JPS61110716A - 内燃機関用溶接弁の熱処理および表面硬化法 - Google Patents
内燃機関用溶接弁の熱処理および表面硬化法Info
- Publication number
- JPS61110716A JPS61110716A JP23067084A JP23067084A JPS61110716A JP S61110716 A JPS61110716 A JP S61110716A JP 23067084 A JP23067084 A JP 23067084A JP 23067084 A JP23067084 A JP 23067084A JP S61110716 A JPS61110716 A JP S61110716A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- treatment
- shaft end
- valve
- valve body
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 17
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 title claims description 9
- 238000003466 welding Methods 0.000 title abstract description 14
- 230000032683 aging Effects 0.000 claims abstract description 30
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims abstract description 28
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 claims abstract description 18
- 239000000956 alloy Substances 0.000 claims abstract description 18
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 claims abstract description 10
- 239000010959 steel Substances 0.000 claims abstract description 10
- 150000003839 salts Chemical class 0.000 claims abstract description 4
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 abstract description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 19
- 239000000243 solution Substances 0.000 description 16
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 15
- 239000002244 precipitate Substances 0.000 description 10
- 239000000463 material Substances 0.000 description 6
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 6
- 229910052759 nickel Inorganic materials 0.000 description 6
- 239000012535 impurity Substances 0.000 description 5
- 229910052750 molybdenum Inorganic materials 0.000 description 4
- 238000001556 precipitation Methods 0.000 description 4
- 150000001247 metal acetylides Chemical class 0.000 description 3
- 230000003647 oxidation Effects 0.000 description 3
- 238000007254 oxidation reaction Methods 0.000 description 3
- 230000001737 promoting effect Effects 0.000 description 3
- 229910000990 Ni alloy Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000000654 additive Substances 0.000 description 2
- 230000000996 additive effect Effects 0.000 description 2
- 229910001566 austenite Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 2
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 description 2
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 2
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 2
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910000734 martensite Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 2
- 229910001021 Ferroalloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910001347 Stellite Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000003483 aging Methods 0.000 description 1
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910052804 chromium Inorganic materials 0.000 description 1
- AHICWQREWHDHHF-UHFFFAOYSA-N chromium;cobalt;iron;manganese;methane;molybdenum;nickel;silicon;tungsten Chemical compound C.[Si].[Cr].[Mn].[Fe].[Co].[Ni].[Mo].[W] AHICWQREWHDHHF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 1
- 230000002542 deteriorative effect Effects 0.000 description 1
- 238000010894 electron beam technology Methods 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 238000005242 forging Methods 0.000 description 1
- 230000005484 gravity Effects 0.000 description 1
- 229910001068 laves phase Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910052758 niobium Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000001376 precipitating effect Effects 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 239000006104 solid solution Substances 0.000 description 1
- 229910052715 tantalum Inorganic materials 0.000 description 1
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
A1発明の目的
(1)産業上の利用分野
本発明は、排気弁および吸気弁として用いられる内燃機
関用溶接弁、特に傘部およびその傘部に連設される主軸
部を備えた弁本体と、主軸部に溶接される軸端部とより
なる溶接弁の熱処理および表面硬化法に関する。
関用溶接弁、特に傘部およびその傘部に連設される主軸
部を備えた弁本体と、主軸部に溶接される軸端部とより
なる溶接弁の熱処理および表面硬化法に関する。
(2)従来の技術
従来、前記弁本体はNIMONIC90のようなNi基
耐熱合金より構成され、また軸端部は5UHI、5UH
3,5tJH11のような鋼より構成される。
耐熱合金より構成され、また軸端部は5UHI、5UH
3,5tJH11のような鋼より構成される。
そして、弁本体の強度を向上させるために、熱処理とし
て1050℃にて20分間保持する溶体化処理と750
°Cにて4時間保持する時効処理が行われ、また軸端部
の靭性を向上させると共に高硬度を確保するために、熱
処理として815〜820℃にて20分間保持する溶体
化処理と480℃にて3時間保持する時効処理が行われ
る。
て1050℃にて20分間保持する溶体化処理と750
°Cにて4時間保持する時効処理が行われ、また軸端部
の靭性を向上させると共に高硬度を確保するために、熱
処理として815〜820℃にて20分間保持する溶体
化処理と480℃にて3時間保持する時効処理が行われ
る。
さらに溶接弁、特に軸端部の表面硬度を向上させるため
に溶接弁にはタフトライド処理が施される。
に溶接弁にはタフトライド処理が施される。
(3)発明が解決しようとする問題点
しかしながら、溶接弁に前記熱処理を施すと、軸端部の
溶体化処理処理温度が815〜820°Cと高いため弁
本体に過熱組織が生成され、その強度および靭性が劣化
するという問題がある。また軸端部の時効処理温度が4
80℃と低いので、タフトライド処理を前記時効処理と
は別工程で行わなければならず、熱量の損失、作業工数
の増加等を招来し溶接弁の製造コストが嵩むといった問
題もある。
溶体化処理処理温度が815〜820°Cと高いため弁
本体に過熱組織が生成され、その強度および靭性が劣化
するという問題がある。また軸端部の時効処理温度が4
80℃と低いので、タフトライド処理を前記時効処理と
は別工程で行わなければならず、熱量の損失、作業工数
の増加等を招来し溶接弁の製造コストが嵩むといった問
題もある。
本発明は上記に鑑み、弁本体および軸端部の構成材料と
して特定のものを選定し、これにより弁本体と軸端部の
特定の熱処理を同一工程で行い、また軸端部の最終熱処
理と溶接弁全体の表面硬化処理とを同一工程で行うよう
にして前記従来の諸問題を解決し得るようにした前記熱
処理および表面硬化法を提供することを目的とする。
して特定のものを選定し、これにより弁本体と軸端部の
特定の熱処理を同一工程で行い、また軸端部の最終熱処
理と溶接弁全体の表面硬化処理とを同一工程で行うよう
にして前記従来の諸問題を解決し得るようにした前記熱
処理および表面硬化法を提供することを目的とする。
B1発明の構成
(1)問題点を解決するための手段
本発明は、傘部および該傘部に連設される主軸部を備え
、Ni基耐熱合金より構成される弁本体と;前記主軸部
に溶接され、高硬度高靭性の鋼より構成される軸端部と
;よりなる内燃機関用溶接弁の熱処理および表面硬化法
であって、前記溶接弁を1000〜1150℃にて10
〜40分間保持して前記弁本体に溶体化処理を施す第1
工程と、前記溶接弁を730〜800℃にて3〜8時間
保持して前記弁本体に時効処理を施すと同時に前記軸端
部に溶体化処理を施す第2工程と、前記溶接弁を500
〜550℃にて2〜3時間保持して前記軸端部に第1時
効処理を施す第3工程と、前記溶接弁を500〜530
℃にて2〜3時間タフトライド用塩浴に保持して前記軸
端部に第2時効処理を施すと同時に前記弁本体および軸
端部に表面硬化処理を施す第4工程とを用いることを特
徴とする。
、Ni基耐熱合金より構成される弁本体と;前記主軸部
に溶接され、高硬度高靭性の鋼より構成される軸端部と
;よりなる内燃機関用溶接弁の熱処理および表面硬化法
であって、前記溶接弁を1000〜1150℃にて10
〜40分間保持して前記弁本体に溶体化処理を施す第1
工程と、前記溶接弁を730〜800℃にて3〜8時間
保持して前記弁本体に時効処理を施すと同時に前記軸端
部に溶体化処理を施す第2工程と、前記溶接弁を500
〜550℃にて2〜3時間保持して前記軸端部に第1時
効処理を施す第3工程と、前記溶接弁を500〜530
℃にて2〜3時間タフトライド用塩浴に保持して前記軸
端部に第2時効処理を施すと同時に前記弁本体および軸
端部に表面硬化処理を施す第4工程とを用いることを特
徴とする。
(2)作 用
前記第1〜第4工程における温度等の限定理由について
は以下の通りである。
は以下の通りである。
弁本体の溶体化処理を行う第1工程においては、加熱温
度が1000℃を下回ると、温度が低いため未固溶の析
出物が残り時効処理後の硬度が不安定となる。また加熱
温度が1150℃を上回ると弁本体および軸端部の結晶
粒度が粗大化し靭性の低下を招くと同時に時効処理時間
を長くしないと十分な硬さが得られないため不経済であ
る。
度が1000℃を下回ると、温度が低いため未固溶の析
出物が残り時効処理後の硬度が不安定となる。また加熱
温度が1150℃を上回ると弁本体および軸端部の結晶
粒度が粗大化し靭性の低下を招くと同時に時効処理時間
を長くしないと十分な硬さが得られないため不経済であ
る。
前記の各点を考慮して加熱温度を1000〜1150℃
、その温度における保持時間を10〜40分間に設定す
ることにより弁本体の溶体化処理が確実に行われる。
、その温度における保持時間を10〜40分間に設定す
ることにより弁本体の溶体化処理が確実に行われる。
弁本体の時効処理および軸端部の溶体化処理を行う第2
工程においては加熱温度が730℃を下回ると弁本体の
時効処理が不充分であり、また800℃を上回ると、弁
本体に過熱組織が生成されて高温強度および靭性が低下
する。
工程においては加熱温度が730℃を下回ると弁本体の
時効処理が不充分であり、また800℃を上回ると、弁
本体に過熱組織が生成されて高温強度および靭性が低下
する。
軸端部は、一般的には820℃以上で固溶化される材質
であるが、730〜800℃の加熱温度範囲においても
溶体化処理され、時効処理後において実用上十分な硬さ
および高温強度が得られる。
であるが、730〜800℃の加熱温度範囲においても
溶体化処理され、時効処理後において実用上十分な硬さ
および高温強度が得られる。
したがって加熱温度を730〜800℃、その温度にお
ける保持時間を3〜8時間に設定することにより弁本体
の時効処理および軸端部の溶体化処理が確実に行われる
。
ける保持時間を3〜8時間に設定することにより弁本体
の時効処理および軸端部の溶体化処理が確実に行われる
。
軸端部の第1時効処理を行う第3工程においては、軸端
部に過熱組織が生成しない範囲で加熱温度を高(設定し
、次のタフトライド処理時のひずみを防止するのが望ま
しい。このためには加熱温度を500〜550℃に設定
する必要がある。軸端部は、一般的には450〜520
℃で時効処理を施される材質であるが、500〜550
℃の温度範囲においても処理時間を2〜3時間に設定す
ることにより過熱組織の生成を回避して実用上十分な靭
性が得られる。
部に過熱組織が生成しない範囲で加熱温度を高(設定し
、次のタフトライド処理時のひずみを防止するのが望ま
しい。このためには加熱温度を500〜550℃に設定
する必要がある。軸端部は、一般的には450〜520
℃で時効処理を施される材質であるが、500〜550
℃の温度範囲においても処理時間を2〜3時間に設定す
ることにより過熱組織の生成を回避して実用上十分な靭
性が得られる。
軸端部の第2時効処理を行うと同時に弁本体および軸端
部の表面硬化処理を行う第4工程においては、加熱温度
を500〜530℃に設定し、また加熱時間を2〜3時
間に設定することにより前記両処理が確実に行われる。
部の表面硬化処理を行う第4工程においては、加熱温度
を500〜530℃に設定し、また加熱時間を2〜3時
間に設定することにより前記両処理が確実に行われる。
タフトライド処理は一般的には加熱温度570〜580
℃の範囲で行われるが、この範囲で処理すると軸端部に
過熱組織が生成されてその軸端部の高温強度および靭性
が低下する。
℃の範囲で行われるが、この範囲で処理すると軸端部に
過熱組織が生成されてその軸端部の高温強度および靭性
が低下する。
このようにタフトライド処理と同時に軸端部の第2時効
処理を行うと、前記第3工程の処理時間を短縮すること
ができるので経済的である。
処理を行うと、前記第3工程の処理時間を短縮すること
ができるので経済的である。
(3)実施例
前記弁本体を構成するNi基耐熱合金としては、C0,
01〜0.15重量%、Si2.0重量%以下、Mn2
.5重量%以下、Cr 14〜25重量%、Ti1.5
〜3.0重量%、Aβ 0.4〜2゜0重量%、Fe
10重量%以下および不可避不純物を含有するNi合
金、および前記合金にさらにGo15〜21重量%また
はNb+Ta 0゜5〜1.5重量%を添加したNi
合金が該当する。
01〜0.15重量%、Si2.0重量%以下、Mn2
.5重量%以下、Cr 14〜25重量%、Ti1.5
〜3.0重量%、Aβ 0.4〜2゜0重量%、Fe
10重量%以下および不可避不純物を含有するNi合
金、および前記合金にさらにGo15〜21重量%また
はNb+Ta 0゜5〜1.5重量%を添加したNi
合金が該当する。
前記耐熱合金における各添加元素の果たす役割およびそ
の添加量の限定理由は以下の通りである。
の添加量の限定理由は以下の通りである。
(al Cについて
Cは、CrおよびTiと結合して炭化物を形成し、これ
により高温強度を高める効果を有する。
により高温強度を高める効果を有する。
ただし、0.01重量%を下回ると前記効果が得られず
、また0、15重債務を上回ると高温強度、高温下にお
ける靭性および延性が劣化する。
、また0、15重債務を上回ると高温強度、高温下にお
ける靭性および延性が劣化する。
fblsiについて
Siは脱酸元素として必要であるが、2.0重量%を上
回ると高温強度、高温下における靭性および延性が劣化
する。
回ると高温強度、高温下における靭性および延性が劣化
する。
(c)Mnについて
MnはSi同様脱酸元素として必要であるが、2.5重
量%を上回ると耐酸化性および高温強度が低下する。
量%を上回ると耐酸化性および高温強度が低下する。
(d)Crについて
Crは高温下における耐酸化性および耐食性を維持する
効果を有する。ただし、14重量%を下回ると前記効果
が得られず、また25重貴簡を上回るとオーステナイト
相が不安定となりη相等の析出により高温強度および高
温下における靭性が低下する。
効果を有する。ただし、14重量%を下回ると前記効果
が得られず、また25重貴簡を上回るとオーステナイト
相が不安定となりη相等の析出により高温強度および高
温下における靭性が低下する。
(elTiはγ′相(Ni:+ (A7!Ti))の
主形成元素であり、このγ′相の形成により高温強度を
維持する効果を有する。ただし、1.5重量%を下回る
とγ′相の析出が少ないので前記強度を得ることができ
ず、また3、0重量%を上回るとη相(N i z T
i )が析出して前記強度が低下する。
主形成元素であり、このγ′相の形成により高温強度を
維持する効果を有する。ただし、1.5重量%を下回る
とγ′相の析出が少ないので前記強度を得ることができ
ず、また3、0重量%を上回るとη相(N i z T
i )が析出して前記強度が低下する。
1f)Affiについて
filはTi同様γ′相の主形成元素である。ただし、
0.4重量%を下回るとγ′相が不安定となり、η相が
析出して高温強度および高温下における靭性の低下を招
来し、また2、0重量%を上回るとγ′相とマトリック
スとの整合性が高まって整合量が減少し十分な高温強度
が得られず、その上熱間鍛造性および熱間圧延性も低下
する。
0.4重量%を下回るとγ′相が不安定となり、η相が
析出して高温強度および高温下における靭性の低下を招
来し、また2、0重量%を上回るとγ′相とマトリック
スとの整合性が高まって整合量が減少し十分な高温強度
が得られず、その上熱間鍛造性および熱間圧延性も低下
する。
(幻 Feについて
FeはNiの一部を置換して経済性を高め、また添加元
素をフェロアロイとして添加するために必要である。た
だし、10重量%を上回ると高温強度および靭性が低下
し、またT相が不安定となり、η相等が析出するので好
ましくない。
素をフェロアロイとして添加するために必要である。た
だし、10重量%を上回ると高温強度および靭性が低下
し、またT相が不安定となり、η相等が析出するので好
ましくない。
(hlcoについて
Coは耐pbo性を劣化させることなく高温強度を高め
ると共に時効硬化を促進する効果を有する。ただし、1
5重量%を下回ると前記効果が得られず、また21重量
%を上回っても前記効果の向上が少なく、その上Coは
比重が8.9と大きいため弁本体が重くなり、また経済
性の面からも不利である。
ると共に時効硬化を促進する効果を有する。ただし、1
5重量%を下回ると前記効果が得られず、また21重量
%を上回っても前記効果の向上が少なく、その上Coは
比重が8.9と大きいため弁本体が重くなり、また経済
性の面からも不利である。
(1) N b + T aについてNbは炭化物や
γ′相を形成して高温強度を高める効果を有する。ただ
し、0.5重量%を下回ると前記効果が得られず、また
1、5重量%を上回るとσ相(N i 3 N b)や
ラベス相(NbFe2)が析出して高温長時間における
耐久性(相の安定性)、高温強度および高温下における
靭性がそれぞれ低下し、その上耐食耐酸化性が劣化する
と共に不経済でもある。
γ′相を形成して高温強度を高める効果を有する。ただ
し、0.5重量%を下回ると前記効果が得られず、また
1、5重量%を上回るとσ相(N i 3 N b)や
ラベス相(NbFe2)が析出して高温長時間における
耐久性(相の安定性)、高温強度および高温下における
靭性がそれぞれ低下し、その上耐食耐酸化性が劣化する
と共に不経済でもある。
前記軸端部を構成する高硬度高靭性の鋼としては、C0
,03重量%以下、Ni 12〜20重量%、Mo3
.8〜5.2重量%、TiO,1〜0゜8重量%、AN
o、05〜0.15重量%、007〜9.5重量%およ
び不可避不純物を含有する鋼が該当する。
,03重量%以下、Ni 12〜20重量%、Mo3
.8〜5.2重量%、TiO,1〜0゜8重量%、AN
o、05〜0.15重量%、007〜9.5重量%およ
び不可避不純物を含有する鋼が該当する。
前記網における各添加元素の果たす役割およびその添加
量の限定理由は以下の通りである。
量の限定理由は以下の通りである。
(al Cについて
Cは溶体化処理によりマトリックスをマルテンサイト化
し高温強度を高める効果を有する。ただし、0.03重
量%を上回るとTi等と結合して炭化物の量が増大しマ
トリックスの靭性が低下する。
し高温強度を高める効果を有する。ただし、0.03重
量%を上回るとTi等と結合して炭化物の量が増大しマ
トリックスの靭性が低下する。
(b)Niについて
Niは靭性を向上させると共に時効処理によりN13M
oおよびγ′相(Niz (A/Ti))を析出させ
て高温強度を付与する効果がある。ただし、12重量%
を下回ると、Niが析出物により消費されてマトリック
スへの固溶が少なくなり十分な靭性が得られず、同時に
析出物の量も少ないため高温強度が不足する。また20
重量%を上回るとMs点が低下して溶体化処理により殆
どオーステナイトとなるため高温強度を高めるためには
さらに複雑な熱処理が必要となる。その上、Niは高価
であるから経済性の面からも不利である。
oおよびγ′相(Niz (A/Ti))を析出させ
て高温強度を付与する効果がある。ただし、12重量%
を下回ると、Niが析出物により消費されてマトリック
スへの固溶が少なくなり十分な靭性が得られず、同時に
析出物の量も少ないため高温強度が不足する。また20
重量%を上回るとMs点が低下して溶体化処理により殆
どオーステナイトとなるため高温強度を高めるためには
さらに複雑な熱処理が必要となる。その上、Niは高価
であるから経済性の面からも不利である。
(c)Moについて
MoはNiと結合し、′時効処理後マトリックスとして
のマルテンサイトにN13Moを析出して高温強度を高
める効果を有する。ただし、3.8重量%を下回ると、
Ni、Moの析出量が少な(十分な高温強度を得ること
ができない。また5、2重量%を上回ると、時効処理に
よりFe、Moが析出して靭性が低下し、その上経済性
の面からも不利である。
のマルテンサイトにN13Moを析出して高温強度を高
める効果を有する。ただし、3.8重量%を下回ると、
Ni、Moの析出量が少な(十分な高温強度を得ること
ができない。また5、2重量%を上回ると、時効処理に
よりFe、Moが析出して靭性が低下し、その上経済性
の面からも不利である。
(d)Tiについて
TiはT′相の主形成元素であり、高温強度を維持する
効果がある。ただし、0.1重量%を下回るとγ′相の
析出量が少な(十分な高温強度を得ることができない。
効果がある。ただし、0.1重量%を下回るとγ′相の
析出量が少な(十分な高温強度を得ることができない。
また0、8重量%を上回るとη相の析出量が多くなり、
高温強度および靭性が劣化し、その上加工性が低下する
。
高温強度および靭性が劣化し、その上加工性が低下する
。
(e)Alについて
AlはTi同様T′相の主形成要素である。ただし、0
.05重量%を下回るとγ′相が不安定となりη相が析
出して靭性が低下する。また0、15重量%を上回ると
T′相とマトリックスとの整合性が高まって整合量が減
少し十分な高温強度が得られず、その上加工性が低下す
る。
.05重量%を下回るとγ′相が不安定となりη相が析
出して靭性が低下する。また0、15重量%を上回ると
T′相とマトリックスとの整合性が高まって整合量が減
少し十分な高温強度が得られず、その上加工性が低下す
る。
(f)Coについて
CoはNiとMoの結合によるNi、Moの析出を促進
し、またMs点を上げて熱処理を単純化する効果を有す
る。ただし、7重量%を下回るとN13Moの析出促進
効果が少なく十分な高温強度が得られない。また9、5
重量%を上回っても、前記効果の向上が少なく、その上
経済性の面でも不利である。
し、またMs点を上げて熱処理を単純化する効果を有す
る。ただし、7重量%を下回るとN13Moの析出促進
効果が少なく十分な高温強度が得られない。また9、5
重量%を上回っても、前記効果の向上が少なく、その上
経済性の面でも不利である。
第1図において、溶接弁としての排気弁lは傘部3およ
びその傘部3に連設される主軸部4より構成される弁本
体2と、その主軸部4に摩擦溶接等により溶接される軸
端部5とよりなる。弁本体2には傘部3の端面より軸端
部5の端部近傍に延びる盲孔6が形成され、その盲孔6
の開口部6aは傘部3に溶接した栓体7により閉鎖され
る。盲孔6内には、必要に応じてNa等の熱伝導性の良
好な熱媒体が封入される。
びその傘部3に連設される主軸部4より構成される弁本
体2と、その主軸部4に摩擦溶接等により溶接される軸
端部5とよりなる。弁本体2には傘部3の端面より軸端
部5の端部近傍に延びる盲孔6が形成され、その盲孔6
の開口部6aは傘部3に溶接した栓体7により閉鎖され
る。盲孔6内には、必要に応じてNa等の熱伝導性の良
好な熱媒体が封入される。
第2図は、排気弁1を内燃機関Eに組込んだ状態を示し
、8は弁座部材、9はカム軸、10は排気ポートである
。
、8は弁座部材、9はカム軸、10は排気ポートである
。
このように排気弁1を中空に構成すると、その弁1の軽
量化が図られ、内燃機関の出力を向上させる工に有効で
ある。
量化が図られ、内燃機関の出力を向上させる工に有効で
ある。
下表は、弁本体2を構成するNi基耐熱合金I。
■、■の組成を示す。なお残部はNiおよび不可避不純
物であり、また各数値の単位は重量%である。
物であり、また各数値の単位は重量%である。
軸端部5を構成する鋼は、C0,02重量%、Ni
18.5重量%、Mo4.9重量%、Ti0.75重量
%、Azo、10重量%、Co 9.0重量%および残
部がFeおよび不可避不純物よりなる組成を有する。
18.5重量%、Mo4.9重量%、Ti0.75重量
%、Azo、10重量%、Co 9.0重量%および残
部がFeおよび不可避不純物よりなる組成を有する。
栓体7を構成するNi合金は、Cr23.0重量%、A
ffi 1.35重量%、Fe14.0重量%および
残部がNiおよび不可避不純物よりなる組成を有する。
ffi 1.35重量%、Fe14.0重量%および
残部がNiおよび不可避不純物よりなる組成を有する。
次に排気弁1の製造、熱処理および表面硬化法について
説明する。
説明する。
前記表のNi基耐熱合金Iより中実棒状をなす弁本体素
材と前記鋼より同様の形状を有する軸端部素材を形成し
て両者を摩擦溶接により接合する。
材と前記鋼より同様の形状を有する軸端部素材を形成し
て両者を摩擦溶接により接合する。
弁本体素材の傘部3を成形する部位にアブセント加工を
施した後熱間鍛造により弁本体2および軸端部5を所定
の形状に成形する。
施した後熱間鍛造により弁本体2および軸端部5を所定
の形状に成形する。
弁本体2および軸端部5を1050℃にて20分間加熱
し、その後空冷して弁本体2に溶体化処理を施す。
し、その後空冷して弁本体2に溶体化処理を施す。
弁本体2および軸端部5を780℃にて4時間加熱し、
その後空冷して弁本体2に時効処理を施すと同時に軸端
部5に溶体化処理を施す。これにより弁本体2の硬度は
HRC≧25となる。
その後空冷して弁本体2に時効処理を施すと同時に軸端
部5に溶体化処理を施す。これにより弁本体2の硬度は
HRC≧25となる。
弁本体2および軸端部5に、傘部3端面より軸端部5の
端部近傍に至る盲孔6を形成する。
端部近傍に至る盲孔6を形成する。
必要に応じて盲孔6に熱媒体を封入した後、前記N1合
金よりなる栓体7を傘部3に電子ビーム溶接、摩擦溶接
等の溶接手段により溶接して盲孔6を閉鎖する。
金よりなる栓体7を傘部3に電子ビーム溶接、摩擦溶接
等の溶接手段により溶接して盲孔6を閉鎖する。
弁本体2および軸端部5を530℃にて2時間加熱し、
その後空冷して軸端部5に第1時効処理を施す。
その後空冷して軸端部5に第1時効処理を施す。
弁本体2および軸端部5を515±5℃のタフトライド
用塩浴に入れて2時間半加熱し、軸端部5に第2時効処
理を施すと同時に弁本体2および軸端部5に表面硬化処
理を施す。
用塩浴に入れて2時間半加熱し、軸端部5に第2時効処
理を施すと同時に弁本体2および軸端部5に表面硬化処
理を施す。
前記表のNi基耐熱合金■、■を用いて前記同様の工程
を経て排気弁を得る。
を経て排気弁を得る。
前記工程を経て得られたNi基耐熱合金r、 nを用
いた排気弁1における弁本体2の硬度はH。
いた排気弁1における弁本体2の硬度はH。
C30、また軸端部5の硬度はHRC50である。さら
に軸端部5のシャルピー衝撃値は3.5〜5kgm/d
である。さらにまた前記表のNi基耐熱合金■を用いた
場合、弁本体2の硬度はHRC35が確保され、ステラ
イト盛金等の後処理が不要となる。
に軸端部5のシャルピー衝撃値は3.5〜5kgm/d
である。さらにまた前記表のNi基耐熱合金■を用いた
場合、弁本体2の硬度はHRC35が確保され、ステラ
イト盛金等の後処理が不要となる。
このように軸端部5は高硬度であるため優れた耐摩耗性
と高温強度を有し耐久性に優れている。
と高温強度を有し耐久性に優れている。
また軸端部5は前記衝撃値より明らかなように高い靭性
を有するので割れ等の欠陥を生じることがない。
を有するので割れ等の欠陥を生じることがない。
さらに弁本体2と軸端部5との溶接部の引張強度を引張
試験機を用いて測定したところ、90kg/f12が確
保されており、排気弁として実用性を有することが認め
られる。
試験機を用いて測定したところ、90kg/f12が確
保されており、排気弁として実用性を有することが認め
られる。
比較のため、排気弁を前記Ni基耐熱合金のみにより構
成し、それに前記熱処理および表面硬化処理を施したも
のの硬度は前記弁本体と同様HRC30であるため強度
上問題があり、特にコック溝、軸端面等の耐摩耗性が低
いことが確認された。
成し、それに前記熱処理および表面硬化処理を施したも
のの硬度は前記弁本体と同様HRC30であるため強度
上問題があり、特にコック溝、軸端面等の耐摩耗性が低
いことが確認された。
またNi基耐熱合金は非常に高価であるため、その合金
より排気弁全体を構成することは不経済であるが、本発
明のように軸端部を鋼より構成すると経済的である。
より排気弁全体を構成することは不経済であるが、本発
明のように軸端部を鋼より構成すると経済的である。
C0発明の効果
本発明によれば、弁本体をNi基耐熱合金より構成し、
また軸端部を高硬度高靭性の鋼より構成することにより
、弁本体の時効処理と同時に軸端部の溶体化処理を同一
の工程で行い、また軸端部の第2時効処理とタフトライ
ドによる表面硬化処理を同一の工程で行うことが可能と
なり、これにより熱処理工程および表面硬化処理工程に
おける経済性を良好にして溶接弁の製造コストを低減す
ることができる。また軸端部に優れた耐摩耗性および強
度を保持させてその耐久性を向上させると共に高い靭性
を保持させて割れ等の欠陥の発生を防止することができ
る。
また軸端部を高硬度高靭性の鋼より構成することにより
、弁本体の時効処理と同時に軸端部の溶体化処理を同一
の工程で行い、また軸端部の第2時効処理とタフトライ
ドによる表面硬化処理を同一の工程で行うことが可能と
なり、これにより熱処理工程および表面硬化処理工程に
おける経済性を良好にして溶接弁の製造コストを低減す
ることができる。また軸端部に優れた耐摩耗性および強
度を保持させてその耐久性を向上させると共に高い靭性
を保持させて割れ等の欠陥の発生を防止することができ
る。
第1図は本発明の対象となる排気弁の要部を縦断した正
面図、第2図は排気弁を組込んだ内燃機関の縦断正面図
である。
面図、第2図は排気弁を組込んだ内燃機関の縦断正面図
である。
Claims (1)
- 傘部および該傘部に連設される主軸部を備え、Ni基耐
熱合金より構成される弁本体と;前記主軸部に溶接され
、高硬度高靭性の鋼より構成される軸端部と;よりなる
内燃機関用溶接弁の熱処理および表面硬化法であって、
前記溶接弁を1000〜1150℃にて10〜40分間
保持して前記弁本体に溶体化処理を施す第1工程と、前
記溶接弁を730〜800℃にて3〜8時間保持して前
記弁本体に時効処理を施すと同時に前記軸端部に溶体化
処理を施す第2工程と、前記溶接弁を500〜550℃
にて2〜3時間保持して前記軸端部に第1時効処理を施
す第3工程と、前記溶接弁を500〜530℃にて2〜
3時間タフトライド用塩浴に保持して前記軸端部に第2
時効処理を施すと同時に前記弁本体および軸端部に表面
硬化処理を施す第4工程と、よりなる内燃機関用溶接弁
の熱処理および表面硬化法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23067084A JPS61110716A (ja) | 1984-11-01 | 1984-11-01 | 内燃機関用溶接弁の熱処理および表面硬化法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23067084A JPS61110716A (ja) | 1984-11-01 | 1984-11-01 | 内燃機関用溶接弁の熱処理および表面硬化法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61110716A true JPS61110716A (ja) | 1986-05-29 |
Family
ID=16911457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23067084A Pending JPS61110716A (ja) | 1984-11-01 | 1984-11-01 | 内燃機関用溶接弁の熱処理および表面硬化法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61110716A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6371508A (ja) * | 1986-09-12 | 1988-03-31 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | きのこ状弁の製造方法 |
JP2015098632A (ja) * | 2013-11-20 | 2015-05-28 | 大同特殊鋼株式会社 | 傾斜機能部品及びその製造方法 |
-
1984
- 1984-11-01 JP JP23067084A patent/JPS61110716A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6371508A (ja) * | 1986-09-12 | 1988-03-31 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | きのこ状弁の製造方法 |
JP2015098632A (ja) * | 2013-11-20 | 2015-05-28 | 大同特殊鋼株式会社 | 傾斜機能部品及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101484597B (zh) | 耐磨高温合金 | |
CN104630597B (zh) | 一种铁镍铬基高温合金及其制造方法 | |
KR100244786B1 (ko) | 디젤내연기관용 배기밸브 및 그 제조방법 | |
JPH09157779A (ja) | 低熱膨張Ni基超耐熱合金およびその製造方法 | |
US6193822B1 (en) | Method of manufacturing diesel engine valves | |
JP3559681B2 (ja) | 蒸気タービン翼およびその製造方法 | |
JPS6184347A (ja) | 内燃機関用中空弁 | |
JP2820776B2 (ja) | 析出硬化フェライト―パーライト鋼 | |
JP3671271B2 (ja) | エンジン排気バルブの製造方法 | |
JPH10219377A (ja) | ディーゼルエンジンの高耐食性吸排気バルブ用合金及び吸排気バルブの製造方法 | |
EP2503012B1 (en) | Precipitation hardened heat-resistant steel | |
JPS61119640A (ja) | 排気バルブ用合金 | |
JPS60162760A (ja) | 高強度耐熱材料の製造方法 | |
JPS61110716A (ja) | 内燃機関用溶接弁の熱処理および表面硬化法 | |
JPS61238942A (ja) | 耐熱合金 | |
JP2000328163A (ja) | ディーゼルエンジン用排気バルブ合金及び排気バルブの製造方法 | |
JP2000204449A (ja) | 冷間加工性と高温加熱安定性に優れたFe基耐熱合金 | |
JPH07238349A (ja) | 耐熱鋼 | |
JPS6013020A (ja) | 耐熱合金の熱処理方法 | |
JP4203609B2 (ja) | 排気バルブの製造方法 | |
WO2023082335A1 (zh) | 气门及其耐高温合金 | |
JPH04193932A (ja) | エンジンバルブ用耐熱合金 | |
JPS60165360A (ja) | 高強度・高靭性蒸気タ−ビンロ−タ | |
JPH0448051A (ja) | 耐熱鋼 | |
JPS6147900B2 (ja) |