JPS606298Y2 - 幢幡における六角柱体の組立て構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は暢幡における六角柱体の組立て構造に関し、更
に詳しくは暢幡の中心に懸垂する六角柱体を能率良く組
立てることができる構造に関するものである。

寺院の本堂あるいは仏壇の装飾具として暢幡が用いられ
る。

暢幡はその中心に六角柱体を懸垂しその周囲に、環路と
称する数珠状の装飾品が施される。

六角柱体は通常、脚台、六角柱及び天井から構成される
が、これらは、夫々別々に作成された後、組立てられる
。

六角柱体はその装飾用途の目的に応じ、金箔の被覆ある
いは金粉塗装が行なわれるのが普通であるが、被覆され
た金箔、塗装された金粉は手で触れたり、機械的強度が
加わると極めて剥離しやすく、取扱いに細心の注意を要
する。

一方、六角柱体を組立てるには種々の形状の部品を接合
させる必要があるため、部品を手で触れることは勿論、
嵌込み作業の殴打、糊付け、時には組立て用金具を取付
けるために部品を叩くこともあった。

したがって、従来は金箔や金粉の装飾が施される前に、
組立てを行ない六角柱体を形成してから塗装等の装飾作
業を行なっていた。

しかしながら、六角柱体は複雑な形状を有しているため
、金箔被覆、金粉塗装に手間がかかること及び同種の物
を大量に作成したい場合には同じ形状の部品のみを連続
して被覆塗装した方が能率が上がることからできれば六
角柱体を組立てる前の部品の状態で被覆、塗装を行なう
ことが望まれていた。

本考案の目的は上述の要望にこたえ、金箔被覆、金粉塗
装を予め施した部品を使用しても、その被覆または塗装
を損傷しない程、容易に組立てることができる六角柱体
の組立て構造を提供することにある。

即ち、本考案の六角柱体の組立て構造は、脚部、底板及
び脚部から戒る六角形の脚台に６枚の側板を立脚して六
角柱を形成し、六角柱の上端に天井板を設けた暢幡にお
ける六角柱体であって、脚台と六角柱との接合部は少な
くとも３辺が凸条部と凹条溝の嵌込み構造を有し、六角
柱を形成する６枚の側板の各接合部は各側板の長手両辺
に刻設した切溝と該切溝に差込む差込み桟からなる差込
み構造を有し、天井板と六角柱との接合部は６枚の側板
の幅上端部付近に設けられた切溝に天井板を嵌込む嵌込
み構造を有することをその要旨とするものである。

以下、図面を参照して本考案を具体的に説明する。

第１図は憧幡の正面図であり、六角柱体１は他の六角状
装飾体２と連結腰鎖３で懸垂されている。

また、六角柱体１の周囲には数珠状の理路４・・・が同
様に吊り下げられている。

第２図は六角柱体の分解斜視図であり、脚台５、六角柱
６及び天井板７から構成されている。

脚台５は正六角形の底板８、底板８の各辺を囲む脚棒９
及び脚棒９の下に設けられた脚部１０から戒っている。

六角柱６は幅が底板８の一辺の長さに等しく、たて長の
側板１１・・・６枚と側板１１と同じ長さの細い差込み
桟１２・・・から戒り、天井板７は底板８と同形の板で
ある。

第３図は六角柱体の横断面図、第４図は縦断面図である
。

第２〜４図を参照して本考案の組立て構造を説明する。

脚棒９・・・の夫々にはその内側に切溝１３が設けられ
、その切溝１３の中に底板８の各辺が嵌込まれている。

また、脚棒９のうち互いに隣接しない３個の辺には内側
上部に凸条部１４が設けられているが、他の３個の辺に
はこの凸条部１４は存在しない。

つまり、脚棒９を構成する６個の辺は同番に凸条部１４
を有している。

六角柱６を構成する６枚の側板１１・・・の相互の接合
部は正六角形を形成できるように傾斜した面を有し、そ
の面即ち、側板の厚み部には全長に亘る切溝１５が刻設
されている。

そして、隣接する２枚の側板１１゜１１を接合した際、
切溝１５，１５で形成されるたて長の孔の中に差込み桟
１２が差込まれている。

６枚の側板１１・・・の互いに隣接しない３枚の側板１
１・・・の下端近傍にはその外側に幅方向の凹条溝１６
・・・が設けられ、この凹条溝１６は脚棒９の３辺に設
けられた凸条部１４と嵌合している。

勿論、凹条溝１６の設けられていない側板１１・・・の
下端は、同様に凸条部１４の設けられていない脚棒９の
辺と嵌合することなく単に底板８の上に置かれた状態と
なっている。

６枚の側板１１・・・の上端近傍には、その幅方向に切
＄１７・・・が刻設されており、その切溝１７の中に天
井板７の各辺が嵌込まれている。

側板１１・・・には透かし彫り１８が施され、これは側
板１１と一体の物となっている。

以上説明した通り本考案の六角柱体は脚台と六角柱の接
合部、各側板の接合部、六角柱と天井板との接合部がす
べて嵌込みまたは差込み構造となっているため、組立て
作業が極めて容易であるばかりでなく、組立て作業にお
いて各部材を殴打したり、局部的な力を加える必要がな
い。

したがって、予め各部品に金箔の被覆または金粉の塗装
を施しておき、その部品を組立てたとしても金箔まは金
粉に損傷を与えることがなく高能率で六角柱体を組立て
ることができるのである。

また、本考案の側板には透かし彫りが一体となって設け
られているため、従来の例えば別体のプラスチック製透
かし彫りを側板に嵌込んだ物に較べ、重厚で格調高い暢
幡を得ることができる。

一度組立てた六角柱体はあまり解体することはないが、
長い年月を経ると外装が傷むことがあり、金粉を再塗装
することがある。

その場合、本考案の六角柱体は解体が容易であるから本
体を損傷することなく解体、再塗装が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は憧幡の正面図、第２図は本考案の六角柱体の分
解斜視図、第３図は六角柱体の部分横断面図、第４図は
六角柱体の部分縦断面図である。 １・・・・・・六角柱体、２・・・・・・他の六角状装
飾体、３・・・・・・鎖、４・・・・・・理路、５・・
・・・・脚台、６・・・・・・六角柱、７・・・・・・
天井板、訃・・・・・底板、９・・・・・・脚棒、１０
・・・・・・脚部、１１・・・・・・側板、１２・・・
・・・差込み桟、１３・・・・・・切溝、１４・・・・
・・凸条部、１５・・・・・・切溝、１６・・・・・・
凹条溝、１７・・・・・・切溝、１８・・・・・・透か
し彫り。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 脚部、底板及び脚部から戒る六角形の脚台に
   ６枚の側板を立脚して六角柱を形成し、六角柱の上端に
   天井板を設けた憧幡における六角柱体であって、脚台と
   六角柱との接合部は少なくとも３辺が凸条部と凹条溝の
   嵌込み構造を有し、六角柱を形成する６枚の側板の各接
   合部は各側板の長手両辺に刻設した切溝と該切溝に差込
   む差込み桟からなる差込み構造を有し、天井板と六角柱
   との接合部は６枚の側板の幌上端部付近に設けられた切
   溝に天井板を嵌込む嵌込み構造を有することを特徴とす
   る幡幡における六角柱体の組立て構造。
2. （２）６枚の側板は夫々、透かし彫りを有する一枚板で
   あることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第（１１
   項記載の組立て構造。