JPS609337B2 - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気二重層を利用した電気二重層キャバシタに
関するものである。

一般に、電気二重層キャパシタの素子は、第１図に示す
ように炭素電極１，１′間に電解液を含浸させたセパレ
ータ２を介在させることにより構成されている。

この電気二重届キヤパシタは、従来にない大きな静電容
量が得られるという長所がある反面、耐電圧数がＶ以下
というように低いという問題を有している。従って、従
来では、この耐電圧が低いという対策として、複数個を
直列に接続することが行なわれている。ところで、この
ように電気二重層キヤパシタを直列に接続した場合、個
々の素子の特性、特に漏れ電流のばらつきによって全体
の印加電圧が直列接続個数ｎに応じた１／ｎにうまく分
割されずに、個々の素子に印加される電圧がばらつくと
いう問題が生じる。

すなわち、この電気二重層キャパシ夕は、第２図に示す
ように等価直列抵抗Ｒと静電容量Ｃと漏れ電流を表わす
絶縁抵抗ＲＬとからなり、直列に接続した複数個の電気
二重層キャパシタの静電容量Ｃ，，Ｃ２・・・・・・Ｃ
ｎがＣ，ニＣ２ニＣｎとした場合、全体の印加電圧は絶
縁抵抗ＲＬの違いにより分割される。従って、電圧をバ
ランスよく分割するためには、外部抵抗を挿入接続して
やる必要がある。本発明はこのような現状に鑑み成され
たものであり、以下本発明の電気二重層キャパシタにつ
いて、第３図〜第５図の図面を用いて説明する。

第３図に本発明の一実施例による電気二重層キヤパシタ
を示しており、図において１０，１０′は活性炭、アセ
チレンブラック、若干のバインダーからなる炭素電極で
、この炭素電極１０，１０′を電解液を含浸させたセパ
レータ１１を間に介在させて対向させることにより素子
が構成されている。１２は抵抗リング、１３，１３′は
導電性ポリマーフィルム１３ａ，１３をと金属フィルム
１３ｂ，１３ｂ′とをラミネートした導電性フィルムで
、この導電性フィルム１３，１３′の周綾部は、前記抵
抗リング１２を間に介在させて熱および機械的圧力を加
えることにより接着され、これによって前記素子は導電
性フィルム１３，１３′と抵抗リング１２とにより密封
外装されている。

すなわち、本発明においては、炭素電極１０，１０′を
セパレータ１１を介して対向させ、セパレータ１１に電
解液を含浸させた後、抵抗リング１２、導電性フィルム
１３，１３′を積み重ね、抵抗リング１２と導電性フィ
ルム１３，１３′とを熱融着した素子を密封外装するこ
とにより構成されている。

第４図に本発明の電気二重層キャパシタの電気回路を示
しており、図においてＲＰは抵抗リング１２による抵抗
であり、キャパシタ要素に対して並列に接続された回路
構成となる。

ここで、本発明の電気二重層キャパシ外こおける各部の
材料を説明すると、まず炭素電極１０７１０′としては
、活性炭、アセチレンブラック、そして若干のバインダ
ーを用い、またセパレーター１としては、ポリエチレン
またはポリプロピレンの徴孔フィルム、または不織布等
を用いた。

抵抗リング１２としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーン
ゴム等の熱融着性高分子材料にアセチレンブラックを配
合したものを用い、また導電性フィルム１３，１３′の
導電性ポリマーフィルム１３ａ，１３ａ′としても同様
なものを用いた。なお、この種の導電性ポリマーの抵抗
値には、１０〜１び○・肌（体積固有抵抗）の範囲から
選ぶことができるが、導電性ポリマーフィルム１３ａ，
１３ａ′には低抵抗値のものを使用し、抵抗リング１２
には比較的高抵抗値のものを使用すればよい。さらに、
導電性フィルム１３，１３′の金属フィルム１３ｂ，１
３ｂ′‘ま、導電性ポリマーフィルム１３ａ，１３ａ′
だけでは充分に確保できないガスバリャー層としての役
目を持たせ、特に高温中での使用の際での特性の劣化を
防ぐためのものであり、アルミニウム、亜鉛、錫等を用
いる。次表に、本発明による電気二重層キャパシタと従
来の電気二重層キャパシタとの特性を比較して示してい
る。なお、表中において、１個のキャパシタの数値はＩ
ＯＮ固の平均値であり、また直列接続の場合の数値は、
第５図に示すように１の固直列に接続した平均値である
。なお、第５図には本発明の電気二重層キャパシタをＩ
Ｎ固直列に接続した場合の回路構成を示しており、図に
おいてＣ，，Ｃ２・…・・Ｃ，ｏはキャパシタ要素、ｒ
，，ｒ２，・・・・・・ｒ，ｏは抵抗要素である。なお
、ここで使用した抵抗リング１２は、全て１０十ＩＫＱ
のものを使用した。

この抵抗リング１２の抵抗値の設定は、電気二重層キャ
パシ夕の漏れ電流（表では電圧を印加してから１時間後
の値）を長時間（１日〜１週間）に亘つて測定した値か
ら割り出している。また、抵抗ＩＪング１２の挿入は、
各キャパシタの漏れ電流を均一化することであり、これ
は低漏れ電流のものの特性低下を意味するもので、製品
用途、製品コストなどから適正な抵抗値に選定する必要
がある。表 この表から明らかなように本発明の電気二重層キャパシ
タによれば、直列接続した場合における個々の端子電圧
がほぼ等しくなる。

以上のように本発明によれば、複数個を直列に接続した
場合における電圧バランスをほぼ均等に保つことが可能
な電気二重層キャパシタを提供することができ、またキ
ヤパシタ間の接続も新たに引出し端子を用いなくても単
に積み重ね、若干の圧力を加えて保持するだけで行なう
ことができる等、極めて優れた効果を得ることができる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な電気二重層キャパシタの基本構成を示
す断面図、第２図は同キャパシタの等価回路図。 第３図は本発明の一実施例による電気二重層キャパシタ
を示す断面図、第４図は同キャパシタの等価回路図、第
５図は同キャパシタを複数個直列に接続した場合の電気
回路図である。１０，１０′・・・…炭素電極、１１・
・・・・・セパレータ、１２・・・・・・抵抗リング、
１３，１３′・・・・・・導電性フィルム、１３ａ，１
３ａ′・・・・・・導電性ポリマーフィルム、１３ｂ，
１３ｂ′…・・・金属フィルム。 第１図第２図 第３図 第４図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 炭素電極間に電解液を含浸させたセパレータを介在
   させて素子を構成し、この素子を周縁部が抵抗リングを
   介して接着された導電性フイルムにより密封外装し、か
   つその導電性フイルムそれぞれに前記炭素電極それぞれ
   を電気的に接続してキヤパシタ要素に前記抵抗リングに
   よる抵抗要素が並列に接続された回路構成を持たせたこ
   とを特徴とする電気二重層キヤパシタ。 ２ 導電性フイルムが金属フイルムと導電性ポリマーフ
   イルムとをラミネートしたものであることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載の電気二重層キヤパシタ。 ３ 導電性ポリマーフイルムがポリエチレン、ポリプロ
   ピレン、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコ
   ーンゴムの中から選ばれた熱融着性材料にカーボンブラ
   ツクを配合させたものであることを特徴とする特許請求
   の範囲第２項に記載の電気二重層キヤパシタ。４ 抵抗
   リングがポリエチレン、ポリプロピレン、ブチルゴム、
   エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴムの中から選ば
   れた熱融着性材料にカーボンブラツクを配合させたもの
   であることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の
   電気二重層キヤパシタ。