付着膜厚のコントロ
ールは出来ずただ電線が溶液中を通る時付着するにまか
せるしかない。
なお、固形パラフィンは溶剤に対する溶解性が悪く、溶
剤の種類、濃度に大きな制約があり、固形パラフィン以
外の固体の有機潤滑剤をみても、はとんどのものが溶剤
に難溶もしくは不溶で仮りに溶解しても低濃度である。
従って所望の固体の有機潤滑剤を使おうとしても、溶剤
に溶4解しないため使用出来ないが、もしくは溶解した
場合でも低濃度でしか使えないという制約がある。
以上述べた通り溶液法は省資源、公害規制、環境衛生、
安全上、多くの不具合点を有し、かつ特性適用範囲、適
用潤滑剤の範囲の点でも制約条件が多いのが現状である
しかしながら需要家の要求にこたえないわけにはゆかず
矛盾点を包合しながら製造せざるを得ないのが現状であ
る。
本発明者らは、これら問題解決について鋭意検討の結果
本発明の方法に到達したものである。・本発明は、溶剤
を使わず、常温で固体の有機潤滑剤を加熱溶融してエナ
メル線上に塗布し潤滑性のすぐれた絶縁電線を得るもの
である。
本発明では、常温で固体の有機潤滑剤を使用するので、
液体潤滑剤を使用する場合に較べ滑り性がよく、又電線
にゴミが付着することなく、接着テープの接着力に悪影
響もなく、液体潤滑剤の問題点を解決することが出来る
。又本発明では溶液法と同等以上の潤滑性絶縁電線が得
られ、しかも溶剤を使用しないので溶剤を消費せず省資
源になり環境衛生、安全のための排気設備が必要なく、
公害対策のための排出溶剤の燃焼等の除去設備が不要で
、低引火点溶剤による火災の心配もない。又当然ながら
溶剤乾燥用の加熱炉も必要ない。
更に溶剤によるクレージングの心配がないので適用品種
の制限もない。又100%潤滑剤であるため粘度コント
ロール、温度コントロール、塗布量、絞り量等のコント
ロールで自由に付着膜厚が変えられる。
更に加熱溶融するため、溶液法では使用出来なかった溶
剤に難溶もしくは不溶の潤滑剤が使用できる利点がある
本発明で用いられる常温で固体の有機潤滑剤は加熱時に
溶融するものでかっ、エナメル線上に塗布された後、固
化し潤滑性を示すものであれぽいか(なるものでもよい
潤滑剤としては長鎖の脂肪族基をもった化合物が好まし
い。
脂肪族基は極性が小さく滑り性が良いからである。
脂肪族基には飽和と不飽和があるが、飽和の方が極性が
小さく好ましい。アルキル基が長ければ長いほどその効
果が発揮でき、特にアルキル基の炭素数が21以上が好
ましい。
アルキル基は、分岐したものより直鎖状の方が滑りが良
く好ましい。特にアルキル基の骨格の一部が(CH2)
□から成りn≧20が好ましい。
潤滑剤はその平均分子量が1000以下が好ましい。
分子量が大きすぎると、溶融粘度が高く塗布が困難にな
ったり融点又は軟化点が高すぎて熱分解することがあり
好ましくないからである。
次に本発明で用いられる潤滑剤の例をあげる。
各々の潤滑剤のなかで特に好ましいものは先に述べたア
ルキル基の炭素数、アルキル基の骨格、平均分子量等を
満すものであることはいうまでもない。
例としては炭化水素、脂肪酸或はその誘導体、アルコー
ル或いはその誘導体、脂肪酸アミド或はその誘導体、ワ
ックス類、グリース類、等があげられる。勿論これらの
潤滑剤を混合して使用することもでき゛る。
潤滑剤の更に具体的な例を次にあげる。
炭化水素は炭素数の大きいものが好ましいのはいうまで
もない。炭化水素には、飽和、不飽和のものがあり、又
、直鎖状、分岐状のものがあるが、一般式CHs (C
H2)。CHaで表わされる飽和で直鎖状のものが好ま
しい。
この例としてヘンエイコサン、トコサン、トリコサン、
テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘキサコ
サン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘ
ントリアコンタン、トドリアコンタン、トリトリアコン
タン、テトラトリアコンクン、ペンタトリアコンクン、
ヘキサトリアコンクン、ヘプタトリアコンクン、オクタ
トリアコンクン、ノナトリアコンタン、テトラコンクン
、等がある。
又いわゆる固形パラフィンとして市販されている飽和で
直鎖の炭化水素を主成分とする炭化水素も好ましい。
次に脂肪酸或はその誘導体について例をあげる。
脂肪酸は、炭素数の多いアルキル基をもったもの即ち、
高級脂肪酸が好ましい。
高級脂肪酸には、飽和酸、不飽和酸があり、又アルキル
基が直鎖のもの分岐したものがある。又官能基数により
モノカルボン酸、ジカルボン酸、テトラカルボン酸など
がある。この中でも一般式CHB (CH2)n C0
OHであられされる直鎖飽和モノカルボン酸が最も好ま
しい。この理由は潤滑性の効果を発揮するためには極性
基が少ない方が良いからである。
高級脂肪酸のうち最も好ましい直鎖飽和モノカルボン酸
の一例をあげると、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラ
デカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデ
カン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸
、ヘンエイコサン酸、トコサン酸、トリコサン酸、テト
ラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタ
コサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコン
タン酸、゛ヘントリアコンタン酸、トドリアコンクン酸
、テトラトリアコンタン酸、ヘキサトリアコンタン酸、
オクタトリアコンクン酸、等がある。脂肪酸の誘導体と
して酸無水物、エステル、塩などがある。エステルには
メチルアルコール、エチアルコール等の一両アルコール
、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の二価
アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の
三価アルコール、ペンタエリスリット等の四価アルコー
ル等種々のアルコールとのエステルがある。潤滑性付与
のためには、脂肪族基が長い方が好ましいので二価以上
のアルコールとのエステルが好ましい。
又同じ理由で低級アルコールより高級アルコールとのエ
ステルが好ましい。
次にアルコール或はその誘導体の例を示す。アルコール
は、炭素数の多いアルキル基をもったもの即ち、高級ア
ルコールが好ましい。
高級アルコールには飽和アルコール、不飽和アルコール
があり又アルキル基が直鎖のもの、分岐したものがある
。又、官能基の位置により1級アルコール、2級アルコ
ール、3級アルコールカアリ又官能基数により1価アル
コール、2価アルコール、3価アルコール等がある。
この中で最も好ましいのは、先に述べた理由から一般式
CHa (CHz)+10Hで表わされる直鎖状飽和の
1級1価アルコールが好ましい。例としては、ペンタデ
カンl−オール、ヘキサデカンl−オール、ヘプタデカ
ン1−オール、オクタデカンl −オール、ノナデカン
l−オール、エイコサンl −オールζヘンエイコサノ
ール−1、ドコサノール−1、テトラコサノール−11
ペンタコサノール−1、ヘキサコサノール−11へブタ
コサノール−1、オクタコサノール−1、ノナコサノー
ル−1、トリアコンタノール−11ヘントリアコンタノ
ール−1、ドトリアコンタノール−11)リドリアコン
タノール−11テトラトリアコンタノール−11ペンタ
トリアコンタノール−1、ヘプタトリアコンタノール−
11等がある。
アルコールの誘導体として、カルボン酸とのエステルが
あるが、特に好ましいのは、先に述べた高級脂肪酸との
エステルである。
次に脂肪酸アミド或はその誘導体の例をあげる。
脂肪酸アミドは炭素数の多いアルキル基をもったもの、
即ち高級脂肪酸アミドが好ましい。脂肪酸アミドの骨格
のうち炭化水素基は前述の脂肪酸で述べたものがある。
脂肪酸アミドの中で好ましいのは、一般式CH3(CH
2)nCONH2で表わされるものである。
この例トして、バルミチルアミド、ステアリルアミド、
エイコシルアミド、トコシルアミド、ヘキサコシルアミ
ド、オクタコシルアミド等がある。
脂肪酸アミドの誘導体としては、アミノ基の水素がアル
キル基によって置換されたものとか、一般式RCONH
−CHz −NHCOR、RCONH−CH2−CH2
−NHCORで表わされるビス脂肪酸アミドがある。
ワックス類の例として、マイクロクリスタリンワックス
、カルナバロウ、ミツロウ、モンタンロウ等がある。又
モンタンワックス酸をベースとした或は、その誘導体で
ある、ヘキストジャバン社から訳売されているヘキスト
ワックスOP  (tlC28〜32  のモンタン酸
からの部分ケン化ニス・チルワックス)、ヘキストワッ
クスE(モンタン酸からのエステルワックス)、ヘキス
トワックスS(モンタン酸ワックス)も好適である。
以上述べた潤滑剤の中で最も好ましいのは固形パラフィ
ンである。固形パラフィンは安価に容易に人手すること
が出来るし、通常融点範囲毎に市販されているので所望
の融点のものが選択出来る。
又、化学的に安定で毒性もなく取扱いには好適である。
上記の潤滑剤は各々単独もしくは二種以上を混合して用
いてもよい。
特に融点もしくは軟化点(以下融点と記す)の異なる二
種以上の有機潤滑剤を混合して用いるのが好ましい。
潤滑剤を単独で用いる場合、加熱温度は潤滑剤の融点以
上にしなければならないが、高い融点の潤滑剤と低い融
点の潤滑剤を混合して使用すれば両者の融点の間の温度
で溶融出来るので、加熱温度範囲が広くなり加熱装置の
温度制御幅が広く、又溶融粘度も自由に選択出来る。
固形パラフィンを例にとって説明する。
固形パラフィンは−;設に融点範囲苺に市販きれている
が、異なる融点のものを混合して用いると次のような利
点がある。例えば融点54〜56゛cの固形パラフィン
(以下(イ)と称す)と融点68〜70 ℃の固形パラ
フィン(以下(ロ)と称す)を重量比で1:1に混合す
るとこの混合したパラフィン(以下(ハ)と称す)は、
(イ)が溶剤のような作用をするためか60℃でも液状
の状態を保っている。即ち70°C以上でしか使用出来
なかった(口)が(イ)と混合することにより70゛C
以下でも使用可能になる。
一方(イ)は56°C以上で使用できるが、(ロ)に較
べ分子量は低く、その溶融粘度は低い。従って溶融粘度
が高いものが必要な場合(ロ)を使用して70 ℃以上
に加熱しなければならない。
ところが(ハ)を使用すれば60℃以上でょ<、シかも
0には分子量が(イ)より高くて溶融粘度を上げる) 
 効果がある(口)が混合されており、(ロ)より低温
で(イ)より高粘度が達成できる。
又、(ハ)のような効果を上げようと反りに融点が60
°Cぐらいの固形パラフィン(以下に)と称す)をもっ
て来ても、に)は(ハ)に較べ分子量分布が狭く溶融後
のわずかな温度上昇で粘度低下が著しいため(ハ)のよ
うなすぐれた効果は示さないことは明白である。仮りに
融点をごく少し上まわる温度にすれば可能な場合もある
かも知れないが、加熱装置の温度制御幅を非常に狭くし
なければならず事実上不可能である。
以上述べたのはごく一例で二種以上の融点の異なる潤滑
剤をその融点、混合比率を選択することによって所望の
温度範囲で所望の溶融粘度が得られる。
融点の異なる二種以上の有機潤滑剤を用いる場合潤滑剤
の加熱温度は最高の融点以下でかつ最低の融点以上の温
度であることが好ましい。加熱溶融するために最低の融
点以上の温度であることはいうまでもないが、前述の如
く溶融粘度を上げるために、又後述の如く加熱温度を下
げることが好ましいことから最高の融点以下の温度が好
ましい。
本発明において、加熱溶融して塗布される潤滑剤の塗布
時の温度は潤滑剤の融点によって決定される。溶融した
潤滑剤の溶融粘度を下げるためには融点よりかなり高い
温度が必要であり又、溶融粘度を上げるためには融点よ
り高温でしかも融点に近い温度が必要とされる。加熱温
度が150℃を越えると、潤滑剤が分解し、更に煙を発
生することもあるので150℃以下が好ましい。長時間
加熱を続けると潤滑剤が徐々に酸化変質して来るので1
20℃以下が更に好ましい範囲である。又、作業時のや
けど等安全面を考慮すればioo℃以下更に好ましくは
80°C以下が好適である。従って潤滑剤の好ましい融
点範囲もこれによって決定される。
ここに述べたように、種々の制約で加熱溶融温度が低い
方が好ましく、先に述べた二種以上の融点の異なる潤滑
剤を混合して用いるのは、高融点の潤滑剤がその融点以
下で使用出来るので好ましい。
潤滑剤の中で固形パラフィンが最も好ましいことは先に
述べたが、種々の融点のものが揃っていて加熱温度を低
くしたい場合や、融点の異なるものを混合する場合に選
択の範囲が広くこれらの意味も含めて好ましい潤滑剤と
いえる。
本発明において用いられるエナメル線には制限はない。
即ち丸線でも平角線でもよく、導体のサイズ、絶縁層の
種類、構成、自己融着層の有無等を問わない。あえてい
えば捲線されて使われるものであり、特に高速捲線され
るものとか、手作業でもすべりが要求される分野に使用
されるものである。又先に述べたように溶剤法と異なり
クレージングの心配がないのでどの品種にも適用できる
本発明において加熱溶融した潤滑剤を塗布する方法は、
いかなる方法でも良い。勿論、均一に塗布する方法が好
ましいのはいうまでもない。
塗布する方法には、エナメル線を加熱溶融した潤滑剤の
中を直接通過させるディッピング方式とかミゾローラ一
方式、ワイパローラ一方式等がある。
又、フェルトに加熱溶融した潤滑剤をしみ込ませこのフ
ェルトの上又は間を通過させて塗布する方法もある。
フェルトは塗布と絞りを兼ねることも可能である。
勿論上記の塗布方法を組合せて行うこともできる。
潤滑剤を塗布されたエナメル線はそのまま使用すること
もできるし、又絞りを加えても良い。絞りを行う理由は
潤滑剤の塗布厚みを均一かつ一定にするためである。絞
りの方法は、いかなる方法でもよい。例えばダイス絞り
、ゴム紋り、フェルト絞りがある。勿論、上記絞り方法
を組合せて使うこともできる。
潤滑剤は常温で固体であるため、エナメル線上に塗布さ
れる時や塗布された後絞りを加えようとする前に固化す
ることがある。この時点で潤滑剤が固化すると均一に塗
布されなかったり、絞りがうまく出来ず、塗布厚みを一
定にすることが出来なくなる。
本発明は、この問題点を解決したものであり、塗布部そ
して/又は絞り部を加熱することを特徴とするものであ
る。
これにより潤滑剤の同化が防止出来るため、均一な塗布
や絞りが達成出来る。
塗布部そして/又は絞り部が加熱したフェルトであるこ
とが一層好ましい。フェルト塗布そして/又は絞りはう
すく、均一に塗布する方式としてすぐれており、このフ
ェルトが加熱されていると潤滑剤の固化が防止できるの
で好ましい。
フェルトを加熱する場合、フェルトは熱伝導が悪いため
あらかじめ溶融した潤滑剤をフェルトにしみ込ませるこ
とも好ましい。こうしておいて、フェルトに潤滑剤を供
給すれば塗布と絞りが兼ねて行える。別の方法で塗布を
行い潤滑剤をしみ込ませた加熱フェルトで絞る場合、仮
りにエナメル線上に塗布された潤滑剤が片面のみにしか
付いていないような状態の時でも、全体に付きまわらせ
ることが出来る。塗布されるエナメル線自体をあらかじ
め加熱しておくことも好ましい。エナメル線が加熱され
ておれば、溶融した潤滑剤の固化を防ぐことが出来るか
らである。
本発明においてエナメル線に塗布された潤滑剤の塗布状
態、厚み等については特に制限はない。
例えば、エナメル線上に不連続にもしくは片面のみに潤
滑剤が塗布されていても、捲線時にエナメル線が損傷を
うけるパスライン、ガイドローラー等に、エナメル線に
塗布された潤滑剤が付着し、すべりが良くなり、損傷が
軽よ出来るからである。
しかしながら均一に塗布されていないということは、滑
りの悪い部分があるということで、損傷をうける可能性
は大きく、又、手作業で腺を使用するところでは、線の
さばき、滑りが悪いので均一に塗布されていることが好
ましいのはいうまでもない。
塗布厚みが厚いと、捲線機のパスライン、ガイドローラ
ー等に潤滑剤が付着し、機減を汚したり、又かえって滑
り性分疎外することもあり、更にむやみに潤滑剤が多い
のは経済的でない。又多すぎると線が粘着したり潤滑剤
が剥離して落ちたりすることもある。従って均一にうす
く塗布するのが好ましい。このような理由でエナメル線
上に塗布される潤滑剤の平均の厚みが1ミクロン以下で
あることが好ましい。
このようにして得られた潤滑性絶縁電線は潤滑剤が塗布
されていない未塗布のエナメル線に較べ、すべり性が良
くなっており、その目的は達成される。
しかしながら、高速層線機等で損傷なく、有効に使用さ
れるために、得られた潤滑性絶縁電線の静摩擦係数は0
.1以下が好ましい。
以下の実施例で本発明の詳細な説明する。
尚、実施例の特性中、静摩擦係数は線間摩擦係数で測定
しその測定方法は、金属性ブロックに平行に2本のサン
プル電線をとりつけ、これを平面上におかれた平行な2
本のサンプル電線の上に各々の線が直角をなすようにお
いて、前者の先に荷重をのせ行うものである。
線さばき性は、電線をたばに取り、手触によって線さば
き、すべり性を見る官能試験によった。
潤滑剤の厚みは、非常に薄く直接測定できないため、潤
滑剤が塗布された電線を温水で加熱したトルエン中に浸
漬し、潤滑剤を洗い落して後、トルエンを飛ばし、残っ
た潤滑剤の重量をはかりこれから厚みを計算した。
往復摩耗試験はJIS C3003の往復摩耗試験機を
用い荷重290/で行った。
尚第1表中のオリジナルは潤滑剤を塗布していないエナ
メル線である。
以下に実施例で使用した絶縁塗料を示す。
ワニスA:デラコートE220G(日東電気工業社より
発売されているポリエステル絶縁塗料)ワニスBニアイ
ソミツドLV(口触スケネクタデイ社より発売されてい
るポリエステルイミド絶縁塗料) +7ニスC:HI−400(日立化成社より発売されて
いるポリアミドイミド絶縁塗料) ワニスD 二6.6−ナイロンをm−フレ7’ −/レ
ニ溶解した絶縁塗料。
ワニスE:フエノキシ樹脂をm−クレゾールに溶解した
自己融着塗料。
実施例1゜ 直径0.65Bの銅線上にワニスAを数回繰返し塗布焼
付け、その上にワニスCを数回繰返し塗布焼卦 付け、
更にその上に、融点54〜56゛cの固形パラフイン4
00gと融点68〜70 ℃の固形パラフィン200 
gを混合した固形パラフィンを65°Cで加熱溶融させ
塗布し、潤滑性絶縁電線を得た。固形パラフィンはミゾ
ローラーで塗布し、次いで塗布直後の電線を、溶融した
パラフィンを浸み込ませたフェルトで絞り更にゴムで絞
った。尚、フェルトは100℃に加熱したブロックをの
せ、又ゴムはフェルトに密接させておいた。得られた潤
滑性絶縁電線の特性を第1表に示す。
実施例2゜ 直径0.351JEの銅線上に、ワニスBを数回繰返し
塗布焼付け、その上に融点68〜70“Cの固形パラフ
ィンを80℃で加熱溶融せしめ、ミゾローラーで塗布し
、潤滑性絶縁電線を得た。得られた潤滑性絶縁電線の特
性を第1表に示す。
実施例3゜ 直径0.5jLlの銅線上にワニスBを数回繰返し塗布
焼付け、その上にワニスCを数回繰返し塗布焼付け、更
にその上にワニスEを数回繰返し塗布焼付け、次いでそ
の上に融点64〜66゛cの固形パラフィンを70℃で
加熱溶融せしめミゾローラーで塗布し、更に溶融したパ
ラフィンを浸み込ませたフェルトで絞って潤滑性絶縁電
線を得た。
尚、フェルトには100°Cに加熱したブロックをのせ
た。
得られた潤滑性絶縁電線の特性を第1表に示す。
実施例4゜ 直径0.2執の銅線上にワニスAを数回繰返し塗布焼付
け、その上にワニスDを塗布焼付け、更にその上に融点
54〜56°Cの固形パラフィン400gと融点68〜
70℃の固形パラフィン200 gを混合した固形パラ
フィンを70 ’Cで加熱溶融させミゾローラーで塗布
し、更に溶融したパラフィンを浸み込ませたフェルトで
鮫って潤滑性絶縁電線を得た。尚、フェルトには100
 ℃に加熱したブロックをのせた。
得られた潤滑性絶縁電線の特性を第1表に示す。
実施例5゜ 固形パラフィンのかわりにヘキストワックスE(ヘキス
トジャパン社より発売されている、c28〜C32の炭
素数のカルボン酸を主成分とするモンクンワックス酸を
2価アルコールによりエステル化して得られたもの)を
使用した点及θ加熱溶融温度を85°Cにした点以外は
実施例4とまったく同様にして潤滑性絶縁電線を得た。
得られた潤滑性絶縁電線の特性を第1表に示す。
実施例6゜ 直径1.Qmの銅線上にワニスBを数回繰返し塗布焼付
け、その上にワニスCを数回繰返し塗布焼付け、更にそ
の上に融点54〜56℃の固形パラフィン400gと融
点68〜70℃の固形パラフィンを混合した固形パラフ
ィンを65°Cで加熱溶融せしめ、ミゾローラーで塗布
し、更に溶融パラフィンを浸み込ませたフェルトで絞っ
て潤滑性絶縁電線を得た。尚、フェルトにはl OO’
Cに加熱したブロックをのせた。
第  1  表 ”S1ミ11 代理人 弁理士  上 代 哲 司u”Q+’;^−g
二′

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)常温で固体の有機潤滑剤を加熱溶融してエナメル
    線上に塗布する方法において塗布部そして/又は絞り部
    を加熱することを特徴とする潤滑性絶縁電線の製造方法
  2. (2)塗布部そして/又は絞り部が加熱したフェルトで
    ある特許請求の範囲第(1)項記載の潤滑性絶縁電線の
    製造方法。
  3. (3)有機潤滑剤が融点の異なる二種以上の有機潤滑剤
    である特許請求の範囲第(1)項記載の潤滑性絶縁電線
    の製造方法。
  4. (4)潤滑性絶縁電線の静摩擦係数が0.1以下である
    特許請求の範囲第(1)項記載の潤滑性絶縁電線の製造
    方法。
  5. (5)潤滑剤のアルキル基の炭素数が21以上のものを
    主成分とする特許請求の範囲第(1)項記載の潤滑性絶
    縁電線の製造方法。
  6. (6)アルキル基の骨格の一部が−(CH_2)−_n
    から成り、n≧20である特許請求の範囲第5項記載の
    潤滑性絶縁電線の製造方法。
  7. (7)潤滑剤の平均分子量が1000以下である特許請
    求の範囲第(1)項記載の潤滑性絶縁電線の製造方法。
  8. (8)エナメル線上に塗布される潤滑剤の平均の厚みが
    1ミクロン以下である特許請求の範囲第(1)項記載の
    潤滑性絶縁電線の製造方法。
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