JPS608867B2 - チユ−ブミルの中仕切 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は１つのチューブ内に複数の粉砕室をもつ多室ミ
ルの中仕切を改良したもので、特に粗粉砕側のボールの
通過を阻止する目板と、相粉の通過を阻止する目板とを
別体とし、目板の目詰り解消、目だれ割れ等の弊害防止
、粉砕効率の向上等を図ったものである。

セメントの仕切粉砕等では粉砕効率を向上させるため粉
砕室を粗粉砕室と微粉砕室とに分け、粗粉砕室では大径
のボール（粉砕媒体）で原料を砕き、微粉砕室では小径
のボールで原料の粉砕を行う、いわゆる多室ミルが多く
用いられている。

このような多室ミルは第１図に示す如く、円筒状の回転
容器１の内部を中仕切２によって粗粉砕室３と微粉砕室
４とに分割し、粗粉砕室３内には大径のボール５を収容
すると共に、微粉砕室４側には小径のボール６を収容し
ている。上記中仕切２の粗粉砕室側には６側程度の幅を
もったスリット（目穴）を多数穿設した目板７が設けら
れており、微粉砕室４側には中央に開口８を有する後仕
切板９が設けられている。従って回転容器１を回転させ
つつ入口１０から原料と空気を送り込むと、原料は粗粉
砕室３で大窪ボールと衝突、粉砕され、６肌以下に砕か
れた原料は目板７の目穴を通って中間部１１に入る。中
間部１１は第２図に示す如く放射状又は渦巻状の汲み上
げ金物１２，１２・・・によって複数の汲み上げ室１３
，１３・・・に分割されており、矢印（Ｕ）方向に回転
することによって、汲み上げ室１３に入った原料を、上
方向へ汲み上げ、上部へ来たときに矢印（Ｖ）の如く自
重で落下させ、後仕切板９とボス１４との間の閉口１５
から微粉砕室４へ移動させる。このようにして微粉砕室
でも小径ボールによって更に細かく砕かれた原料は、８
側程度の目穴をもつ出口目板１６を通って出口１７より
取り出される。又一定粒度以下に粉砕された原料は入口
１０より吹き込まれる空気流に乗って中仕切２及び出口
目板１６を通り、出口１７より排出され、原料の渦粉砕
が防止される。以上説明した従釆の多室ミルでは中仕切
２の目板７が大蓬ボール用のふるいと、原料用のふるい
を兼ねており、ボールの衝撃に耐えるように鋳物性とな
っていて、更に粗粒が微粉砕室４へ入るのを防止するた
め目穴の幅を粉粒度に合わせて６側程度に小さくしてい
るが、このような目穴の小さい目板は鋳造上非常に製作
し難く、目だれ、割れの現象が生じ易い。

このような現象を防止するには、目穴間の肉厚を或る程
度確保する必要があるが、この場合全体の空隙面積が馨
るしく減少し、ミル内の通風が妨げられ、過粉砕の傾向
が著るしくなり、ミルの粉砕効率が低下し、且つ目板間
の隙間から、粗粒が微粉砕室側へ漏出することも防止し
難い。また従来のチューブミル用中仕切として、粉砕室
の出口側端部に複合隔腰を有し、前記複合隔膜は粉砕室
に面した粗格子と粉砕された製品にふるいをかけるため
のふるいスクリ−ンとの組合わせからなり、前記組格子
は粉砕室内に粉砕用物体を保持しかつ多数の閉口を有し
、前記開□は粗格子の有効開放面積を概ね形成しており
、前記ふるいスクリーンは粗格子の粉砕室から遠い側上
に配置されている粉砕用チューブミルの中仕切であって
、前記粗格子とふるいスクリーンとの間の中間スペース
には案内部材が設けられ、この案内部材は前記粗格子内
にあって粗い粒子の自由通過を許している１つ又は複数
の穴を通じて粗い粒子を粉砕室に向けて後戻りさせるよ
うになっている複合隔膜型の中仕切（特開昭５４−１２
７０６０号公報参照）が知られているが、この場合、粗
格子とふるいスクリーンとの間の中間スペースに入った
原料（材料）を粗粉砕室へ向けて後戻りさせるために、
例えば半径方向に傾斜した短いプレート状の案内部材を
ミル胴体内周部に配設し、これによって上記中間スペー
スに入った原料を上方へ汲み上げ、案内部材が最上部へ
回動した位置で原料が自重によって落下し、中央孔から
粗粉砕室へ排出されるように構成されている。

しかしながらかかる案内部材を設けると、逆に原料の自
由な移動が阻害されるという不都合があるため上記中間
スペースの幅を必要以上に広く確保する必要があり、中
仕切全体の幅が厚くなり、その分粉砕室の容量が小さく
なるという欠点を有するばかりか、案内部材から落下し
た相粒が確実に粗粉砕室に戻されるとはかぎらず（実際
には中央孔から排出される粗粒は僅かであり）、殆どの
粗粒は中間スペースの下方に再度落下し、これが中間ス
ペース内に滞留してふるいスクリーンの目詰まりを生じ
させる。この傾向は前記案内部材を傾斜させても同様で
、案内部材を傾斜させるとそこに原料が襖状に食い込ま
れて滞留の傾向が更に増大する。また中央孔部に原料を
捕捉する案内べーン等を設けた場合も同様で、かかるべ
−ンでは落下途中の原料を確実に捕捉するのは困難で、
該べ−ン部に原料が付着して短期間で役に立たなくなる
ものである。従って本発明は以上述べた如き従釆のチュ
ーフミルの中仕切における欠点、不都合の解消を目的と
するもので、中仕切の目板を媒体を通過させない大形の
目穴を設けた粗目板と、粗粒を通過させない小型の目穴
を設けた細目板との二重構造となし、粗目板を通過し、
細目板を通過しない粒子を粗粉砕室側へ戻すため、汲み
上げ金物や汲み上げ室等に改良を加え、目板の耐久性を
確保しつつ、その通過面積の増大を図り、且つ粗目板を
通過し細スクリーンは通過しえない粗粒の粗粉砕室への
還流を確実におこない、中間スペースの幅を狭くしても
その部分での相粒が滞留しないような構造を提供せんと
するもので、その要旨とする処が、チューブミルに設け
た複数の粉砕室を仕切るための中仕切であって、粗粉砕
室側に面し、粗粉砕媒体の通過を阻止する粗目板と、微
粉砕室側に面した後仕切板と、上記粗目板と後仕切板と
の間に挟まれ、半径方向に配設した汲み上げ金物によっ
て放射状に仕切られた複数の汲み上げ室とを有してなる
チューブミルの中仕切において、前記汲み上げ室と粗目
板との間に粗目板に平行で或る粒径以上の粗粒原料の通
過を阻止し、微粒原料の通過を許容する細目板によって
仕切られた円板状の連絡室を設けると共に、上記複数の
汲み上げ室の一部と上記連絡室とを細目板に設けた開ロ
によって蓮通させ、且つ該一部の汲み上げ室をミル中央
部近傍に設けた蓮通路を介して粗粉砕室側へ開放し、更
に残りの汲み上げ室をミル中央部近傍において微粉砕室
側へ開放した点にあるチューブミルの中仕切を提供する
ものである。

次いで本発明を具体化した実施例につき、第３図以下の
添付図面を参照しつつ詳しく説明する。ここに第３図は
本発明の一実施例である中仕切の粗粉砕室側の側面図、
第４図は同中仕切の正断面図、第５図は同中仕切の微粉
砕室側の側面図であり、第４図上半分は第３図における
Ｂ−○矢視断面図、同下半分は第３図におけるＣ−０矢
視断面図を示し、第３図における１部、Ｄ部、ｍ部、Ｗ
部はそれぞれ第４図におけるＤ矢視図、Ｅ−○矢視断面
図、Ｅ−○矢視断面図、Ｆ−○矢視端面図、又第５図に
おけるＶ部、の部、刑部はそれぞれ第４図におけるＧ矢
視図、Ｈ−０端面図、Ｊ矢視図を示し、第６図ａは粗目
板の目穴断面図、同ｂは中仕切中心目板の目穴断面図、
同ｃは細目板の目穴断面図、同ｄは後仕切板の目穴断面
図である。これらの図において中仕切２０のの粗粉砕室
１１側には中心部を除いて全面に１２等分割された扇形
の粗目板２１がボルト止めされており、該粗目板２１に
は第３図１部及び第６図ａに示す如き例えば２仇肋の幅
をもった粗目穴２２が多数開設されている。

該粗目板２１の裏側には粗目板と同様分割された扇形の
細目板２３が粗目板２１との間に設けたリブ２４を介し
て上記粗目板２１にボルト止めされており、粗目板２１
と細目板２３との間には、全円周に渡って蓮適する円盤
状の連絡室１９が挟まれて介在しており、該細目板２３
には第３図ｍ部及び第６図ｃに示す如き幅６肋程度の粗
目穴２５が多数穿孔されている。但し１２女の細目板の
内１つ又は２以上の細目板２３（図では第３図ＤＩこ示
し部分）には細目穴が設けられておらず、替って第３図
Ｄ部に示した如き大径の開放孔２６，２６が開設されて
いる。尚２７は上記粗目板２１、細目板２３，２３′、
及びリブ２４を取付けるためのフレームであり、開□２
８によって粗目板２１と細目板２３とが達適している。
又中仕切２０の微粉砕室４２側には第５図肌部を除いて
１１枚の扇形の後仕切板２９が等分にボルト締めされて
いて、該後仕切板２９にはスリット幅ＩＱ枕程度の目穴
３０が多数開設されており、上記第５図肌部は第３図０
部の真裏側に相当し、第５図刑部にボルト止めされた後
仕切板２９′は目穴が無く旨板となっている。上記細目
板２３と後仕切板２９との間の円盤状空間３１にはリブ
を兼ねた放射状の汲み上げ金物３２が１２個等角度で配
設され、該汲み上げ金物３２で区切られた空間３１は各
々汲み上げ室３３，３３・・・・・・を形成しており、
該汲み上げ室３３は中仕切２０の中央ボス部３４に設け
た蓮通路３５によって微粉砕室４２の側へ開□している
。

但し上記汲み上げ室の内第３図Ｕ部（第５図刑部）に相
当する汲み上げ室３３′は粗粉砕室４１に開口する運通
路３５′によって粗粉砕室４１側と連絡している。又ボ
ス部３４の中央孔３６は第６図ｂに示した如き１仇肋の
スリット幅の目穴３７をもつ中仕切中心目板３８によっ
て通気状に塞がれていると共に、汲み上げ金物３２は１
つ置きに３２ａのようにボス部３４まで到達しておらず
、その左右の汲み上げ室３３，３３と蓮適する蓮通路３
５，３５が交点３９で合流している。次に上記実施例を
その作用について説明する。

回転容器４０の回転によって粉砕媒体のボ「ルと原料と
が混線されていき、粗粉砕室４１中のボールは径が大き
いため粗目板２１を通ることができないが、径が２仇肋
未満の粉粒は粗目板２１の粗目穴２２を通って連絡室１
９に入り、更に或る粒径（上例では６肌）以下の細粒は
細目板２３をも通り越して汲み上げ室３３に入り、容器
の回転によって持ち上げられた後、汲み上げ金物３２に
沿って落下し、蓮通路３５より微粉砕室４２内へ入る。
一方細目板２３を通過できない粗粒は全周的に蓮通する
連絡室１９により、円周上に１又は２以上設けた細目板
２３′（第３図ロ部）に開設した大きな開放孔２６を通
って、その裏側に設けた汲み上げ室３３′に入り、該汲
み上げ室３３′が上方へ回って来た時、自重で落下して
連通路３５′より粗粉砕室４１側へ戻り、再度大蚤ボー
ルによって破砕される。上記環流用の汲み上げ室３３′
は粗目板２１を通過する粉体の量に応じて２ケ所以上設
けてもよく、又開放孔２６の形状は第３図に破線で示し
た２６ａ，２６ｂのように上部及び下部に広く設けてお
けば粉体の汲み上げ室３３′への吐き出しが促進されて
都合が良い。

又場合によっては後仕切板２９の目穴を無くして旨板と
なすことも可能である。更に粉砕室の数は上記実施例の
様な２個に限らず、３個以上設け、それに応じて中仕切
の数を増やす如くなしてもよい。本発明は以上述べたよ
うにチューブミルに設けた複数の粉砕室を仕切るための
中仕切であって、粗粉砕室側に面し、粗粉砕媒体の通過
を阻止する粗目板と、微粉砕室側に面した後仕切板と、
上記粗目板と後仕切板との間に挟まれ、半径方向に配設
した汲み上げ金物によって放射状に仕切られた複数の汲
み上げ室とを有してなるチュ−ブミルの中仕切において
、前記汲み上げ室と粗目板との間に粗目板に平行で或る
粒径以上の粗粒原料の通過を阻止し、微粒原料の通過を
許容する細目板によって仕切られた円板状の連絡室を設
けると共に、上記複数の汲み上げ室の一部と上記連絡室
とを細目板に設けた関口によって蓮通させ、且つ該一部
の汲み上げ室をミル中央部近傍に設けた蓮通路を介して
粗粉砕室側へ開放し、更に残りの汲み上げ室をミル中央
部近傍において微粉砕室側へ開放したことを特徴とする
チューブミルの中仕切であるから、粗目板の目穴径を大
きくでき、目穴の目だれ、割れ等の現象から解放され、
細目板にボールが当らないので強度的に楽で、小さいパ
ンチ穴を多数穿孔して、空気通過面積（空隙面積）を大
きくできるので通気が良く過粉砕を生じず、微粉砕室へ
流れる粗粒のトップサイズを完全に抑えることができ、
より一層小径のボールを使用でき、粉砕効率を上昇させ
ることが可能であり、更に複数の汲み上げ室の内の１又
は２以上の汲み上げ室を用いて細目板を通らない粗粉を
粗粉砕室側へ戻すものであるので細目板の目詰りを防止
できミル内の通風がよく、より小さし・圧損で細粉を移
動させることができ、ミル全体の粉砕効率の向上が達成
されるものである。

また本発明においては従来の中仕切にみられるような案
内部材を連絡室（中間スペース）に設ける必要がないの
で、連絡室の幅を狭くすることができ、その分粉砕室の
容積を増大させうるものであり、まだ原料の付着しやす
い案内部材がなく、連絡室内に入った粗粒は細目板に穿
った大形の開□から一部の汲み上げ室に入った後、中央
部の大形の運通路を通って粗粉砕室へ確実に戻されるの
で「連絡室での粗粒の滞留がなく、これによる細目板の
目詰まりが防止されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従釆の多室チューブミルの側断面図、第２図は
第１図における中間部の構造を示すためのＡ−Ａ矢視図
、第３図は本発明の一実施例である中仕切の粗粉砕室側
の側面図、第４図は同中仕切の正断面図、第５図は同中
仕切の微粉砕室側の側面図であり、第４図上半分は第３
図におけるＢ−○矢視断面図、同下半分は第３図におけ
るＣ−○矢視断面図を示し、第３図における１部、Ｄ部
、ｍ部、Ｗ部はそれぞれ第４図におけるＤ矢視図、Ｅ−
○矢視断面図、Ｆ−○矢視断面図、Ｆ−○矢視端面図、
又第５図におけるＶ部、Ｗ部、肌部はそれぞれ第４図に
おけるＧ矢視図、Ｈ−○端面図、Ｊ矢視図を示し、第６
図ａは粗目板の目穴断面図、同ｂは中仕切中心目板の目
穴断面図、同ｃは細目板の目穴断面図、同ｄは後仕切板
の目穴断面図である。 符号の説明 ４１，４２・・・粉砕室、２０・・・中仕
切、２１…粗目板、２３，２３′…細目板、３２・・・
汲み上げ金物、３３，３３′・・・ミ及み上げ室、１９
・・・連絡室。 繁１図 第２図 第３図 繁ム図 第５図 第６図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ チユーブミルに設けた複数の粉砕室を仕切るための
   中仕切であって、粗粉砕室側に面し、粗粉砕媒体の通過
   を粗止する粗目板と、微粉砕室側に面した後仕切板と、
   上記粗目板と後仕切板との間に挟まれ、半径方向に配設
   した汲み上げ金物によって放射状に仕切られた複数の汲
   み上げ室とを有してなるチユーブミルの中仕切において
   、前記汲み上げ室と粗目板との間に粗目板に平行で或る
   粒径以上の粗粒原料の通過を阻止し、微粒原料の通過を
   許容する細目板によって仕切られた円板状の連絡室を設
   けると共に、上記複数の汲み上げ室の一部と上記連絡室
   とを細目板に設けた開口によって連通させ、且つ該一部
   の汲み上げ室をミル中央部近傍に設けた連通路を介して
   粗粉砕室側へ開放し、更に残りの汲み上げ室をミル中央
   部近傍において微粉砕室側へ開放したことを特徴とする
   チユーブミルの中仕切。