JPS6111494Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等のエンジンに用いる二連式気
化器に於ける空燃比補償装置に係る。

自動車用エンジンに多く用いられている二連式
気化器は、プライマリボア及びセカンダリボアに
各々スロツトルバルブとメイン燃料ノズルを有し
ており、プライマリスロツトルバルブはアクセル
ペダルによつて操作され、セカンダリスロツトル
バルブはプライマリスロツトルバルブが所定開度
以上開かれて且つエンジン回転数が所定値に達し
たときベンチユリ負圧によつて作動するダイヤフ
ラム装置により開弁されるようになつている。セ
カンダリメイン燃料ノズルよりの燃料の吐出はセ
カンダリスロツトルバルブが開いてから少し遅れ
て開始されるが、その吐出初期には比較的多量の
燃料が噴出し、このためメイン燃料ノズルより燃
料が吐出され始めると、一時的ではあるが急激に
空燃比が小さくなり、過濃混合気がエンジンに供
給され、エンジンの軸トルクが一時的に低下する
という不具合を生じる。このことは、特にセカン
ダリスロー燃料系を有していない二連式気化器の
如く、セカンダリスロツトルバルブが開き始める
エンジン回転数が比較的小さい値に設定されてい
る場合、顕著になり、ドライバビリテイー上、ま
た排気ガス浄化上問題になることが多い。

本考案は従来の二連式気化器に於ける上述の如
き欠点に鑑み、セカンダリ系作動時の空燃比を補
償する空燃比補償装置を提供することを目的とし
ている。

かかる目的は、本考案によれば、セカンダリス
ロツトルバルブが開弁したことを検出するスロツ
トル開度センサと、エンジン回転数を検出するエ
ンジン回転数センサと、前記スロツトル開度セン
サと前記エンジン回転数センサが発生する信号に
応じてエンジン吸気系へ追加空気を選択的に供給
する追加空気供給装置とを有し、前記追加空気供
給装置はセカンダリスロツトルバルブが開弁し且
つエンジン回転数がセカンダリスロツトルバルブ
の開弁初期に当る或る比較的狭い回転数域にある
ときのみ追加空気をエンジン吸気系へ供給するよ
うに構成されていることを特徴とする空燃比補償
装置によつて達成される。

以下に添付の図を用いて本考案を実施例につい
て詳細に説明する。

第１図は本考案による空燃比補償装置を備えた
二連式気化器の一つの実施例を示す概略構成図で
ある。二連式気化器１はプライマリボア２とセカ
ンダリボア３とを有している。プライマリボア２
とセカンダリボア３内には各々ラージベンチユリ
４，５が設けられており、またその喉部にはスモ
ールベンチユリ６，７が設けられている。スモー
ルベンチユリ６，７の喉部には各々メイン燃料ノ
ズル８，９が開口しており、このメイン燃料ノズ
ルには各々図には示されていないフロート室内に
貯容されているガソリン燃料が供給されるように
なつている。吸気流でみてラージベンチユリより
下流側のプライマリボア２及びセカンダリボア３
内にはプライマリスロツトルバルブ１０、セカン
ダリスロツトルバルブ１１が設けられている。プ
ライマリスロツトルバルブ１０はスロツトル軸１
２に担持され、図には示されていないアクセル系
に連動連結され、アクセルペダルの踏み込みに応
じて直接的に開かれるようになつている。セカン
ダリスロツトルバルブ１１はスロツトル軸１３に
担持され、プライマリスロツトルバルブ１０がセ
コンドタツチ開度以上に開かれ且つ所定量以上の
吸入空気量があるとき、換言すればエンジン回転
数が所定値に達したとき開かれるようになつてい
る。

気化器１はその吸気流でみて上流側にてエアク
リーナ１４に接続され、また下流側にて吸気マニ
ホールド１５に接続されている。

吸気マニホールド１５には空燃比補償用の追加
空気を供給するための追加空気注入ポート１６が
設けられている。注入ポート１６にはエアフイル
タ１７、導管１８、制御弁１９、導管２０を経て
空気が選択的に供給されるようになつている。制
御弁１９は制御装置２１によつて制御される。制
御装置２１はスロツトル開度センサ２２とエンジ
ン回転数センサ２３が発生する信号を与えられ、
それらに基づき制御弁１９の制御を行なうように
なつている。スロツトル開度センサ２２はスロツ
トル軸１３に取付けられたレバー２４と選択的に
係合するアクチユエータ２５を備えたリミツトス
イツチによつて構成されており、セカンダリスロ
ツトルバルブ１１がその全閉位置より開かれた時
制御装置２１に、例えばオン信号を出力するよう
になつている。エンジン回転数センサ２３は例え
ば図には示されていないエンジンのイグニツシヨ
ン装置よりイグニツシヨンパルスを与えられ、そ
れに基づきエンジン回転数信号を発生し、それを
制御装置２１に出力するようになつている。制御
装置２１はスロツトル開度センサ２２よりセカン
ダリスロツトルバルブ１１が開弁している旨の信
号を与えられ、且つエンジン回転数センサ２３よ
りエンジン回転数が所定の回転数位置にある旨の
信号を与えられたとき、制御弁１９を開弁させる
旨の信号を制御弁１９に出力するようになつてい
る。この所定の回転数域はセカンダリスロツトル
バルブ１１が開いて空燃比が一時的に小さくなる
回転数域であり、これは実験等によつて見い出す
ことができる。

上述の如く構成されていることにより、セカン
ダリスロツトルバルブ１１が開いてエンジン回転
数が所定の回転数域になると、制御弁１９が開弁
し、追加空気供給ポート１６より追加空気が吸気
マニホールド１５内に供給されることにより、こ
のときに空燃比が一時的に小さくなることが回避
され、エンジンには適当な空燃比の混合気が引続
き供給されるようになる。

第２図はセカンダリスロツトルバルブが開いた
ときの空燃比の変動とエンジンの軸トルクの変動
を示している。グラフに於いて、実線は本考案装
置によつて空燃比の補償を行なわない場合の空燃
比及び軸トルクを示しており、破線は本考案装置
により追加空気を導入して空燃比の補償を行なつ
た場合の空燃比及び軸トルクを示している。この
場合、追加空気の導入は符号ｔで示されている回
転数域にて行なわれた。このグラフからも明らか
な如く、セカンダリスロツトルバルブが開弁した
直後に追加の空気を導入しない場合は、一時的に
空燃比が非常に小さくなり、エンジンに過濃混合
気が供給され、それによつてエンジンの軸トルク
が低下するが、本考案装置によつてセカンダリス
ロツトルバルブが開弁した直後に所定の回転数範
囲内にて追加の空気が導入され、空燃比の補償が
行なわれれば、このときの軸トルクの低下がみら
れず、エンジン回転数の増大に伴つて軸トルクが
連続的に増大する。

以上に於いては本考案を特定の実施例について
詳細に説明したが、本考案はこれに限定されるも
のではなく本考案の範囲内にて種々の実施例が可
能であることは当業者にとつて明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による空燃比補償装置を備えた
気化器の一つの実施例を示す概略構成図、第２図
はエンジン回転数と空燃比及び軸トルクの関係を
示すグラフである。 １……気化器、２……プライマリボア、３……
セカンダリボア、４，５……ラージベンチユリ、
６，７……スモールベンチユリ、８，９……メイ
ン燃料ノズル、１０……プライマリスロツトルバ
ルブ、１１……セカンダリスロツトルバルブ、１
２，１３……スロツトル軸、１４……エアクリー
ナ、１５……吸気マニホールド、１６……追加空
気供給ポート、１７……エアフイルタ、１８……
導管、１９……制御弁、２０……導管、２１……
制御装置、２２……スロツトル開度センサ、２３
……エンジン回転数センサ、２４……レバー、２
５……アクチユエータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二連式気化器に於ける空燃比補償装置にして、
   セカンダリスロツトルバルブが開弁したことを検
   出するスロツトル開度センサと、エンジン回転数
   を検出するエンジン回転数センサと、前記スロツ
   トル開度センサと前記エンジン回転数センサが発
   生する信号に応じてエンジン吸気系へ追加空気を
   選択的に供給する追加空気供給装置とを有し、前
   記追加空気供給装置はセカンダリスロツトルバル
   ブが開弁し且エンジン回転数がセカンダリスロツ
   トルバルブの開弁初期に当る或る比較的狭い回転
   数域にある時のみ追加空気をエンジン吸気系へ供
   給するように構成されていることを特徴とする空
   燃比補償装置。