JPS6110730Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、バツクフイルター装置用筒の取出
し装置に関するものである。

従来、例えば外面過型のバツクフイルター装
置において、筒を交換する際は、作業員が直接
過室に入つて筒の取外し取付け作業を行なつ
ていたが、過室には筒が僅かな間隔で多数配
置されており、しかも筒の取付部は人手の届き
にくい過室上部天井に位置しているため、交換
作業は極めて困難であり、加えて筒交換時に
は、該過室内部および筒外部には粉塵が多量
に存在するため、作業員が粉塵に汚染されるなど
の欠点がある。

特に取扱われる粉塵が医薬品、食品、化学薬品
などの場合は、各品種間の相互混入を避けるため
に、品種切換時ごとに筒の交換を行なわねばな
らないため交換頻度も多く、そのたびごとに多大
な交換時間を必要とするなど非常に厄介なもので
あつた。

本考案は、前記の欠点を解決するために、筒
群全体を過室の外部のしかも低い位置にリンク
機構により機械的（半自動的）に取り出し、作業
員が粉塵に汚染されることがなく、筒の交換が
容易で、しかも筒の交換時間を大巾に短縮し得
るバツクフイルター装置用筒の取出し装置を提
供するものである。

以下添付図面に示した実施例を参照して本考案
を説明する。第１図、第２図は本考案に係る筒
の取出し装置を具備する外面過型バツクフイル
ター装置を示す。図において、１はバツクフイル
ターの過室、２はその円錐部、３は含塵空気
（ガス）入口、４は清浄空気（ガス）出口、５は
筒、６は内装フアン、７はフアン駆動用モー
タ、８はロータリーバルブ、９は支持脚、１０，
１１は縦リンク、１２は横リンク、１３は天板、
該横リンク１２に固着された１４はシール用パツ
キング、１５は天板固定枠、１６はフツク、１７
はフツク上下用エアシリンダー、１８は縦リンク
１０を回転させる駆動用ブレーキモーター、１９
はスプロケツトホイル、２０扉、２１は布洗浄
用圧縮空気管、２２は電磁弁装置である。

上記筒５は布５′およびこれを支持するリ
テイナー３１から構成される。またこの筒５は
第３図ａ，ｂに示すように、天板１３に懸架され
ており、リテイナー上部フランジ３１′およびシ
ールパツキング３２を介してリテイナー固定用レ
バー３３により固定されている。なお、第３図
ａ，ｂにおいて、３４はレバー端固定用簡便錠、
３５はヒンジである。

上記天板１３の周囲にはシール用パツキング１
４が装着されている。該シール用パツキング１４
は過室１の当接板１５を密着し、過室１の空
気が筒５のみを通過して出口４に向けて流れる
ようにしている。

本考案の筒の取出し装置は、上記縦リンク１
０，１１、横リンク１２、天板１３、フツク１
４、フツク上下用用エアシリンダー１７、駆動用
ブレーキモーター１８、スプロケツトホイル１９
から成る。

縦リンク１０，１１は過室１内の所定の位置
に設けた回転軸２４，２５によつて回転可能に軸
支されている。縦リンク１０，１１は、該リンク
の上端に設けた軸２６，２７と該軸２６，２７が
嵌合する長孔２８，２９を介して横リンク１２に
連結されている。これら縦リンク１０，１１およ
び横リンク１２で回転リンク機構を構成する。縦
リンク１０，１１および横リンク１２の軸の方向
に４本が並列している。第２図において縦リンク
１０，１１は横リンク１２の直下にあり、図にあ
らわれていない。そして４つの横リンク１２は天
板１３に一体に固着されている。天板１３は横リ
ンク１２に設けた天板吊手３０を介してフツク１
６に懸架されており、該フツク１６はエアシリン
ダー１７の作用により上下動可能となつている。

なお、エアシリンダー１７によつて天板１３が
上下動可能となるので、エアシリンダー１７で天
板１３を上方に引張ることにより、完全なパツキ
ングが行われ、過室の空気が筒のみを通過す
るようにすることができる。

なお、上記リンク１０，１１，１２等は通常炭
素鋼、ステンレス構にて製作するが、取扱粉体の
性状に応じ、チタン、アルミニウムなどで製作し
ても良い。

上記実施例の作用は次のとおりである。含塵空
気入口３より過室１内に誘導された含塵ガス
は、筒５の外面に至り、布５′によつて粉塵
（ダスト）が捕促され、過された清浄空気のみ
が各々の筒５内を上昇し、過室１の上部に配
設されたフアン６により吸引されたのち、清浄空
気出口４より排出される。一方、過抵抗を増大
させるため、運転中布洗浄用空気管２１のノズ
ル２３より間欠的に圧縮空気を筒５の中心部に
対し下向きに瞬間的に吹付ける。これにより布
５′の外面に付着した粉塵を払い落す。なお、圧
縮空気は、別途操作盤（図示せず）に組込まれた
シーケンス制御により電磁弁装置２２を瞬間的に
作動させて空気管２１に供給される。かくして払
い落し操作は運転中自動的かつ継続的に行なわれ
る。

上記バツクフイルター装置において、筒５を
交換するときは次のように行なう。

まず第１図の状態から、フツク上下用エアシリ
ンダー１７を作動させて先端のフツク１６を下げ
る、天板１３に取り付けられた筒５は天板１３
とともに第４図に示す位置まで下る。ここで天板
吊手３０からフツク１６を外し、扉２０を開いた
のち、ブレーキモーター１８を作動させて、縦リ
ンク１０，１１を図に向つて時計方向に回動する
と、横リンク１２、天板１３および筒５は図に
示すような軌跡をたどつて過室１から外部の低
い位置に取り出される。

なお、任意の位置での縦リンク１０，１１の停
止がが可能であり、作業者にとつて極めて安全で
ある。

第４図の位置に取出された筒５に対しては作
業員が任意の方向から近寄ることが可能である。
さらに前述の簡便錠３４を外してリテイナー固定
用レバー３３を反転させるだけで簡単に筒５を
天板１３から取外すことができるために、布
５′の交換が極めて容易である。

布５′の交換が終了したのち、前記の操作と
は逆にブレーキモータ１８の駆動を行なつて、
筒５を過室１に収容し、次いで扉２０を閉じ
る。そして、再びエアシリンダー１７を作動さ
せ、天板１３を吊り上げ筒５は元の状態に復帰
させる。

なお、本考案の縦リンク１０を駆動するための
ブレーキモーター１８はこれをエアシリンダーと
することも可能であり、場合によつてはウオーム
とウオーム歯車の組合わせによつて回転トルクを
増大させればハンドルによる人力操作によつても
駆動することが可能である。

上記したように本考案に係る筒の取出し装置
を使用すれば、過室外部からの簡単な操作で
筒全部を過室の外部の低い位置に取り出すこと
ができるため、作業員が粉塵に汚染されることな
く、極めて楽な姿勢で容易に布の交換を行ない
得ることは勿論、布の交換時間を大巾に短縮す
ることができる。

さらに、任意の位置での縦リンクの停止が可能
であり、作業者にとつて安全である。また、過
室の空気は筒のみを通過することができるよう
になり密封性が向上するなど、多くの点で秀れて
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る筒の取出し装置を備え
た外面過型バツクフイルター装置の横断面図、
第２図は第１図のＡ−Ａ線による断面図、第３図
ａ，ｂは筒の取付け状態を説明する平面図およ
び横断面図、第４図は筒を取り出した状態の上
記バツクフイルター装置の横断面図である。 １……過室、２……円錐部、３……含塵空気
（ガス）入口、４……清浄空気（ガス）出口、５
……筒、６……内装フアン、７……フアン駆動
用モーター、８……ロータリーバルブ、９……支
持脚、１０，１１……縦リンク、１２……横リン
ク、１３……天板、１４……シール用パツキン
グ、１５……天板固定枠、１６……フツク、１７
……フツク上下用エアシリンダー、１８……駆動
用ブレーキモーター、１９……スプロケツトホイ
ル、２０……扉、２１……布洗浄用圧縮空気
管、２２……電磁弁装置、２３……ノズル、２４
〜２７……軸、２８，２９……長孔、３０……天
板吊手、３１……リテイナー、３１′……リテイ
ナー上部フランジ、３２……シールパツキング、
３３……リテイナー固定用レバー、３４……レバ
ー端固定用簡便錠、３５……ヒンジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部に回転中心を有する複数点の縦リンクを備
   え、該縦リンクの上部に設けた上下動可能の横リ
   ンクと一体の天板に筒を支持し、該縦リンクを
   駆動用ブレーキモーター、エアシリンダーもしく
   はウオームとウオーム歯車の組み合わせによる人
   力操作によつて回動させることにより、上記バツ
   クフイルター装置の過室に出入自在にし、上記
   天板は横リンクに設けた懸架手段によつてフツク
   に懸架され、該フツクをエアシリンダーの作用に
   より上下動可能としたことを特徴とするバツクフ
   イルター装置用過筒の取出し装置。