JPS60648B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカラー表示を行う液晶表示装置に関するもので
ある。

液晶表示装置はツイストネマチツクモード（以下ＴＮ型
と称す。

）が公表されて以来、低電圧駆動、低消費電力の特徴が
あることから実用化が急速に進み「時計、計算機をはじ
め広く使用されるようになってきた。しかし表示装置と
して見た湯合、ほとんどが黒白での表示のため色調の変
化に乏しく、偏光板、反射板等に工夫をした装置でも単
一色での表示に限られていた。それゆえ、表示内容によ
り表示の色を変える等の手段も使えず、また時計のよう
に装飾性をも必要とする表示装置としては単調で魅力に
欠けるものであった。そこでカラー表示のいろいろな方
式の開発が活発に進められている。その有力な１方式は
液晶中に２色性色素を混入し、この色素の配向方向を液
晶分子の動きで制御してカラー表示を行うゲストホスト
モード（以下ＧＨ型と称す）である。本方式は表示が明
るくなる利点はあるものの、単一色であることに変りは
なく、複数色を表示するためには複数個の液晶セルを重
ね合せる等の手段が報告されているが、全体として厚く
なり小型の表示装置には適しないこと、製造費用が高く
なること等から実用性には乏しいものであった。また電
圧印加で液晶分子が基板面に垂直に配向する動作を使用
するため、地の色がカラーで表示パターンは色が抜けて
白く見える状態となり、見掛け上のコントラストが低く
なるという難点もあった。カラー表示の別の方式として
複屈折効果を利用した動作モードも発表されており、印
加電圧を制御することにより可視光のすべての色を表示
することが可能であるが、視角依存性が大きいため表示
装置を見る位置が限定されてしまうこと、透過光でない
と明瞭な色の分離が得られないこと等から適用範囲は狭
いものであった。ことに反射光を使用する時計等の小型
の表示装置としては、使用することができなかった。本
発明は単一の液晶セルで複数色のカラー表示を行なうも
のであり、ＴＮ型の長所はそのまま保持しながら色調を
も変化させることをも可能とすることにより、表示内容
を豊富にした装飾性をも有する表示装置を提供しようと
するものである。

すなわち本発明になる液晶表示装置は、１つのパターン
を表示するのに際し、ＴＮ型で表示することも、ＧＨ型
で表示することも可能としたものであり、ＴＮ型表示に
おいては偏光板又は反射板で色の表示を実現し、ＧＨ型
表示においては２色性色素で別の色の表示を実現してい
る。そこで偏光板、反射板、２色性色素を適当に選択す
ることにより、希望する複数の色の表示を任意に行なう
ことができることになる。本発明の液晶表示装置は、第
１、第２の２枚の透明基板間に正の議電異方性を有する
液晶と２色性色素とを封入した液晶セルと、その両側に
配置した直線偏光板とから構成されており、透明基板の
内側には表示パターンに応じた透明電極がそれぞれ形成
されている。

第１図は透明基板上の透明電極パターンの形状を拡大し
て示したものであり、例として四角形のパターンを表示
する場合を示している。第１図ａは第１の基板上の透明
電極パターンであり、ｘ軸方向に平行に配列したくし歯
状の電極１１と同じくｘ軸方向に平行に配列したくし歯
状の電極１２とは交互にかみあうように配置されてあり
、それぞれの電極はくし歯の根元１５，１６で共通に接
続され、外部との後続端子２１，２２へつながっている
。点線３１で囲った四角形部分３２が表示しようとする
パターンである。第１図ｂは対向する第２の基板上の透
明電極パターンであり、ｙ軸方向に平行に配列したくし
歯状の電極１３と同じくｙ軸方向に平行に配列したくし
歯状の電極１４とは交互にかみ合うように配置してあり
、それぞれの電極はくし歯の根元１７，１８で共通に接
続され、外部との接続端子２３，２４へつながっている
。点線３３で囲った四角形部分３４が表示しようとする
パターンである。この基板を組合せてセルを構成する際
には「前記四角形部分３２，３４が重なり合うように位
置合せをするとともに、第１の基板のくし歯１−１，１
２の方向と第２の基板のくし歯１３，１４の方向がほぼ
直角に交差するようにする。またト矢印２５，２６は配
向処理の方向を示しており、第１の基板面では液晶分子
はｘ軸方向に、第２の基板面ではｙ軸方向に、すなわち
〈し歯の方向と一致した方向に配向するように、基板面
を処理してある。

第２図は本発明の液晶表示装置の断面図であり、透明な
くし歯状の電極１１，１２を有する。

第１の透明な基板４１と同じく透明なくし歯状の電極１
３，１４を有する第２の透明な基板４２とは、スベーサ
ー４３を介して均一な間隔を保ってセルを構成している
。前述したように「第１の基板の〈し歯状の電極はｘ軸
方向に平行であり、第２の基板のくし歯状の電極はｙ鞠
方向に平行である。基板間には正の誘電異方性を有する
液晶５１と２色性色色素５２とが封入されており、基板
面の配向処理により液晶分子及び２色性色素は、第１の
基板面の近くではｘ軸方向に、第２の基板面の近くでは
ｙ軸方向に「それぞれ分子の最軸を向けて配同し、両基
板の中間では除々に配向方向が変化して、いわゆるツイ
スト構造となっている。液晶セルの両側には直線偏光板
４５，４６があり、第１の偏光板４５はその偏光の振動
方向がｙ軸方向、第２の偏光板４６はその偏光の振動方
向がｘ軸方向とそれぞれ近い基板面での液晶分子及び２
色性色素の配向方向と直交するように配置してある。反
射型の表示装置にはさらに外側に反射板４８を漬けばよ
い。次に本液晶表示装置の動作について説明する。

オフの状態、すなわちすべての電極を同電位として電界
の生じていない状態は第２図で示した状態であり、液晶
層はツイスト構造をしている。そこで第１の偏光板４５
を通過した偏光は９００旋光し第２の偏光板をそのまま
通過する。また２色性色素は前述したように偏光板を通
過した偏光の振動方向と直交する方向に配向しているの
で「色の選択吸収は生じない。このようにオフの状態で
は表示装置は透明であり、パターン及びパターン以外の
部分ともに無色である。第３図は第１の動作モードすな
わちＴＮ型での表示を説明するものであり、第１の基板
の２つの電極１１，１２の接続端子２１，２２を共通に
駆動回路６１の１方の端子６２に接続し、第２の基板の
２つの電極１３，１４の接続端子２３，２４を共通に駆
動回路のもう一方の様子６３に接続している。

駆動回路をオンにすれば電界はｚ軸方向にかかるので液
晶分子５１もｚ軸方向にに配列し、ツイスト構造が破壊
されるので旋光性が失なわれ、第１の偏光板４５を通過
した直線偏光は第２の偏光板４６でさえぎられるので、
パターンが表示できる。通常の直線偏光板を使用すれば
黒いパターンが表示され、どちらかの偏光板をカラー偏
光板とすればそれに応じた色のパターンを表示すること
ができる。この際２色性色素５２は液晶分子と同じくｚ
鞠方向に配列するので、２色性色素による色の選択吸収
は生じない。このように第１の動作モードでは直線偏光
板の色特性によってカラー表示が行なわれる。第４図は
第２の動作モードすなわちＧＨ型での表示を説明するも
のであり、第１の基板４１の電極１１の接続端子２１と
第２の基板４２の電極１３の接続端子２３とを共通に駆
動回路６１の一方の端子６２に接続し、同様にして接続
端子２２，２４とを共通に駆動回路のもう一方の端子６
３に接続している。

駆動回路をオンにすれば１つの基板上で交互にかみあう
くし歯状の電極間に電界がかかることになる。すなわち
、第１の基板４１の近くではｙ軸方向の電界が生じ、第
２の基板４２の近くではｘ軸方向の電界が生じるので、
液晶分子５１及び２色性色素５２も第１の基板の近くで
はｙ軸方向に、第２の基板の近くではｘ軸方向にそれぞ
れ配向する。この状態はオフの状態からＸＹ平面で９０
ｏ回転した状態であり、２色性色素の吸収鯛が入射する
偏光の振動方向と一致するので色の選択吸収が生じ、パ
ターンがカラー表示される。この２色性色素の色特性を
偏光板の色特性と異なるようにしておけば、第１の動作
モードと第２の動作モードとで異なる色の表示が行なわ
れることになる。さらにパターンは無色の地に対し、カ
ラーで表示されるので、見映えも良い。なお、第２の動
作モードは横方向にのみ電界がかかることが理想である
が、附髄的に上下方向、すなわちｚ軸方向の電界も生じ
てしまうので、部分的にはツイスト構造が破壊され第１
の動作モードも生じてしまい、偏光板による色と２色性
色素による色とが混在する状態となる。これを防ぎ、２
色性色素による表示の色を鮮明にするには、くし歯状電
極の間隔を基板間の距離より小さくして相対的にもｚ軸
方向の電界を弱くすることが必要である。第５図は７セ
グメントで数字を表示する場合の電極パターンの例であ
り、第５図ａにおいて相互にかみ合うくし歯状の電極６
１，６２をセグメントごとに設けてあり、すべてを同一
の方向に平行に配列している。

対向する基板上の電極パターンが第５図ｂであり、同様
に相互にかみ合うくし歯状の電極６３リ６４を設けてあ
り、すべて同一の方向で第５図ａとは直交する方向に平
行に配列している。各セグメントの電極への電圧印加を
制御すれば、第１の動作モードまたは第２の動作モード
によるカラー表示で任意の数字を表示できることは明ら
かである。以上述べたように本発明によれば単一のセル
で２種類の色を表示できるうえに、動作モードも長い実
積のあるＴＮ型とＧＨ型とに近いものであり、低電圧駆
動、低消費電力、高い信頼性、良いコントラストなどの
特徴を有しているので、液晶表示装置の使用範囲を広げ
られること、装飾性をも必要とする時計等の表示装置と
しても魅力に富むものであることなど、その効果は大で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本発明における電極の形状を説明する平
面図、第２図は本発明の液晶表示装置の構造を説明する
断面図、第３図は第１の動作モードを説明する断面図、
第４図は第２の動作モードを説明する断面図、第５図ａ
，ｂは本発明の１実施例であるくし歯状電極の各平面図
である。 １ １，１２，１３，１４・・・・・・〈し歯状電極、
２５，２６・・・・・・配向処理方法、４１，４２・・
・・・・透明基板、４５，４６……直線偏光板、５１…
…液晶、５２・・・・・・２色性色素。 第１図 第２図 第３図 第４図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１、第２の透明な基板間に正の誘電異方性を有す
   る液晶と２色性色素とを封入した液晶セルと、その両側
   に配置した直線偏光板とからなる液晶表示装置において
   、透明基板上に形成した透明電極をそれぞれの基板上に
   、２つのくし歯状電極が任意の電極間隔を有して交互に
   かみあうくし歯状透明電極とし、第１の基板におけるく
   し歯の方向と第２の基板におけるくし歯の方向とはほぼ
   直交するように配置し、前記第１、第２の基板面の配向
   処理をくし歯の方向と同方向に行い、且つ直線偏光板の
   偏光方向は近接した基板のくし歯の方向と直交するよう
   に配設したことを特徴とする液晶表示装置。 ２ 直線偏光板は、少くとも１枚がカラー偏光板である
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の液晶表示
   装置。 ３ 透明基板上に形成したくし歯状電極間隔は、第１、
   第２の透明な２枚の基板間の距離よりも小さいことを特
   徴とする、特許請求の範囲第１項記載の液晶表示装置。