JPS608841Y2 - 食器洗い機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は食器洗い機における洗浄液のノズルからの吐出
圧力を、被洗浄物の重量ならびに汚れ程度に応じて可変
できるようにしたものである。

洗浄する食器の種類は多種多様であり、またその汚れの
状態もひどい汚れから軽い汚れまでいろいろある。

こうしたものを洗浄するに当り、食器を傷めることなく
美しく洗い上げるためには、その食器または汚れに応じ
た洗浄力が必要である。

例えば、薄肉のグラスとか椀類は軽量であるので、洗浄
ノズルの噴射力が強いと飛ばされる危険性がある。

逆に厚肉の深い食器とかこげついたフライパン等は、こ
れらの汚れを落すためには相当に強い噴射力が必要であ
る。

本考案は、このように食器の種類あるいは汚れの状態に
応じて洗浄液の噴射力を可変させることを目的とする。

従来、洗浄ポンプの吐出圧力を可変できるものハナ＜、
一部洗浄ノズルの上あるいは下ノズルの管路径を絞り、
ノズルからの洗浄液の噴射力を抑えたものはあったが、
一方のノズルの径を絞ると、他方のノズルからの噴射力
が増し、不都合が多かった。

また全体の噴射力を抑えるために両方のノズルの径を絞
ることは、モータ、ポンプ、配管部等に異常な圧力を与
え、過負荷になって、機械の寿命を著しく短縮させるの
で好ましくなかった。

また、洗浄ポンプがキャビテーション等をおこしてポン
プ吐出圧力を変化させ、吐出圧力が下がった時などは、
ノズルの噴射力のみならずノズル回転用推進孔からの噴
射力も低下して、ノズルの回転数が著しく低下すること
があった。

本考案は、このような従来の欠点を解決したものであり
、以下その実施例を説明する。

図において１は食器洗い機の外枠で、上面には天板２を
有している。

外枠１の内部には内槽３を配し、この内槽３の内側上部
と下部には、それぞれ上カゴ５及び下カゴ６を配設して
いる。

各カゴの下部にはこれと近接して回転ノズル７及び８を
配備し、このノズルから噴出される洗浄液で前記カゴに
セットされた食器類を洗浄する。

４は内槽３の前面開口部を覆うフタである。

洗浄液は噴出後内槽底部の凹部に設けた集水器１３に集
められ、この集水器１３の底部よりサクションホース１
２を導管として、洗浄用循環ポンプ１１に導入される。

この循環ポンプ１１で加圧され前記回転ノズル７及び８
より洗浄液を噴出する。

１４は集水器１３に内接して設けられたフィルターで、
洗浄液は必ずこのフィルター１４で濾過されてから循環
ポンプに入るようになっている。

１０は循環ポンプを駆動するモータ、９は内槽３の側壁
にとりつけられた台枠粱で、モータ１０との間に緩衝ゴ
ム１５を介在して取付けられている。

１６は外枠１の下部に設けられた調整足、１７は集水器
１３の中に鋳込まれたシーズヒータである。

集水器１３は普通アルミニウム合金か又は鉄合金鋳物で
作られ、成型時にＵ字形のシーズヒータ１７を内部に鋳
込んで一体化している。

１８は内槽３内にたまった洗浄液の量を制御するための
圧力スイッチであり、内槽３または外枠１内に取付けら
れている。

１９はこの圧力スイッチ１８と水位検知部２０とをつな
ぐホースである。

本考案によるポンプ駆動用モータの回転数制御は、モー
タへの電流制御、電圧制御、入力波形制御等の電気的な
制御か、機械的に回転数を変更させる制御のいずれであ
ってもよい。

いずれの手段にせよ洗浄ポンプ１１の回転数を可変させ
て、ポンプの吐出圧力を変化させ、上下のノズル７．８
より噴出する洗浄液の噴射力を洗浄する食器の種類ある
いは食器の汚れ度合に応じて変更できるようにしたもの
である。

選定の方法はフタ４の上方に取付けられた操作板２１に
内装されたセレクトスイッチ２２により決められる。

このスイッチ２２の所定のボタンを押すと、制御回路Ｃ
でモータの回転数が制御され、洗浄ポンプからの洗浄液
の吐出圧力が所定の値に制御される。

比較的汚れが少なく軽い食器類はノズルの噴射圧力を下
げなければならない。

又逆に汚れのひどい食器を洗浄する場合は、ノズルから
の噴射力を強くしなければならない。

いずれも洗浄の前にあらかじめセレクトスイッチで選定
しておくことができる。

第３図はこの制御回路ブロックを示す略図である。

また、ノズルの回転数は、従来からポンプの吐出圧力に
よって変化し、圧力の小さい時は、回転数が低くなって
いた。

本考案は、こうした圧力の変動があっても、ノズルの回
転数を一定にし、洗浄性能を安定にして美しく洗い上げ
るように工夫している。

即ち、ノズルの回転に寄与する推進孔２３は、推進孔取
付筒体２４と一体に形威し、この筒体２４はノズル７あ
るいは８の先端部の目皿２５に嵌着させている。

推進孔取付筒体２４の内部には、筒体２４の中央より突
出したリブ２６と、中心に孔２７を有する可動片２８と
を弾性的に保持してなる圧縮スプリング２９を有する。

この可動片２８は、ポンプの吐出圧力に対応して可動し
、吐出圧力が高くなるにつれて可動片２８が、リブ２６
に接近し、推進孔への噴射液量が少なくなって、ノズル
の回転数を下げる方向に作用する。

ただし圧力が高いと推進孔２３より噴射される液のスピ
ードが速いため、噴射液量が減ってもノズルの回転数は
あまり変化せずに回転する。

即ち、ノズルの回転数は圧縮スプリング２９を所定の強
さにしておけば、ポンプの吐出圧力に変化が生じても、
ノズルの回転数はほぼ一定に保つことができる。

可動片２８の中心部に設けた孔２７は、瞬間的に吐出圧
力が増加して可動片２８がリブ２６に密着してしまわな
いよう圧力抜き用に設けたものである。

前述したように本考案では洗浄液の吐出圧力が変るため
、食器が比較的軽量なものであっても、噴射力で飛んで
食器を割ったり、あるいは食器の模様を壊わしたりする
ことがなく、安心して洗浄することができる。

またノズルの口径の一部を強制的に絞る従来のものでは
、他に悪影響を与えていたが、本考案では他への悪影響
を招くことがない。

また、ノズルの回転数も、ポンプの吐出圧力の低下によ
って遅くなることがなく、常時一定速度で回転するため
、カゴにセットされた食器全般に均一な洗浄を施こすこ
とができるものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の実施例における食器洗い機の断面略図
、第２図は食器洗い機の外観図、第３図は制御回路部を
示すブロック略図、第４図はノズルの回転数を一定に保
つ推進孔取付筒体の内部構造を示す断面図である。 １０・・・・・・モータ、１１・・・・・・洗浄用循環
ポンプ、７、訃・・・・・上下の洗浄用ノズル、２２・
・・・・・セレクトスイッチ、２３・・・・・・ノズル
回転推進孔、２４・・・・・・筒体、２８・・・・・・
可動片、２９・・・・・・圧縮スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗浄ポンプより送出された洗浄液を噴出するとともに、
   その洗浄液流動面積を先端部方向へ小さくし、同先端部
   には回転推進孔を形成した水力回転式噴射ノズルを有す
   る食器洗い機において、上記洗浄ポンプはその回転数を
   変化させて洗浄ノズルからの洗浄液噴出圧力を調整する
   制御部を有し、一方洗浄ノズルには洗浄液の吐出圧力と
   背圧用バネとの力関係により回転推進孔に対して接離動
   作し、かつ穴を中央部に形成した可動片を設けてなる食
   器洗い機。