JPS605966Y2 - 連続鋳造設備における保熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は連続鋳造設備における保熱装置に関するもので
あり、その主目的とするところは、鋳片の両側端部の保
温装置を提供するものである。

例えばスラブ用の湾曲型連続鋳造装置において、モール
ドから出たスラブ鋳片は、二次冷却帯で冷却しながら湾
曲案内部に矯正部、水平案内部を順次繰て完全に凝固さ
れる。

こ）で重要な管理ポイントは、前記矯正部にか）るスラ
ブ鋳片の性状特に温度分布を可能な限り均一にしかも、
強度劣化温度範囲（成分構成により若干異るが７００〜
９００℃）外のシェル温度・にして矯正し、表面割れ、
内部割れ等の発生を抑制することである。

而してスラブ鋳片を直接巾方向、厚み方向の圧延を行う
場合、前記矯正部にか）るスラブ鋳片の温度分布は、省
エネルギー効果を狙い該範囲外の高温側にして矯正して
いるが、スラブ鋳片断面の凝固状況が中心部が高温の末
凝固部であるため、シェル側との温度差を緩和するのに
一般に保熱炉を用いて保温し、復熱させて該温度差を２
００°Ｃ以内にし矯正部に導入している。

そこで前記保熱炉は、従来少なくとも矯正部以前の湾曲
案内部の所定区域のスラブ鋳片通過路全周を囲繞するも
のであるため、保熱炉内に鋳片案内用のロール等を配設
しなければならず大型で且つ複雑な構造となる。

又保熱炉内配設ロール等の熱歪損傷が大きく、更に鋳造
条件例えばサイズ、鋳造速度、冷却パターンの変更によ
り保温ゾーンを任意に変更することができなく所要の復
熱効果を得ることが困難である。

本考案は、このような問題を一挙に解決した優れた保熱
装置を提供するものであり、その特徴とするところは、
第１図〜第３図に示す本考案の実施例の如く、連続鋳造
装置におけるロール式の鋳片案内部１ａにおいて、ロー
ル両端の軸受の側方に装着し、ロール軸方向に平行して
上・下ロールＲ１，Ｒ７間を進退移動可能に設けたシフ
トアーム２と、該シフトアーム２夫々の先部に設けられ
該湾曲案内部１ａ内を通過する鋳片Ｓの側端面Ｓ１と、
該側端面近傍の上下面例えば上・下ロールＲ１，Ｒ２の
接触面を除く面を包囲可能に成形した例えば断面コ字状
のエツジ保熱枠４と、該エツジ保熱枠４の先端に鋳片巾
方向側部表面を指向する如く設けたパージ用物質噴射ノ
ズル５とからなる保熱装置を設けたことにある。

即ち本考案は、例えばスラブ用の湾曲型の連続鋳造装置
の鋳片湾曲案内部１ａにおける出側部（矯正部ＢＰ側）
を通過するスラブ鋳片Ｓ部を、その上流の二次冷却によ
り最も温度降下量の大きくなった巾方向両側部Ｓｓを保
熱して復熱させ、スラブ鋳片Ｓの両側部Ｓ、の厚み方向
温度バラツキを僅少にすると共に、該保熱装置における
両保熱枠４間での二次冷却を可能にしであるので、スラ
ブ鋳片Ｓの巾方向中央部Ｓ。

表面Ｓ３の復熱量を制御し、該巾方向両側部Ｓｓ部表面
の温度差を略均等にすることができ、スラブ鋳片Ｓの断
面における生皮シェル全体の温度分布を所望の温度域内
でしかも僅少のバラツキにすることができ、特に矯正Ｗ
ＢＰにおけるスラブ鋳片Ｓの矯正部による巾方向両側部
Ｓ、の角部の割れ、更にシェルの内部割れを確実に防止
し水平案内部１ｂに送出するものである。

更に該エツジ保熱枠４がスラブ鋳片Ｓ幅方向両側部表面
Ｓ２を覆う部分４ａのスラブ幅方向長さを若干長目にし
てその範囲内でシフトアーム２の進退動作により該表面
Ｓ２覆面を任意に調節することができるため、鋳造条件
例えばスラブ鋳片Ｓの巾寸法、鋳造速度保熱装置上流側
の二次冷却パターン等の変更があっても、その変更の広
範囲に亘って追従した所要の復熱効果を得ることが容易
となる。

更に本考案は、該エツジ保熱枠４の先部に前記ノズル５
を設けてパージ用物質を噴射して枠内への冷却水、空気
等の侵入を防止してスラブ鋳片Ｓのエツジ部保熱機能を
高位に安定維持することを、可能とする。

而して図に示す実施例において、シフトアーム２は、該
ロール式の湾曲案内部１ａを構成するロールスタンド６
０両側部に設けた架台１０上のガイド７に支持し、ロー
ラー８を具備させてスラブ鋳片Ｓの巾方向に進退移動可
能とし且つその駆動装置として例えばエアーシリンダー
９をロールスタンド６側部に設けた架台１０上に設置し
、このピストンロッド９′の先端部を部材１１を介して
シフトアーム２に連結せしめたものである。

又前記シフトアーム２の先部で接続支持するエツジ保熱
枠４は、これを配設するエツジ復熱ゾーンの上・下ロー
ル各対間において、ロール長手方向に沿って挿出入可能
に形成腰スラブ鋳片巾方向側部表面Ｓ２を覆う部分４ａ
と、各対ロールの上・下ロール間において−ル長手方向
に沿って挿出入可能に形威し鋳片スラブ巾方向側端面Ｓ
□を覆う部分４ｂとを１体的に構成した断面コ字型とし
てあり、その断面構成として、鉄枠本体４′の内壁に適
宜な断熱材４″を配設せしめたものである。

又、前記エツジ保熱枠４の部分４ａの先部に設けるパー
ジ用のノズル５は、該鉄枠本体４′の先端縁に沿って装
着したヘッダー５′管に接続したスリット状ノズルとし
てあり、スラブ鋳片Ｓの該表面Ｓ２にエアー、蒸気等の
パージ用物質を噴射して遮断カーテンを形成するととも
に枠内に向う物質を排除するものである。

本例において、前記エツジ保熱枠４は、スラブ鋳片Ｓの
幅方向に前進移動させてスラブ鋳片Ｓの巾方向側部Ｓｓ
の周囲を囲うが、スラブ鋳片Ｓの幅寸法の変更によりス
トロークが変更されるので、枠内の長手方向に適宜な間
隔を置いて、スラブ鋳片Ｓの側端面Ｓ１用のタッチロー
ル３を設けて移動スラブとの転り接触による当接位置決
めを行わしめるようにしである。

図示していないが本例の変形としてエツジ保熱枠４の部
分４ｂをその高さ方向に拡縮可能な構造にしてスラブ鋳
片Ｓの厚み変更に対して、側端面Ｓ１を覆う範囲を調節
できるようにすることもできる。

又前記シフトアーム２のガイド７は、架台１０上に限ら
ず上ロールＲ１、及び又は下ロールＲ２の軸受等に設置
してもよい。

尚、図中１２はロールスタンドのロール間隙調整用のス
クリューシャフト、１３は上フレーム、１４は下フレー
ムを夫々示す。

【図面の簡単な説明】

各図は本考案の１実施例を示す説明図であり、第１図は
スラブ鋳片の湾曲案内部の１用部を示すものであり、第
２図矢視Ｂ−Ｂからの平面図、第２図は第１図矢視Ａ−
Ａからの側面図、第３図は第２図矢視Ｃ−Ｃからの断面
説明図である。 図において１ａ：湾曲案内部、２：シフトアーム、３：
タッチロール、４：エツジ保熱枠、５：パージ用のノズ
ル、６：ロールスタンド、７：ガイド、８：ローラー、
９：エアシリンダ、１０：架台、Ｓニスラブ鋳片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連続鋳造設備におけるロール式の鋳片案内部において、
   ロール両端の軸受の側方に装着支持され、ロール軸方向
   に平行して上、下ロール間を進退移動可能に設けたシフ
   トアームと、該シフトアームの夫々の先部に連結し前記
   鋳片案内部内を通過する鋳片の巾方向側端面及び該側端
   面近傍の上下面を包囲可能に形成したエツジ保熱枠と、
   該エツジ保熱枠先端に鋳片巾方向側部表面を指向する如
   く設けたパージ用物質噴射ノズルとからなることを特徴
   とする連続鋳造設備における保熱装置。