JPS609052B2 - 陽イオン交換体の製造方法 - Google Patents

陽イオン交換体の製造方法

Info

Publication number
JPS609052B2
JPS609052B2 JP51100214A JP10021476A JPS609052B2 JP S609052 B2 JPS609052 B2 JP S609052B2 JP 51100214 A JP51100214 A JP 51100214A JP 10021476 A JP10021476 A JP 10021476A JP S609052 B2 JPS609052 B2 JP S609052B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
oligomer
membrane
cation exchanger
cation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP51100214A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5326284A (en
Inventor
俊勝 佐田
昭彦 中原
康雄 村田
昭爾 村上
順一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP51100214A priority Critical patent/JPS609052B2/ja
Publication of JPS5326284A publication Critical patent/JPS5326284A/ja
Publication of JPS609052B2 publication Critical patent/JPS609052B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は腸イオン交換体の製造方法に関しその目的は酸
化剤に対する耐性を有すると共に特に固定イオン濃度の
高い機能を長期間の使用において維持できる含ふつ素系
陽イオン交換体を得るにある。
今日、イオン交換体としては粒状のイオン交換樹脂、膜
状のイオン交換膜が広く工業的に利用されているが、そ
の他に管状物、繊維状物等の各種形状のものが提案され
、また、工業的に使用されている。
これらイオン交換体はその使用目的によっても要求され
る機能は異なるが、イオン交換体としてイオン交換を実
施する場合に基本的に重要な性質はイオン交換体の固定
イオン濃度が高いことである。また、従来のイオン交換
体の機能として存在しなかったことは酸化剤に対する耐
性である。近年、酸化性雰囲気でイオン交換体を使用す
る必要性が増している。このようなことから酸化剤に対
する耐性を有し且つ固定イオン濃度のより高い、即ちよ
り高性能のイオン交換体が要求されている。特に膜状の
イオン交換体は食塩電解用の隔膜として高純度の苛性ソ
ーダを取得するために今日注目されている。また、酸化
性試薬を含んだ溶液系でのイオン交換にも高性能のイオ
ン交換体の必要性が迫られている。さらにまた、高温雰
囲気に耐性を有する腸イオン交換体の必要性も大きい。
即ち、前記したアルカリ金属塩の電気分解「有機物によ
って汚染された場合における汚染物の酸化分解、熱分解
、加熱処理によるイオン交換樹脂の再生等に必要である
。上記したような性能を有するイオン交換体の必要性に
ともない、近年たとえばテトラフルオロェチレンとパー
フルオロ(316−ジオキサー4ーメチル一7−オクテ
ンスルホニルフルオライド)を共重合して得た高分子化
合物などから作られた各種の含ふつ素系イオン交換体が
提案され注目されている。
しかしながら、従来のイオン交換体の殆んどが共有結合
性の三次元構造を有するのに対して、上記の含ふつ素系
イオン交換体はテトラフルオロェチレンの疎水結合によ
って溶媒不溶としているものであり従来の炭化水素系陽
イオン交換体とは異なる特異な現象を示す。即ち、含ふ
つ素系陽イオン交換体は極端な脱水雰囲気に放置すると
高い固定イオン濃度を示し、また純水中で煮沸するとい
った高分子鎖の熱運動を活発にするような処理を施すと
固定イオン濃度は極端に低下する。したがって、脱水雰
囲気に放置して固定イオン濃度を向上させた含ふっ素系
陽イオン交換体に共有結合性の架橋を形成して、この高
い固定イオン濃度を保持する方法を本発明者等は先に提
案した。この方法によって所期の目的は或る程度まで達
成されるが、含ふっ素系陽イオン交換体の膨潤を抑える
程度に三次元構造を形成させるには相当量の架橋結合を
形成しなければならない。また含ふつ秦系陽イオン交換
体は目的によって固定イオン濃度が上昇できても逆に好
ましくない他の現象を発生する場合がある。さらにまた
、含ふつ素系腸イオン交換体に三次元の架橋構造を形成
することは工業的に煩雑な工程を必要とする場合が多い
。このようなことから、逆に含ふつ素系陽イオン交換体
を膨潤した状態にして穣水性化合物を該陽イオン交換体
内に存在させて含水量を低減させて固定イオン濃度を高
く保つことを考え種々検討を重ねた結果、表面エネルギ
ーの特に低い化合物、即ち含ふっ素系オリゴマーを該陽
イオン交換体内に存在させることによって、著しく含水
量が減少でき固定イオン濃度を高めることに成功した。
しかるに、このような表面エネルギーの低い含ふつ秦系
オリゴマーは塩、塩基、酸等の水溶液に不熔であるが、
これらを含浸させた含ふつ秦系陽イオン交換体を長期間
に亘って使用していると、潮時これらのオリゴマーが漆
出するため含水量は増大し、固定イオン濃度は低下する
欠点がある。本発明者等は更に研究を進め、上記の含ふ
つ秦系陽イオン交換体に含浸させた含ふつ素系オリゴマ
ーの溶出を防止する方法を見出し本発明を提案するに至
ったものである。即ち本発明はふつ素原子と陽イオン交
換基或いは容易に陽イオン交換基に変換しうる官能基を
結合した高分子化合物に分子量200〜10000の範
囲に属する含ふつ秦系オリゴマ−舎浸させたのち、該高
分子化合物の表層部において、(ィ}他のモノマーを重
合させる、{o}架橋構造を形成させる、及びN陽イオ
ン交換基或いは容易に陽イオン交換基に変換しうる官能
基を不活性化する、のいずれか1以上の処理を行うこと
により、表層部に繊密な構造を有する薄層を形成するこ
とを特徴とする陽イオン交換体の製造方法である。本発
明において用いるふつ素原子と陽イオン交換基或は容易
に陽イオン交換基に変換しうる官能基とを結合した高分
子化合物は、非水溶性の所ゆる含ふっ秦系陽イオン交換
体あるいはその前駆体である原高分子化合物である。
その形状は各粒度の粒状物、膜状物、管状物、繊維状物
等の如何なるものであってもよい。また高分子化合物の
分類から重合系、縮合系、合成高分子、天然高分子の誘
導体のいずれでもよい。陽イオン交換基としては従釆公
知の如何なるものでもよく、例えばスルホン酸基、カル
ボン酸基、フェノール性水酸基、チオール基、リン酸基
、亜リン酸基、硫酸ェステル基、リン酸ェステル基、亜
リン酸ェステル基、亜硫酸基、亜硫酸ェステル基、金属
キレート化合物で負の電荷となりうる官能基、酸アミド
結合で解離しうる水素原子を結合しているもの等の水溶
液、有機−水混合溶媒中で解離して負の電荷となりうる
官能基であれば何ら制限されない。また容易に陽イオン
交換基に変換しうる官能基としては、予め含ふつ素系オ
リゴマーを存在させた場合に該含ふつ素系オリゴマ−が
腸イオン交換体の原高分子化合物から溶出しないような
反応条件で陽イオン交換基への変換が実施しうるような
官能基なら何ら制限はない。例えば酸ハラィド基、ェス
テル縮合などで加水分解等の化学反応によって陽イオン
交換基へ変換しうるものである。また芳香環へのスルホ
ン基の導入等の反応も、含ふつ秦系オリゴマーが陽イオ
ン交換体の原高分子化合物から溶出してしまわない条件
で実施しうる場合には該芳香環もまた容易に陽イオン交
換基に変換しうる官能基として見ることができる。なお
、上記した陽イオン交換基或は容易に腸イオン交換基に
変換しうる官能基は陽イオン交換体内或はその原高分子
化合物中に均一に存在していてもよく、或は不均一に存
在していてもよい。即ち、含ふつ素系陽イオン交換体を
特定の目的に使用する場合には不均一に存在している場
合の方が望ましいことがある。次に、上記の含ふつ秦系
陽イオン交換体或はその原高分子化合物に含浸させる含
ふつ素系オリゴマーとしては重合系、縮合系のいずれの
化合物でもよいが、少くとも1個のふつ素原子を構成単
位内に結合し且つ分子量が200〜10000の範囲の
ものであれば特に制限されない。
一般に式(但し、R,、R2、R3はそれぞれ水素、ハ
ロゲン、アルキル基、ハロゲン化アルキル基のいずれか
1種以上、nは正の整数)で示されるホモポリマー、コ
ポリマーが好適に用いうる。
また、上記の含ふつ素オリゴマーの構成単位と炭化水素
系の化合物との共重合体、たとえばテトラフルオロエチ
レンとエチレン、プロピレン、ビニルスルホン酸、アク
リル酸、メタアクリル酸等との共重合体なども有効であ
る。上記の含ふつ素系オリゴマーは腸イオン交換体を使
用するときの温度において固体であることが好ましい。
特に激しい反応条件下あるいは高温、酸化雰囲気下、例
えばアルカリ金属塩水溶液の電気分解用隔膜として陽イ
オン交換体を使用する場合には、流動点が80℃以上さ
らには10000以上の温度である固体状の含ふつ素パ
ーハロゲン化カーボン系オリゴマー等が好適に用いられ
る。勿論、陽イオン交換体の用途に応じて液状の含ふっ
素パーハロゲン化カーボン系オリゴマーあるし、は含ふ
つ素パーハロゲン化カーボンオリゴマーも十分に使用で
きる。さらにまた、膜状の陽イオン交換体をアルカリ金
属塩水溶液の電気分解用隔膜に用いる場合には、上託し
た含ふつ素系オリゴマーの誘導体としてイオン交換基を
有するか、加水分解して容易にイオン交換基となりうる
官能基を有するもの、たとえば式(m,nは正の整数) 等が好適である。
上記したように本発明に用いる含ふつ素系オリゴマーは
非電荷の化合物、正の電荷あるいは負の電荷を有する化
合物でもよい。
これらの含ふつ素系オリゴマーのうちで陽イオン交換性
の官能基を有するものは、含ふっ素系陽イオン交換体に
存在させることがドナン排除のために容易でない。従っ
て、陽イオン交換性の官能基が解離していない状態にし
て含浸させることが望ましく、例えば有機溶媒に上記含
ふつ秦系オリゴマーを溶解して、これに含ふつ素系陽イ
オン交換体を浸債する方法、上記含ふっ素系オリゴマー
中の陽イオン交換性の基をェステル、酸ハラィド、酸無
水物等に変換してから使用する方法が望ましい。また弱
酸性の陽イオン交換性の基を有する含ふつ素系オリゴマ
ーを用いる場合は、これが解離しないように高い出にし
て含ふつ秦系陽イオン交換体内に存在させる方法も望ま
しい。他方、陰イオン交換性の官能基を有する含ふつ素
系オリゴマーを用いて、含ふつ素系腸イオン交換体を酸
性雰囲気で使用する場合には該陽イオン交換体の陽イオ
ン交換基の量が含ふつ素系処理オリゴマーによって中和
されて実質的にはイオン交換容量の低減をきたすことに
なる。この場合に含ふつ素系陽イオン交換体の含水量も
低減し、固定イオン濃度の変化は用いる含ふつ素系オリ
ゴマーの陰イオン交換性の官能基の量及び含ふっ素系陽
イオン交換体内に存在させる該含ふつ素系オリゴマーの
量によって決定され一概に断定できないが、中和による
交換容量の低減の量より含水量の低減の量の方が大さし
、含ふつ素系オリゴマ−、その処理条件で実施する必要
がある。また、陰イオン交換性の官能基を有する含ふっ
素系オリゴマーを含ふつ素系陽イオン交換体の交換容量
と同程度に陽イオン交換体内に導入し、次いでこれら陰
イオン交換性の官能基が解離しないアルカリ性雰囲気で
得られる陽イオン交換体を使用することは腸イオン交換
体の性能を高める上で極めて有効である。本発明におい
て上記した含ふつ素系オリゴマーは分子量が200〜1
0000の範囲内のものを選択して用いることが、該合
ふつ素系オリゴマーを含ふつ素系陽イオン交換体あるい
はその原高分子化合物に含浸させ、ひいては好ましい本
発明の含ふつ秦系陽イオン交換体を得るために至って重
要である。
従来からイオン交換体の孔径及びその分布に関する研究
は数多くなされており、また各種の測定方法が提案され
ているが、測定された値は必ずしも一致していない。通
常のスチレン−ジビニルベンゼン系の陽イオン交換体で
は直径が10A程度ということも報告されている。また
或る種の陽イオン交換膜ではカフェイン・キニーネのよ
うな比較的分子量の高いものまでも透過させることがで
きると報告されている。このような従来からの実験デー
タに基づき分子量200以下の物質は比較的自由にどの
ような腸イオン交換体の紬孔内にも入ることができるが
、同時にまた一且細孔内に入った物質が自由に総孔の外
に出ていく。したがって、分子量200以下の含ふつ素
系化合物を含ふつ素系陽イオン交換体の紬孔内に導入し
て一時的に含水量の低下、固定イオン濃度の上昇を得て
も、該含ふっ素系化合物が経時的に該合ふつ素系陽イオ
ン交換体外へ瀞出するにつれて低下した含水量及び上昇
した固定イオン濃度が維持されず工業的には十分に満足
されない。他方、分子量200以上の含ふつ秦系オリゴ
マ−である種の腸イオン交換体には均一に含浸させるこ
とが不可能な場合がある。このような場合は含ふつ素系
陽イオン交換体の表層部近傍にのみ含ふつ素系オリゴマ
ーが浸み込んだり、あるいは表層部から内部に向って勾
配をもって存在したり、また該陽イオン交換体の不均質
な大きな紬孔にのみ存在して、固定イオン濃度分布の低
いところを消去してしまう作用がある。勿論、別種の含
ふっ素系陽イオン交換体にあっては該陽イオン交換体内
に分子量200以上の化合物を充分に時間をかけて均一
に含浸させることもできる。また分子量10000以上
の含ふつ秦系オリゴマーを用いる場合には含ふつ素系腸
イオン交換体或はその原高分子化合物のポリマーマトリ
ックス中に存在させることが困難な場合が多い。このよ
うなことから、本発明で用いる含ふつ秦系オリゴマ−は
経験的に分子量を200以上10000以下好ましくは
3000以下に限定することによって良好な結果が得ら
れることを見出したものである。本発明において含ふつ
素系陽イオン交換体或は容易に腸イオン交換体に変換し
うる源高分子化合物内に上記した含ふっ素オリゴマーを
含浸させる方法としては、できるだけ均一に該腸イオン
交換体或は高分子化合物内に存在しうるような条件で実
施することが望ましい。例えば上記含ふっ素系オリゴマ
ー中に常温以上で陽イオン交換体或はその原高分子化合
物が分解しない温度及び用いる該オリゴマーが分解しな
い温度で重量増加で平衡状態になるまで浸債する方法、
或は上記含ふつ素系オリゴマーを適当な溶媒に熔解して
その溶液中に含ふつ秦系陽イオン交換体あるいはその原
高分子化合物を浸債する方法、また含ふつ素系オリゴマ
ーをより均一に多量に存在させるために予め含ふつ素系
陽イオン交換体或は原高分子化合物を適当な溶媒によっ
て膨潤させて後に上記オリゴマー中に浸潰する方法、ま
た上記の予め膨潤させた含ふっ素系陽イオン交換体或は
原高分子化合物を予め溶媒に含ふつ素系オリゴマ−を溶
解した溶液中に浸薄する方法、含ふっ素系陽イオン交換
膜の場合に陰イオン交換性の基を有する含ふっ素系オリ
ゴマーを用いるときは適当な支持電解質と共に該オリゴ
マーを溶解し、解離する条件の下に竜気泳動的に膜面か
ら膜内に存在させる方法、或は含ふつ素系微粉状の陽イ
オン交換体或は原高分子化合物を含ふつ秦系オリゴマー
と均一に混合したのちに加熱成型して所望の形状の含ふ
つ素系陽イオン交換体を得ることもできる。さらに含ふ
つ素系陽イオン交換体或はその原高分子化合物の種類に
よって若干の程度の差はあるが、比較的分子量の小さし
、含ふつ素系オリゴマーは含ふつ素系陽イオン交換体内
に均一に分布して存在するが、分子量の比較的大きし、
含ふつ素系オリゴマーは含ふつ素系陽イオン交換体内に
均一に存在するような処理条件で処理しても、その断面
に関して不均一になる場合が多い。即ち、処理した含ふ
つ素系オリゴマ−は含ふっ秦系陽イオン交換体の表層部
に多く存在し内部になるに従って、ある勾配で分布して
いる場合が多い。また、常温で固形であるような含ふつ
素系オリゴマーは含浸させるときは加温下で処理しても
、含ふつ素系陽イオン交換体の表層部に該オリゴマーが
固体として存在する場合がある。このような場合には適
当な溶媒によって含ふつ素系陽イオン交換体の表層部に
過剰に存在する含ふつ素系オリゴマーを洗浄除去すれば
よい。また含ふっ素系陽イオン交換体或はその原高分子
化合物が膜状物である場合には該膜状物の片側のみ上記
したような含ふつ素系オリゴマーによる処理をしてもよ
い。この場合に膜状物の含ふっ秦系オリゴマー処理面か
ら裏面に向って、ある勾配でもつて談オリゴマーが存在
していてもよく層状に存在していてもよい。或は膜状物
の両面に含ふつ素系オリゴマーの浸み込んだ層があり、
該膜状物の断面に関して中央部にはこのような層が存在
しない場合でもよい。或は膜中央部にのみ存在し、表層
部に存在しない場合でもよい。一般に膜状の含ふつ秦系
腸イオン交換体は電気透析、電解透析に用いて高い電流
効率を得るには固定イオン濃度が高い必要があり高い固
定イオン濃度は膜状物全体にある場合が望ましいが、必
ずしも膜状物全体に固定イオン濃度が高い必要はなく、
陰イオンの膜透過を阻止する陰極側にのみ固定イオン濃
度の高い層が存在していてもよい。従って、膜状の含ふ
つ素系陽イオン交換体の場合は非対称に固定イオン濃度
の高い層が存在するように含ふつ秦系オリゴマーで処理
してもよい。また、膜の電気抵抗の観点から非対称の方
が望ましい場合が多い。このように含ふっ素系陽イオン
交換体に含ふつ秦系オリゴマーを層状に存在させる場合
は膜状のみでなく、粒状、管状、繊維状のいずれの形状
であっても、また二種以上の違った含ふつ素系オリゴマ
ーの層が存在してもよい。即ち、例えば膜状物の場合は
断面に関して未処理層があり、次いで含ふつ素系オリゴ
マーによる処理層、更にその上に別の含ふつ素系オリゴ
マーの処理層があってもよい。上記したような含ふつ素
系オリゴマーを含ふつ秦系陽イオン交換体或は容易に腸
イオン交換体或は容易に腸イオン交換体に変換しうる高
分子化合物に浸み込ますことによって含水量を低減させ
固定イオン濃度を高めることはできるが、これは長期間
使用中に前記したように含ふつ素系オリゴマーを溶出し
て再び固定イオン濃度は低下する。したがって、一定期
間毎に同一の処理をくり返し実施してもよいが、工業的
には永久的な性能の向上が望まれる。本発明においては
含ふつ素系オリゴマーを含浸させた含ふつ素系陽イオン
交換体或は容易に腸イオン交換体に変換しうる原高分子
化合物の表層部に繊密な構造を有する薄層を形成させる
ことが、特に上記したような長期間の使用においても固
定イオン濃度の低下の殆んどない含ふつ秦系腸イオン交
換体を得るために極めて重要である。上記の含ふつ素系
オリゴマーを含浸させた含ふつ素系腸イオン交換体或は
その原高分子化合物に繊密な構造を有する薄層を形成さ
せる方法としては、該高分子化合物の表層部において、
{ィー他のモノマーを重合させる方法、【ロ}架橋構造
を形成させる方法、或いはし一陽イオン交換基或いは容
易に陽イオン交換基に変換しうる官能基を不活性化する
などの方法が採用される。なかでも該含ふつ素系陽イオ
ン交換体の構造よりは構造が繊密となるような重合層を
形成させる方法が好適である。含ふっ素系陽イオン交換
体は耐酸化性、耐熱性を本来の目的としているために重
合層を形成する場合に好ましくは含ふつ素系モノマーを
用いることが有効である。含ふつ秦系モノマーの具体的
な例を挙げるとCFH=CH2、CF2=CH2、CF
2=CFC1、CF2=CFH、CF2=CF2、、C
F2= CF一CF=CF2、 (nは0または整数)、 (Xは〇日、 OR:Rは炭素数1〜18の脂肪族、芳香族の基、ハロ
ゲン、OM:Mは有機、無機のイオン)「(Xは上記と
同一)、(nは0または整 数)、 (Xは上記と同一、mは0または正の整数)、(Xは上
言己と同一、mは0または正の整数)、(×は上記と同
一)、 などであり、ふつ素原子と重合可能な基を併せ有してい
る単量体であれば特に制限はない。
なお、含ふつ素系ビニルモノマーの少くとも一種以上を
一成分として従来公知の炭化水素系の重合可能なビニル
モノマーを用いて共重合させてもよい。或は含ふつ素系
モノマーを用いることなく他の重合可能なモノマーを用
いて繊密な構造を有する薄層を形成させることも有効で
ある。しかしながら、含ふっ秦系ビニルモノマーのみに
よって重合層を形成させる方が、含ふつ素系陽イオン交
換体の含水量を低減させる効果は大きく且つ該陽イオン
交換体を高温雰囲気下、酸化雰囲気下で使用する場合に
望ましい。次に、上記の重合層を形成する方法としては
従来公知の重合方法が何ら制限なく用いられる。
即ち、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合など
であり、具体的にはラジカル重合開始剤を用いる場合、
熱重合による場合、光増感剤を用いた光重合、光増感剤
を用いない光重合、放射線による重合、プラズマによる
重合、グロー放電による重合等で使用する含ふつ素系ビ
ニルモノマーの種類によって適宜選択される。例えばC
F2=CF2を用いるときは常温で気体であるため、加
圧下或は常圧下でオートクレープ中で含ふつ素系腸イオ
ン交換体或はその原高分子化合物に含浸させるか、或は
含浸させないで加熱処理、放射線照射、或はオートクレ
ープ中に紫外ランプを封入して紫外線重合をする等が適
宜実施される。特に含ふつ素系腸イオン交換体の表層部
にのみ極めて薄層状に架橋した重合層を形成したい場合
にはプラズマによる重合が有効である。このような重合
層は陽イオン交換体或は陽イオン交換体に容易に変換し
うる高分子化合物の表層部に形成される場合が多いが、
イオン交換基のない溌水性の高分子層があまりに厚くな
るとイオン交換を実施するときにイオン交換速度が著し
く遅くなる。また膜状の含ふっ素系陽イオン交換体の場
合には月莫の電気抵抗が急騰する。したがって、このよ
うな高分子層の望ましい状態及び形成の仕方は含ふっ素
系陽イオン交換体に該高分子層がからみあって或は結合
しながら形成されていること、更に望ましくは含ふつ素
系陽イオン交換体の実質的な厚みを増さない状態で形成
されること、即ち含ふっ蓑系腸イオン交換体の表層部か
ら内部に向って高分子層が浸透形成されている状態であ
り、更に望ましくはこの高分子層を形成している高分子
体と含ふつ素系腸イオン交換体の間にファンデアワール
ス力、水素結合、イオン結合以上に強固な結合が形成さ
れていることである。繊密構造の重合層を形成する手段
は上記した重合層の形成のみによろずイオン交換基又は
容易にイオン交換基に変換し得る官能基を不活性化する
場合の例として、例えば酸ハラィド型の含ふつ素系高分
子化合物に含ふつ黍系オリゴマーを均一に浸み込ませ、
次いで酸ハライドが腸イオン交換基になり得ないように
する方法、或いは、表面にのみ架橋構造を形成させる場
合の例として、例えば、一級、二級のアミノ基を有する
ジアミン、ポリアミン等と反応させて酸アミド結合によ
る架橋構造を形成する方法及び縮合系の含ふつ素系高分
子の繊密構造の薄層を形成する方法など特に制限はない
。この場合に繊密な礎造とはその成分で膜状物にした場
合に母体の含ふつ素系陽イオン交換体に比較して、塩・
塩基の拡散定数が1′2以下であるものを言う。以上に
含浸した含ふつ秦系オリゴマーが含ふつ素系腸イオン交
換体から溶出せず、長期間に亘って高い固定イオン濃度
を維持できる方法について具体的に述べたが、本発明は
上に例示したもののみに限定されるものではない。なお
、含ふつ素系腸イオン交換体或はその嫁高分子化合物が
膜状物である場合には、オリゴマーを合浸したのち、必
要により膜片面のみに上記の薄層を形成させてもよい。
また一枚の膜状物には上記の薄層を均一に施して後、他
の単に含ふつ素系オリゴマーを含浸したのみの或は含浸
していない膜状物と融着或は接着する方法なども目的に
応じて実施して有効である。以上、本発明の方法につい
て概略説明してたが、一般に含ふつ黍系陽イオン交換体
の含水量を低減し固定イオン濃度を高めることは該陽イ
オン交換体の機能を高めたことになるが、同時に粒状の
含ふつ秦系陽イオン交換体の場合にはイオン交換速度が
低下する。また膜状の含ふつ素系陽イオン交換体にあっ
ては膜の電気抵抗の増大を招く場合がある。本発明の場
合、このような含ふつ素系陽イオン交換体の性能として
不利が極力生じないような条件で実施することが望まし
い。例えばイオン交換速度においては醗型にした含ふつ
素系陽イオン交換体を0.州‐NaCI水溶液に浸債し
たとき、H+とNがのイオン交換速度に10倍以上の減
少が生じないこと、また膜状物の場合には0.州−Na
CI中で1.0A/d力の電流密度で直流による電気抵
抗が1の音好ましくは5倍をこえないことが必須である
。本発明で得られる含ふつ素系陽イオン交換体は従来公
知の如何なるイオン交換体を用いる系においても使用で
きるが、就中酸化性雰囲気において用いる場合に適して
いる。
通常の従来公知のイオン交換、電気透析、拡散透析、電
解用隔膜、圧透析、逆浸透等に用いられ、これを用いる
装置としては従来公知の如何なる装置も用いることがで
きる。以下の実施例において本発明の製造方法について
述べるが、本発明はこれらの実施例によって拘束される
ものでない。実施例 1 テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(3・6ージオ
キサー4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオライ
ド)の共重合体で加水分解したときの交換容量が0.9
1ミリ当量/グラム乾燥樹脂(H+型、110の重量当
量)の厚さ2ミルのシート2枚の間にポリテトラフルオ
ロェチレンの平織布をはさんで敵着して一枚の高分子筒
状物としたものの上に厚さ2ミルの加水分解したときの
交換容量が0.67ミリ当量/グラム乾燥樹脂(日十型
1500重量当量)のシートを加熱融着して一枚の高分
子膜状物とした。
次いでこれをKOH水溶液中に浸潰して加水分解しスル
ホン酸型の腸イオン交換膜とした。上記のパーフルオロ
スルホン酸型の陽イオン交換膜を5塩化リンで処理して
スルホニルクロラィド‘こ変換したのちに3弗化1塩化
エチレンのオリコマ‐(分子量1300、ダィフロィル
#100、ダイキン工業K.K.製)を交換容量0.6
7ミリ当量/グラム乾燥膜に相当する側に加熱熔解した
ものを均一に塗布し、更にこれが裏面にまわり込まない
ようにして12000で1粥時間加熱し、交換容量の低
い側の膜面内に浸み込ませた。
次いで、これをベンゼンで洗浄し過剰のオリゴマーを洗
い落したのちに、高真空下においてアルゴンをキャリャ
ガスとして4弗化エチレンのプラズマ重合を実施した。
30Wの出力でオリゴマーを含浸させた膜面に実施した
この処理をした膜をNaOHの10%メタノール溶液に
2独特間60q0で浸潰した。この膜は純水中に浸潰し
たところ表面は極めて縦水性であった。上記の処理をし
て得た含ふつ黍系陽イオン交換膜を用いて飽和食塩水の
電気分解を実施した。即ち、有効通電面積ldでの2室
式食塩電解用セルで陽極としてチタンのラスの上に酸化
チタンと酸化ルテニウムをコーティングしたものを用い
、陰極としてニッケルの金網を用いた。陽極室には飽和
食塩水を供給し陰極室には純水を供給して陰極室で生成
するNaOHの濃度を制禦した。なお、陽極室での飽和
食塩水の分解率は50%であった。電解の結果は7.0
N−NaOHを取得して電流効率96%であり、露槽電
圧は4.1Vであった、また、同一の条件で3ケ月間連
続して電解しても電流効率の低下は殆んど認められず露
槽電圧は4.0Vに下っていた。なお、電気分解におけ
る電流密度は30A/dめであり、電解時の陰極室の液
温は8500とした。使用例 1 実施例1で処理して得た陽イオン交換膜を用いて、陽極
側に交換容量の低い膜面を向けて、陽極液の食塩水の平
均濃度を1.州に保って陰極室に純水を供給しないで3
0A/dで、9500で電気分解を実施した。
その結果は陰極室から14.弧−NaOHが取得でき、
電流効率は91%であった。これを3ケ月間連続して実
施した結果は、14.0N−NaOHを取得して電流効
率90%であった。他方、実施例1に示したパーフルオ
ロスルホン酸型の本発明の処理をしていない腸イオン交
換膜を用いて同様の条件で食塩水を電解した結果は、1
3.0N−NaOHを取得して電流効率77%にすぎな
かった。実施例 28礎都の4弗化エチレンと7碇都の
弗化ビニリデンを1000ccの水に1夕のカルボキシ
メチルセルロースとノルマルプロピルパーオキシジカー
ボネート2夕を熔解した中に仕込み、25q○で6加時
間重合を行なった。
得られたポリマーを水洗して減圧乾燥したところ、ポリ
マーの収率は96%であった。次いでこの重合体1の都
‘こ対して3弗化1塩化エチレンのオリゴマー(ダイキ
ン工業K.K.製、商品名ダイフロイル#50、分子量
1100)を1部混合して後、23000に加熱した鉄
板の間にはさみ加圧して0.15側の厚さのシートを作
った。更にこのシートを40つ0にしたクロルスルホン
酸中に浸潰して20日間放置してスルホニルクロラィド
基を導入した。上記の膜状物をそのままへキサフルオロ
プロピレンオキサイドのオリゴマー(1000Fでの粘
度495センチストークス、duPont社製;商品名
Krれox14如)の中に100ooで2岬時間浸潰し
て後、両面をロ紙でふきとり過剰のオリゴマーを除いて
後、CF2=CF士。
Fの蒸気を送ってアルゴンガスをキャルャーガスとして
プラズマ重合処理を膜状物の表層部に実施した。次いで
この膜を8%KOHーメタノール溶液に2独時間60o
oで浸潰して膜内部のスルホニルクロラィド基及び表層
部に存在すると思われるカルポン酸フルオラィドを加水
分解してスルホン酸基及びカルボン酸基に変換した。上
記の処理をして得た本発明の陽イオン交換膜を用いてプ
ラズマ重合を施した膜面を陰極に向けて、実施例1と同
一の電解槽を用いて飽和KCI溶液を陽極室に供給して
、分解率28%で電気分解を実施した。
電流密度は20A/dめであった。なお、陰極室からは
7.州−KOHを取得できるように純水を添加した。比
較のため、クロルスルホン酸でスルホン化後に直ちに8
.0%KOH−メタノール溶液で加水分解しただけの未
処理陽イオン交換膜、及び単にKry■xを含浸処理後
に加水分解処理をしただけの腸イオン交換膜についても
同様の電解を実施した。それらの結果を第1表に示す。
第1表 実施例 3 テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(3・6−ジオ
キサ−4−メチル一7ーオクテンスルホニルフルオラィ
ド)の共重合体からなる高分子膜状物で、加水分解した
ときの交換容量が0.833ミリ当量/グラム乾燥膜(
H+型、1200重量当量)に相当する膜状物にポリテ
トラフルオロェチレンの平織布を圧入したものを用いた
このスルホニルフルオラィド型の高分子膜状物を〒F3 fCF・CF2一。
夫nの構造を有するオリゴマ‐(フオンブリン油、YU
AC 06/6、平均分子量1950、モンテカチーニ
ーェジソン社製)の中に110ooで1粥寿間浸潰して
後、膜表層部の過剰のオリゴマーを除去した。重量増加
は150の9/グラム乾燥類であった。この膜の両面に
テトラエチレンベンタミンを塗布し鉄板の間にはさんで
プレスし170qoで5時間加熱した。次いで8%KO
H−メタノール溶液中に2独特間80qCで浸潰して、
膜表層部にテトラエチレンベンタミンがスルホニルフル
オラィドと酸ァミド結合で結合した架橋密な層が存在し
、内部の未反応のスルホニルフルオラィドはスルホン酸
カリウム塩に変換された。上記の処理をして得た本発明
の陽イオン交換膜を用いて30A/dあの電流密度で8
5℃の温度で食塩水の電気分解を実施した。
比較のために、単に上記オリゴマーを含浸させたのみの
腸イオン交換膜及び上記オリゴマーも含浸させない禾処
理の腸イオン交換膜を用いても同様に電解をした。いず
れの場合も陰極室からは6.州−NaOHを定常的に取
得した。それらの結果を第2表に示す。
第2表 実施例 4 テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(3・6−ジオ
キサー4ーメチル−7−オクテンスルホニルフルオラィ
ド)の共重合体で加水分解したときの交換容量が0.9
1ミリ当量/グラム乾燥樹脂(日十型、110の重量当
量)の粒状物を8%KOH−メタノール中に浸潰して常
法により加水分解処理してスルホン酸カリウムを陽イオ
ン交換基とする腸イオン交≠剣樹脂を得た。
これをテトラフルオロェチレンのオリゴマー(分子量1
000)の中に60qoで2鮒時間浸潰して、できるだ
け均一に陽イオン交≠剣樹脂内に浸み込ませた。次いで
、これをCF2=CFL 。
CF2CF2C。Fの蒸気と共にガラスアンプル中に入
れてCぴoの線源から3.8MMdの放射線を照射した
。アンプル中には微細な重合体の粉体ができていた。ア
ンプルより腸イオン交換樹脂をとり出し純水中に2独特
間浸潰して平衡にしたときの含水量と純水中で3時間煮
沸したときの含水量を求めた。同様の測定を単に上記オ
リゴマーを含浸させたのみの陽イオン交≠剣樹脂及び上
記オリゴマーを含浸させない禾処理の腸イオン交側聞脂
についても行った。それらの結果を第3表に示す。
第3表 実施例 5 実施例1で製造した3弗化1塩化エチレンのオリゴマー
を合浸したのち4弗化エチレンを表層部にプラズマ重合
処理した膜について更に同じ膜の表面にメタァクリル酸
1碇部とペンゾフェノン0.2部をメタノール2碇織こ
溶解したものを塗布し紫外線照射を6時間実施して重合
せしめた。
次いで、この膜を減圧にして乾燥して未反応のモノマ−
溶媒を除いたあと、実施例1と同様に飽和食塩水の電気
分解を実施した。
陰極室から7.0N−NaOHを取得して電流効率96
%で電槽電圧は3.8Vとなり、また同一の条件で1ケ
月間連続して電解を実施したけれども電流効率、雷槽電
圧ともに殆んど変化がなかった。実施例 6 テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(3・6ージオ
キサー4−メチル一7−オクテンスルホニルフルオラィ
ド)の共重合体で加水分解したときの交換容量が0.9
1ミリ当量/グラム乾燥樹脂(H+型、110の重量当
量)の厚さ2ミルのシート2枚の間にポリテトラフルオ
ロェチレンの平織布をはさんで融着して一枚の高分子膜
状物としたものの上に厚さ2ミルの加水分解したときの
交換容量が0.67ミル当量/グラム乾燥樹脂(日十型
、1500重量当量)のシートを加熱融着して一枚の高
分子膜状物とした。
次いでこれをKOH水溶液中に浸潰して加水分解しスル
ホンン酸型の陽イオン交換膜とした。この膜を2.0N
−HN03の中に浸潰してスルホン酸カリウムをスルホ
ン酸に変えた。この陽イオン交換膜を風乾したのちにモ
ノクロロトリフルオロェチレンの低重合物(分子量50
0、ダイキン工業K.K.製、商品名ダィフロィル#1
)の中に11000で浸潰し、1細時間放置した。次い
で、この膜をとり出して後に膜の表面を充分に口紙でふ
きとり、過剰の上記モノクロロトリフルオロェチレンを
除いたのちに重量を測定したところ、補強材を含めた陽
イオン交換膜の乾燥日型の膜1タあたりもこ180の9
が付着していた。また、この膜を純水中に常温で浸潰し
て2独特間後の含水量を測定したところ9.5%/乾燥
膜日型であった。この腸イオン交換膜を用いて飽和食塩
水の電気分解を実施した。即ち、有効通電面積ldあの
2室式食塩電解用セルで陽極としてチタンのラスの上に
酸化チタンと酸化ルテニウムをコーティングしたものを
用い、陰極としてニッケルの金網を用いた。陽極室には
飽和食塩水を供給し、陰極室には純水を供給して生成す
るNaOHの濃度を制御した。なお、陽極室での飽和食
塩水の分解率は50%であった。電解の結果は6.州−
NaOHを陰極室から取得して電流効率92%であり、
雷槽電圧は4.1Vであった。上記モノクロロトリフル
オロェチレンを含浸させていない腸イオン交換膜を用い
て同じ条件で電気分解して6.成−NaOHを取得して
電流効率78%であり電槽電圧は4.1Vであった。な
お、上記の電気分解の電流密度は30A/dめであり、
電解時の陰極室の液温は8500とした。次いで別に上
記と同様にモノクロロトリフルオロェチレンの低重合物
を浸み込ました陽イオン交換膜を用いて次の処理をした
。即ち水銀灯(東芝紫外ランプSHLB−100班)を
中央部に備えた円筒状のガラス容器の壁に上記陽イオン
交換膜(ダィフロィルを合浸したものと含浸しないもの
と)を貼りつけて、一旦、真空にしたのちに4弗化エチ
レンの蒸気を送り込み、常温、常圧で24時間放置して
陽イオン交換膜内に充分に浸み込ませた。次いで紫外線
ランプを点灯して6時間放置した。この間に円筒内の4
弗化エチレンが膜に浸み込んだり重合したりして減少し
たときに補充できるように4弗化エチレンを充満した気
球を接続しておいた。紫外線を照射後円筒内には白粉状
のポリマーが析出し、IR分析の結果ポリ4弗化エチレ
ンであった。陽イオン交換膜を取り出し膜表層部に付着
した白粉を除き、純水に浸潰し平衡にしたのちに含水量
を測定したところ8.5%であった。この処理をした陽
イオン交換膜を用いて前記と同様の電解槽で同様の方法
で飽和食塩水を電気分解したところ、ダィフロイルを含
浸した陽イオン交換膜の場合は6.印−NaOHを取得
して電流効率96%、蚤槽電圧は4.2Vであり、ダィ
フロィルを合浸していない陽イオン交換膜の場合は6.
州−NaOHを取得して電流効率88%、竜槽電圧4.
1Vであった。上記に用いた4種の陽イオン交換膜につ
いて1ケ月間同一の条件で電気分解を実施したところ6
.州−NaOHを取得して電流効率が未処理膜では74
%、ダィフロィル含浸膜では83%、ター・ィフロィル
の含浸なく4弗化エチレンを光重合した膜では86%で
あったのに対して、ダィフロィル含浸して4弗化エチレ
ンを光重合した膜では95%であった。
なお、1ケ月電解後のNaOH中のNaCIの量は未処
理膜では12■血、ダィフロィル含浸膜では65肌、4
弗化エチレン光重合処理膜では7劫血であったのに対し
て、本発明の膜では1機m‘こすぎなかった。実施例
7 実施例6で用いた交換容量の異なる二種の膜を融着して
得た腸イオン交換膜で酸型にしたものを5塩化リンで処
理してスルホン酸基をスルホニルクロラィド基に変換し
た。
この膜を3弗化1塩化エチレンのオリゴマー(分子量1
100、ダイキン工業K.K.製、商品名ダィフロィル
#50)の中に120℃で4劉時間浸潰したのちに取り
出し、ベンゼンで洗浄して表層部に付着したオリゴマー
を除いて後、実施例6と同様の装置を用いて4弗化エチ
レンの蒸気の存在下で紫外線を照射して重合させた。こ
の場合に4弗化エチレンの常温、常圧の飽和蒸気の下で
4時間吸着させ、次いで3時間紫外線を照射した。さら
に、この膜を80℃の6.0N−NaOH中に浸潰して
スルホニルクロライド基を加水分解してスルホン酸ソー
ダに変え本発明の膜とした。この陽イオン交換膜を用い
て実施例1と同様の電解槽で飽和食塩水の電気分解を実
施した。電解の電流密度は40A/dめであった。なお
、比較のためにダイフロィルを合浸していないスルホン
酸ソーダ型の膜に同様の条件でテトラフルオロェチレン
の存在下に紫外線照射をした膜、ダィフロィル#50を
上記と同様の条件でスルホン酸ソーダ型の膜に浸み込ま
せ表層部の過剰のオリゴマーをベンゼンで洗浄除去した
腰を用いて同様の電解を実施した。なお、電解は連続し
て3ケ日間実施した。陰極室からのNaOHは7.0N
となるように純水の添加量を調節した。それらの結果を
第4表に示す。
第4表

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ふっ素原子と陽イオン交換基或いは容易に陽イオン
    交換基に交換しうる官能基を結合した高分子化合物に分
    子量200〜10000の範囲に属する含ふっ素系オリ
    ゴマーを含浸させたのち、該高分子化合物の表層部にお
    いて、(イ)他のモノマーを重合させる、(ロ)架橋構
    造を形成させる、及び(ハ)陽イオン交換基或いは容易
    に陽イオン交換器に交換しうる官能基を不活性化する、
    のいずれか1以上の処理を行うことにより、表層部に緻
    密な構造を有する薄層を形成することを特徴とする陽イ
    オン交換体の製造方法。 2 含ふっ素系オリゴマーが含ふっ素ハロゲン化ハイド
    ロカーボン系オリゴマーである特許請求の範囲第1項記
    載の製造方法。 3 含ふっ素系オリゴマーがイオン交換基を結合して有
    する特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 4 含ふっ素系オリゴマーが常温で固体状物である特許
    請求の範囲第1項記載の製造方法。 5 含ふっ素系オリゴマーの流動温度が80℃以上で特
    許請求の範囲第1項記載の製造方法。 6 含ふっ素系オリゴマーが含ふっ素系パーハロゲン化
    カーボン系オリゴマーである特許請求の範囲第1項記載
    の製造方法。 7 緻密な構造を有する薄層として含ふっ素系モノマー
    を用いて重合層を形成する特許請求の範囲第1項記載の
    製造方法。 8 陽イオン交換体が膜状物である特許請求の範囲第1
    項記載の製造方法。
JP51100214A 1976-08-24 1976-08-24 陽イオン交換体の製造方法 Expired JPS609052B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP51100214A JPS609052B2 (ja) 1976-08-24 1976-08-24 陽イオン交換体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP51100214A JPS609052B2 (ja) 1976-08-24 1976-08-24 陽イオン交換体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5326284A JPS5326284A (en) 1978-03-10
JPS609052B2 true JPS609052B2 (ja) 1985-03-07

Family

ID=14268039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51100214A Expired JPS609052B2 (ja) 1976-08-24 1976-08-24 陽イオン交換体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS609052B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01151457U (ja) * 1988-04-08 1989-10-19

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55102629A (en) * 1979-01-31 1980-08-06 Tokuyama Soda Co Ltd Fluorine-containing cation-exchange membrane
JPS5886889A (ja) * 1981-11-17 1983-05-24 Fuji Electric Co Ltd 同期電動機の制御方法
JPS59123482A (ja) * 1982-12-29 1984-07-17 Fanuc Ltd 同期モータの制御装置
US7538170B2 (en) 2002-03-14 2009-05-26 Daikin Industries, Ltd. Fluorocopolymer, process for producing fluorocopolymer, fluorocopolymer curable composition, and cured object

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01151457U (ja) * 1988-04-08 1989-10-19

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5326284A (en) 1978-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4605685A (en) Method for preparation of graft polymeric membranes
US4090931A (en) Anode-structure for electrolysis
US4683040A (en) Process for electrolysis of sodium chloride
CA1046457A (en) Electrolytic diaphragms, and method of electrolysis using the same
US20040059015A1 (en) Process for preparing graft copolymers and membranes formed therefrom
CN103804707A (zh) 一种制备用于制备离子交换膜的基膜的方法
JPS5858365B2 (ja) 陽イオン交換膜の製法
JPS5911674B2 (ja) 電解方法および電解槽
JPS609052B2 (ja) 陽イオン交換体の製造方法
JPS54130490A (en) Ion exchange membrane*its manufacture and use
JPS6031862B2 (ja) 陽イオン交換膜の製造方法
JPS609053B2 (ja) 陽イオン交換膜の製造方法
JPS5833249B2 (ja) 含フツ素陽イオン交換樹脂膜
WO2019198093A1 (en) Acid and oxidative resistant homogenous cation exchange membrane and its method of preparation thereof
US3723273A (en) Electrodialytic production of stannic oxide sol
JPH0149743B2 (ja)
JPS6018692B2 (ja) 複合膜の製法
JPS5939452B2 (ja) 陽イオン交換体の処理方法
JPS582970B2 (ja) ヨウイオンコウカンマクノセイゾウホウホウ
JPS582971B2 (ja) シンキヨウイオンコウカンマク オヨビ ソノセイゾウホウホウ
JPS6026141B2 (ja) 陽イオン交換樹脂膜
JPS59258B2 (ja) パ−フルオロカ−ボン系陽イオン交換体の製造方法
JPS60110711A (ja) グラフト重合膜の製造方法
JPS5830333B2 (ja) カイリヨウイオンコウカンタイノセイゾウホウホウ
JPS5939453B2 (ja) 陽イオン交換体の製造方法