JPS607163Y2 - 段ボ−ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、各種物品の包装、梱包に使用される段ボール
、つまり、波形状の中芯とその上下に形成されるライナ
とによって構成される段ボールに関する。

〔従来の技術〕

従来の段ボールは、波形状に成型した中芯の山と谷に接
着剤を介してライナを接着している。

ところが、中芯、ライナともその素材がクラフト紙であ
るため、重量物の梱包に用いた場合、在庫管理、出荷、
輸送等の取扱い時、殊に複数個を積み重ねたときに、中
芯が押し潰されて所期の緩衝効果が失なわれたり、破れ
たりすることが多い。

そのため、段数を増し、段ボールを肉厚化することによ
って、これに対処しているが、根本的な解決策であると
は言い難い。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記の現状に鑑み、本考案は、段ボールの中芯の材料に
金属板を用いることによって、潰れたり破れたりしにく
く且つ積層段数を少なくすることができて、重量物や高
価な物品の梱包に好適であると共に、中芯の材料に金属
板を用いることによって派生する種々の不都合、例えは
、波形状に成型する金型や成型ロール等の摩耗、中芯と
ライナとの接着性の悪化、錆発生等々を回避できる段ボ
ールを提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、本考案は、冒頭に述べ
た段ボールにおいて、中芯を、表裏両面が紙、布、樹脂
等で被覆され且つ波形状とされた金属板とした点に特徴
がある。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面に基いて説明すると、本考案の段
ボールは第１図、第２図に示すように、波形状の中芯１
とその上下に形成されるライナ２．２とによって構成さ
れる段ポールにおいて、前記中芯１を、表裏両面がクラ
フト紙４ａ、４ｂで被覆され且つ波形状とされた金属板
で構成したものである。

ライナ２，２は従来同様の構成であり、中芯１とライナ
２，２とは接面１ａ、ｌａ″において接着剤にて接着さ
れている。

接着は全ての山、谷の接面で行なってもよく、適宜間隔
で接着してもよい。

金属板３としては、例えばアルミ板、鋼板、ステンレス
鋼板など種々の材料を使用できるが、この実施例におい
ては、焼鈍をした冷延鋼板を用いている。

そして、この鋼板の表裏両面に接着剤５．５でクラフト
紙４ａ、４ｂを貼着して波形状に成型した複合材を中芯
１としたのである。

尚、前記鋼板金属板３の厚さｌ□は１００μ、接着剤５
，５の厚さ１２，１゜は４０μ、クラフト紙４ａ。

４ｂの厚さ１３，１３は５０μであるが、これらの厚さ
’１９ ’２？ ’３は適宜設定し得る。

但し、中芯としては製造コスト及び実用性の面からは、
複合材全体の厚さＬを３００μ以下にすることが望まし
く、鋼板の厚さ１１は、５０〜２００μの範囲とするこ
とが望ましい。

このように芯材として複合材を採用し、さらにその金属
板３として焼鈍した冷延鋼板を使用すると、焼鈍によっ
て材質的に柔かくなっているので、波形状に形成する場
合や段ボールを函型等に成型する場合の加工性が良くな
るのに加えて、その表裏にクラフト紙が貼っであるので
、発錆しにくく、たとえ発錆しても錆が表面に出にくい
という利点がある。

また、表裏のクラフト紙４ａ、４ｂが緩衝材層や潤滑材
層として機能するので、中芯を成型する際のプレス加工
、ロール成型等による波形加工を容易に行なえ、金型や
成型用ロールの摩耗防止にも非常に有効である。

また、中芯とライナとの接着において表裏のクラフト紙
４ａ。

４ｂとライナ２のクラフト紙との接着性が良いので段ボ
ールを機能よく製造できる。

上記した金属板３として亜鉛等の防錆用のメッキを施し
た鋼板を用いれば防錆効果が高い。

又、金属板３として未焼鈍の鋼板を用いれば未焼鈍故に
加工性は減するが、強度が大となり、中芯１の押潰れ等
がより生じにくいので、重量の大きい機械類の梱包など
段ボールの用途によって大きな効果を有する。

さらに又、クラフト紙４ａ、４ｂに代えてそれ以外の紙
、樹脂シート又は布を用いて複合材とすることもできる
。

このような構成によれば、中芯製造時にクラフト紙と略
同様な作用を果す。

第３図は本考案の他の実施例を示し、第１，２図で説明
した中芯１に加えてライナ２，２の構成をも第１，２図
で示した中芯の構成と同様としたものである。

つまり、金属板６の表裏両面に、紙質など？ａ、７ｂを
貼着したものを用いて複合材としている。

この実施例によれば、中芯１の金属板３が用いられてい
ることと相俟って非常に強度の高い段ボールを得ること
ができる。

ライナの紙質として、防水性のあるＰ、Ｐクロスなどの
紙でサンドイッチした構成のものも使用すれば中芯１の
金属板３やライナ２の金属板６の錆発生をより効果的に
防止できる利点がある。

尚、複膜の段ボールにおいて、一方の層の中芯を上述の
如く表裏両面が紙、布、樹脂等で被覆され且つ波形状と
された金属板製とし、他方の層の中芯を紙製としてもよ
い。

このような構成の段ボールは、ガラス製品、高価な物品
等の梱包に際し、内方に紙製中芯、他方に金属板製中芯
が来るようにして用いると有効である。

〔効果〕

本考案に係る段ボールは以上の如く、中芯を表裏両面が
紙、布、樹脂等で被覆され且つ波形状とされた金属板で
構成したものであるから、従来の段ボールに比して強度
が大になり、従って段ボール函として使用すれば、従来
の段ボールに比して、重量物を梱包しても変形したり、
破れたりしないという効果がある。

加えて、重量物や高価な物を梱包する場合にはライナと
中芯との積層段数を多段にしているが、従来のものに比
してその積層段数を減らすことができる。

よって、製造工数が減少するという効果がある。

しかも、金属板の表裏両面が紙、布、樹脂等で被覆され
ているため、中芯の材料に金属板を用いているにも拘ら
ず、耐触性が得られ、ライナとの接着性も良く、且つ、
波形状に成型する際、表裏の紙、布、樹脂等が緩衝材層
が潤滑材層として機能するので、プレス加工、ロール成
型等による波形加工が容易に行なえ、金型や成型用ロー
ルの摩耗防止にも非常に有効である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る段ボールの実施態様を例示し、第１
図は段ボールの断面図、第２図は第１図の中芯の拡大断
面図、第３図は本考案の別の実施例を示す段ボールの断
面図である。 １・・・・・・中芯、２・・・・・・ライナ、３・・・
・・・金属板（冷延鋼板等）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 波形状の中芯と、その上下に形成されるライナとによっ
   て構成される段ボールにおいて、中芯を、表裏両面が紙
   、布、樹脂等で被覆され且つ波形状とされた金属板とし
   たことを特徴とする段ボール。