JPS607855Y2 - ２段クツシヨン式プレス装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プレス装置、殊にブランクホルダの下降スト
ロークの途中で、支持クッション圧が増加されるように
なった２段クッション式プレス装置に関する。

プレス装置により深絞りを行なうに際し、材料の流入と
張出しを個別に制御することが望ましい場合があるが、
本考案はこのような個別制御が比較的容易に実現できる
プレス装置を提供することを目的とする。

すなわち、本考案によるプレス装置は、ブランクホルダ
をその下方で支持するクッション装置が、上部の小径シ
リンダと下部の大径シリンダとを有し、これら小径及び
大径シリンダには、それぞれ前段及び後段ピストンが摺
動嵌合しており、各シリンダは、前段ピストン及び後段
ピストンの各々が常に上方に押し上げられるよう空圧源
に接続され、前段ピストンには調節シリンダが形成され
、この調節シリンダ内に調節ピストンが設けられ、前記
前段ピストンと後段ピストンおよび前記調節ピストンは
、前記前段ピストンと後段ピストンがその作動ストロー
クの上死点位置にあり、前記調節ピストンがそのストロ
ークの下死点位置にあるときに、前記調節ピストンと前
記後段ピストンとの間に間隙があるように形成され、調
節ピストンのピストンロンド部は、前記前段ピストンが
所定ストロークだけ下降したとき下端が後段ピストンの
上面に当接するようになっており、調節ピストンの上下
の室に油の封入される油室が形成され、その油の封入量
を変えることにより、調節ピストンの位置を変え得るよ
うにしたことを特徴とする。

後段ピストンを押上げる空気圧は、前段ピストンを押上
げる空気圧より大きいことが好ましく、また調節ピスト
ンが後段ピストンの上面に当るときの衝撃を緩和するた
め、クッション部を設けることが好ましい。

本考案のプレス装置においては、ブランクホルダーの支
持力が二段階に変化するので、最初の支持力の小さい段
階では、材料の流入が比較的容易になり、材料の流れを
伴なった絞り成形が行なわれ、所定ストローク後には後
段ピストンにより支持力が高められ、材料の流れが制限
されて、張出し量の多い成形が行なわれる。

すなわち、最初のブランクホルダの支持力の小さい段階
では、材料が容易に成形部に引き込まれて流入し、この
ため材料が引き伸されて破断するのを防止する。

一方所定ストローク後には、ブランクホルダの支持力が
強くなり、材料の成形部への流入が制限され、張り出し
成形すなわち材料が引き伸ばされて薄くなる底形が行わ
れる。

もち論、この張り出し成形は、製品形状に応じて材料に
破断を生じない程度に行なう。

この部分での張り出し成形は材料の塑性領域で行われる
ため、成形終了後製品を型具から取り出したときのスプ
リングバックが少なく、正確な所定形状の製品を得るこ
とができる。

支持力の増加は、調節ピストンのピストンロッド部が後
段ピストンの上面に当ることにより遠戚され、その時期
は、調節シリンダ内の上下油室の油封入量により決定さ
れる。

したがって、調節ピストンの位置を調節することにより
、張り出し量の多い底形の始まる時期を任意に定めるこ
とができ、材料に破断を生じず、しかもスプリングバッ
ク量を減少できるようにすることが可能になる。

以下、本考案の一実施例を図について説明すると、まず
第１図において、プレス機械は上型１と下型２とを有し
、下型２はムービングボルスタ３上に固定される。

下型２の周囲には、上型１の周辺に形成されたブランク
押え面１ａとの間にブランク４を挾むためのブランクホ
ルダ５が配置され、該ブランクホルダ５は、ボルスタ３
を貫通して下方に伸びる支持ロッド６を介してクッショ
ン台７により支持されている。

クッション台７は、クッション装置８上に載置されてい
る。

クッション装置８は、上方の小径シリンダ９ａと下方の
大径シリンダ９ｂとからなる２段シリンダを有し、小径
シリンダ内には前段ピストン１０ａが、また大径シリン
ダ９ｂ内には後段ピストン１０ｂが、それぞれ摺動嵌合
している。

前段ピストン１０ａの上端には支持台１１が設けられ、
該支持台１１にクッション台７が固定される。

前段ピストン１０ａより下方において小径シリンダ９ａ
内に形成される室１２ａには、流路１３ａを介して圧縮
機１４ａが接続される。

流路１３ａには、腔圧タンク１５ａが設けられる。

同様に、後段ピストン１０ｂより下方において大径シリ
ンダ９ｂ内に形成される室１２ｂには、流路１３ｂを介
して圧縮機１４ｂが接続され、流路１３ｂには腔圧タン
ク１５ｂが設けられる。

前段ピストン１０ａ内には調節シリンダ１６が形成され
、この調節シリンダ１６内に調節ピストン１７が配置さ
れて、シリンダ１６内を上方油室１８と下方油室１９に
仕切っている。

下方油室１９は、第１図に示すようにバルブ２０を有す
る流路２１を介して油圧源（図示せず）に接続され、上
方油室１８は、第２図に示すように、バルブ２２を有す
る流路２３を介して油圧源に接続される。

前段ピストン１０ａと後段ピストン１０ｂが各々のスト
ロークの上死点に位置し、調節ピストン１７がその調節
ストロークの下死点に位置する場合に調節ピストン１７
と後段ピストン１０ｂとの間には間隙がある。

ピストン１７のピストンロッド部１７ａは、調節シリン
ダ１６から下方に突出し、前段ピストン１０ａが所定ス
トロークだけ下降すると下端が後段ピストン１０ｂの上
面に当接するようになっている。

ピストンロッド部１７ａの下方への突出量は、室１８．
１９の油封入量により決定される。

後段ピストン１０ｂの上面には突出部２４が形成され、
調節ピストン１７のピストンロッド部１７ａは、その下
端に、オリフィス２５を有する凹部２６が設けられてお
り、この凹部２６は、前段ピストン１０ａの下降時に、
ピストンロッド１７ａが後段ピストン１０ｂの上面に当
る直前に、ピストン１０ｂ上の突出部２４に嵌合して、
クッション作用を生ずる。

以上述べた構造において、ブランクホルダ５の上面にブ
ランク４を置き、上型１を下降させ、そのブランク押え
面１ａとブランクホルダ５の上面とにより、ブランク４
の周辺を挾んでさらに上型１を下降させる。

このとき、クッション装置８の前段ピストンｌｅａもブ
ランクホルダ５と共に下降し、ブランクホルダ５の支持
力は室１２ａ内の空気圧により与えられる。

この間には、支持力は比較的弱く、ブランク４の周辺は
、挟持面内をすべって流入することができる。

前段ピストン１０ａが所定ストロークだけ下降すると、
ピストン１７のピストンロッド部１７ａが、後段ピスト
ン１０ｂの上面に当接し、その後は後段ピストン１０ｂ
も共に下降するようになる。

このとき、支持力は室１２ｂ内の空気圧により与えられ
、支持力は増大する。

このため、ブランクの流入は減少し、材料の伸びすなわ
ち張出し量が増大する。

支持力が増大するまでのストロークは、ピストンロッド
部１７ａの突出量、したがって、油室１８，１９の油封
入量により決定される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すプレス装置の断面図、
第２図は異った面における部分断面図である。 ８・・・・・・クッション装置、９ａ・・・・・・小径
シリンダ、９ｂ・・・・・・大径シリンダ、１０ａ・・
回前段ピストン、１０ｂ・・・・・・後段ピストン、１
６・・曲調節シリンダ、１７・・・・・・調節ピストン
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブランクホルダをその下方で支持すクッション装置を有
   し、前記クッション装置は上部の小径シリンダと下部の
   大径シリンダ、及び前記小径シリンダと大径シリンダに
   それぞれ摺動嵌合する前段ピストンと後段ピストンとか
   らなり、前記小径シリンダ及び大径シリンダの各々は、
   前段ピストンと後段ピストンの各々が常に上方に押上げ
   られるように空圧源に接続され、前記前段ピストンには
   、その内部に調節シリンダが形成され、この調節シリン
   ダ内には、調節ピストンが配置され、前記前段ピストン
   と後段ピストンおよび前記調節ピストンは、前記前段ピ
   ストンと後段ピストンがその作動ストロークの上死点位
   置にあり、前記調節ピストンがそのストロークの下死点
   位置にあるときに、前記調節ピストンと前記後段ピスト
   ンとの間に間隔があるように形成され、該調節ピストン
   のピストンロンド部は前記前段ピストンが所定ストロー
   クだけ下降したとき下端が後段ピストンの上面に当接す
   るようになっており、調節ピストンの上下の室に油の封
   入される油室を形成して、その油の封入量を変えること
   により、調節ピストンの位置を変え得るようにしたこと
   を特徴とする２段クッション式フレス装置。