JPS6111614B2 - - Google Patents

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JPS6111614B2
JPS6111614B2 JP55093777A JP9377780A JPS6111614B2 JP S6111614 B2 JPS6111614 B2 JP S6111614B2 JP 55093777 A JP55093777 A JP 55093777A JP 9377780 A JP9377780 A JP 9377780A JP S6111614 B2 JPS6111614 B2 JP S6111614B2
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light
electrical output
wavelength
measurement
organs
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JP55093777A
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Furederitsuku Epujisu Furansu
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DEYUUKU UNIV Inc
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DEYUUKU UNIV Inc
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、器官の代謝作用を測定するための
装置に関するものであつて、人体または動物体に
おける皮膚および骨の血液量、器官血液量、脳
髄、心臓、腎臓、その他の器官、肢節またはその
他の部分におけるヘモグロビンの酸化状態および
血液流量の変化と共に、細胞質状チトクロムの定
常的な酸化還元状態の変化を、生体内の本来の場
所に器官を所在させたまゝ、かつ身体内に装置を
侵入させることなく測定することにより細胞質酸
化代謝作用を測定することを目的とした装置につ
いて説明および図解を行う。
代謝作用および更にくわしくは酸素利用の充足
度および適切度が、いかなる生体器官の機能を評
価するにも基本的に重要なパラメータであること
は一般に知られている。これは、組織機能に対す
るエネルギ貯蔵量の94%以上が、O2のH2Oへの
還元を含む酸化反応により保証されることを考え
れば自明になる。充分な酸素がない場合には、こ
の反応過程は充分な作用をせず、従つて器官の機
能に障害を伴う。広範な酸素欠乏の場合には、長
期に亘り器官が生存能力を失い、その結果身体も
しばしば同じ運命となる。
すべての器官は酸素不足によつて不利な影響を
受けるが、おそらく脳の場合には、酸素要求に関
するその鋭敏な感性と、その適性な機能および生
存能力が酸化代謝作用に完全に依存しているの
で、問題は最も急を要する。例えば、12秒以上脳
内に配素がなければ機能障害を起し、また数分以
上長く酸素がない場合には、回復不能な損害を与
える。酸素利用の障害がより緩かな場合には、特
に脳皮質の高い中心部において、脳機能が次第に
失われる。
酸素の充足度が人体生理学に致命的な役割を果
すので、各種の器官、特に脳および心臓機能の評
価に関しこのパラメータを測定するために、多年
に亘つて集中的な努力が行われて来た。しかしな
がら、身体内に測定装置を侵入させることなくそ
つくりそのままの完全な脳髄、心臓または何れか
の他の器官におけるパラメータを直接測定するこ
とは従来不可能であつた。先行技術はすべて第2
次的性格のもの(例えば、低酸素症における脳波
の記録上の変化)または間接および外傷性性格
(例えば血液量測定)のものであつた。
現在、機能障害を示す脳波記録は、脳髄中のき
びしい吸気内酸素欠乏状態の診断のために主とし
て有益である。同様に、心電計記録が心筋内の酸
素不足を確認するのに用いられる。しかしなが
ら、このような方法は、状況が非常に進行した場
合においてのみ診断に役立つのであつて、病理学
上これらの微候のきざしがある前は、器官も患者
もなりゆきまかせの状態にある。
脳血液流の測定、および更に最近では心筋血液
流の測定は、循環不全が組織に対する不十分な酸
素給配の主原因であるという仮定に基いて実施さ
れている。この仮定は多くの場合おそらく正しく
はあるが、測定方法が間接的であり、動脈−静脈
(A−V)分流の形成の可能性により混乱させら
れて、特に微局部の変化を伴う場合には、正確に
微局部血液流量を識別することが不可能であると
いう事実が残る。
局部血液流量の測定は現在問題の器官に供給さ
れる血液中に放射性物質を混入し、患者の局部放
射能を測定することによつて行われている。投与
は、ガスの放射性同位体の吸入によるか、または
そのようなガスを含む溶液の動脈または静脈注射
によつている。このガスは、血液および組織内で
容易に分解するように充分に溶解性でなければな
らず、またその同位体は、充分に強い放射線を有
していて、外部から測定できるように上部組織に
浸透しなければならない。一般にこの目的のため
には133キセノンが採用される。
最も普通に用いられる方法は、脳組織に或る程
度の浸透が達成されるまでは、溶液を含む133キ
セノンの丸薬を動脈内に与えたのちか、または
133キセノンを含むガス混合物を呼吸させたのち
洗い落し(Wash−out)技術である。肺に流入す
る血液が、133キセノンを血液から急速に排除
し、動脈レベルは急激に低下して、組織内の133
キセノンのレベルは、キセノンなしの動脈血流と
の平衡化によつて洗い落される。このプロセスの
もたらす評価は、主に観察した区分を通過する血
液流量によつて決定される。普通には、異つた時
間コースを有する数区分を観察するが、第1区分
は血液自体であり、他の区分は、異つた循環パラ
メータを有する種々の小部分の組織である。完了
するのに数十分もかかるこれらの洗い落し曲線か
ら、次いで組織(単数または複数の)内の血液流
量を計算する。循環不足があるかどうかについて
推論を行い、組織に対する酸素給配不足があるか
どうかに関し、この推論を更に推進させる。この
方法は得られた資料の間接的性格は別として、患
者を放射能にさらす必要があるという点で重大な
欠陥がある。
更にもう1つの処置においては、動脈−静脈
(A−V)差別技術を用いて、そつくりそのまま
の器官の両側の吸収力を評価するよう努力する。
この方法は、組織に供給している動脈血液内と、
そこから帰還する静脈血液内の酸素濃度の差異の
測定に頼つている。
例えば、脳髄研究に用いる場合には、動脈血液
のサンプルは抹消動脈から、また静脈血液のサン
プルは頚動脈管に皮下注射針を挿し込んで頭部か
ら帰還する血液を抽出する。また、酸素吸収量を
計算するために血液の全体流量を測定しなければ
ならない。測定が脳以外の頭部の構造からの酸素
吸収で汚染されるという事実は別として、この方
法は、外傷性のもので、頚静脈管を突き刺す必要
があるので或る程度の危険を招く。そればかりで
はなく、心筋からの純粋の静脈血液は、あり来り
の方法では得られないので、心筋酸素吸収力につ
いての測定が妨げられる。
酸素計測定法技術は、一般に動脈血液の酸素保
有量を測定するために広く採用されて来た。しか
しながら、このような技術は、本来器官または細
胞質代謝作用、かつ更にくわしくは酸化代謝作用
に関する情報提供を指向しているものではない。
酸素計の構造および酸素計測定法に採用されてい
る技術は、当業者間には広く知られていると信じ
られているが、それらについての論及は、オラン
ダ国のKoninklijke Van Gorcum & Comp.N.
V.、Assenが1958年に出版したW.G.Zijlstra、M.
D.著“A MANUAL OF REFLECTION
OXIMETRY”なる著書に見出される。この文献
の有益な背景は次の論文に発見できる。(1)
Review of Scientific Instruments、1942年、第
13巻、434−444頁;(2)L.A.CeddesおよびL.E.
Baker共著、“Principles of Applied Biomedical
Instrumentation”85−91頁、1968年;(3)Journal
of Applied Physiology、17:552−558頁、1962
年;(4)journal of Laboratory and Clinical
Medicine、34:387−401頁、1949年(5)Annals of
Surgery、130:755−773頁、1949年。米国特許
3463142;3647299;3825342;3998550そして
4086915が更に酸素計技術を図解説明している。
組織の反応を起させるほど強烈でない無障害低
出力レベルの可視または近可視レーザ光線による
組織の透視法が米国特許3769963で論議されてい
る。また、その特許は、実施例を示す第1図で、
骨と組織とを含む比較的長い光路を透過させるた
めの試みとして、前記のような無障害の光源の使
用について図解説明している。米国特許3764008
および4077399もまた、有益な背景情報を提供し
ている。診断上の処理として強烈な非干渉性光源
を用いた透視法が、ニユーヨーク州、ニユーヨー
クのGordon and Breach、Science Pvblishers、
Inc.1971年出版の、Leon Goldman、M.D.および
R.James Rockwell、Jr.共著になる著書
LASERS IN MEDICINE”の第373頁に説明して
ある。この本の“Laser Biology”という表題の
章もまた有益な背景を提供している。診断技術と
してのレーザ透視法はまた、Springer Verlag
New York Inc.の1967年出版のLeon Goldman、
M.D.の著書 BIOMEDICAL ASPECTS OF
THE LASER”の第130頁で議論されている。こ
れらの参考書から見られることは、骨と組織と皮
膚を含む比較的長い光路上の光の通路が得られる
ということである。しかしながら、これらの参考
書の内、この発明の目的または成果、すなわち、
比較的強烈でない比較的低出力レベルの近赤外領
域内の非干渉光線を用い、測定装置を身体内に侵
入させることなく、生体内の本来の場所に器官を
所在させたまま、器官の代謝作用を非外傷、かつ
連続的に測定する方法を指向しているものは1つ
もない。
周期的にくり返す基準となる光と測定用の光の
パルスを設定するための、また生体外で検知した
両者の光の差異または強度を測定するための回路
構成が米国特許3799672および3804535に説明して
ある。また、米国特許3804535は、米国特許
3923403が行つているように、光電子増倍管の電
源へのフイードバツクの型を教示している。この
ようなフイードバツクについて言及したのは、従
来の透視法、或いは反射法では、器官を生体内の
本来の場所に所在させたまま測定できなかつたの
に対し、本発明では特独の型式のフイードバツ
ク・システムを採用し、装置を身体内に侵入させ
ることなく、また生体内の本来の場所に器官を所
在させたままで、血液量の変化を補正し、器官の
酸化代謝作用を測定するようにしているからであ
る。
アイソベステイツク・ポイント(aisobestic
point)、すなわち、酸化血液と脱酸血液の光吸収
作用が等しくなるような波長の光(第4図B参
照)を基準信号に採用すると、他の波長での測定
信号の吸収特性を知ることができるという事実を
示すための技術として、米国特許3804535につい
ても注目しなければならない。しかしながら、こ
の技術はこれまで、本発明に示すごとく細胞質お
よび器官代謝作用を測定する際に血液量の変化を
補正するための手段として採用されなかつた。
認識さるべき先行技術のもう1つの態様は、2
つの状態、すなわち被検者を通過して送られてき
た光と被検者を通過することなく直接送られてき
た光とを比較して回路パラメータを決定すること
により、光学密度を決定するといういわゆるベー
ル・ランバートの法則(Beer−Lambert Law)
の適用である。種々の文献源がこの法則の適用方
法について議論しているが、その1つの文献源が
上記の米国特許3923403である。
生理学上の測定のために種々の測定波長と基準
波長との組合せが先行技術においていかに応用さ
れて来たかを認識することは、この発明の認識に
とつてもまた有益であると思われる。このことに
ついては、各種の単一および多重波長の組合せの
背景例に対し米国特許3704706;3709672;
3804535;3807390;3811777;3831030および
3910701を参照できるがその内のいくつかは、こ
の発明にとつて関係のある赤外線に近い領域内に
ある。しかし、前記のすべての先行技術について
注目すべきことは、それらの中で開示されている
方法または回路構成装置は何れも、代謝作用、更
にくわしくはこの発明におけるように内部器官の
細胞酸化代謝作用を生体内の本来の場所で測定す
るための装置を提供しているものはない。
このように、循環呼吸作用機能、動脈血液酸化
および血液サンプルそれ自体が光度測定技術によ
つて測定されて来たが、現存の方法および装置
は、脳および心臓などのような重要な器官につい
ての酸素の充足度および代謝作用全般を評価する
ためには適していないことが明らかとなつた。更
に、このような先行方法および装置は、正確な情
報を提供しないばかりでなく、しばしば外傷性で
ある。従つて、この生命維持パラメータ、すなわ
ち細胞酸化代謝作用を、生体内の本来の場所にお
いて、また身体に対して不侵入、非外傷的に、か
つ連続的に正確に測定できる装置が必要であるこ
とは明白である。検査されている器官の血液量と
血液流量を検査することのできる必要性も同様に
重要である。
細胞酵素チトクロム (チトクロムCオ
キシダーゼとしても知られている)が、酸化代謝
作用においてかぎの役目を有していることが知ら
れている。すなわち、酵素は直接酸素と影響し合
つて、O2のH2Oへの還元の際エネルギの解放を
媒介することが立証された。これは、O2へ4つ
のエレクトロンを触媒助成し、次いで4つのH+
イオンと化合させることによつて達成される。
O2の供給が不適切な状態においては、エレクト
ロンが蓄積して酵素母集団は一層還元された定常
状態へ移る。従つて、この生体内原位置での酸素
利用酵素の酸化還元状態を連続的に測定して検査
する能力は、問題の組織または器官における酸素
充足のパラメータについて決定的な情報を供給す
るであろう。この発明によれば前記のことができ
るとともに、血液量の血液流量とを不侵入かつ非
外傷性方法で測定することができる。
これは、光学技術によつて達成されるものであ
り、その適用は、肉体およびその諸器官が、近赤
外線のスペクトル領域内の低レベルの非危険性光
エネルギに対し比較的透過性であることを観察す
ることにより可能になつたのである。特に重要な
ことは、波長が約700〜1300nm(ナノメート
ル)の間にある比較的低レベルの放射光が、人間
または動物体内の任意に選ばれた部分内の比較的
長い光学透視光路または反射光路、即ちかなりの
量の骨と共に柔い組織および皮膚を含む光路を浸
透し、伝播されかつ末端で測定可能なことが発見
されたことである。好都合にも、チトクロム
は、前記のスペクトル領域内で光を吸収する
特性を有しているが、その特性はその酸化状態に
よつて変化する。従つて、この発明は、これまで
の技術で知られていなかつた分光測定装置によつ
て、この酸素利用酵素の酸化還元状態を測定する
ことが可能であることを認識する。
この発明による分光光度測定は、周期的にくり
返し放射され、かつ波長が異なる少くとも2つの
近赤外線を、生体内の本来の位置にある被験器官
に放射し、器官を透過し、或いは器官から反射し
た光線の強度を検出測定するもので、測定結果を
前記のベール・ランバートの法則を利用して生物
学的な反応として評価する。波長の一つは酸化チ
トクロム が高度の吸収作用を示す帯域内
から選択され、これを測定波長とする。さらに、
この帯域内の吸収ピーク以外の、しかし測定波長
に比較的近接した波長を有する1つまたは2つの
基準波長を追加する。検出した測定波長および基
準波長の光の強度に相当する電気信号を、適当な
回路を用いて単純に減算、または比例計算し、チ
トクロム による吸収作用に関与しない非
特定な偏差を排除する。
反射法に基く1実施例においては、光源と光検
知器とを頭の同じ側に離間させて配置し、光入口
点に反射して来た光を検知して、皮膚の血液量変
化のための補正として用いる。脳の灰白質により
散乱させられた光と、脳の白質から反射した光を
区別して、脳の灰白質内の酸素充足度を示すもの
として知られている信号を発生させる装置を設け
る。
選ばれた器官の細胞内のチトクロム
酸化還元状態を測定して細胞の酸化代謝作用を連
続的に測定することが主要関心事ではあるが、器
官の機能に関する血液循環パラメータについての
補助的データもまた、この発明の透視法および、
反射法技術によつて得ることができる。例えば、
与えられた器官に供給された血液の酸化状態は、
前記のスペクトルの近赤外部領域内では、やや異
つた波長、例えば740−780nmのヘモグロビン帯
によつて検査することができる。同様に、その器
官の総血液量についてのデータは、ヘモグロビン
(Hb)とオキシヘモグロビン(HbO2)のアイソベ
スチツク・ポイント、すなわちHbおよびHbO2
吸収作用が等しくなるような波長(第4図B参
照)における光の強度を検出することによつて得
られる。この周知の分光測光器の条件は、2つの
形の同じ分子または分子の混合物が同じ吸収強度
を有する波長に関連する。このようにして、酸化
および脱酸ヘモグロビンに対しては、上記のアイ
ソベスチツク・ポイントが810と820nmの間で変
動する。上記の波長のばらつきは、この範囲の
HbおよびHbO2の非常に低い光学密度と、この波
長範囲で最も普通に利用し得る分光測光器の相対
的な無感覚性から起る問題から由来する。実際問
題として、815±5nmの全範囲の波長は、どんな
波長でも、測定目的が、波長のばらつきに由来す
る小誤差を問題にしない場合には、使用しても危
険はない。更により広い範囲の波長がこの目的の
ために役立ち得る。これは血液量の小変化によつ
て生ずる吸収作用の変化の方が、Hb→HbO2シフ
トによる干渉、すなわちアイソベスチツク・ポイ
ントのばらつきによつて生ずる誤差より大きいか
らである。血液量を求めるもう一つの方法として
は、反対の光学密度(CD)を有する二つの波長
を組合せるという従来あまり実施されなかつた技
術を前述の干渉作用に対応させることである。こ
のようにして、Hb→HbO2シフトに対し、光学密
度差(△OD)、すなちHb→HbO2の差スペクトル
が等価で符号が反対になる状態は、第4C図に示
すごとく788および870nmのところに生ずる。2
つの波長において等強度ながら反対符号のこの信
号の組合せをコントラベステイツク・ペア
(“conhrabestic pair”)と呼ぶ。測定すべきピ
ークの強さと変化の状態が波長に依存してばらつ
いている場合は、ピークをはさむ二つの基準波長
を用いているのが特に有益である。波長の光学密
度変化の正味合計がゼロになるように選ばれた一
連の波長は、干渉作用の抹消を実施するもう1つ
の方法である。反対にHbからHbOへのシフトま
たはその反対方向へのシフトの影響が支配的であ
る場合に生ずる誤差を補正するために「イクイベ
ステイツク」ペア(“equibestic”pairs)が用い
られる。この場合は、干渉作用が進んでいるさい
に、測定波長に生ずるOD効果のように、同じ方
向に等しいOD効果を有する基準波長を選ぶ。
その上、この発明の透視法技術または反射法技
術を用いると、たとえ非連続にでも、染料、例え
ば近赤外部スペクトル領域内で吸収特性を有する
「カーデイオグリーン」(Cardiogreen)の少量を
迅速に供給するか、または二者択一的に、テスト
患者に、高濃度または低濃度の酸素を含むガス混
合物を交互に1呼吸ずつ取らせるか、または小量
無害のCOの混合物を呼吸させることにより、血
液流量を測定することができる。染料の吸収帯の
スペクトル領域内において、器官の光学密度を差
動的に測定できる2つの波長を選ぶことにより、
全血液量の脳循環および希釈物内での染料の到着
並びにそれに次ぐ出発を示す光学信号、いわゆる
走行時間が測定できる。後者は、ツアーラ
(Zierler)によつて立証された血液流量を直接示
している(著書“PRINCIPLES OF APPLIED
BIOMEDICAL INSTRUMENTATION”を参照
のこと)。同様に、ヘモグロビン化合物(HbO2
HbCOまたはその他)の光学密度差は、吸い込ん
だ空気が突然かつ簡単に変化した場合に光学信号
を出すために使用することができる。
本発明は、添付図面について述べる以下の詳細
な説明を参照することにより一層よく理解でき
る。
本発明の特徴は、約700−1300nmの範囲で、
比較的低い無危険の密度の波長を有する近赤外部
領域内の光エネルギを、生体器官を取り巻いてい
る軟組織と骨の両者、しかも比較的長い光学光路
に浸透させることができ、前記光学路の末端で検
知された光を、酸化代謝作用に関連させ得るとい
う所見にある。この波長範囲はまた重大であるこ
とが証明された。というのは、700ないし1300n
mの波長範囲においては、酸化ヘモグロビン
(HbO2)が極度に低い吸収特性を有し、一方脱酸
ヘモグロビン(Hb)は、815nmより波長が小さ
くなるのに従つて緩やかに上昇し、約760nmの
ところに小ピークを有する吸収作用を示すからで
ある。これらの光学特性のために、Hb−HbO2
定常状態(すなわち、静脈−動脈平衡)が測定で
きる。
これに加え、かつ非常に重要なことに、この発
明は、生体組織におけるチトクロム もま
た700ないし1300nmの波長範囲に酸素依存の吸
収帯を示すということを認識する。酸化反応にお
けるこのキー酵素が充分な酸素の存在内にある場
合には、弱吸収帯が780〜870nmの領域内にあ
り、最大吸収帯は約820ないし840nmとなつてい
る。酸素がなくなると酵素が完全に還元し、同時
に吸収帯が消滅する。
チトクロム は粒体呼収系の末端素子で
あつて、細胞内の酸化代謝作用の主要経路の最終
段階において、分子酵素への4つのエレクトロン
の供給体として機能する。この反応において、エ
レクトロンは酵素の4つの金属性酸化還元要素、
すなわちおよび ヘム(Hemes)の2つの
鉄原子と、2つの銅原子から酸素へと連鎖移動す
る。その後または同時に4つの水素イオンと化合
して、H2Oを生成する。代謝基質内と、H2O内の
水素間の自由エネルギの差異が、アデノシン・2
リン酸塩(ADP)のアデノシン・3リン酸塩
(ATP)への酸化リン酸化を通して、高エネルギ
リン酸価標の形で部分的に保存される。後者の化
合物は、細胞内の主要自由エネルギ担体として役
立ち、正常な生理機能と細胞残存のために要求さ
れるエネルギ吸収反応の大部分の自由エネルギの
要求に応ずる。細胞ATP生成物の90%以上が酸
化リン酸化によるものであり、かつ酸素利用が、
チトクロム から酸素へのエレクトロンの
移動量にかかつているので、この酵素は細胞酸化
代謝作用およびエネルギ論で重要な割合を果して
いる。充分なO2がない場合には、エレクトロン
がチトクロム 内に蓄積して、一層還元さ
れた定常状態を作る。このようにして、この発明
は、この酵素の酸化還元状態についての直接測定
が、生体組織および器官内の酸素効力とその利用
の適切度について決定的データをもたらすであろ
うことを認識する。
チトクロム の酸化還元状態を、生体内
の本来の場所において、身体内に装置を侵入させ
ることなく連続的に測定するには、適切な波長
の、比較的低出力レベルでの、かつ対応する比較
的低濃度の近赤外線を或る位置から放射し、被験
器官を透過、または該器官から反射させ、もう1
つの位置に現われる透過または反射散乱光線を光
電子増倍管に導いて検波および測定を行う。
この測定は二重または三重波長方式で行い、波
長の一つは測定信号とし、また他の波長は基準信
号とする。測定波長は、好ましくは生体内で観察
されるチトクロム の吸収ピークの中心に
あたる約840nmであるが、しかし選択はそのよ
うに限定されてはいない。というのは、吸収帯に
おける他の波長も利用できるからである。
測定信号と基準信号との間の差異を計算するこ
とにより、チトクロムの吸収に役立たない透過ま
たは反射特性内の非特定変化は実際上消去され
る。適正な電子回路を用いて別々の信号を増幅か
つ検波し、それらをDC電流に変換して差動記録
のために差引きする。
二重方式の一変形では、815nm±5nmでHb−
HbO2のアイソベステイツク・ポイント
(isobestic point)を基準波長として用い、発生
した信号についてのフイードバツク制御装置で血
液量の変化を補正する。すなわち、光電子増倍管
に供給する高圧源に接続した負帰還回路を用い
て、測定中の組織内の血液量の変化によつて生じ
た基準信号レベル内の変化に対し、基準信号を補
正する。次いで、測定波長が透過されているさい
の合間に電圧調整を維持する。光電子増倍管に供
給される電圧の変化は、その大きさが光路上の血
液量の変化に正比例するから、事実上これらの変
化がこの重要な循環パラメータを測定し、かつ記
録される。
三重波長方式においては、3つの波長が放射さ
れる。すなわち、測定波長および2つの基準波長
である。望ましくは、基準波長は測定波長を跨越
して比較的それに近接している。1つの基準波長
を測定波長より100nm以下であるよう、そして
他の波長を測定波長より約100nm高くなるよう
選ぶのが適当な選択であろう。血液量の変化によ
る干渉が現われた場合、2つの基準波長について
はコントラベステイツク・ペア
(contrabesticpair)を利用する。Hb→HbO2の変
化が血液量の変化を上まわる場合には、イクイベ
ステイツク・ペア(equibestic pair)を採用す
る。
上記のとおり、ヘモグロビンもまたスペクトロ
の近赤外部領域で酸素依存吸収特性を有してお
り、これによりHb−HbO2の定常状態の連続的な
測定ができる。事実上、脱酸ヘモグロビン
(Hb)は、815nm以下約760nm付近の小ピークま
で漸減する波長で緩慢に上昇する比較的弱い吸収
作用を示すという利点がある。このようにして、
Hb−HbO2の定常状態についての測定は、760nm
および840nmの測定波長と815nm(Hb−HbO2
イソベスチツク・ポイント)の基準波長との吸収
差を測定することによつて行うことができる。
上記の議論から、この発明の装置による透視法
または反射法を用いて、器官の代謝作用を関し非
常に重要な意味をもつパラメータ、特に循環適切
度および酸素充足度についての情報が要求される
状況下において、生体内の本来の位置において、
また身体に対して不侵入、非外傷、かつ連続的に
測定を行い得ることは明らかである。これらのパ
ラメータは次の3項目を含んでいる: 1 チトクロム の正常機能、および生体
組織内で消費する酸素の90%以上を媒介する細
胞酵素に対する酸素効力の適切度。
2 問題の組織内の総血液量、および 3 酸化動脈血液(HbO2)および脱酸静脈血液
(Hb)の相対的支配についての定常状態状況。
なお、この発明の透視法または反射法により、
前述のように、かつ前記パラメータに関し記述し
たように、血液流量の測定ができ、列挙した3つ
のパラメータの測定が夫々独立した測定法を構成
する一方、この発明が複数のパラメータの測定を
企図していることに注目すべきである。
好ましい1実施例においては、3つのパラメー
タはすべて、三重波長技術により単一システムで
連続的に測定されるが、前記技術では、1つの基
準波長と2つ測定波長とが被検中の組織に対し30
ヘルツ以上(>30Hz)の速さで交互に現われ、最
も迅速な代謝作用反応の測定に対し充分な時間的
解決を与えている。測定信号から減算すべき基準
信号には815nm±5nmの波長のHb−HbO2アイソ
ベステイツク・ポイントを用いる。測定波長の1
つは、約840nmで酸化チトクロム のピ
ークを測定するが、一方他の波長は、約760nm
で脱酸ヘモグロビン吸収ピークを測定して、Hb
−HbO2の定常状態についての信号を得る。測定
波長の選択は、760および840nmに限定されな
い。なぜならば、チトクロム およびヘモ
グロビン吸収帯内の他の波長も同様に適用できる
からである。しかしながら、約760および840nm
の波長が一般に好ましい。基準信号についてのフ
イードバツク制御装置が血液量の変化を補正し、
かつテスト組織内の血液量を測定するために用い
られる。すなわち、前に説明したように、フイー
ドバツク・ループにおける電圧の変化を、血液量
の変化の尺度として記録する。
もう1つの例では、酸化チトクロム
吸収帯の測定のために約840nmの測定波長およ
びヘモグロビン・スペクトル内でコントラベスチ
ツク・ポイントを構成する2つの基準波長を用
い、2つの基準波長から得た信号を合計し、単一
のHb−HbO2のアイソベステイツク波長に対する
のと同じ方法で、検査中の器官内の血液量の変化
を補正し、かつ測定する。第4C図に示すよう
に、2つのコントラベステイツク波長における吸
収変化の間の数学的差異は、器官へのO2供給の
変化か、またはそれの代謝作用の変化または不調
によりもたらされる器官のHb−HbO2の定常状態
におけるシフトを示している。このようにして、
測定波長を跨越してコントラベステイツク・ペア
の波長を用いると、血液量の変化および光の散乱
変化が生じたさいに、チトクロム 信号が
よりよく補正できるばかりではなく、同時にテス
ト器官内の血液のヘモグロビン酸化のシフトにつ
いて情報が得られる。
次の実験は、生理上の役目を果しているテスト
患者のそつくりそのままの器官の酸化および循環
パラメータの連続的測定を達成するため本書に説
明した生体内原位置不侵入非外傷性方法の可能性
を示すために、特に透視法技術を用いて行つた。
後述するとおり反射法技術を用いても同様に達成
が可能である。
実験 脳は正常に機能するために最も敏感に酸素に依
存しかつその上をおおつている組織の干渉をほと
んど受けないで容易に接近し得るため、最初の実
験は、そのまま完全な頭蓋骨と筋肉組織および皮
膚を透視して猫の脳について行つた。
実験の準備として、ペントバルビタール(40
mg/Kg)で動物を麻酔させ、気管切開を行い、管
を差し込み、かつ大腿部に動脈および静脈カニユ
ーレを備えた。両側頭の約2sp・cmの冷域に亘
り、脱毛剤によつて毛を全部除去した。両側頭間
が4.86cmある頭を立方方式の保持器内に固定し、
光学フアイバの導光束の各側頭の皮膚にしつかり
と圧接させた。2つのモノクロメータから放射さ
れた適宜の波長の近赤外光線を、一つの束を介し
て一方の側頭部から頭内に透過させ、他の束が頭
の反対側から出る光を検波および測定用の光電増
倍管へ導いた。側頭部の入口点における光学密度
は比較的低くて、平方センチメートル当り約
2.15-5ワツトであつたが、これは現在のところ人
体への適用に対し無害レベルであるとされてい
る。60ヘルツの周波数で、2つの6.6nmのスペク
トル帯が交互に現われた。充分な光を受けて検波
し測定した。前に言及し、かつ更に第5図、第6
図および第7図に示すような電子回路を採用して
て、別々の信号を増幅かつ検波し、それらをDC
に変換し減算してその差を読み取つた。一方の波
長帯は基準信号となり、他方の波長帯は測定信号
となつた。基準波長には、815nm領域のHb−
HbO2のアイソベステイツク・ポイントを選ん
だ。光電子増倍管に供給している高圧源側の負帰
還回路が、光路内の血液量の変化に対し基準信号
を補正した。電圧の変化は血液量の変化を表わす
ので、それらの変化をこのパラメータの示標とし
て記録した。更に、大腿部の動脈血圧の変化を測
定するための装置も設けた。
上述の循環パラメータを測定したが、この実験
の主目的は、テスト中の動物を麻痺させたのち、
3分間人工呼吸を中断させることにより生ぜしめ
た一時的仮死状態のさい、チトクロム
よび脳ヘモグロビンについての動的測定を得るこ
とであつた。アナログ検波システムを用いて得た
結果が、図面の第2図および第3図に示してあ
る。
第2図を参照すると、最上段の線は、760−
815nmの波長差に対して記録された信号を示
し、かつ部分的動脈(酸化)状態から、より静脈
(脱酸)状態へのヘモグロビンの変化を示し、中
央の線は、定常基準信号(815nm)のためのフ
イードバツク安定を行つたのち光電子増倍管へ供
給している負電圧を示している。線の中の上昇部
はこの波長(Hb−HbO2)(アイソベスチツク・
ポイント)における光学密度の減少を示し、血圧
(下方の線)の降下を伴うように見える。脳血液
量の測定値の減少は、循環が弱化し始めるさいに
生ずることは明らかである。
一時的仮死状態中、次に挿入した吸気内酸素欠
乏期間内のチトクロム の減少が第3図に
示してある。840−815nm差信号は強さが下降し
ているのが見られるが、これは酸化状態から還元
状態(最上線)への動きを示す。人工呼吸の回復
後、細胞酵素が酸化状態に戻つてこの状態の吸収
特性が再び現われたことも認められた。第2図に
おけるように、中間および下位の線は、それぞれ
血液量と血圧の変化の発生を示している。
実験 この実験においては、テスト患者について頭蓋
内の血液量の変化を、生体内の本来の場所に器官
を所在させたまま、また装置を身体内に侵入させ
ることなく、かつ非外傷的に測定した。平均より
大きい頭部寸法(側頭部の径13.3cm)を有する健
康な成人男子について機能テストとして、吸入空
気の成分を変化させ酸素不足により脳内の循環を
漸減させる方法を採用した。
実験を行うさいに、各側頭部に一束の導光光学
フアイバをしつかりと取りつけて密着光源とし
た。1つの束(断面積が0.567cm2)が一方の側頭
部に815nm(Hb−HbO2アイソベステイツク・ポ
イント)の波長の光を透過させたのに対し、他の
束は、反対側の側頭部から出る光を光子計数管へ
導いて測定した。側頭部への入口点における光学
濃度は、比較的低くて、平方センチメートル当り
約48μワツトであつた。検波感度を増大させるた
めに、アナログ装置の代りに光子計数装置を用い
た。読取りのため計数間に1秒の間隔を介在させ
て各10秒の逐次計数期を用いた。第1計数期の開
始少し前に、過度呼吸を開始した。
計数期が進むにつれて、増大正味計数値(総計
数値マイナス素数値)に反射した光学密度の顕著
な減少が認められた。これは添付図面の第1図に
線図で示してある。実験の過程で、テスト患者の
口頭コメントを書き止めたが、めれらのコメント
が光子計数管の記録と相互関連していることがわ
かつた。すなわち、第3計数期の当初に、めまい
の感じが記録されており、第4期では更に強いめ
まいが、そして第5期では患者はめまいがあまり
ひどくて続けられないことを示した。このように
して、この実験は、生きている患者の部分的脳虚
血について、生体内の本来の位置に器官を所在さ
せたまま、また装置を身体内に侵入させずに、か
つ非外傷的に連続的に測定するのに成功したこと
を論証している。
実験 例えば組織に供給している血液内の酸素の欠乏
により酸素欠乏症になつた場合、その出来事の前
後の近赤外部スペクトルを比較すると、ヘモグロ
ビンは、最大に脱酸した形に向い、かつチトクロ
は還元されているはずである。第4A
図には、頭蓋透視法により猫について行つたその
ような実験の結果が示してある。正常に呼吸して
いる麻酔をかけた動物と、仮死による死後との間
で測定した多数の波長における光学密度が点とし
て示してある。標準化のかめに、その後740およ
び780nmポイントを用いて、ヘモグロビン・ス
ペクトロ形式の生体外測定を行い、これは破線と
して示した。これらのヘモグロビン・データの誘
導例が第4B図および第4C図に示してある。第
4A図の太線は、チトクロムによる吸収作用がヘ
モグロビン差異スペクトルから偏倚していること
を示す。チトクロム の還元によつて生じ
た約840nmの最大差違が示してある。815±5nm
の場合、チトクロム 還元による影響は僅
かであつて、このHb−HbO2アイソベステイツ
ク・ポイントを、血液量変化に対するフイードバ
ツクのために用いる場合には無視し得ることがわ
かる。
血液流量 前に述べたように、任意の器官を流れる血液量
もまた本発明の装置によつて測定できる。測定信
号として815nmフイードバツク信号を、或いは
二者択一的に、740−780nm間のようなヘモグロ
ビンに対しより強い吸収力を有する範囲内の波長
光線を送つて得た信号を用いることができる。1
つの技術手段として、選ばれたテスト波長内の吸
収特性を有する染料の丸薬の動脈注射を用いた。
次いで、丸薬が光路を通過するのに要する時間を
用いて、いわゆる走査時間技術により血液流量を
測定した。より好ましい変形手順においては、テ
スト患者は少量の一酸化炭素の混合物を含む一呼
吸の空気を吸込む。光路を通過する当初のしかも
最高濃度のヘモグロビン−一酸化炭素化合物が血
液内にあることによつて光学信号が影響を受ける
時間的間隔は、Hb−CO化合物が近赤外部範囲内
では事実上光吸収特性を示さないという事実から
生ずる光学密度の減少から明らかである。光学密
度におけるこの一時的減少を用いて、ツアーラ
(Zierler)の参考例に述べてあるとおり、強度と
時間的間隔を記録することによつて血液流量を測
定する。
本発明が認識し、かつこれまでの説明で完全に
評価さるべきことは、本発明の透視法および反射
法による脳の酸素充足度測定の成功は、不随する
脳外組織の酸化代謝作用の速さとチトクロム含量
が、脳組織のそれらと比較して非常に低いことに
よるという事実である。脳チトクロム
濃度が高く、かつ人体脳を通る光学距離が長いこ
とに比較して、皮膚および骨組織におけるチトク
ロム の濃度が低く、かつ光学距離が短い
ので、頭蓋骨を横断して光を通過させて得られる
全体のチトクロム の信号は、主に(98%
以上)脳組織から出る。脳の総血液量の分布につ
いても同じ状況にある。また、心臓の筋肉におけ
るチトクロム の濃度は、脳に較べて遥か
に高いが、胸郭の非心筋および心筋組織を通して
本発明の透視法および反射法技術を適用した場
合、検査の対象および非対象部分の光学距離の割
合は脳の場合と同じようになつている。このよう
にして、一般に身体器官の代謝作用、細胞代謝作
用、および特に細胞酸化代謝作用の測定に対し広
範な適用が示唆されている。
これまでに論議して来た自然発生化合物に加え
て、組織の代謝作用または生理学的機能により、
近赤外部付近で吸収作用に差違のあるヘモグロビ
ンおよびチトクロム およびその他の化合
物は、前記のような機能の測定の対象として用い
ることができる。これら他の化合物は、自然発生
的な化合物であるか、または食物摂取その他の投
与により人為的にもたらされたものであるか、い
まだにはつきりしない。1例としては、局部PHに
よる示差光学特性を有する指示染料の使用が、こ
の技術の有用なもう1つの適用とその延長である
と予見される。というのは、O2欠乏のさい、グ
ルコースの乳酸への解体(解糖作用)が起きて、
粗織のPHに著しい移動をもたらすからである。
本発明はまた、脳、心臓、または他の器官の酸
素充足度を連続的に測定し、かつ検討する必要が
ある場合の臨床状態において非常に有利に用いる
ことができる。例えば、そのような情報は、非常
に要注意の装置内の患者、特に米国特許3704706
において前に認識しかつ論議したような早産児の
処置のさい、外科手術の過程で決定的に重要であ
る。後者の状況においては、非常に重要な問題は
早産児にどの程度の酸素を与えるべきかというこ
とである。あまり多過ぎると盲目になり、かつ永
久的肺臓障害となる一方、少な過ぎると脳障害ま
たは致死となる。この発明が提供するような、酸
素レベルの測定における改良はこれらの問題を大
いに減少させることができる。
次に、本発明の方法を実施するための回路の構
成および装置、ならびに使用方法について説明す
る。第5図に透視法、第12図に反射法による実
施例を示す。
本装置の計測装置の部分は、同期的にくり返し
発生させた基準光および測定光のパルスの透過光
および反射光を光電子増倍管を用いて検出し、基
準光および測定光の光学的強度の差を測定する装
置を提供する。たの種装置は、例えば米国特許
3804535などの先行技術に示されているので、以
下の説明においては本発明による、独特に配列し
た基準および測定波長、受け取つた基準波長の信
号を測定し検波器官内の血液量変化を検出し、補
正するための帰還回路、血液量変化の測定値とし
て記録させるための検出器への調整帰還電圧また
は調整帰還電圧そのものを把握するための関連回
路について述べる。
生体内酸化代謝作用(酸素充足度)および循環
パラメータを連続的、非外傷的に、かつ身体内に
装置を侵入させることなく、生きている器官を本
来の場所に位置させたまま測定するために適合し
た主要な計測器および装置のブロツク図を第5図
に示す。この図は脳測定における頭蓋透視法につ
いて示してあるが、透視法についての大部分の説
明は、後述の反射法においても適用できる。近赤
外部光源20が、光学フアイバ21を通して波長
の異なる光を交互に放射し、検出システム22
が、透過した光の強度を測定する。ホルダ23に
は、光の損失が少く、光入口点および出口点間に
最大量の光を透過させ、かつ取付位置が勝手にづ
れないようなもの、例えば光源およびレシーバを
身体にテープ止めする簡単なものを用い、或いは
固定装置付イヤホーン型のものを用いてもよい。
タイミング装置24が、光源20から放射され
る単色光の閃光速度および閃光順序を調整し、検
出した光を復調する。フイードバツク調整装置2
5は、検出した或る波長(例えばヘモグロビン・
アイソベスチツク・ポイント)の光信号の検出感
度を、負帰還電圧調整を用いて一定に保持し、透
過時間中における被検器官内の血液量変化がもた
らす透過率の変動を補正する。検出感度は、別の
波長の光が次の瞬間に閃光されている間中一定に
保持され、以下、次のサイクルにおいてもこの方
法をくり返す。この負帰還信号は、血液量変化に
対して測定を安定させるばかりでなく、血液量変
化についての情報を提供する。検出した基準信
号、測定信号および上述の血液量変化を示す負帰
還電圧信号は、すべて出力調整回路26に導か
れ、さらに後述する適当な記録装置またはデイス
プレイー装置に導かれる。なお、血液量変化の測
定尺度として検出器への帰還調整電圧または調整
帰還電圧それ自体のいずれを用いてもよい。
赤外部光源20は、適宜のフイルタまたはモノ
クロメータによつて白熱灯またはアーク灯から誘
導されたせまいスペクトル帯(「単色光」)または
発光ダイオード(LED′s)またはダイオード・レ
ーザ(LAD′s)または当該技術で周知のその他の
レーザ装置のような多数の波長の特定光源であつ
てよい。必要な出力供給源およびLEDまたはレ
ーザ・パルス発生器は、もちろん、光源20の一
部として含まれて、比較的低出力レベルで、この
発明に適しているような無害の光学濃度のもので
あると理解さるべきである。
第6図は第5図に示す回路構成および計測装置
をさらに詳細に示したブロツク線図で、第5図と
同様脳測定のために頭蓋透視法をアナログ回路と
して構成したものを示す。本発明の装置によつて
選ばれる各種波長の組合せについては既に述べた
とおりであるが、第6図においては2つの測定波
長、すなわちサンプル波長として840nm(S1)お
よび760nm(S2)を、また、1つの基準波長とし
て815nm(R)を使用している。なお、840nm
は酵素チトクロム が臨界吸収特性を示す
波長、760nmはヘモグロビンが臨界酸化特性を
示す波長、815nmはアイソベステイツク・ポイ
ントである。このような波長を選定するとチトク
ロム の酸化還元状態、ヘモグロビンの酸
化状態、血液量変化の3つのパラメータを測定す
ることができる。第6図の実施例においては、こ
の発明のもう一つの試みとして前記波長以外の波
長を組合わせることを企図している。このため、
本発明の装置は、740ないし890nmの全域に亘つ
て、例えば10nmの間隔で多数のせまい帯域の波
長の光を供給し得るように設計されており、必要
に応じて他の測定波長および基準波長のグループ
を設定できるようになつている。
第6図の説明を続ければ、好ましくは各々せま
い(6nm)帯域に限定された既述の760nm、
815nm、および840nmの3つの波長を有する光
源30が、光フアイバ31および適宜のホルダ3
2を通し透過して、比較的低いレベルの無害な強
さの光を光入口点に供給する。第5図と第6図を
比較するに、第5図に全般的に示した検出システ
ム22は、第6図で、在来構造の光電子増倍管
(光検出変換装置)35、隣接して連結した前置
増幅器36および入力増幅器37より構成され、
第6図に示すように連結してある。この検出シス
テムはIR(Infrared)光線エネルギを電気信号に
変換する。なお、光電子増倍管(光検出変換装
置)35を詳しく説明すると、この光電子増倍管
35は光を受光してその光から二次電子を発生さ
せ、その二次電子を増倍することにより光の強度
に関連した電圧を得るものである。このため、血
液量及び血液量の変化がこの電圧(またはこの電
圧から得られるフイードバツク値)から求められ
るものである。
第5図のタイミング装置24は、第6図では
FETスイツチ40、タイミングパルス発生器4
1、および信号調整器42を含んでいて、これら
の連結は第6図に示す通りとなつている。これら
は、異なる波長の信号を分離し、信号と検出シス
テムとを同期させる機能を持つている。なお、前
記回路の構成および部品には公知のものが使用で
き、例えば、FET(電界効果トランジスタ)の
代りに同等な機能を有する電子装置を用いてもよ
い。例えば、FET(電界効果トランジスタ)型
スイツチ40を提案するが、任意の同等電子スイ
ツチ装置も用いられる。このようにして3つの波
長、すなわち、815nmの基準波長、840nmの測
定、すなわちサンプル波長、および760nmの測
定、すなわちサンプル波長が、比較的低い、無害
レベルで周期的にくり返される光パルスとして放
射され、次いで計測および測定目的のために透過
され、かつ検出される。
第6図の説明を続ければ、第5図のフイードバ
ツク調整システム25は、第6図では高圧(高電
圧)調整器50および図示のごとく接続した高圧
電源51で示されている。血液量読取器用の更に
くわしい回路線図が第7図に示してある。
一般に、フイードバツクの回路構成は2つの機
能を果す。前記の回路構成は、測定のさいの被検
組織内の血液量の変化によつてもたらされた光学
密度の変化を補正し、かつ、血液量変化をそのま
ま測定値として記録できるような信号を出す。更
にくわしくは、この高圧調整または“フイードバ
ツク”回路構成は、基準信号が強くなつたら電圧
を低下させ、反対に信号が弱まつたら電圧を上
げ、感度を強めて、光電子増倍管またはその他の
検出器に供給している電圧を調整するための信号
を出す。分岐点J−1(第6図)における基準信
号(Rの印が付いている)は、指示の通り高圧
(高電圧)調整回路50に導かれて、信号Rの周
期的放射がタイミンダパルス発生器41により調
整される。基準波長は、血液(ヘモグロビン)濃
度に対してのみ敏感であつて、その酸化度に対し
ては敏感でないようにヘモグロビン・アイソベス
テイツク・ポイントで選ばれるので、この操作方
法は、透視界内の血液量の変化を補正し、加え
て、第7図によりくわしく示す血液量読取り回路
(血液量を示す電気信号を読取る回路)70によ
つて記録される血液量の有用な測定値を提供す
る。
第6図の一般的な説明を完結するならば、第5
図の出力調整回路26は、第6図で図示さされた
差動増幅回路(比較装置)60、時定数回路6
1、および対数兼出力ゲイン増幅器回路62を含
んでいる。当業者には第3図の線図からわかる通
り、出力調整回路は、差動増幅器(比較装置)6
0により、サンプル波長S1,S2と基準信号Rとを
比較し、サンプル波長S1およびS2から基準信号R
を減ずることにより差動信号を出し、時定数回路
(ローパスフイイルタ)61を通して適宜にろ波
して表示の邪魔となる雑音を除去し、かつ更に対
数兼出力ゲイン増幅器62により、それをベー
ル・ランバート法に基いてそれぞれ光学密度のユ
ニツト内にあるように、かつ帯形図表、x−yプ
ロツタ、オシオグラフなどのような一般に用いら
れている記録システムに適合できるようそれを調
整する。
第6図には完全には図示していないが、先行技
術の光度測定技術の知識を有する当業者ならば、
次に述べる2つの方法の何れでも、異つた波長を
有する入力信号と検出システムとを同期させるた
めに採用できることを認めるであろう。レーザ、
LaD光、LED光または同様にパルスになり易いパ
ルス源を採用した場合には、タイミングパルス発
生器41を用いてそれらの装置のパルスを調整す
る。代つて、白熱またはアーク灯源を用いた場合
には、チヨツピング・ホイール、フイルタまたは
モノクロメータを用い、二次光源、およびチヨツ
ピング・ホイール内のスロツトルにより作動させ
られるフオトトランジスタ・アセンブリによりタ
イミングパルス発生器41を作動する。何れのケ
ースにおいてもタイミングパルス発生器41は、
検出器出力を復調するFETスイツチ40を制御
する。
前述したようなこの発明の概念的説明を与えら
れれば、当業者は直ちに、受信した基準信号Rの
レベルを測定して対応する血液量を読み取るため
の各種形式のフイードバツク回路を想定すること
ができるであろう。前記の血液量読取り回路が第
7図に線図で示してあつて、第6図に示す血液量
読取り回路70と対応している。第7図では、分
岐点J−2が高圧電源51(第6図)の出力を分
圧器80へ接続し、分圧器80は分岐点J−3で
調整自在の時定数回路81へ接続し、かつそれぞ
れフイードバツク・ループ85′,86′を有する
一対の差動増幅器85,86へ抵抗82を介して
接続しているが、フイードバツク・ループ8
5′,86′にはゲイン調整用可変抵抗88があ
る。それぞれコーズゼロ90およびフアインゼロ
91の抵抗器回路網は第7図に示すように付加的
操作調整ができる。このようにして、出力95
は、フイードバツク電圧に現われた変化を、器官
内の血液量変化として表わすように設計された信
号を出すことになる。ここに再び言及しておきた
いことは、検出器に対するフイードバツク調整電
圧か、または調整フイードバツク電圧自体を、前
記の血液量の変化の測度として記録できることで
ある。
本発明の他の用途への融通性およびデイジタ
ル、光子計測および差動回路が第8図に示してあ
る。第8図の計測装置の構成法は出力供給装置お
よび同類物などのような一般構成部材を示すもの
ではなくて、解決すべき問題は、動作人工物を作
り、かつ鼓動間隔の変化、すなわち周期の変動を
おこしている鼓動心臓内の酸化代射およびO2
足信号の測定である。基本的操作方法は、心臓サ
イクルに調時した最小限の3波長、すなわち1つ
の測定波長、および測定波長にまたがつている2
つの基準波長を利用するストロボ操作を行うこと
である。
光源としてはレーザダイオード(LaD′s)が好
ましい、というのは帯域幅がせまく、サイズが小
さく、強度が充分に高いが無害であり、電圧が低
く、効率が高く、かつ変調が速いからである。代
りに、帯域幅が広い以外は、LaD′sの利点を備え
ている発光ダイオード(LED′s)を採用してもよ
い。白熱灯またはアーク灯はあまり好ましくな
い、というのは、効率が劣り、サイズが大きく、
波長選択手段が必要であり、かつ高電圧を要する
からである。
第8図に示すように、図示した3つの波長シス
テムに対し、光学フアイバ束を無作為に2つの束
に分ける。一対の光電子増倍管が示してあるが、
光電子増倍管の受光面を患者の背中に直接圧接さ
せて単一の光電子増倍管を使用する配置を企図し
てもよい。この後者の場合、光源は交互に用いる
が、これは相次ぐパルス間で心臓があまり動かな
いように高頻度のスイツチ操作で可能である。
第8図を更に詳しく参照すると、光源100が
発生させた3種類の波長の放射線を3つの光学フ
アイバ101を通して胸郭内へ透過させる。太い
一束の光学フアイバ束102が透過した放射線を
胸郭の他側で受けて、より細い束102′および
102″に分岐させる。もちろん他の光学フアイ
バ束装置も、いま説明している透過および検出機
能を実施するために採用してかまわない。適宜の
保持機構105が、それぞれ投光面および受光面
を、図示の通り患者へ固着させている。後述する
時間変換器兼トリガ回路146により位相変調回
路103を操作する。
第8図の計測装置の多くは既にこれまでの説明
で理解されたであろう。しかしながら、第8図を
説明するについて、心臓のサイクルの過程でその
物理的特性が根本的に変化する器官、すなわち心
臓についての同様な細胞代謝作用生体内原位置不
侵入連続測定に比べて、比較的安定サイズの脳に
ついて細胞代謝作用生体内原位置不侵入連続的測
定を行うためにこの発明を適用することに含まれ
る基本的な違いについて認識すべきである。それ
にもかかわらず、第8図からわかるように、この
発明は両方の形式に適用できて、従来決して利用
できなかつた不侵入生体内原位置器官および細胞
代謝作用の測定を可能にする。
第8図の説明を続けると、光検出器システムは
2つの光学干渉フイルタ110,111を含んで
おあ、その1つは測定波長だけしか通さないよう
に設計してあり、また他の1つは2つの基準波長
を通すように設計してある。前記システムはまた
一対の光電子増倍管115,116、前置増幅器
117,118、増幅器119,120、パルス
高さ識別器125,126およびカウンタ130
を含んでおり、これらすべての構成要素は周知の
ものであつて、第8図に示す回路構成装置におけ
るそれらのそれぞれの機能は理解されるべきであ
ろう。しかしながら、心臓のサイクルと整合させ
てカウンタ130を調時させ、かつこのシステム
のストロボ式操作を行うための装置は、この発明
に独特のものであると信じられており、以下それ
を更にくわしく説明する。
腕、脚、または胸郭の内どれでも最も有益かつ
好都合のもので、患者に密接させておくべき適宜
の前置増幅器142と、患者から一層離しておい
てよい増幅器143により増幅させてあるものに
ついて、2つの標準電極140,141により心
電図(ECG)を採取する。ECG識別器145に
よりECGの適宜の特性を選び、指示した時間変
換器兼トリガ回路146を介し後続の回路をトリ
ガする。前記の選ばれた特性は、ピーク高さ、上
昇率などのような容易かつ独自に区別できる波長
特性であり得る。従つて、時間変換器兼トリガ回
路146の一部を形成する「心臓時間変換器への
実質時間」は、順次のトリガ発生件数間の時間間
隔を計測し、この時期を標準数のユニツト、例え
ば100にデイジタル状に分割する。機械的発生
事、従つて心臓の運動は、鼓動周波数がどのよう
であろうと、心臓サイクル内で殆んど処理される
ものであり、各種の機械的発生事は、サイクル内
で一定の周期で発生するという観察上の利点があ
る。換言すれば、それらはECGに時間拘束され
ていて、現実時間には拘束されていない。
心臓についての時間情報は2つの方法の1つで
用いられる。心臓サイクル全体についての光学情
報が必要の場合には、カウンタは暫定的デイジタ
ル・メモリ、すなわちバツフア150内に貯蔵さ
れ、時間変換器兼トリガ回路146の変換器部分
によりその鼓動に対し計測された固定した100の
時間間隔内に読み取られる。もう1つの操作方法
においては、固体(solid state)光源を短期間だ
け作動させて、前の鼓動の心臓時間内にプログラ
ムされた1鼓動内の最も差示的な時期とほぼ一致
させる。その後、前述したように、正確な時間間
隔を選んでバツフア150から読み取る。その特
定の鼓動の心臓時間に関して調和させたバツフア
操作の重要な利点は、期外収縮の惹起によつて不
完全なサイクルから誘導された情報を拒否する能
力である。情報の記録および表示は、チヤート・
レコーダ、ライン・プリンタによるか、或いは紙
テープ・パンチ上になど、いろいろな方法で行う
ことができる。時間の要因としての連続測定は、
任意の機械的位置、例えば、完全弛緩および完全
収縮位置に対して行うことができる。更に、完全
サイクルについての情報は記憶され、信号対雑音
比を改善するためにろ波器160で処理され、陰
極線管(CRT)161に表示されるか、または
対数変換器155を介してx−yプロツタ162
に記録される。
二重光度計を利用する図示のシステムは、かな
りの時間的な融通性があるが、本発明は、背中に
直接圧接させる単一の光電子増倍管の採用を企図
している。この適用においては、心臓の鼓動が影
響を与えないような高い周波数でスイツチ操作が
できる光源を用いるための装置を設ける。
また更に理解すべきことは、人体上に光源とセ
ンサーを正確に配置するということは、人体のど
の器管または部分がその瞬間に関心となつている
かにかかわるということである。このため、第9
A図、第9B図、および第9C図に示すように、
Lで示す光源、およびSで示す受光器は頭上のい
ろいろな位置にあつてよく、頭を直立させている
か、またはベツドに寝ている場合とか、或いは平
伏して検査されている患者の場合には、患者の向
き、光源および受光器は、第9D図に示すように
なつていてよい。
回路の説明全体を通して、出力供給源などのよ
うな各種の標準部材全部を示す試みは全くしなか
つた。本来、図示の回路の主要部材のすべてが周
知のものであつて、それらの個々の構造および機
能も周知である。更に、第5図ないし第8図に示
す広範な回路概念を与えられれば、当業者ならば
直ちに図示の部材のすべての組織および機能を認
識し、かつ本書に説明した発明を実施するために
採用し得る他の周知の回路装置もわかることであ
ろう。
断層撮影法 細胞代謝作用における梗塞、搏動、血量減少、
および虚血またはその他の病理学的変化の局在に
対しては、軸性断層撮影法の周知の技術が適用さ
れる。第10図は、対に組合わせた光源およびセ
ンサーをどのように位置させて、いろいろな平面
に、異つた角度などで光路を設立するかを線図で
示している。すなわち、この発明による器官の多
方向透視法を用いることにより、2次元および3
次座標における適宜の波長強度差の計算が、疾患
領域の位置、大きさ、および形を表わすであろ
う。第11図は、一般的回路装置を線図で示す。
断層撮影法には、エツキス線写真術が利用され
て来たが、ごく最近ではエツキス線走査技術が採
用されている。後者の技術では、患者の頭を光源
から検出器へのエツキス線の干渉性光束によつて
照射する。両者共患者の頭の周りを段階的に回転
し、照射の強度が各セツトの座標のために記録さ
れる。強度についての情報を記録し、小さな専用
コンピユータによつて2次元平面に対し分析す
る。1平面における完全な走査には15ないし20分
を要する。病巣部位を3次元に展開し記述するた
めには、追加平面毎に同等の露出時間を必要とす
る。少々厄介なことは、この延長時間中患者が自
分の頭を動かさないようにしている緊張である。
この発明による断層撮影技術を実行するには、
700−1300nmの近赤外部領域内で、1例として
連続波レーザ・ダイオードのような平面的な光を
出す光源100を、第10図及び第11図で示す
ように、人体の頭の反対側、胸部またはその他の
領域上の検出システム101内に位置する多数の
検出器に対する簡単な連続多方向的透視法に対し
て用いる。感光に呼応して光源L1−L6を連続
的に励磁するために、リングカウンタ等のタイミ
ング装置105を用いる。米国特許3910701が、
6つの発光ダイオードを連続的に励磁するための
1システムを示している。適宜の出力調整回路1
10が出力を受けて、既成の断層撮影技術と同様
に、座標演算回路115を介して前記出力を表示
装置111またたはプリント装置112へ転送す
る。第10図に見られるように、透視すべき人体
部分のまわりに、検出器と、光源のセツト(例え
ば6つ)を適用することにより、少くとも10倍お
よびおそらくそれ以上露出時間を減らすことがで
きる。その上、非外傷性で不侵入生体内原位置の
情報が得られる。前記の情報は、細胞酸化代謝作
用における変化(例えば腫瘍)に伴う酸素不足ま
たは血流の減少またはその他の状態の領域を直接
示すであろう。最後に、ここで採用した出力レベ
ルおよび光学密度における近赤外部照射は、エツ
キス線照射の場合におけるように累積する有害な
影響がない。
前述したごとく、本発明のスペクトル光度測定
法によると、透視法および反射法における従来の
発見および本発明による測定上の利点を広く利用
することができる。以下、本発明の反射法技術に
よる人間生体および動物見本の脳内における局部
的代謝作用の測定方法、とくに生体内に装置を浸
入させることなく、無害に、かつ連続的に迅速に
測定する方法を第12図ないし第17A図を参照
して説明し、本発明の特徴を明らかにする。
第12図、第14図、および第15図に線図で
示すように、2つの離間した位置を選び、その1
つを光の入口点220とし、他の1つを光の出口
点221と指示する、充分なサイズ(約1cm2)の
無毛の皮膚領域があれば入口点または出口点とし
て準備なしに有利に使用できる。第13図につい
て後で説明するように、光の入口点220と、光
の出口点221との間の間隔は、この発明の目的
にとつて重大であり、特に本発明の方法を用いて
生きている人間の脳内局部的代謝作用を測定する
上で重要である。
適宜の光源222は、700−1300nmスペクト
ル範囲の近赤外領域内の光を出す。内側の中心フ
アイバ光束227を包囲する外側環状フアイバ光
束226を有するフアイバ光束アセンブリ225
を通して、光源222からの光を入口点220へ
送る。フアイバ光束アセンブリ225の一方の端
部、すなわち身体への取り付け部を光入口点22
0に対ししつかり圧接させ、適当な頭帯230ま
たは他の適当な取付装置で固着させてあるので、
入口点で光の漏洩による損失が最小限になるよう
になつている。外側環状フアイバ光束226と中
心フアイバ光束227の総体的同心装置が第15
図に断面図で示してある。外側環状フアイバ光束
226は、指定スペクトル範囲内の赤外線を光の
入口点220に送つて、皮膚および骨層の両者
へ、更には第14図に略図で示す灰白質および白
質へ透過、すなわち赤外線光子を浸透させる装置
である。フアイバ光束アセンブリ225の下方ま
たは入口点220より数ミリメートルの範囲内に
ある組織から上方へ直接反射した光子は、中心フ
アイバ光束227を通つて基準検出器235に送
られ、一方他の光子は皮膚および骨の層を通り、
かつその内部で反射、散乱しながら灰白質を貫通
して白質に到達し、白質で反射して光出口点22
1に到達する。ここで別の単一のフアイバ光束2
40が、連続的に到達する光子の流れを拾い上
げ、すなわち集光して測定検出器241に送り、
さらに基準検出器235および測定検出器241
の出力信号を処理回路245に送り、後述するよ
うに脳灰白質における酸素充足度を示す信号に変
換する。
光源、基準検出器、測定検出器および処理回路
の構成、型式に関しては、既に第1図ないし第1
1図について充分に説明して来たので、第12図
および第14図に関連した回路構成はここではこ
れ以上くわしく説明しようとしない、というの
は、それは既述の情報から当業者には容易に明ら
かである筈だからである。
この発明にとつて特に重要なことは、光の入口
点220と出口点221の間の間隔が、フアイバ
光束240により取り上げられて測定検出器24
1へ送られる光子に関し重要な関係を有している
という発見についての認識である。例えば、光の
入口点220と出口点221との間の距離が、約
4.25センチメートル以下の場合には、出口点22
1に到達する光は、主として皮膚および骨層内で
散乱した光子によつて構成され、また、入口点2
20と出口点221との間の距離が4.25センチメ
ートルより大きい場合、フアイバ光束240に到
達する光は、主として脳の灰白質内で、かつ灰白
質によつて散乱した光子によつて構成されている
ことが認められる。(第13図参照)。従つて、主
として皮膚および骨層から直接上方に反射、散乱
した光子からなる光を中心フアイバ光束227を
用いて受け止め、この電気信号を、測定検出器2
41に導かれる光を測定する際の基準として使用
することにより、脳灰白質内の酸素充足度を知る
ことができる。更に、基準検出器235によつて
検出された光は、光源222の出力のばらつきに
対し信号を安定させるために、また、重要なこと
だが皮膚血液量の変化を補正するために使用する
ことができる。
本発明の1実施例においては、レーザ・ダイオ
ードで構成した光源222から放射された4つの
波長を有する光を、5脚付きフアイバ束のうちの
4脚で構成した外側環状フアイバ光束226を通
して入口点220に導き、残りの一脚を構成する
中心フアイバ光束227を用いて入口点220に
接触する領域内に反射してきた皮膚および骨層か
らの光を受け取り基準検出器235に導く。なお
同じ実施例には図示してないが、皮膚および骨層
内の血液量変化を補正するためのフイードバツク
回路が設けてある。
測定検出器241および基準検出器235には
光センサーがそれぞれ設けられ、出口点221お
よび入口点220から導かれた光を、各光センサ
ーで受け止め、第6図に示す前置増幅器36およ
び入力増幅器37とほぼ同様に構成した回路によ
つて電気信号に変換したのち、処理回路245に
送る。処理回路245は、各検出器235,24
1から送られた電気信号を処理して皮膚および骨
層内の血液量変化及び脳灰白質酸素充足度を計測
する。なお光源222は、測定波およびコントラ
ベステイツク・ペアを構成する基準波を、代謝作
用および血液循環パラメータの測定値が測定サイ
クル中に変化しないように充分敏速に交互に放射
する。
この発明を利用した現実の実験からのデータ
は、第16図、第17図および第17A図につい
て示してあるが、第17A図は第17図の続きで
ある。これらの図の説明は、第1図ないし第11
図に背景として既に述べた説明を用いて容易に理
解されるであろう。特に、第16図は、前に説明
した実験におけるように、吸気中に異種のガスを
混合することがこの発明で期待した血液量減少お
よびチトクロム のCuL原子の還元をもた
らしたことを示している。チトクロム反応がかな
り典型的であるのに対し、血液量を示す線の復帰
がかなりばらついている。しかし血液量を示す線
は図示よりも速く復帰する場合がしばしばある。
更に、第17図および第17A図に示すように、
95%の酸素および5%の炭酸ガスからなるガスを
呼吸させると、チトクロム の酸素を増大
させるが血液量への影響は極く小さい。この後者
の観察はまだ完全には理解されていないが、5%
CO2それ自体は血液量にそれ以上の著しい増加を
もたらさないことに注意すべきである。酸素過多
と炭酸過剰の対立影響は互いに相殺するのではな
いかと思われる。チトクロムの酸化が長時間ベー
スラインから偏倚しているが、この現象は、前述
のガスをはじめて吸入させた際にしばしば現われ
る現象であり、第2回目以降の吸入においては、
前述の偏倚した線が新らしいベースラインになつ
て、このベースライン上に偏倚がくり返えされ
る。
以上述べたように本発明の装置は特許請求の範
囲に記載した構成を有するので、次の各項に述べ
る作用を組み合わせて初期の目的を達成し、優れ
た効果を発揮する。
〔〕 光源装置は体外に位置しており、身体器
官に対し無害で且つ測定に利用できる強さの各
種波長の光を、光パルス放射装置を用いて所定
のサイクルで交互に且つ断続的に放射し、これ
を光フアイバ装置を用いて身体上の測定場合に
導き、身体内を透過、散乱、反射させるので、
生体内の本来の位置に器官を所在させたまま、
身体内に装置を侵入させることなく、非外傷、
無害、且つ連続的に測定を行うことができる。
〔〕 光源装置は700−1300ナノメートルのスペ
クトル範囲内にある各種波長の光を放射するの
で、例えば細胞酵素チトクロム の酸
化、還元状態または血液中のヘモグロビンの還
元状態など、身体器官の代謝作用によつて顕著
な吸収作用を示す波長の光(測定波長の光)お
よび血液濃度に対して敏感な吸収作用を示すが
血液中のヘモグロビンの還元状態に対して敏感
でない波長の光(基準波長の光)を放射する
と、これらの光を身体器官の代謝作用および器
官内血液流量の測定に役立てることができる。
〔〕 身体器官内を透過させ且つ散乱、反射し
た光を受光するため第1および第2集光フアイ
バ装置が、身体上の数センチメートル離間した
入口点および出口点に設けられているので、例
えば人間の頭に入口点および出口点を設定する
と、第1集光フアイバ装置は主として頭の皮膚
および骨における光吸収作用を、また、第2集
光フアイバ装置は主として脳灰白質における光
吸収作用をそれぞれ検出することができ、検出
した光の強さは光センサおよび回路装置によつ
て電気信号に変換されるので、検出結果を電気
的に処理することができ、また、身体を透過し
た光を受光する集光フアイバ装置が設けられて
いるので、身体器官の代謝作用の状態を示す電
気信号が同様に得ることができる。
〔〕 第1集光フアイバ装置より基準波長の光
を、また、第2集光フアイバ装置より測定波長
の光をそれぞれ電気信号として取り出し、取り
出した2つの電気信号を比較することにより光
吸収作用に関与しない非特定な偏差を排除した
電気信号、すなわち脳灰白質など身体器官の代
謝作用の状態を示す電気信号が得られる。そし
て、この電気信号は代謝作用の測定値として表
示されるので、身体器官の代謝作用を、器官の
状態変化に追従して即座に且つ数量的に把握す
ることができる。
〔〕 身体器官の血液量変化によつて生ずる吸
収作用の変化、すなわち信号出力のばらつきを
所定レベルに保持する帰還回路を設けたので、
帰還電圧を利用して血液量変化を知ることがで
き、従つて前第〔〕項の結果と併せ、血液量
変化を補正した身体器官の代謝作用を測定する
ことができる。
要約すれば、生体器官の細胞代謝作用を測定
し、更にくわしくは、細胞酸化代謝作用を生体内
の本来の位置で、かつ装置を身体内に侵入させる
ことなく連続的に、従来達成し得なかつた方法で
測定し、患者の健康にとつて非常に有益な情報を
もたらすための根本的に新しい手がかりと信じら
れていることが開示されたのである。当業者はま
た、レコーダ・オシログラフ、テープ、プリン
タ、または同類物などによる関心情報用に役立つ
表示形式のよさも認めるであろう。
この明細書において、関心「情報」であるとし
て用いている「器官代謝作用」、「細胞代謝作
用」、「細胞酸化代謝作用」、「代謝活動」および同
類語は、前記器官に用いられるためエネルギの利
用を可能にするすべての物理的および科学的プロ
セスの全部を意味する。必要とする代謝産物を細
胞反応側へ移す血液循環プロセスは、前記用語並
びに器官の細胞内の代謝反応の中に含まれるもの
と考えている。細胞の活動、例えばチトクロム
の酸化など同種の細胞活動を、少くとも
1つの測定波長および少くとも1つの基準波長を
用い、これら波長の吸収特性を利用して測定波長
および基準波長の差異または比率を比較するとい
う広範な概念は、今後まだ予測し得ない多くの適
用を示唆するであろうと信じられている。
本発明の適用が特に価値のあるものは、危険を
伴う外科用のレーザ装置および同類装置と異つ
て、本発明の装置は、熱的、光化学的または損害
組織反応を生ぜしめると知られている危険な光度
以下で作用することである。近赤外範囲に対する
許容レーザ安全基準(アメリカン・ナシヨナル・
スタンダード1361−1976)は、10秒以上長い多パ
ルス露出期間に対し、レーザ・ビームに対する皮
膚露出のための最大露出許容値(MPE)とし
て、平均出力平方センチメートル当り100ミリワ
ツトを許容している。比較として、現在行われた
実験では、平均露出時間当りの平均出力として1
平方センチメートル当り2.8ミリワツト以上を放
射しなかつた。すなわち、MPEより約35倍低い
平均出力である。実質的により低い強度で実験が
成功裡に行われた。
最後に、説明した断層撮影技術はそれ自体、情
報の分散化に対し多くの新摘要を示唆している
が、それは、そのような情報に対する要請が非常
に広まつているからであることに注意すべきであ
る。
図解では複数セツトの光源を示しているが、単
一セツトの測定および基準波長を採用することも
でき、かつ種々の光路または関連器官に連続的か
つ物理的に指向させた波長が、上記のエツキス線
走査の方法で、光源および検出器を身体に関し移
動させることにより走査できることも理解すべき
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は呼吸システムの過剰呼吸の結果進行性
の脳虚血を生じた期間中、この発明にしたがつて
人体脳の生体内を通る815nmの波長の光学密度
の変化を時間軸に対しプロツトしたグラフ表示、
第2図は猫に麻酔を施したのち3分間人工呼吸の
中断によりもたらされた一時的の気絶中に、猫の
頭の脳のヘモグロビンの放射線吸収特性の変化に
よつてもたらされたヘモグロビン、血液量および
血圧の変化を示す図、第3図は酸化から還元状態
へのチトクロム酵素内の変化、血液量の変化、お
よび第2図の上記説明に示す猫の検体についての
同じ実験の過程における脳チトクロム
放射線吸収特性の変化によりもたらされた血圧の
変化を示す図、第4A図は頭謙透視法により猫に
ついて行つた多数の波長における光学濃度の変化
の見取図を示し、ダツシユ線はヘモグロビン・ス
ペクトルを、また実線はヘモグロビン差スペクト
ルから偏倚したデータの傾向を示す図、第4B図
は酸化ヘモグロビン(HbO2)および脱酸ヘモグロ
ビン(Hb)の絶対吸収スペクトルを示す図、第
4C図は、第4A図に示す酸素正常
(Ncrmoxia)から酸素欠乏(Anoxia)への実験
における場合であつたように、血液がHbO2から
Hbへ変化する場合に観察されたスペクトル差を
示し、この発明による血液量変化並びに酸化を決
定するコントラベステイツク・ペアを示す図、第
5図はアナログ回路構成を用いてこの発明の測定
技術を実行するさいに採用した計測装置のシステ
ムの窓体的ブロツク図、第6図はこの発明の測定
技術を実行するための計測装置システムの更に詳
細なブロツク図、第7図は器官への血液流量の変
化の情報を出すのに用いられるフイードバツク回
路構成の部分の詳細な回路図、第8図は、生体内
の鼓動器官、すなわち生体内の本来の位置にある
心臓についてこの発明の測定技術を実施し、かつ
前記鼓動を補正し、かつ計測回路構成を用いるた
めの計測装置のシステムの詳細なブロツク図、第
9A図、第9B図および第9C図は、頭上への光
源LおよびセンサーSの種々の取付配置を示し、
第9D図は横臥体への光源およびセンサーの取付
配置を示す図、第10図は断層撮影法的技術への
この発明の適用を示す図、第11図はこの発明に
よる軸方向断層撮影システムの略図、第12図は
生体人間患者の頭を示し、反射法技術を適用した
この発明の一般的方法を示すべく企図した図、第
13図は第12図の反射法技術を用いた場合の、
信号電圧への光の入口および出口間の距離の関係
の見取図、第14図は反射法技術を用いて生きて
いる人間または動物の頭へ適用したこの発明の総
体的方法を示す線図、第15図は、結合した光源
および基準検出器束の第14図における15−1
5線による横断面図、第16図は、第14図の反
射法技術を用いた実験に基く1分間の過剰呼吸中
の頭蓋内の血液内のチトクロム のCuLの
還元および血液量の減少を示す図、第17図は第
14図の反射法技術を用いたもう1つの実験を示
していて、5%CO2プラス95%O2を90秒間呼吸す
ることによつてもたらされた炭素過剰プラス酸素
過多の結果を示す図、第17A図は第17図の連
続を示す図である。 なお、図において、20……近赤外光源、30
……光源、35……光電子増倍管、50……高圧
調整回路、60……差動増幅回路、61……時定
数回路、62……対数兼出力ゲイン増幅器回路、
81……時定数回路、10……光源、146……
時間変換兼トリガ回路、220……光の入口点、
221……光の出口点、235……基準検出器、
241……測定検出器、245……処理回路を示
す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 700〜1300ナノメートルのスペクトル範囲内
    にありかつ身体器官の代謝作用の特定の状態に依
    存して選択的に吸収作用を示す各種波長の光を含
    む近赤外線を、所定のサイクルで交互に断続的に
    かつ身体に無害な強度で放射する体外に配置した
    光パルス放射装置と、該光パルス放射装置からの
    光を身体上の選らばれた光入口点に導く光供給フ
    アイバ装置と、前記身体上の光入口点に取り付け
    られ身体器官より身体表面に近い身体部分から直
    接反射した光を受け取りかつ送り出す第1集光フ
    アイバ装置と、前記光入口点から数センチメート
    ル離間した光入口点に取り付けられ身体器官から
    反射、散乱した光を受け取りかつ送り出す第2集
    光フアイバ装置と、前記第1及び第2集光フアイ
    バ装置からの各光を受け取り、受け取つた光を該
    光の強度に対応する第1および第2の電気出力信
    号に変換する光検出変換装置と、前記第1及び第
    2の電気出力信号の大きさを比較してその比較結
    果を身体器官の代謝作用の状態の関数である第3
    の電気出力信号に変換する比較装置と、及び前記
    第3の電気出力信号を代謝作用の測定値として表
    示する表示装置と、を有することを特徴とする体
    内器官における代謝作用を測定する装置。 2 選ばれた前記第1及び第2の電気出力信号の
    レベルの変化を検出して該変化を身体器官の血液
    量の関数である第4の電気出力信号に変換する装
    置と、前記第4の電気出力信号を前記血液量の測
    定値として表示する表示装置と、をさらに有する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    装置。 3 700〜1300ナノメートルのスペクトル範囲内
    にありかつ身体器官の代謝作用の特定の状態に依
    存して選択的に吸収作用を示す各種波長の光を含
    む近赤外線を、所定のサイクルで交互に断続的に
    かつ身体に無害な強度で放射する体外に配置した
    光パルス放射装置と、該光パルス放射装置からの
    光を身体上の選らばれた光入口点に導く光供給フ
    アイバ装置と、前記身体上の光入口点から離して
    取り付けられ身体器官を透過した各種波長の光を
    受け取りかつ送り出す集光フアイバ装置と、前記
    集光フアイバ装置からの各光を受け取り、受け取
    つた光を該光の強度に対応する第1および第2の
    電気出力信号に変換する光検出変換装置と、前記
    第1及び第2の電気出力信号の大きさを比較して
    その比較結果を身体器官の代謝作用の状態の関数
    である第3の電気出力信号に変換する比較装置
    と、及び前記第3の電気出力信号を代謝作用の測
    定値として表示する表示装置と、を有することを
    特徴とする体内器官における代謝作用を測定する
    装置。
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