JPS6092850A - 反射防止用積層体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、表面正反射光等の表面グレアを防止し且つ可
視光線透過率の低下を極めて少なくして表示ｍ面を見易
くした反射防止用積層体に関する。

反射防止用積層体とは、例えばテレビのブラウン管、発
光ダイオード表示板、液晶表示板、プラズマ表示板、時
計、各種表示機器類の表示板（カバー）等の様に光学的
な発光装置又は機器の前面に装着される前面板をいう。

従来、発光表示表面のグレアを防止するために、表面を
つや消し状に正反射防止したガラスやプラスチックの前
面板が広く用いられている。例えば、前者はガラス表面
を化学エツチング若しくはサンドブラスト等の方法によ
り凹凸状に加工したもの等である。後者は、つや消しマ
ット状に加工したガラス板や金型を用いてプラスチック
をフィルム状に成形し凹凸面を転写させたもの又は既存
のつや消しクリアー塗料をプラスチックフィルムに塗装
したもの等である。

しかし、前者の場合、表面グレア防止性は満足しても表
示画面の解像度の低下が大きいこと及び基材が無機ガラ
スであるために製品とする際に取付が煩雑になり、又取
り扱い中に破損等を生じ易いという欠点がある。また、
後者に於いても転写による成型品は表面グレア防止性と
解像度のバランスは、一方の特性を向上させれば他の一
方の特性が低下するため、必ずしも充分でなく、又既存
のつや消しクリアー塗料を塗装したものについても表面
グレア防止性と解像度のバランスは満足できるものでは
ない。

後者の内、プラスチックフィルムにつや消しクリアー塗
料を塗装したものの場合、プラスチックとして可視光線
透過率等の光学特性に極めて優れ、又耐ｌ１１ｗ１性、
引張り強さ等の機械的強度、耐熱変形性、耐熱衝撃性等
の耐熱性、電気特性、寸法安定性、耐薬品性等にも優れ
るポリエチレンテレフタレート（以下、ＰＥＴという）
を用いることにより、表面グレア防止性及び解像度を共
に改善できることが判っているが、既存のつや消しクリ
アー塗料はいずれもＰＥＴフィルムに対する密着性が極
めて悪いため塗料硬化物層が容易に剥離するという大き
な欠点がある。従って、ＰＥＴフィルムにつや間しクリ
アー塗料を塗装した反射防止用積石体は、現在までのと
ころ、実用化されていない。

本発明者は、前記欠点のない反射防止用積層体を開発す
る目的で、特にＰＥＴフィルムに対する密着性の良いつ
や消しクリアー塗料について種々研究した結果、特定配
合の新規つや消しクリアー塗料がＰＥＴフィルムに対す
る密着性に優れること、この塗料は可撓性、硬度、耐ｍ
傷性等にも優れること、得られる反射防止用積層体は表
面グレア防止性及び解像度のいずれにも優れていること
等を見出し、本発明を完成するに至った。

即ち本発明は、（イ）ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム層、並びに（ロ）アルキルエーテル化メラミン１０
０重量部、ブチラール樹脂２０〜１００ｉ量部、ケトン
樹脂５〜３０圧口部、酸性リン酸アルキルエステル３〜
７０重Ｍｉｄ部、平均粒子径５〜１００ｍμのシリカ微
粉末２〜２０重量部及び硬化触媒を含有してなるつや消
しクリアー塗料硬化物の厚さ１〜２０μ田の層 からなることを特徴とする反射防止用積層体に係る。

本発明におけるＰＥＴフィルムとしては、特に限定され
ないが、無着色の場合、可視光線透過率が８０％以上程
度のものが好ましい。着色積層体の基材とする場合は染
色したＰＥＴフィルムを用いても良い。又、ＰＥＴフィ
ルムの厚さは、積層体の用途に応じて、任意であって良
い。

本発明におけるつや消しクリアー塗料は、アルキルエー
テル化メラミン１００重量部、ブチラール樹脂２０〜１
００重量部、ケトン樹脂５〜３０重合部、酸性リン酸ア
ルキルエステル３〜７Ｏｆｆｌ量部、平均粒子径５〜１
００ＩＩｌμのシリカ微粉末２〜２０重量部及び硬化触
媒を含有してなるものである。

上記におけるアルキルエーテル化メラミンとは、メチ０
−ルメラミンのメチロール基の一部又は全部がアルキル
エーテル化されたもので、例えばメチルエーテル化メラ
ミン、エチルエーテル化メラミン、プロピルエーテル化
メラミン、ブチルエーテル化メラミン等の他、メタノー
ル、イソブタノール、ｎ−ブタノール等で変性した塗料
用のメラミン−ホルマリン樹脂が包含され、これらの少
なくとも１種を用いる。

またブチラール樹脂としては、アセチル基Ｏ〜５モル％
程度、ブチラール基６０〜７０モル％程度及び水酸基２
７〜４０モル％程度を有し、１０％のエタノール／トル
エン−１／１溶液の２０℃での粘度が１０〜６０センチ
ボイス程度のものが好ましい。その使用量は、アルキル
エーテル化メラミン１００１１部に対して２０〜１００
ｉ量部程度好ましくは４０〜７０！ｌｌｉ部である。２
０重量部より少ないど可撓性、密着性等が不充分となり
、又１００重量部より多いと硬度、耐溶剤性が不良どな
り、密着性も低下する傾向があるので好ましくない。

またケ１−ン樹１１ｆｔとは、アセトン、シクロヘキサ
ノン、アセトフェノン等のケトン類とホルマリン等のア
ルデヒド類とを縮合して生成する樹脂であり、市販され
ているものをいずれも使用可能であるが、通常酸価が１
以下程度、軟化点が７５〜１００℃程度のものが好まし
い。その使用量は、アルキルエーテル化メラミンｉｏｏ
ｘｍ部に対して５〜３０重□□□部程度好ましくは１０
〜２０垂凹部である。５重量部より少ないと密着性、可
撓性等が低下し、又３０［ｉ部より多いと密着性が不良
となる傾向があるので好ましくない。

また酸性リン酸アルキルエステルとしては、占Ｈ（りＲ
・ 中、Ｒ及びＲ′は同−又は異なってアルキル基を示す。

〕で表わされるものの少なくとも１種を用いるのが好ま
しい。アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、
ブチル、オクチル、デシル、トリデシル等の各基を挙げ
ることができる。その使用量は、アルキルエーテル化メ
ラミンｉｏｏ重同部に対して３〜７０重量部程度好まし
くは５〜６０重量部である。３重量部より少ないと貯蔵
安定性、顔料分散性等が低下し、又７０重量部より多い
と密着性が低下する傾向があるので好ましくない。

またシリカ微粒子としては、平均粒子径が通常約５〜１
００Ｉ１１μ程度、好ましくは２０〜５０１μのものを
使用する。平均粒子径が５ＩＩｌμ未満では塗料がつや
消しとならず、表面グレア防止性が不充分どなり、又１
００ｍμを越えると均一な塗膜が得られ難く、透明性が
低下するので好ましくない。その使用量は、アルキルエ
ーテル化メラミン１００重間部に対して２〜２Ｏｆｆｌ
ｉ部程度好ましくは３〜１０重量部である。２重量部よ
り少ないと表面グレア防止性が不充分となり、又２゜重
量部より多いと透明性が低下して解像度が不充分になる
ので好猿しくない。

また硬化触媒どしては、塩酸、リン酸、ｐ−トルエンス
ルボン酸、蓚酸、マレイン酸等の酸性触媒を挙げること
ができ、これらの少なくとも１種を用いる。その使用量
は、用いた触媒の種類により変動するが、通常アルキル
エーテル化メラミン１００重母部に対して０．１〜４重
足部程度とするのが適当である。

更に、本発明におけるつや消しクリアー塗料には、必要
に応じて、エチルシリケート、メチルトリメトキシシラ
ン等のシラン化合物、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ア
クリル樹脂、ポリ塩化ごニル樹脂等の樹脂を混合しても
良い。又、積層体を着色する場合には天然若しくは合成
の有機及び無機染料を使用しても良い。又、通常塗料に
添加される体質顔料、分散剤、湯側り消泡剤、沈澱防止
剤、帯電防止剤、レベリング剤等の様な各種の補助添加
成分を含有することができる。

本発明におけるつや消しクリアー塗料は、通常各種溶剤
を加えて、粘度、固形分濃度等を調整して使用される。

溶剤としては、プロパツール、ブタノール等のアルコー
ル、低級ないし中級エステル（例えば酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸アミル、酢１ｎ−ブチル、酢酸イソブチル
等）、ケトン（例えばアセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等）、芳
香族炭化水素（例えばトルエン、キシレン等）、エーテ
ル系溶剤（例えばブチルセロソルブ、メチルセロソルブ
、セロソルブ、セロソルブアセテート等）或いはこれら
の中から選ばれた２種以上の混合溶剤が好ましく用いら
れる。溶剤の蒸発速度が大きすぎると塗膜が発泡したり
、しわが発生したりするので、沸点６０℃位から沸点２
５０℃位までの範囲の種々の沸点を有する溶剤を２種以
上混合することにより、蒸発速度をコントロールするの
が好ましい。溶剤中の本発明におけるつや消しクリアー
塗料の濃度は、必要に応じてかなり広汎にわたり変更で
き、通常濃度０．１〜５０重量％位の範囲で選択される
。

本発明の反射防止用ｇｉ層体は、ＰＥＴフィルムに上記
特定のつや消しクリアー塗料を塗装し、乾燥硬化するこ
とにより得られる。

塗装方法としては、例えば刷毛塗り、浸漬塗装、スピン
塗装、流し塗り、スプレー塗装、ロール塗装、カーテン
７０−塗装等の通常の方法を用いることかできる。本発
明で用いるつや消しクリアー塗料は、ＰＥＴフィルムに
、何等の前処理をすることなく、充分に密着するが、場
合によっては各種の物理的若しくは化学的前処理又はプ
ライマー塗布等を行なっても良い。

塗膜の乾燥条件は、溶剤の組成、塗膜の厚さ等によって
もその最適条件が異るが、通常９０〜１７０℃程度の温
度で乾燥すれば良い。乾燥時間は、通常９０〜１７０℃
で３０秒以上とするのが適当である。

本発明の反射防止用積層体における塗膜の厚さは、通常
１〜２０μ−程度、好ましくは４〜１０μ鴎とするのが
良い。１μｍ未満では表面保護機能が充分でなく、又２
０μ園を越えると積層体の可撓性及び耐屈曲性が低下す
る傾向があるので好ましくない。

本発明で用いるつや消しクリアー塗料は、アルキルエー
テル化メラミン及びブチラール樹脂が、硬化触媒の作用
により、加熱下に架橋して強靭で硬い皮膜を形成するに
当り、これらと相溶性が良好なケトン樹脂を特定量ブレ
ンドしたことにより、従来の塗料では密着性が得られな
かったＰＥＴフィルムに対しても優れた密着性を付与し
、また酸性リン酸アルキルエステルの併用によって塗料
の安定性、顔料分散性等を向上させて、優れた実用特性
を得ることに成功したものである。従って、本発明で用
いるつや消しクリアー塗料は、ＰＥＴフィルムに何ら前
処理を施すことなく密着させることができ、且つ皮膜の
可撓性、硬度、耐擦傷性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性
等に優れている。

本発明の反射防止用ｖ１層体によれば、可視光線透過率
が、ＰＥＴフィルムの厚さに関係なく、無着色の場合８
０％以上、ヘーズが２０％以下、且つＪＩＳ　Ｚ　８７
４１による６０度角での表面光沢度が１２５以下という
優れた特性が得られる。

本発明積層体は、前記した通り、無色は勿論のこと、必
要に応じて着色して使用することもできる。

本発明の反射防止用ｖＡＩ体は、表面グレアを防止する
と共に解像度の低下が殆んどないものであり、長時間画
面を見ていても、眼の疲労が極めて少ない。従って、例
えばコンピューターのディスプレーのように近距離から
画面を見る場合において、外部からの光の正反射を防止
するため画面が見易く、しかも長時間見ていても眼の疲
労を防止する等の効果が発揮されるのでコンピューター
、各種計測器、医療機器等の表示用に極めて有用である
。

以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。

実施例１ ブチルエーテル化メラミンとして「スーパーベッカミン
Ｊ−８２０−６０Ｊ　（大日本インキ化学工業■製）１
００重量部（固形分換算）、ブチラール樹脂として「エ
スレツクＢＬ−１Ｊ　（積木化学工業＠製）６０重量部
、ケトン樹脂としてｒｓｙｎｔｈｅｔｌｃ　Ｆ＜ｅｓｉ
ｎ　ＳＫＪ　（西独、ヒュルス社製）１５重量部、酸性
リン酸イソプロピル６重量部、平均粒子径４０ｉμのシ
リカ微粉末６重量部及び硬化触媒としてリン酸２重量部
を、エチルセロソルブ３００１５１部、ブチルセロソル
ブ３００１ｆｆ１部及びｎ−ブタノール４００重量部か
らなる混合溶剤に加えて室温で１日撹拌し、つや消しク
リアー塗料を得た。これを厚さ１２５μ１１可視光線透
過率８４％の２軸延伸ＰＥＴフイルムにスピン塗装をし
、１３０℃の熱風乾燥８中で３０分間乾燥させて、上記
ＰＥＴフィルム層と厚さ７μ■の塗膜硬化層からなる本
発明反射防止用積層体を得た。

上記で得た本発明積層体の性能試験を行なったところ、
光線透過率が高く、且つヘーズ及び表面光沢度が低いこ
とにより、表面グレア防止性及び解像度のいずれにも優
れていることが判った。結果を第１表に示す。

第　１　表 尚、全光線透過率、平行光線透過率、拡散光線透過率及
びヘーズは、スガ試ａｗｅｓ製、ヘーズメーターＨＧＭ
−２０型を用いて測定した。又、表面光沢度については
、村上色彩技術研究所製グロスメータＧＭ−３Ｈ型を用
いて６０度角で測定した。

塗膜の密着強度は、一般に行なわれているセロテープ剥
離テストを行なったが異常はなく、且つＷＡＭ体を１８
０°に折り曲げても塗膜にクラックが入らず密着性、可
撓性に優れていた。又、スチールウールでこすっても殆
んど傷がつかず耐擦傷性にも優れていた。

また、塗膜の耐水性、耐薬品性及び耐溶剤性を調べるた
め、所定の試験液に一定期ｖＡ浸漬した後取り出して表
面に付着した液体を濾紙にて軽く拭き取り更に室温にて
２〜３時間風乾した後、セロテープ剥離試験を行なった
ところ、いずれの性質にも優れることが判った。結果を
第２表に示す。

嬉２表 （注）※　ライオン■製、「ママレモン」。

評価基準 ０：塗膜面積９５％以上剥離せず。

Δ：塗膜面積８０％以上剥離せず。

Ｘ：塗膜面積２０％以上剥離。

（以　上）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 ■　（イ）ポリエチレンテレフタレートフィルム層、並
   びに（ロ）アルキルエーテル化メラミン１００重量部、
   ブチラール樹脂２０〜１００重１１８Ｉ！、ケトン樹脂
   ５〜３０１！量部、酸性リン酸アルキルエステル３〜７
   ０ｆｌ量部、平均粒子径５〜１００ｍμのシリカ微粉末
   ２〜２０重」部及び硬化触媒を含有してなるつや消しク
   リアー塗料硬化物の厚さ１〜２０μｍの層 からなることを特徴とする反射防止用積層体。