JPS6088084A - 接着性被膜形成材 - Google Patents

接着性被膜形成材

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Publication number
JPS6088084A
JPS6088084A JP58197252A JP19725283A JPS6088084A JP S6088084 A JPS6088084 A JP S6088084A JP 58197252 A JP58197252 A JP 58197252A JP 19725283 A JP19725283 A JP 19725283A JP S6088084 A JPS6088084 A JP S6088084A
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JP
Japan
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group
forming material
adhesive film
acid
polymer
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Application number
JP58197252A
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English (en)
Inventor
Toshio Kawaguchi
俊夫 川口
Shinichiro Kunimoto
国本 伸一郎
Koji Kusumoto
楠本 紘士
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な接着性被膜形成材に関する。
詳しくは、(i)カルボキシル基を有する高分子体、(
ii)有機チタネート及び(山)一般式、基で、Rはア
ルキル基、ハロ#キアルキル基。
アルコキシアルキル基、カルボキシアルキル基。
フェノキシアルキル基、アリール基、アルコキシアリー
ル基、アシル基ハロアシル基、アシル香酸誘導体を主成
分とする接着性被膜形成材である。
従来、接着性被膜形成材例えば接着材は使用分野によっ
て、その分野特有の種々の化合物が知られている。特に
要求される性状がきびしいのは生体硬組織に特に湿潤状
態で使用する歯科用の接着材である。該歯科用接着材と
しては例えばポリアクリル酸水溶液と無機酸化物で構成
されるアイオノマーセメントや、重合性単m体を用いた
室温硬化性の接着材が知られている。
しかし、アイオノマーセメントについては歯質との接着
力は有するが、他の歯科用充填材料との接着力が無く、
しかも耐水性が低いために、水中ではずれやすいという
欠点がある。また重合性単」体を用いた接着材は、エナ
メル質には接着するが象牙質にはほとんど接着しない。
このため歯質を予め高濃度のリン酸水溶液で処理するこ
とによって脱灰させ機械的に保持形態を作る必要があっ
た。しかし、この方法は高濃度のリン酸を用いるため健
全な歯質までも痛めてしまうという欠点がある。
また接着材については使用分野に応じて、その分野特有
の性状が要求されるため、ある分野で使用される接着材
が他の分野でも工業的に使用出来ることはほとんどない
。従って使用分野に応じて好適な接着材が開発されてい
る。
一方カルボキシル基を有する高分子体を溶解した溶媒中
に有機チタネートを混合すると、架橋反応が直ちに進行
し、短時間でゲル化するか又は架橋した硬化物の沈澱が
生じることが知られている。従って、カルボキシル基を
有する高分子体と有機チタネートとを混合して一液性タ
イブで保存することは出来ないとされて来た。
かかる欠陥を補うために有機チタネートの安定剤を上記
系に添加し、−液タイプの保存をする試みがなされてい
る。例えば上記の安定剤として乳酸、サリチル酸等を用
いることが提案されているが、これらの安定剤を用いて
もカルボキシル基を有する高分子体と有機チタネートと
が架橋反応を起すことを完全に防止することは出来ず、
工業的に或いは製品として両者を一液性タイブの状態で
保存することはできなかった。
そこで、本発明者らは上記欠点を解決すべく研究を重ね
た結果、安息香酸誘導体の中でも特定の構造式を持つ化
合物を有機チタネート力安定剤として用いた場合、−液
の状態で保存可能な一液性組成物が得られることを見い
出し本発明を提供するに至った。
すなわち、本発明は、 (i) カルボキシル基を有する高分子体、(11) 
有機チタネート、 及び (iii ) 一般式、 (但し、nは0.1.2.3又は 4で、Xはアルキル基、アルコキ シ基、カルボキシル基又はアシル ルキル基、カルボキシルアルキル基。
フェノキシアルキル基、アリール基。
アルコキシカルボニル基、アリル基 又はベンジル基である。)で示され る安息香酸誘導体、を主成分とする 接着性被膜形成材である。
本発明の接着性被膜形成材の主成分の1つはカルボキシ
ル基又は無水カルボン酸基を有する高分子体である。該
高分子体にカルボキシル基を有している必要性は例えば
歯科用裏装材、歯科用接着材等のように湿潤状態で使用
する場合も十分な接着力を有し使用に耐えうるものとす
るためである。特に該当カルボキシル基が、2個結合し
た高分子更には隣接する炭素原子に2つのカルボキシル
基が結合した高分子が効果的である。また接着性被膜形
成材に耐水性を付与し、被接着性材料とのなじみを付与
するために、該高分子体に疎水性基を有するものを選ぶ
と更に好適である。
前記カルボキシル基を有する高分子体は特に限定されず
公知のものを用いうるが一般には分子量が1.000〜
100.000の範囲のものが最も好適である。また該
高分子体を得る方法は特に限定されず公知の方法が採用
出来る。一般にはカルボキシル基を有するビニルモノマ
ーを単独重合させるか該官能基を有する共重合可能なビ
ニルモノマーと他の共重合可能なビニルモノマー就中疎
水性基を有するごニルモノマーとを共重合させて製造す
る方法が好適である。
またカルボン酸エステル基を有するビニルモノマーと他
の共重合可などニルモノマーとを共重合させ、得られた
共重合体のカルボン酸ニスデル基を加水分解してカルボ
キシル基に変換する方法も好適に採用される。
本発明の接着性被膜形成材に接着性を付与するためには
上記高分子体中に占めるカルボキシル基のmが、高分子
体1gに対して0.001モル以上に含むのが好適であ
る。
前記カルボキシル基を有するビニルモノマーは特に限定
されず用いうるが一般に好適に使用されるものを例示す
れば次ぎの通りである。即ち、アクリル酸、メタクリル
酸等のアクリル酸不飽和二塩基性カルボン酸モノマー:
4−メタクリロキシエチルトリメリット酸ような芳香族
系不飽和カルボン酸モノマー、或いはこれらのビニルモ
ノマーに置換基を置換した置換誘導体等が好適に使用さ
れる。
また前記カルボキシル基又は無水カルボン酸を有するビ
ニルモノマーと共重合可能なビニルモノマーも特に限定
されず公知のものが使用出来る。一般に好適に使用され
る代表的なものを具体的に示せば、例えば、エチレン、
プロピレン、ブテン等のオレフィン化合物および塩化ビ
ニル、ヘキザフルオロプロピレン等のオレフィン化合物
のハロゲン誘導体:ブタジエン、ペンタジェン等のジオ
レフィン化合物およびそのハロゲン誘導体:スチレン、
ジビニルベンゼン。
ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル
等のビニルエステル化合物ニアクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、アクリル酸アミド、メタクリル
酸アミド等のアクリル酸及びメタクリル酸誘導体;アク
リロニトリル等の不飽和ニトリル化合物;メチルビニル
エーテル等のビニルエーテル化合物等が挙げられる。
さらに、前記した如く本発明の原料として用いる共重合
可能なビニルモノマーにおいて、疎水性基を有するごニ
ルモノマーは好適に用いられる。疎水性基を有するビニ
ルモノマーを用いることにより、高分子体中に、カルボ
キシル基による親水性基と疎水性基の両者の性質を備え
ることができる。この場合は後述する様に親水性表面を
有する材料と疎水性表面を有する材料のような異種材料
の接着において特にその性能を向上させることができる
前記疎水性基は特に限定されず公知なものが使用できる
が一般に好適に使用される疎水性基の代表的なものを挙
げると例えばフェニル基。
ナフチル基等のアリール基;メチル基、エチル基、プロ
ピル基等のアルキル基:エトキシ基。
ブトキシ基等のアルコキシ基;アセチルオキシ基等のア
シルオキシ基;エトキシカルボニル基。
ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基等で
ある。
これらの官能基を有するビニルモノマーは公知のものが
特に制限されず用いられる。一般に好適なビニルモノマ
ーを具体的に挙げれば、スチレン、メチルスチレン、ご
ニルナフタレン、プロピレン、ブテン、エチルビニール
エーテル。
ブチルビニールエーテル、酢酸ビニル、メタクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチルなどである。
また同一分子内にカルボキシル基と疎水性基を持つもの
として4−メタクリロキシエチルトリメリット酸あるい
はその酸無水物なども好適に用いられる。
上記、疎水性基を有するビニルモノマーに由来する疎水
性基はカルボキシル基を有する高分子体中と40モル%
〜90モル%含まれている事が好ましい。疎水性基が4
0モル%より少ない場合は本発明の接着性被膜形成材を
特に歯科用の接着剤として用いた場合耐水性が充分でな
くなる傾向がある。また、90モル%を越えると歯質と
の接着力が得られなくなる傾向がある。
上記のごニルモノマーはカルボキシル基又は無水カルポ
ル酸基を有するビニルモノマーに対して一種又は二種以
上を混合して共重合させる事も可能である。上記重合を
実施する方法については特に限定されず、公知の方法が
用いられるが、特にラジカル重合が好適に用いられる。
ラジカル重合において用いられる重合開始剤についても
一般に公知のものが採用される。例えば、過酸化ベンゾ
イル、過酸化ラウロイルなどの有機過酸化物:ペルオキ
ソ、−硫酸カリウム、ペルオ善ソi硫酸アンモニウムな
どのベルオキソシ硫酸塩;アゾビスイソブチロニトリル
などのアゾ化合物;トリブチルホウ素などの有機金属化
合物またはレドックス系開始剤を用いて行なう重合が好
適に利用できる。
これらの重合開始剤は、不飽和カルボン酸、不飽和カル
ボン酸エステル又は酸無水物、共重合可能なビニル系単
量体等のモノマー成分に対して0.01〜3重量%の範
囲で使用すれば十分である。
本発明の接着性被膜形成材の主成分の他%は有機チタネ
ートである。
本発明において用いる有機チタネートは特に限定されず
公知のものが使用できる。例えば、テトラ−1so−プ
ロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テ
トラキス(2−エチルヘキシル)チタネート、テ1〜ラ
ステアリルチタネート、トリーn−ブトキシモノステア
リルチタネートのようなアルキルチタネート類ニジ−1
so−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタネー
1〜.ジーn−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミン
)チタネート、ジヒドロキシ・ビス(ラフティクアシド
)チタネート、テトラオクチレングリコールチタネート
、;イソプロピルトリー1qo−ステアロイルチタネー
ト、インプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタ
ネート、イソプロピルトリス(ジオクチルバイロホスフ
エート)チタネート、テトラ−1S〇−プロピルビス(
ジオクチルホスファイト)チタネート、トラオクチルビ
ス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(
2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ
−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオク
チルパイロホスフェート)オキシアセチートチタネート
、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタ
ネートなどが単独でまたは組合せて使用される。また本
発明で使用する有機チタネートは、特に下記一般式で示
されるようなアルキルチタネート類に対しても十分に一
液性タイブの保存が可能である。即ち、一般に保存安定
性が乏しいとされている、一般式、 (但し、 Rはアルキル基で、nは0又は20までの数である)で
表わされる有機チタネートに対しても十分に効果的であ
る。
本発明の接着性被膜形成材中の有機チタネートの使用量
は特に限定されないが一般にはカルボキシル基を有する
高分子体のカルボキシル基1モルに対して、0.02モ
ル〜1.0モルの割合で添加することが好ましい。該有
機チタネートの添加量が0.02モルより少ない場合に
は、接着性被膜形成材の耐水性が低下する場合があり、
使用分野が制限される場合もある。
また、該有機チタネート添加量が1.0モルを越えると
硬化を行なう際、硬化時間が短かくなり過ぎ操作性が低
下する場合があり、使用分野を限られる場合もある。従
って本発明に於ける各添加割合は使用分野に要求される
物性に応じて予め決定するのが好ましい。
本発明の接着性被膜形成材に使用する第三の成分は、一
般式、 (但し、 nは0,1,2.3又は4で、Xはアルキル基。
アルコキシ基、カルボキシル基、又はアシルアルキル基
で、Rはアルキル基、ハロアルキル基。
アルコキシアルキル基、カルボキシアルキル基。
フェノキシアルキル基、アリール基、アルコキシアリー
ル基、アシル基、ハロアシル基、アシルオキシアシル基
、アルコキシカルボニル基。
アリル基又はベンジル基である。)で示される安息香酸
誘導体である。
本発明の上記一般式で示される安息香酸誘導体がどのよ
うな反応機構で、カルボキシル基を有する高分子体と有
機チタネートとを一液性タイブとして取扱うことが出来
るのか、その理由は現在尚明確ではない。しかし統計的
な実験の結果から次ぎのような結論が推定される。即ち
前記一般式中の、−OR基と−COOH基はべ定した状
態を保持するのではないかと推測される。しかし上記−
OR基が一〇H基であってもまた一〇〇〇H基の水素原
子が他の位置基に置換されていても或いはこれらが同時
に満足される化合物例えばサルチル酸であっても本発明
の効果を発揮させることは出来ない。但し前記−基(前
記一般式のX)で置換されても或いは置換基の数の如何
にかかわらず、本発明の効果は基(−COOH’)と−
OR基がオルト位に位置するように存在し、しかも−O
R基のRが水素原子でない場合に選択的にチタンを安定
に保持するように作用するものと推定される。
本発明で使用する安息香酸誘導体は前記一般式で示され
るものであれば特に限定されず公知の化合物が使用出来
る。一般に工業的に入手容易さ、取扱いの容易さ等の関
係から前記一般式で示される、X又はRのアルキル基、
アルコキシ基、ハロアルキル基、フェノキシアルキル基
等のアルキル基は低級アルキル基例えば炭素原子1〜4
個のものが好適で、またハロアルキル基、へロアシル基
のハロゲン原子は塩素、臭素。
沃素、弗素が特に塩素、臭素が好適に使用される。更に
また前記一般式で示されるRのフェノキシアルキル基は
該フェノキ、シ基の水素原子がニトロ基で置換されたニ
トロフェノキシ基又はカルボキシフェノキシ基が好適で
ある。
また工業的に入手容易な前記一般式で示される安息香I
ll誘導体は次ぎの化合物である。即ち一般式、 (但し、Xは1〜4の整数で、Xはアルキル基。
アルコキシ基、カルボキシル基又はアシルアルキル基で
、R−はアルキル基である)で示される安息香酸誘導体
、又は、一般式、 (但し、R″はアルキル基、ハロアルキル基。
アルコキシアルキル基、カルボキシアルキルフェノキシ
アルキル基.アリール基,アルコキシアリール基,アシ
ル基,ハロアシル基,アリル基又はベンジル基である)
で示される安息香酸誘導体である。
更に具体的に、本発明の前記一般式で示される代表的な
化合物を例示すれば次ぎの通りである。即ち前記一般式
(I)で示される代表的な化合物としては、2−メチル
−6−メトキシ安息香酸;2,4−ジメチル−6−エト
キシ安息香酸:2,3.5−トリメチル−6−メトキシ
安息香I!:2.4.5−t−ジメチル−3,6ージメ
トキシ安息香1:3.4−ジメチル−2。
6−ジメトキシ安息香酸:オルシノールレジカルされる
代表的な化合物としては、2−メトキシ安息香酸.2−
エトキシ安息香酸,2−プロポキシ安息香酸,2ーイソ
プロポキシ安息香酸。
2−〔βーブロモエトキシ〕安息香酸,2−メトキシメ
トキシ安息香酸,フェノキシ酢酸−0−カルボン酸,α
ーフエノキシプロビオン酸ー0ーカルボン酸,αーフェ
ノキシブタン醒ー0ーカルボン酸,α−フェノキシイソ
ブタン酸−〇ーカルボン酸,αーフェノキシバレリン酸
.2−〔β−(2−ニトロフェノキシ)−エトキシ〕安
息香酸,2〔β−(4−ニトロフェノキシ)−エトキシ
〕安息香酸,エチレンジサリチル酸。
2−フェノキシ安息香酸,2−O−フレジキシ安息香酸
,2ーmークレゾキシ安息香酸,2−p−フレジキシ安
息香l,2− (2.4−ジメチル−フェノキシ)安息
香酸,2−βーナフチロキシ安息香酸.2− (2−メ
トキシフェノキシ)安息香酸,2−アセトキシ安息香酸
,2−ベンゾイロキシ安息香酸,2−トリクロロアセト
キシ安息香酸,2−ブロモアセトキシ安息香1、2−1
−リブロモアセトキシ安息香酸,サクシニルジサリチル
酸,カルボメトキシサリチル酸,カルボエトキシサリチ
ル酸,2−アリロキシ安息香酸,2−ベンジロキシ安息
香酸等である。
本発明で用いる前記安息香酸誘導体は一種或いは二種以
上を、必要に応じて有機溶媒と共に使用すればよい。該
有機溶媒は特に限定されず公知のものが使用出来るが一
般には沸点が低く、後で除去が[容易なものがよく、例
えばメタノール、エタノール、酢酸エチル等の有機溶媒
が好適に使用される。また本発明で用いる前記一般式で
示される安息香酸誘導体の使用量は特に限定されず、本
発明で得られる接着性被膜形成材を使用する用途分野に
応じて、適宜決定すればよい。一般には本発明の1つの
成分である前記有機チタネート1モルに対し、0.1モ
ル〜4モル好ましくは0.5モル〜2モルの範囲で使用
すると好適である。該安息香酸誘導体を該有機チタネー
トに対して多く使用すると接着性被膜形成材の使用に際
し、一般に該接着性被膜形成材を他の混合物と混合する
ときの操作時間が長くなったり、硬化物の生成速度が遅
くなる傾向がある。
本発明における前記カルボキシル基を有する高分子体、
有機チタネート及び前記安息香酸誘導体は一液性タイブ
で保存が出来、長期間硬化することはない。該保存方法
は特に限定されないが、有m溶媒の存在下に保存する方
法が最も好適に用いられる。該有機溶:媒については前
記に説明したように、特に限定されないが一般に沸点が
低く除去が容易に行いうるメタノール。
エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチルなど
が好適に用いられる。また本発明の接着性被膜形成材を
有機溶媒に溶解して用いる時の該形成材の濃度は特に限
定されないが一般には1〜30重量%の範囲にすると、
該接着性被膜形成材を被膜として使用できるので好まし
い。
上記溶媒と共に用いても使用時には、塗布した後溶媒を
蒸発させる事によって硬化反応が始まるため室温での使
用が容易である。
上記の一液での保存方法の他に、勿論本発明の接着性被
膜形成材の前記三成分をそれぞれ別々に保存し、硬化時
に三成分を混合する方法、有機チタネートと安息香酸誘
導体とを予め混合して保存しておき、硬化時にカルボキ
シル基を有する高分子体を混合する方法等も採用出来る
本発明の接着性被膜形成材は前記カルボキシル基を有す
る高分子体、有機チタネートおよび前記安息香酸誘導体
の三成分のみで十分な硬化形成体を得る事ができるが、
更に必要に応じ重合可能なビニルモノマー及び開始剤の
共存下に硬化させる事によって硬化物の強度あるいは接
着力を向上させる事も可能である。
上記の重合可能なごニルモノマーとしては、既に説明し
た共重合可能なビニルモノマーがそのまま使用される。
該共重合可能なごニルモノマー中でも特に、アクリル酸
ならびにメタクリル酸誘導体は室温重合が可能であるた
めに好適に用いられる。
前記開始剤は特に限定されないが、一般に過酸化物とア
ミンの混合系を用いると好適である。
該過酸化物としては通常硬化剤として用いられる過酸化
物であればいずれでもよく、特にジベンゾイルパーオキ
サイド、ジラウロイルパーオキサイド等が好適に用いら
れる。
またアミンとしては、N、NI−ジメチルアニリン、N
、NI−ジメチル−P−トルイジン。
N−メチル、NI−β−ヒドロキシエチル−アニリン、
N、ll−ジメチル−P−(β−ヒドロキシエチル)−
アニリン、N、NI−ジ(β−ヒドロキシエチル)−P
−トルイジン等が好適に使用される。さらに前記開始剤
に加えて例えばスルフィン酸又はカルボン酸等の金属塩
の如き助触媒を用いることもしばしば好ましい態様であ
る。
本発明の接着性被膜形成材は、−液性タイプの硬化用組
成物として用いる事が可能であり、耐候性、耐薬品性、
耐溶剤性、接着性を示し、その上光沢性も有する強靭な
被膜となる。
本発明の接着性被膜形成材は、例えば塗料用ペース、樹
脂やガラスのコーティング材、歯科用治療修復材などに
有用なものである。
上記歯科用治療修復材とは、歯牙の治療修復の際に使用
され、歯牙の表面或いは歯牙に設けられた窩洞等の表面
に塗布される材料をいい、本発明の接着性被膜形成材の
最も重要な用途である。このような材□料としては、例
えば、歯牙用接着材、歯髄保護用裏装材、歯牙と充填材
との辺縁封鎖材等が挙げられる。
本発明の接着性被膜形成材を歯科用治療修復材として用
いた場合について以下説明する。
従来、歯牙の治療修復に於いて、歯牙の窩洞に複合修復
レジン等の充填材を充填する際、歯質と充填材との接着
に接着材が用いられている。
しかし、従来の接着材は歯質に対してほとんど接着性を
示さないため、歯質を予め高濃度のリン酸水溶液で処理
する事によって脱灰させ機械的に保持形態を作る必要が
あった。しかし、この方法は高濃度のリン酸水溶液を用
いるため健全な歯質までも痛めてしまうと言う欠点があ
り、特に象牙質をエツチングした場合接着力があまり期
待できないだけでなく、象牙細管を通じて歯髄にまでリ
ン酸水溶液の影響が及ぶ恐れがある。また、前記方法は
どうしても未反応の七ツマ−が残ってしまうため、この
モノマーによる歯髄為害性を起こす恐れも生じ、てくる
ところが、本発明の接着性被膜形成材を接着材として用
いるときは、前記リン酸水溶液で前処理する事なく直接
象牙質に接着しうるし、しかも硬化物自体が本来ポリマ
ーであるため未反応モノマーによる歯髄為害性がないと
いう優れた効果が発揮される。
次に、従来の歯髄保護用の裏装材としては、水酸化カル
シウム系のものやセメントなどが用いられており、複合
修復レジン等の充填材の充填の際に行なうリン酸エツチ
ングから象牙質を守るため等に用いられている。ところ
が、これらの材料はどうしても厚い被膜になってしまう
事と、充填材との接着性を有しないと言う事から、浅い
窩洞に充填すると言う事がほとんど不可能であった。そ
こで、本発明の接着性被膜形成材を有機溶媒に溶かして
前記裏装材として用いる事により、薄い膜でありながら
リン酸エツ又、金属と歯質の接着に現在でも良く使用さ
れているリン酸亜鉛セメントは組成物の中に多聞のリン
酸を含んでいるため歯髄為害性を起こす恐れがあり、本
来ならば象牙質を保護するた譬 めに裏装材を用いることが含まれていた。
ところが、従来のように被膜の厚い裏装材では、それ自
体の圧縮強度が問題となるため使用が不可能であった。
そこで、本発明の接着性被膜形成材を該裏装材として用
いた場合、薄膜であるため、それ自身の強度は、それ程
必要でなく、しかもリン酸を透さないという理想的な効
果を発揮するのである。
更に本発明の接着性被膜形成材の第三の機能として辺縁
封鎖性が挙げられる。
上記機能を期待するものとして公知物質は例えばアマル
ガム充填の際に用いる、コーパライト等の樹脂を有機溶
媒に溶かしたものが知られている。この材料は、確かに
薄膜が形成されるが、歯質やアマルガムとの接着力は無
く、辺縁封鎖についても、それ程効果が無い。本発明の
接着性被膜形成材を該辺縁封鎖材として用いる事により
、辺縁封鎖性に関して著しい効果を示す。
上記働きは、該接着性被膜形成材が歯質には接着するが
、アマルガムには接着しないと言う事実から考えて接着
性以外の性質、例えば密着性、疎水性に基因していると
思われる。
又、アマルガム充填以外のものとして複合修復レジン、
セメント充填やゴムキャッピングなどにおいても上記接
着性被膜形成材を用いる事によって辺縁封鎖性を向上さ
せる事も可能である。
上記の用途以外にも本発明の接着性被膜形成材を用いる
事は可能である。例えば、歯牙の窩塗布する事によって
外部刺激に対する遮断材として用いる事も可能である。
以上に、歯牙用接着材、歯髄保護用裏装材、辺縁封鎖材
としての機能を個々に説明したが、本発明の接着性被膜
形成材は、これらの機能を併せ有するものであるため、
一つの症例に於て本発明の接着性被膜形成材を用いるの
みで上記の医能をすべて発揮させることができる。従っ
て、従来、一つの症例において普通は、複数の材料を併
用する必要があり操作が非常に煩雑になる事や、複数の
ものを併用したためにかえつてお互いに機能が低下する
という欠点を有していたことを考えれば、本発明の接着
性被膜形成材は、歯科用治療修復材として極めて有用な
組成物である。
本発明の接着性被膜形成材を歯科用治療修復材として用
いる場合には、本発明の一つの成分であるカルボキシル
基を有する高分子体は疎水性基を併せて有する事が、上
記の歯科用治療修復材としての機能をさらに優れたもの
とするために好ましい。これは、口腔中が100%湿度
の苛酷な条件下にあるために耐水性を付与するために有
効である。また、歯質と複合修復レジンの接着剤に本発
明の接着性被膜形成材を用いた場合には、カルボキシル
基は歯質に対して親和性を有しており、一方線水性基は
、複合修復レジンに対して親和性を有しているため従来
の接着材に比べて著しい接着力の向上が見られるもので
ある。
6− 体−的4ン説−明4#谷礒=夢ギ芸ヨ似モ巳2 
4 − さらに、本発明の接着性被膜形成材は、抗菌作用があり
、嫌気性ν1に対してその作用がみられる。
本発明の接着性被膜形成材は、例えば下記のrIIiζ
ご対 ・して抗菌作用を有する。
13acteroidcs gingivalis81 Actinomyces naeslundii八TC
C121へ4 Actinomyccs viscosusATCC,
15987 Propionibacterium acn’esX
C−J ActinomycCs 1sracliA i’ C
(71211) 2 本発明を更に具体的に説明するために、以下実施例を挙
げて説明するが、本発明はこれらの以下余白 実施例に限定されるものではない。
製造例 1 500mRIJkのガラス製セパラブルフラスコにシク
ロヘキサン200mfを入れ、これにスチレン5.2g
、無水マレイン14.9gならびにベンゾイルパーオキ
サイド(以下BPOと略記する)0.05Qを加えて充
分撹拌した。
次に、容器内を減圧、窒素置換した後、80℃で4時間
撹拌下に加熱重合を行ない室温まで冷却後、生成した沈
澱物を濾別した。得られた固体をさらにベンゼン300
限で十分洗浄した後乾燥し白色のポリマー8.7gを得
た。このものの元素分析から生成共重合体の組成をめた
結果、スチレン48.4m09%、無水マレイン酸51
.6m0Jであった。
次に、この生成物を8gmiのジオキサンに溶かし、5
0011容量のフラスコに入れて充分撹拌しながら、5
重量パーセントの水酸化カリウム水溶液100mJを加
え10時間室温で反応させた。次に、濃塩酸を加えて中
和しさらに過剰の塩酸を加えることによって白色固体の
沈澱物を得た。
この固体を濾別9n、中性になるまで充分水洗を繰返し
、さらに乾燥して8.0gの共重合体を得た。
この生成物の赤外吸収スペクトルを測定した結果、無水
マレイン酸のカルボニル基に由来づ°る特性吸収(18
50cm’ 、1775Cm−’ )が完全消失し、新
たにマレイン酸のカルボニル基に由来する特性吸収が1
720cm’ に出現しておりほぼ定偵的に加水分解反
応が進行していることが確認できた。
すなわち、上記で得た白色固体はスチレン48゜4mo
R%、マレイン酸51.6moJ?%を含有する共重合
体であ−ることが確認できた。
製造例2〜3 スチレン−無水マレイン酸の共重合体としてTable
lに示した組成の異なる二種の市販品(Arco Ch
emica1社製)を用いて、製造例1と同様な方法で
加水分解を行ない、原料共重合体の元素分析結果及び加
水分解後の赤外吸収スペクトルの測定結果から同じく表
1に示した組成のスヂレンーマレイン酸共重合体を得た
表 1 製造例 4 内容300IIlpの耐圧ガラス容器中に、無水マレイ
ン[135Qと90mgのアゾビスイソブチロニトリル
(以下AIBNと略記する)を含むベンゼン50111
j2を加え、ドライアイス−メタノール浴で冷却しなが
ら内容を減圧下で窒素置換を行ない、次いで精製プロピ
レン12gを液化計量器を通して蒸留により加えた。次
に、60℃で36時間撹拌を続は共重合を行なった。重
合終了後、内容物を大量の無水エーテル中に投入して生
成共重合体を沈澱させ、傾斜法でよく洗浄し、すみやか
に減圧乾燥量中で乾燥した。収率は60%であった。元
素分析により無水マレイン酸55.6mosL%プロピ
レン44.41110λ%であった。
次にこの生成物を、製造例1と同様な方法で加水分解し
てプロピレン−マレイン酸共重合体24゜2gを得た。
この共重合体の赤外吸収スペクトルを測定した結果、原
料中の無水マレイン酸基はほぼ定量的にマレイン酸に変
換していることが確認された。
製造例 5 内容300n+Jの耐圧ガラス容器中に35.7gの無
水マレイン酸と90111(lのAIBNを含むベンゼ
ン50IIlアを加える。これに12.5(lのイソブ
チンを液化計量器を通して蒸留により仕込み、次いで6
0℃で15分間共重合を行なう。重合終了後内容物を大
量の無水エーテル中に注いで生成共重合体を沈澱させ、
傾斜法により上澄み部を捨て無水エーテルで充分洗浄し
た後減圧乾燥する。
収率は43.3%であった。このものは元素分析よりイ
ソブチンを47.1moβ%、無水マレイン酸52.9
ioz%含む共重合体であった。
次に、この生成物を製造例1と同様な方法で加水分解し
てイソブチン−マレイン酸共重合体20゜5gを得た。
この共重合体の赤外吸収スペクトルを測定した結果、原
料中の無水マレイン酸基は、はぼ定量的にマレイン酸に
変換していることが確認された。
製造例 6 100 IIfのエルレンマイヤーフラスコに0゜5g
のポリメタクリル酸メチルと301111の濃硫酸を加
え、空温に放置した。
2日間でポリマーは完全に溶解し、黄色の溶液が得られ
た。これを大量の氷水中に注ぐとポリメタクリル酸が沈
澱として析出した。これを濾過後、十分水洗をくり返し
最後に乾燥して0.45Qの固体が得られた。得られた
ポリマーの元素分析より32%のエステル基が加水分解
によってカルボキシル基に変った事が分った。
製造例 フ イタコン酸30g、スチレン2CHlをジオキサン20
0gに溶かし、BPOを七ツマ−に対して0.1%加え
、10℃で5時間重合を行なった。
得られたポリマーをヘキサン1又に入れて沈澱分離しろ
過乾燥後、さらに蒸留水で洗浄する事によって未反応の
イタコン酸を除去した。収率は4゜2%であった。元素
分析の結果より、イタコン酸49.0モル%、スチレン
51.0モル%である事が分った。
製造例 8 塩化ビニルとイタコン酸ジメチルエステルをAIBNを
開始剤として用いて50℃、6時間重合を行なった。
重合物はベンゼンに溶かし、メタノール中に注加して沈
澱させ、これをろ過減圧乾燥した。
共重合体の組成は、元素分析により塩化ビニル41モル
%、イタコン酸メチルが59モル%であった。このポリ
マーを製造例6と同様な方法で加水分解を行ない元素分
析の結果より28%のエステル基がカルボキシル基に変
った事が分った。
製造例 9 スチレンとフマル酸ジエチルエステルをAIBNを開始
剤として用い60℃、20時間重合させてポリマーを得
た。共重合物の組成は、元素分析よりスチレン56.5
モル%フマル酸ジエチルステル43.5モル%であった
。このポリマーを製造例6と同様な方法で加水分解を行
ない元素分析の結果より35%のエステルがカルボキシ
ル基に変った事が分った。
実施例 1 表2に示す、カルボキシル基を有する高分子体の溶液<
A)と有機チタネートならびに安息香酸誘導体を含んだ
溶液(B)を混合した際の保存安定性について調べた。
テスト方法は下記方法によった。即ち(A)ならびに(
B)を表2に示す様な組成で調製しておき、ガラス製の
容器中で混合した後、速やかに栓をして20℃の恒温室
に保存した。そして保存安定性は溶液がゲル化するか又
は透明度を失なった時を終点として比較検討した。
その結果、いづれも12ケ月以上沈澱を生じることもな
く、また透明性を失なわず、ゲル化も生じなかった。
実施例 2 製造例1で得られたスチレン−無水マレイン酸共重合体
加水分解物10重量とエタノール90重量部との組成よ
りなる(A’)液と表3に示す組成溶液(B)とを混合
し、保存安定性を調べた。その結果、いずれも12ケ月
以上に経過しても沈澱の生成は認められず、透明性を保
ちゲルも生じていなかった。尚表3中TBTはテトラ−
n−ブチル−チタネートの略記である。
裏 3 比較例 1 実施例1に於いて使用した安息香酸誘導体に代り、表4
(B)溶液組成側に示す安息香酸誘導体を用いた以外は
実施例1と同様に保存安定性を測定した。その結果は表
4に併せて記載した。
表4 用途例 実施例1ならびに2で示した接着性被膜形成材を用いて
次ぎのテストを行った。
(1) 象牙質に対する接着性 (2) 窩洞に対する辺縁封鎖性 (3) リン酸水溶液に対する遮断性 上記に関するテストの評価は以下の方法で行なった。
まず以下の処方によりペースト(I)およびペースト(
n)を調製した。− (1) 象牙質に対する接着性 新鮮抜去生歯の唇側表面をエメリーペーパー(#320
)で研磨し平滑な象牙質を露出させ、その研磨面を30
秒間水洗した後窒素ガスを吹きつけて表面を乾燥した。
直径41IIIIl孔の空いた厚さ2mmの板状ワック
スを乾燥表面に両面テープにて取り付けた。
次に前記接着性被膜形成材の(A)液および(B)液を
1:1の割合で混合し、板状ワックスでかこまれた象牙
質表面に塗布し、窒素ガスを吹きつけエタノールと余剰
の接着剤を飛ばした。その上に前記ペースト(I)およ
び(II)を1=1の割合で混合し充填した。一時間放
置後板状ワックスを取り除き、37℃の水中に一昼夜浸
漬した後引張り強度を測定・した。測定には東洋ボール
ドウィン社製テンシロンを用い、引張り速度は1011
1m/分とした。得られた結果を表5に示した。
表 5 【2) 窩洞に対する辺縁封鎖性 ヒト抜去歯の唇面に直径3IIIIIl、深さ2mrA
の窩洞を形成した。次に実施例1の表2、No1〜No
9で示した接着性被膜形成材ならびに従来使われている
ものとしてコーバライトを各々窩壁にうずく塗布した後
、セメントあるいはアマルガムを充填した。
充填1時間後に37℃の水中に保存し、1日後に4℃と
60℃のツクシン水溶液中に1分間づつ交互に60回、
浸漬するパーコレーションテストを行ない、辺縁封鎖性
を試験した。
その後抜去歯を中央で切断し、窩洞と充填物の間に色素
(ツクシン)の侵入があるかどうかを調べた。
尚上記テストはそれぞれ1種類の実験について5個のサ
ンプルを使用して再現性を確かめた。その結果上記組成
物を用いずに直接アマルガムやセメントを充填した場合
、あるいはコーパライトを塗布し、その後アマ□ルガム
やセメントを充填したものについては、全部のサンプル
に色素の侵入が見られた。
一方、実施例1の表2、No1〜No9の接着性被膜形
成材については、いずれも色素の侵入が認められず、良
好な結果を得た。
(3) リン酸水溶液に対する遮断性 本発明の接着性被膜形成材がリン酸水溶液を遮断する能
力を有する事を確認するために次の様な方法を用いてテ
ストを行なった。
まず、孔径3μのメンブランフィルタ−を蒸留水に1時
間浸漬したものを取り出し、表面を窒素ガスを吹きつけ
て乾燥した。
次に遮断材(裏装材)として市販品のコーパライト、ダ
イカルならびに実施例1で用いた接着性被膜形成材を裏
面に塗布し、再度窒素ガスを吹きつけて溶媒を除去した
リン酸水溶液としては37%オルトリン酸水溶液を用い
、遮断材の上に一滴落して自然放置した。
上記遮断材を透過するリン酸を検知するため、PH試験
紙を上記メンブランフィルタ−の下に置き、色が変化し
た時点を通過時間とした。
その結果、遮断材を全く使用しないものはリン酸水溶液
の透過時間が15秒であり、コーパライト(商品名)を
使用したものが1分10秒で、またダイカル(商品名)
を使用したものは10分以上であった。
これに対して実施例1及び実施例2で示した本発明の接
着性被膜形成材を該遮断材として使用した結果、リン酸
水溶液の透過時間はいずれも10分以上であった。
特許出願人 徳山曹達株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)(i)カルボキシル基を有する高分子体、(ii
    )有機チタネート、 及び (iii)一般式 (但し nは0、1、2、3又は4で、Xは アルキル基、アルコキシル基、カルボ キシル基又はアシルアルキル基で、 Rはアルキル基、ハロアルキル基、(5アルコキシアル
    キル基、カルボキシ アルキル基、フェノキシアルキル基。 アリール基、アルコキシアリール基。 アシルM、ハロアシル基、アシルオ キシアシル1基、アルコキシカルボニ(6ある。)で示
    される安息香酸誘導体。 を主成分とする接着性被膜形成材。 カルボキシル基を有する高分子体が疎水性基を有するも
    のである特許請求の範囲(1)記載の接着性被膜形成材
    。 ; カルボキシル基を有する高分子体が、2つのカルボ
    キシル基(−COOH)を隣接する炭素原子に結合して
    いる高分子体である特許請求の範囲(1)記載の接着性
    被膜形成材。 高分子体の分子量が1.000〜100゜000である
    特許請求の範囲(1)の接着性被膜形成材。 ; 高分子体が、疎水性基を有する共重合可能なビニル
    モノマーとカルボキシル基を有するビニルモノマーとの
    共重合体である特許請求の範囲(1)記載の接着性被膜
    形成材。 1 有機チタネートがテトラアルキルチタネ着性被膜形
    成材。 (7) 安息香酸誘導体が、一般式 ( nは1〜4の整数で、Xはアルキル基、アルコキシ基、
    カルボキシル基又はアシルアルキル基で、R−はアルキ
    ル基である)で示される化合物である特許請求の範囲(
    1)記載の接着性被膜形成材。 (8) 安息香i11誘導体が、一般式( RIIはアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシアル
    キル基、カルボキシアルキル基、フェノキシアルキル基
    、アリール基。 アルコキシアリール基、アシル基、へロアシル基、アシ
    ルオキシアシル基、アルコキシカルボニル基、アリル基
    、又はベンジル基である)で示される化合物である特許
    請求の範囲(1)の接着性被膜形成材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61289006A (ja) * 1985-06-17 1986-12-19 Sunstar Inc 歯科用接着性コ−テイングベ−ス組成物
CN1063940C (zh) * 1997-06-25 2001-04-04 李健 牙齿防龋脱敏涂料药盒

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61289006A (ja) * 1985-06-17 1986-12-19 Sunstar Inc 歯科用接着性コ−テイングベ−ス組成物
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