JP2526388B2 - 光を用いた断層撮影方法及び装置 - Google Patents

光を用いた断層撮影方法及び装置

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JP2526388B2
JP2526388B2 JP2082931A JP8293190A JP2526388B2 JP 2526388 B2 JP2526388 B2 JP 2526388B2 JP 2082931 A JP2082931 A JP 2082931A JP 8293190 A JP8293190 A JP 8293190A JP 2526388 B2 JP2526388 B2 JP 2526388B2
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千江 大山
博 中西
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、光を用いて被写体の所定の断面内の情報を
断層像として得る断層撮影方法および装置に係り、特に
生体ではなく内部に不均一性のある物質の任意の場所で
の光学スペクトルを非破壊で測定するための光を用いた
断層撮影方法及び装置に関する。
(従来の技術) 物質の内部構造を定量的に扱う方法は、特にその物質
が不均一である場合に有用である。近年関心が高まって
いる非線形・非平衡現象のモルフォロジー、メカニズム
あるいはダイナミクスを解明するために、このような方
法が必要となることも少なくない。例えば、脂質含浸膜
をイオン溶液の境界に入れることにより、膜の両側でイ
オン濃度が振動するような反応系または拡散反応系で
は、溶液中の物質の濃度勾配が反応を駆動している。こ
のような反応による物質の空間的な分散状態や、その時
間変化を定量的に測定することによって、反応のメカニ
ズムの解明が可能となり、更にはそのような現象を利用
した新規なデバイス、プロセス技術などの開発に役立つ
と考えられる。
上述のような現象の測定には、非破壊・非接触な方法
が不可欠である。光を用いた測定は、非破壊・非接触な
測定には非常に適している。更に、検出系の感度、時間
分解能の点でも、特に優れた測定方法である。具体的に
は試料からの透過光、反射光あるいは散乱光を測定する
ことにより、試料の光学定数、スペクトル等が得られ、
分子種や分子構造、振動構造などを求めることができ
る。また、単色性、直進性、過干渉性等を備えたレーザ
光は分子構造解析、表面構造解析などに用いられるほど
物質の詳細な情報を引き出すことができる。そして、特
に紫外・可視・赤外領域の光を吸収するような化合物に
関しては、分子種に固有の吸収スペクトルが存在するた
め、光学測定は物質の化学的な情報も与えることが出来
る。
更に、光源系に関してはレーザダイオードや他の場所
にある光源から光ファイバで装置に導くことで小型化が
でき、受光系もフォトダイオードアレイを利用したり、
光ファイバで導くことが可能という装置設計上の利点が
ある。また、回析格子を用いて分光可能なこと、光ファ
イバーを利用することによって、光路を自由に取れると
いう利点、レンズ、ミラー、プリズム等の光学素子によ
る光路調整、偏光素子による偏光が可能という利点もあ
る。
しかしながら、光学測定の対象となるのは反射光によ
る測定では試料の表面であり、透過光による測定では物
質の光路上に吸収体が一様に分布しているとみなされる
状態で行われ、測定値は平均的な値として解釈される。
何れにしても試料内部の不均一な構造そのものを取り扱
われるものではなく、従って物質の内部構造を調べるに
は不十分である。
物質の内部構造を非破壊・非接触で調べる方法として
は、X線により被写体の一断面内をあらゆる方向から走
査して透過線量を測定し、各々の透過線量測定値から計
算機を用いて画像を再構成することによって、被写体の
測定平面内での断層像を得るX線CT(Computed Tomogra
phy)が、医用診断その他の分野で広く用いられてい
る。この方法の数学的な原理は1910年代に、また再構成
の数学的分析とγ線を用いた実験と組み合わせたものが
1960年代にそれぞれ発表されている。さらに、近年はX
線のみならず、核スピンを有する原子の磁気共鳴現象を
用いる方法なども実用化されている。このように画像再
構成法は、非破壊・非接触で断面像を得る方法として広
く用いられている有力な方法である。
しかし、X線CTに関していえば、線源から放射される
X線は指向性が悪く、ディテクタの感度、時間分解能も
光学測定に比べて高くない。しかも断層撮影で用いられ
るX線などの高エネルギーな電磁波は、分子種には非特
異的な相互作用しかしないため、得られる情報は物理的
な情報に限られている。磁気共鳴現象を用いる方法も、
通常は特定の原子(例えば水素原子)の位置情報しか与
えられない。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように、従来の光学測定では紫外、可視ある
いは赤外領域の光を透過する物質内の不均一な内部構造
を調べることは出来なかった。また、X線CTは特に光を
透過しない物質に対して、その内部構造を非破壊・非接
触で調べるには優れた方法であるが、X線の指向性、デ
ィテクタの感度および分解能などの点で光学測定に比較
して不利であり、また物理的な情報しか得られず化学的
な情報は得られなかった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたもので、光透
過性でかつ内部に吸収体もしくは散乱体が不均一に分散
している状態の被写体に対して、所望の任意断面内で光
学的特性、例えば透過率、吸光度あるいは散乱強度の分
布を断層像として得ることを可能とする光を用いた断層
撮影方法および装置を目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明に係る光を用いた断層撮影方法は、少なくとも
紫外域を含む波長領域の光を照射する複数の回転移動自
在な光走査手段と、これら光走査手段に一対一対応して
同一平面上に設けられるとともに、前記光走査手段に同
期して回転移動して前記波長領域の光の強度を測定する
複数の受光手段とにより、被写体の所定の断面内に、該
断面に平行な複数の方向から前記波長領域の光を照射し
て、前記被写体からの前記波長領域の透過光の強度を測
定して得られたデータの集合を再構成することにより前
記被写体の断層像を得ると共に、得られた断層像のデー
タをもとに前記被写体の所定位置における吸収スペクト
ルを得ることを特徴とする。
また、本発明に係る光を用いた断層撮影装置は、被写
体の所定の断面を通る平面上に配置され、少なくとも紫
外域を含む波長領域の光により前記断面内を複数の方向
から光走査するための複数の回転移動自在の光走査手段
と、これら光走査手段に一対一対応して同一平面上に設
けられるとともに、前記光走査手段に同期して回転移動
して、前記被写体からの前記波長領域の透過光を受光し
てその強度を測定する受光手段と、前記受光手段により
測定された透過光強度のデータを再構成することにより
前記被写体の断層像を生成し、この断層像のデータをも
とに前記被写体の所定位置における吸収スペクトルを求
める吸収スペクトル演算手段とを備えたことを特徴とす
る。
(作用) 本発明においては、光を用いて吸収体あるいは散乱体
の存在により光学的に不均一な内部構造を持つ被写体の
所望の任意断面について、測定波長での透過率、吸光度
あるいは散乱強度などの分布が非破壊・非接触で断層像
として得られる。光はX線に比較して強度が強く、指向
性が良く、しかも光に対するディテクタは感度、分解能
とも高い。
本発明では、被写体の内部構造を一つの断面のみでな
く様々な角度から得たり、複数の平行な断面をとること
によって被写体の三次元的な内部構造を知ることも可能
であり、また光に対するディテクタの時間分解能の高さ
を利用して一つの断面での一定時間毎の内部構造の時間
的変化を得ることもできる。
さらに、光の波長を紫外域から可視光域を経て赤外域
にわたる範囲で選択して測定すれば、個々の分子種にそ
れぞれ特有の吸収スペクトルがあることを利用して、特
定の分子種、物質について所望の断面内でのスペクトル
分布が得られ、結果的にX線では原理的に不可能であっ
た化学的情報の断層像の取得が可能となる。単に光を透
過する被写体に対して波長依存性のない透過光強度分布
を画像化しただけでは複数種の物質の分布情報を得るこ
とはできないが、断層像内の所定箇所での吸収スペクト
ル分布を得ることによって、複数種の物質の混合状態を
知ることができる。
さらに、本発明によれば、一対一対応した複数の光走
査手段及び受光手段を用いて測定データを収集している
ので、一対一対応していない複数の光走査手段及び受光
手段を用いた場合に比べて、正確な測定データを容易に
収集できる。
すなわち、光走査手段と受光手段との関係が一対多の
場合には、一の光走査手段からの光が複数の受光手段に
より受光されるように、一の光走査手段の走査を正確に
制御しなければならない。このとき、制御性が悪いと、
受光するべき受光手段に隣接した受光手段によっても受
光される恐れがある。したがって、必ずしも正確な測定
データは得られない。なお、再構成の際のデータ処理に
より上記問題を解決することも可能であるが、処理時間
が長くなるなどの問題がある。
さらに、上記制御のための制御機構が必要となり、装
置が複雑化したり、コストが上昇するという問題は避け
られない。この問題は特に制御性を高めようとすると顕
著となる。
一方、本発明のように一対一対応した複数の光走査手
段及び受光手段を用いた場合には、単に光を集束させれ
ば隣接する受光手段における受光を容易に回避でき、一
対一対応していない複数の光走査手段及び受光手段を用
いた場合の上記問題は原理的に生じない。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。な
お、以下の説明では、本発明の断層撮影方法および断層
撮影装置以外についても便宜上実施例として記載してい
るが、第2図に関するもの以外は、本発明の範囲以外の
断層撮影方法および断層撮影装置である。第1図に本発
明の一実施例に係る断層撮影装置の概略構成を示す。
第1図において、被写体1は光を透過する物質からな
り、この被写体1を挟んで対向するように一対の光源2
および受光部3が配置されている。光源2および受光部
3は、それぞれリニアモータ4,5により被写体1の所定
の断面に平行の平面内を同方向に同時に平行移動でき、
また両者の中間点Oを中心として、少なくとも180°回
転可能となっている。
光源2はこれを平行移動させるリニアモータ4ととも
に、被写体1の所定の断面内を光により走査する光走査
手段を構成する。光源2は目的に応じて紫外、可視、赤
外のいずれかの波長領域、または全波長領域の光を発す
るものであれば特に限定されないが、半導体レーザ、発
光ダイオードその他の発光素子、又は各種固体及び気体
レーザを始め、キセノンランプ、タングステンランプ、
重水素ランプ等の全光、あるいは分光器やカラーフィル
タ、干渉フィルタなどで選択した特定の波長域のみの光
を光ファイバで導くように構成されたものなどが挙げら
れる。また、これらの光源からの光をレンズで平行光線
に変換して被写体1に照射するようにしてもよい。さら
に、被写体1の構造に関してより多くの情報を得るため
に、これらの光源から得られる光の特定の偏光成分のみ
を被写体1に照射することも有効である。
受光部3はリニアモータ4により平行移動され、光源
2から照射され被写体1を透過した光を受光してその強
度を測定するものであり、光強度に応じた電気信号を出
力する光電変換素子、例えばフォトダイオード、フォト
ダイオードアレイ、イメージインテンシファイア、CCD
フォトディテクタなどを用いても良いし、あるいは被写
体1からの透過光を光ファイバで受光した後、これらの
光電変換素子あるいは光電子増倍管等で光の強度を測定
する構成としてもよい。受光部3が感知する光は定めら
れた一直線の光路上のみとなることが理想的となるの
で、受光部3の感知する立体角は小さい方が望ましい。
このための方法としては受光部3の窓として受光面に孔
径よりも数倍以上厚みのあるピンホールを設置する方法
や、また特定波長の光のみを用いる場合は透過型回析格
子とその波長が回析される方向に受光素子を置く方法が
挙げられる。また、これらの受光立体角を狭くした受光
部を受光方向を変えることによって、一つの受光部で複
数の光源からの透過光強度を測定する方法もある。
光源2および受光部3をリニアモータ4,5により平行
移動させて、ある方向からの光照射による走査と透過光
強度測定を行ない、次いで同様の操作を少しずつ角度θ
を変えながらθ=180°まで繰り返すことによって、被
写体1の所定の断面内の断層像を再構成するのに必要な
全角度からの投影データの集合(データセット)が得ら
れる。
受光部3の出力信号は、増幅器6により適当なレベル
まで増幅された後、A/D変換器7に入力され、ディジタ
ルデータに変換される。このディジタルデータが電子計
算機を用いた画像再構成部8に入力され、光源2により
走査した被写体1の断面内の断層像が再構成される。再
構成画像は、出力9部で表示または記録される。
画像再構成の方法は、従来のX線CTで行なわれている
のと同じでよく、具体的には例えば逐次近似法、解析的
方法を用いることができる。後者に対しては一般的なフ
ィルタ補正逆投影法、あるいはフーリエ変換法が用いら
れるが、場合に応じて適宜選べばよい。フィルタ補正関
数はチェスタ(Chester)型、シェフ・ローガン(Shepp
−Logan)型等があるが、予め吸光度分布の分かってい
る被写体(いわゆるファントム)を用いて適切な補正関
数を決定すればよい。
次に、第2図〜第7図を参照して本発明の他の実施例
を説明する。
第2図の実施例は、第1図では光源2および受光部3
を1組だけ用いたのに対して、同一平面内に光源2およ
び受光部3をそれぞれ複数個配列し、これら光源−受光
部対の群を相対位置を保った状態で矢印で示すように回
転させることによって、被写体1の所定の断面内の断層
像を再構成するのに必要な全角度からのデータセットを
得るようにしたものである。
第3図の実施例は、光源2を1個、受光部3を複数個
配置し、光源2からの光を破線矢印で示すように偏向さ
せてある角度範囲内のデータを収集する操作を、光源2
と受光部3の相対関係を保って実線矢印で示すように回
転させて繰返すことにより、同様なデータセットを得る
ようにしたものである。
なお、光源2・受光部3の対について、平行移動と回
転の両操作を併用して行なってもよい。
第4図の実施例は、被写体1の所定の断面を通る平面
内に画像再構成に必要なデータセットを得るのに十分な
数の光源2および受光部3をマトリックス状に配列した
ものである。この構成によれば、被写体1と光源2およ
び受光部4とを機械的に相対移動させる必要がなくな
る。
第5図〜第7図は、いずれも被写体1の三次元的構造
を得るために、複数の断面のデータセットを得る実施例
を示している。
第5図の実施例は、一つの断面内の断層像を再構成す
るのに必要なデータセットを得る事ができる光源2と受
光部3の組を被写体1の断層像を得たい断面と垂直の方
向に一定間隔で平行移動させることにより、複数の平行
な断面内の断層像を得るようにしたものである。
また、第6図の実施例は同様な光源2と受光部3の組
を被写体1の断層像を得たい断面と垂直の方向に一定間
隔で配置することにより、複数の平行な断面内の断層像
を得るようにしたものである。
さらに、第7図は第6図を発展させて、同様な光源2
と受光部3の組を被写体1の断層像を得たい断面と垂直
の方向に全体として円筒状に一定間隔で配置することに
よって、より細かい三次元構造を得る事ができるように
したものである。
なお、第5図〜第7図の実施例においては、光源2と
受光部3との組として、第1図〜第4図のいずれの構成
のものを用いても構わない。
また、以上の実施例において受光部の受光方向を変え
ることによって一つの受光部で複数の光路の透過光強度
を測定したり、複数の光源から来る光の中から特定の光
源からの光のみの透過光を受光して測定することも可能
である。
さらに、以上の実施例で説明した測定を一定時間毎に
繰り返すことによって、断面構造の時間変化を追跡する
こともできる。
第8図は、被写体1の断層像内の任意の一点における
吸収スペクトルを得るに十分な投影データとなる透過光
強度分布を得る実施例の概略構成である。入力光学系は
ランプ等の発光素子のみの場合もあるが、図では、発光
素子11からの光を光ファイバ12により光照射部13に導く
場合を示している。光照射部13には波長選択に用いられ
るカラーフィルタ等も含む。受光光学系は、光照射部13
から照射されて被写体1を透過してきた光を受光する受
光部14と、受光した光を分光する分光素子15、分光され
た光強度を測定する光電変換部16を含む。
一平面内で、図に示されるようにある方向から光照射
部・受光部の対を透過光強度を測定しながら平行移動さ
せていくか、或いは光照射部と受光部の対を平行に複数
個ずつ配列する事により、その角度方向からの波長ごと
の透過光強度分布、すなわち投影データのセットを得
る。この操作を少しずつ角度を変えながら、180°の範
囲で繰り返すことにより、全角度からの波長ごとの投影
データの集合すなわちデータセットを得ることができ
る。断層構造の時間変化を追跡するには、その測定を一
定時間毎に繰り返せばよい。
得られた信号による画像の再構成基になるデータセッ
トとしては、測定波長域の中から適当な波長を選択しそ
の波長でのデータセットか或いは測定波長全体の和を用
いればよい。画像内で吸収スペクトルを得たい位置を指
定する方法としては、ディスプレイ上でカーソル移動に
より指定する方法があり、その位置での吸収スペクトル
は各波長での断層像のデータ(透過率の空間分布)を波
長分布へ再配列することによって得ることができる。
次に、本発明の効果を確認するために行なった実験例
を説明する。水を入れた円筒状の石英製容器(図示せ
ず)の中に、第9図に示すような均一な光透過組成を有
する円筒体10を配置して被写体1とした。この被写体1
(円筒体10)の斜線部を施した部分は、波長532nmにお
ける吸光度が0.1であることが分かっているものとす
る。光源2としてNd:YAGレーザを用いてその二倍波(53
2nm)を光ファイバで測定部に導き、0.5mmφの光束にし
て被写体に照射した。受光部3にはピンフォトダイオー
ドを用い、光源2と受光部3を被写体1を挟んでほぼ20
cm離して対向させて設置した。
測定は一方向に0.5mmずつ光源2および受光部3の対
をリニアモータ4,5(ステッピングモータ)を用いて平
行移動させながら、各位置でレーザ光を8パルスを照射
し、各レーザ光パルス毎の透過光強度を測定するために
受光部3のピンフォトダイオードの出力電圧を測定し、
その平均値をその位置での透過光強度とした。走査は被
写体1の形状の対称性を考慮して、一方向のみの透過光
強度分布(投影データ)から計算機上で回転変換を行な
うことで、180度分の投影データを求めた後、画像再構
成を行なった。画像再構成にはフィルタ補正逆投影法を
採用し、フィルター関数としてはChester型を用いた。
この結果、第10図に示すような断層像が得られた。
次に同様の被写体につき所定の断層像での所定位置の
吸収スペクトルを測定した。なお第9図の斜線を施した
部分の吸光度が波長310nmで0.1であることはあらかじめ
分かっている。光源には重水素ランプを用い、赤外カッ
トフィルタで赤外光を除去して被写体に照射した。受光
光学系は透過光を受光窓を通して光ファイバで分光素子
に導き、分光素子には透過型回析格子を用い、分光され
た光をフォトダイオードアレイで受光するように構成し
た。受光した信号処理は、マルチチャネルアナライザに
よって行った。光照射部と受光部は20cm離して対面させ
た。測定は、一方向に0.5mmずつ光照射部・受光部対を
ステッピングモータを用いて平行移動させながら、各位
置で100mmsec積算を行い、透過光強度を測定した。走査
は被写体の対称性を考慮してこの一方向のみの透過光強
度分布(投影データ)から計算機上で回転変換を行うこ
とにより、180度分の投影データを求めた後、画像の再
構成を行った。
断層像上の吸収体がある位置での吸収スペクトルを求
めたところ、第11図のような結果が得られた。一方この
吸収体のみの吸収スペクトルを汎用装置で測定した結果
は第12図である。両者は良い一致を示し、本発明の方法
が妥当であることが確認された。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば紫外、可視、あ
るいは赤外領域あるいはこれら全波長域の光を透過する
被写体に対し、一つの所定の断面上の複数の方向につい
て透過光強度を測定した結果を画像として再構成するこ
とにより、被写体の所定の断面内での照射波長領域の光
の吸収体あるいは散乱体の分布を透過率、吸光度あるい
は散乱強度分布の断層像として表わすことができ、従来
の光学測定では不可能であった断層像の撮影を可能とす
ることができる。また、この方法では従来の光学測定と
同様に被写体に対し、非破壊・非接触でその内部構造を
測定できることはいうまでもない。
本発明で測定に使用する波長領域の光は、分光、光路
調節、偏光が可能であり、レーザダイオード等、光源も
小型なものが使用でき、光ファイバの利用によって光源
・光路とも自由にかつ極めて小さくとることも可能であ
り、更に単色性、直進性に優れたレーザ光も利用が可能
なので、装置の設計上からも空間分解能の優れた断層撮
影を実現することができる。
更に、紫外、可視、あるいは赤外領域の光に対するデ
ィテクタは感度、時間分解能とも極めて優れているた
め、精度が良く、測定時間の短縮も可能であるばかりで
なく、断層像の時間的変化を追跡することも可能であ
る。
しかも、光の波長領域に吸収をもつ分子種は、分子種
毎に特有の吸収スペクトルを持つために、本発明によれ
ば、原理的に物理的情報しか得られないX線CTと異な
り、化学的情報を断層像として表わすことも可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る光を用いた断層撮影装
置の概略構成を示す図、 第2図は本発明の他の実施例における光源および受光部
の配置を示す図、 第3図は本発明の他の実施例における光源および受光部
の配置を示す図、 第4図は本発明の他の実施例における光源および受光部
の配置を示す図、 第5図は本発明の他の実施例における複数の断面での断
層像を得るための光源および受光部の平行移動の様子を
示す図、 第6図は同じく第6の実施例における光源および受光部
の配置を示す図、 第7図は同じく第7の実施例における光源および受光部
の構成を示す図、 第8図は本発明の他の実施例における光源および受光部
の構成を示す図、 第9図は本発明の効果を確認するための実験に用いた被
写体の構造を示す図、 第10図は第9図の被写体について本発明により得られた
断層像を示す図、 第11図は本発明により得られたその被写体の断層像内の
所定位置での吸収スペクトル分布を示す図、 第12図は汎用装置によりその吸収体について得られた吸
収スペクトル分布を示す図である。 1……被写体、2……光源(光走査手段)、3……受光
部、4,5……リニアモータ、6……増幅器、7……A/D変
換器、8……画像再構成部、9……出力部、10……円筒
体、11……発光素子、12……光ファイバ、13……光照射
部、14……受光部、15……分光素子、16……光電変換
部。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも紫外域を含む波長領域の光を照
    射する複数の回転移動自在な光走査手段と、これら光走
    査手段に一対一対応して同一平面上に設けられるととも
    に、前記光走査手段に同期して回転移動して前記波長領
    域の光の強度を測定する複数の受光手段とにより、被写
    体の所定の断面内に、該断面に平行な複数の方向から前
    記波長領域の光を照射して、前記被写体からの前記波長
    領域の透過光の強度を測定して得られたデータの集合を
    再構成することにより前記被写体の断層像を得ると共
    に、得られた断層像のデータをもとに前記被写体の所定
    位置における吸収スペクトルを得ることを特徴とする光
    を用いた断層撮影方法。
  2. 【請求項2】被写体の所定の断面を通る平面上に配置さ
    れ、少なくとも紫外域を含む波長領域の光により前記断
    面内を複数の方向から光走査するための複数の回転移動
    自在の光走査手段と、 これら光走査手段に一対一対応して同一平面上に設けら
    れるとともに、前記光走査手段に同期して回転移動し
    て、前記被写体からの前記波長領域の透過光を受光して
    その強度を測定する受光手段と、 前記受光手段により測定された透過光強度のデータを再
    構成することにより前記被写体の断層像を生成し、この
    断層像のデータをもとに前記被写体の所定位置における
    吸収スペクトルを求める吸収スペクトル演算手段と を具備することを特徴とする光を用いた断層撮影装置。
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