JPS6065Y2 - ミシンの水平釜の内釜保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はミシンの水平式全回転釜機構における内釜の着
脱を容易にしたカバータイプ水平釜に係り、該水平釜に
おける内釜のスラスト方向規制を効果的に行わしめるよ
うにしたものである。

本考案は内釜のスラスト方向位置規制を受持っ角板の開
口度合を段階的に調節することにょって内釜の位置規制
が確実にされ、又、位置規制が確実にされた状態で内釜
内の下糸ボビンの着脱操作が容易にでき、更に角板を完
全に開口すれば内釜のスラスト方向位置規制が解除され
て外釜内より内釜の取出しを可能にするものであり、斯
かる目的の下に本発明はカバ一部材として内釜のスラス
ト方向位置を規制する角板の開口動作を段階的にし、角
板の全閉状態では上糸の通過可能な最小隙間を保持し乍
ら内釜のスラスト方向の移動を規制し開口のため角板を
移動せしめるとその移動は中途で一旦停止されその停止
された中間状態においては内釜のスラスト方向が規制さ
れ該内釜に収容された下糸ボビンの着脱のみが可能とな
り、更にその停止位置を越えて広く開口すれば内釜のス
ラスト方向規制が解除されるので外釜内から内釜が取り
出されるようにしたものである。

以下本考案の実施例を図面によって説明すれば、１は内
釜、２は外釜、３は下糸ボビン、４は内釜回転止部材、
５は針板、６は角板であって、ベッド機枠の表面の一部
を切欠した開口部に設けたいわゆるカバータイプ水平釜
は第４図に示す如く外釜２に嵌合した内釜１のスラスト
方向の位置を下方は外釜２のレース底面２２により規制
し、上方は一部を針板５の裏面５０及び他部を角板６の
裏面６０等を含むカバ一部材によって規制するようにな
っており、前記カバ一部材とこれによってスラスト方向
の動きが規制される内釜１の上面との間には縫糸が通過
てきるように僅かな隙間が形成されているものである。

第１図に示す外釜２は下部にネジ歯車７カ釦−付は等に
より一体的に固着され、該ネジ歯車の中空孔７０に挿通
されてベッド機枠９のネジ止めされた軸７１により水平
方向に回転されるようになっていて、該外釜２には上面
から内側円周へ段設した側壁２１と底面２２からなるレ
ース部２０が形成され、該レース部に内釜１のレース１
０が嵌装されるようになっている。

内釜１は前記の如く外釜２のレース部２０内に嵌合され
、該レース部の側壁２１によりラジアル方向の位置が規
制されて維持されており、又スラスト方向は下方を前記
レース部２０の底面２２により規制し、上方は内釜１の
針落ち周辺の一部を針板５の裏面５０により、他部を角
板６の裏面６０によって規制されて維持されるようにな
っている。

従って閉じた状態の角板６の下になる内釜１のほぼ中央
には下糸ホビン３の収納室１２が設けられていて、その
側面に下糸調子装置３０が装着されている。

而して収納室１２内のボビン３から取り出された下糸Ｓ
２は下糸調子装置３０の入口３１より入って出口３２よ
り出るように導かれ、該下糸調子装置に装着された下糸
調子バネ３３によって張力が調節可能に附与される。

針板５の下方に位置する内釜１の適宜の個所には斜降下
点を挾んで左右に内釜回転止部材４の回転規制子４３，
４４と交互に係合離脱する回転阻止溝１３，１４が配設
されている。

前記回転止部材４は外釜２の下方適所に枢着されており
、回転止部材４の一部が外釜２の下側に形成された偏心
カム２４に係合し外釜２の回転に連動され該外釜上方に
延出せしめられた規制子４３，４４を内釜１に形成の前
記回転阻止溝１３．１４と交互に係合離間され、外釜２
のフック２３によって捕捉され内釜１を潜らされた針８
の上糸がＳ□が規制子と内釜の間を支障なく通過できる
ようになっている。

即ち、前記阻止溝１３，１４と規制子４３，４４とは夫
々係脱動作に支障なきよう適当な係合隙間を有していて
、外釜のフック２３が針８が上昇するときに針に伴って
形成される上糸Ｓ□の輪を捕捉して回転し、内釜１の左
阻止溝１３に近づくと該阻止溝１３から左規制子４３が
離間するのでその間を上糸Ｓ□を通過させる。

この時、今迄離間していた右規制子４４が右阻止溝１４
に係合して内釜１の回転を阻止する。

そしてフック２３により上糸Ｓ１が内釜１の周りを潜り
抜けると、左規制子４３と左阻止溝１３は再び係合し、
右規制子４４と右阻止溝１４が離間してこの間に上糸Ｓ
１を通過させる。

その際上糸Ｓ１が右規制子４４に引っかからないように
、右規制子４４の先端は第１図示の如く先細の特異な形
状に形成されている。

尚、前記右阻止溝１４の内側面１５は第２図示の如く右
規制子４４の内側面４５との隙間Ｃが回転の位相によっ
て変化するようになっており、その形状によって上糸Ｓ
１の通過時における内釜１の反動を少なくし、また内釜
の外周部１１に対する規制子４４の先端の干渉を防ぐよ
うになっている。

斯くの如き構成の水平釜機構のカバーとなる角板６には
第１． ４．５図に示す如く該角板の裏面６０片側の適
所に突出させたストッパー６１が設けられており、第３
図に示す如くベッド機枠９の一部切欠かれた開口部の側
部に設けた側面が内方に傾斜したアリ溝状の溝９０に同
様に傾斜した側面６２を嵌装させて摺動し開閉されるよ
うになっている。

そしてベッド機枠９の一部にバネ材にて形成した開口規
制部材９１を設け、該部材の一部を角板６の裏側に接触
せしめて該角板を常に軽く押し上げるように作用せしめ
ると共に角板６の前記ストッパー６１が係合せしめられ
ると一旦停止された半開き状態で開口されるようになっ
ている。

この第１開口段階において矢印Ａの如くボビン３のみの
取り出しが可能となっており、内釜１は上向き方向の動
きが依然角板の先端部６３により規制されている。

従ってこの状態でミシンを回転させ内釜に収容のボビン
に対する下糸巻き作業を行っても、内釜１は外釜２より
外れて飛び出ることはない。

次に前記開口規制部材９１の弾力に抗し角板６を更に手
前へ引くように力を加えると、角板６の裏面のストッパ
ー６１が規制部材９１を押し下げて乗り越え角板が摺動
せしめられるのて大きく開口され、内釜１の上向きのス
ラスト位置規制が解ける。

この第２開口状態では第６図矢印Ｂの如く内釜１を針板
側が下になる如くに傾斜させながら外釜２より取り出す
ことが可能となり、同図示の如く角板６をもベッド機枠
から完全に取り外すこともできるものである。

そして角板６は前記溝に嵌め逆方向に押し込むことによ
って第４図示の如く閉塞されることで、針板裏面による
規制と協働して内釜１を外釜２内に保持せしめることが
できる。

尚、角板には閉塞した状態におけるボビン収納室１２の
上方部相当個所に合成樹脂等透明体にて形成されたレン
ズ６４が取り付けられていて、該レンズを透してボビン
３の下糸Ｓ２の残り量を観察できるようになっている。

また前記レンズ６４の下向きの凸面により第４図示の如
くボビン３の内釜１からの飛び出しを防止することも考
慮されている。

以上の如く本考案によれば水平釜機構の上部に嵌装せし
められた角板によって内釜及びボビンが外に飛び出るこ
とを規制しているので、これらの部材が外釜内に保持せ
られることは勿論、該角板は開口部閉塞状態でも開口規
制部材の作用によりいたずらに開口することが防止され
ると共に更に該角板の段階的開閉動作によってボビン糸
量の検知、ボビンの着脱、下糸巻き、内釜の着脱等目的
とする作業工程に適した開口位置にて角板を開き得るこ
とができ、その効果は機能的能率的にして縫製作業上極
めて有益なるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は実施例カバー
タイプ水平釜の一部断面分解斜視図、第２図は第１図の
内釜右側回転阻止溝と内釜回転止部材の右側規制子の係
合状態拡大平面図、第３図は第１図の角板とベッド機枠
との嵌合状態縦断面図、第４図〜第６図は実施例水平釜
の角板開閉状態を示す側面断面図であり、第４図は閉塞
状態、第５図は開口第１段階、第６図は開口第２段階を
示したものである。 図中、１は内釜、２は外釜、５は針板、６は角板である
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベッド機枠に切欠開口部を設け、該開口部内に配置され
   回転自在に支持される外釜と該外釜内に嵌装されて静止
   せしめられ、且つ下糸ボビンを回転自在に収納する内釜
   とからなる水平式全回転釜機構を配設せしめたミシンの
   水平釜装置において、該蓋機構の内釜のスラスト方向の
   移動を下方は外釜のレース面により規制し、上方は針落
   ち周辺の一部を前記開口部に固着した針板の裏面により
   規制すると共に、上方の他部を前記ベッド機枠に摺動可
   能に支持された角板の裏面により夫々上糸の通過可能な
   最小隙間を保持しながら規制し、前記角板の閉塞状態を
   保持しまた角板開口状態を内釜のスラスト方向の上方を
   規制すると共に内釜内のボビンの取出しのみが可能な第
   一位置にて角板を一坦停止せしめる開口規制部材を設け
   、更に前記開口規制部材を乗り越えて内釜のスラスト方
   向の上方の規制が解除され且つ該内釜の取出しが可能な
   第二位置に角板を移動可能にしたストッパーを前記角板
   に設けたことを特徴とするミシンの水平釜の内釜保持装
   置。