JPS6058780B2 - 耐熱、耐摩耗性シ−ルリング - Google Patents

耐熱、耐摩耗性シ−ルリング

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JPS6058780B2
JPS6058780B2 JP20145681A JP20145681A JPS6058780B2 JP S6058780 B2 JPS6058780 B2 JP S6058780B2 JP 20145681 A JP20145681 A JP 20145681A JP 20145681 A JP20145681 A JP 20145681A JP S6058780 B2 JPS6058780 B2 JP S6058780B2
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JP
Japan
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wear
seal ring
heat
molybdenum
resistance
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Application number
JP20145681A
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JPS58104162A (ja
Inventor
理文 中沢
洋一 清水
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TPR Co Ltd
Original Assignee
Teikoku Piston Ring Co Ltd
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Publication date
Application filed by Teikoku Piston Ring Co Ltd filed Critical Teikoku Piston Ring Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は耐熱、耐摩耗性を要求される特に自動車内燃
機関用ターボチャージャーのタービン側シールリングに
係る。
周知のようにターボチャージャーのタービン側シール
リングは高温の排気ガスにさらされると共に15000
0にμm以上の超高速回転の軸に組付けられるため極め
て苛酷な摩擦条件になるので高い耐熱性と耐摩耗性が要
求される。
従来、ターボチャージャーのタービン側シールリングに
は、13Cr系の鋳鋼材、SUS420J2の様なマル
テンサイト系の耐熱鋼、A28614の様なオーステナ
イトの析出硬化型の耐熱鋼、時にはSKH9のようなハ
イス系の・ ■’・lL−り− ↓ 」4−・ウ
ーー、 、 フ 書 ふ、 1 ″ 、・、■1−−’
あ L−−l■目【。 一短があり、耐熱性と耐摩耗性
を同時に満足させ得ないでいる。すなわち13Cr系の
鋳鋼材は炭化物の析出により耐摩耗性は略、満足させ得
るが、耐熱性の面て不満足である。一方SUS420J
2の様なマルテンサイト系高クロム材料は耐熱性、耐摩
耗性共にある程度の水準にはあるが、ガソリンエ ンジ
ン用のターボチャージャーの様に排気ガス温度が高く回
転数が高い(摩擦速度が大きい)場合には耐熱、耐摩耗
性共充分でない。又A285材の様なオーステナイト系
の耐熱鋼は耐熱性は充分であるが、基地がオーステナイ
[・になるため耐摩耗性の面で劣る。SKH9の場合は
クロム、モリブデ ン、タングステンによる複合炭化物
及び高硬度の マルテンサイト基地により自身の耐摩耗
性はあるが、相手軸材の摩耗を招来し、耐熱性の面て不
充分てある等従来のいずれの材料も問題を内蔵している
。近年、乗用車用ターボチャージャーの普及に伴い、従
来主として定速回転機器に用いられていた場合に比較し
ターボチャージャーの回転数はJ益々高くなり、特にガ
ソリンエンジン用のターボチャージャーでは排気ガス温
度の高いことも相まつて前記不具合は更に顕著になつて
きている。特に回転数の増大に伴い軸との摩擦状態が苛
酷にな り、しばしば焼付き等を発生しシールリングと
軸;との間に異常摩耗が発生する。すなわちシールリン
グと軸が焼付き状態になると摩擦による摩擦熱が異常に
高くなり、発生する摩擦熱によつてシールリング及び軸
表面が溶融する等の他に、シールリング全体も高温とな
り、ヘタリが生ずる。又異常摩耗が起り摩耗によつてシ
ールリング自体が摩滅する等いずれもターボチャージャ
ーの性能低下及び耐久性に致命的影響を及ぼす。本発明
はかかる不具合を解消するために優れた耐熱、耐摩耗性
を具備したシールリングを市場に提供せんとするものて
ある。
すなわち本発明のシールリングは、重量比で、炭素0.
8〜2.5%、炭化物形成元素として、クロム10〜3
0%を含有し、更にモリブデン1〜5%とタングステン
1〜10%のうち1種又は2種を含有し、炭化物を面積
比で5〜30%微細に析出させ、更にオーステナイト生
成元素を20〜45%含有し、ぞのうちニッケルは少な
くとも15〜30%含有せしめ、残部はコバルトとし、
基地をオーステナイト主体にした鋳鋼材の表面に窒化処
理層を5pm〜30μm設けたことを特徴とする。
本発明のシールリングは、クロム、モリブデン及び/又
はタングステンの複合炭化物を微細にしかも5〜30%
の面積率で析出させることにより耐摩耗性及び耐焼付性
を著しく向上せしめ、ニッケル及びコバルトの添加で基
地をオーステナイト主体にし、耐熱性を−高めているの
でそれだけでもある程度の耐熱、耐摩耗性を有する材料
となつている。しかしながら基地がオーステナイト主体
であるため、特に苛酷な摩擦条件にさらされた場合、耐
焼付性の面で不充分であるので、表面に5〜30μmの
窒化層を設.−けることにより耐摩耗性及び耐焼付性を
顕著に向上させたものである。すなわち本発明のシール
リングの特徴は耐熱性を持ち、しかも微細炭化物が析出
している母材の表面に窒化層を設けることにより更に耐
摩耗性、耐焼付性を向上させ優れた耐二熱性と耐摩耗、
耐焼付性を併せ持つところにある。次に各成分組成の限
定理由を述べる。
本発明における元素中の炭素はクロム、モリブデン及び
タングステンと結合し複合炭化物を形成するもので4あ
り、炭素の割合が0.8%(重量%以下同じ)未満ては
炭化物の析出が少なく充分な耐摩耗性が得られず、又オ
ーステナイト組織も得難く、又2.5%を越えると炭化
物の粗大が起り、材料の脆化をきたし更に加工性に悪影
響を及ぼす。クロム、モリブデン及びタングステンは炭
素と結合して複合炭化物を形成し耐摩耗性の向上に寄与
するものてあり、クロム、モリブデンの一部は基地中に
固溶し、フェライト形成傾向を示すが、同時に材料の耐
熱性向上にも寄与する。クロムが10%未満、モリブデ
ンが1%及びタングステンが1%未満ではその効果が充
分でなく又クロムが30%、モリブデンが5%及びタン
グステンが10%を越えると炭化フ物の粗大化が起り材
料の脆化に加え加工性の低下をきたすので、クロム、モ
リブデン及びモリブデンはそれぞれ10〜30%,1〜
5%及び1〜10%とする。モリブデンとタングステン
を2種含有する場合は、その含有量は、MO+W2〜1
0%が好まし・い。この含有量が10%を越えると析出
物の粗大化による材料の脆化がおこる。一方、2%未満
では複合炭化物の形成不足による耐摩耗性の不足及ひ基
地への固溶不足による耐熱性不足となる。適正な組合せ
としては、モリブデン1〜3%且つタン”グステン4〜
8%がよい。ニッケルはオーステナイトを安定化するの
に必要な成分であり、15%未満ではその効果が不充分
であり、15%以上になれは効果が充分となりしかも含
有量の増加につれてオーステナイトの安定化及び性熱性
が向上する。しかし30%を越えて添加してもこれらの
特性のそれ以上の著しい効果は望めなく逆に経済的に不
利となる。従つてニッケル含有量の範囲を15〜30%
とする。又ニッケル含有量が少ない場合は、ニッケルの
みでは耐熱性が充分でなく、コバルトを添加し更に耐熱
性を向上させる。コバルトは5%未満ではその効果が不
充分であり、5%以上になればその効果は充分となり、
含有量の増加につれて耐熱性が向上するが15%を越え
て添加してもその特性のそれ以上の効果は望めなく、逆
に経済的に不利となる。従つてN1+COを20〜45
%とし、Ni=15〜30%の残部をCOとする。本発
明は以上の成分組成により、所望の耐熱性及び耐摩耗性
を奏するものであるが、その鋳鋼材には通常随伴するマ
ンガン、シリコン、リン、硫黄等が含有され、更にアル
ミニウム、ホウ素、チタン、バナジウム、ジルコニウム
、ニオブ、等も場合によつては小量含有されることもあ
る。
更に炭化物面積比が5%未満では耐摩耗性、耐焼付性向
上効果が少なく、30%を越えると材料の脆化を招く。
上記鋳鋼材は通常の溶製後、必要により焼鈍を行ない、
次に機械加工により所定の寸法に仕上げられる。
そして窒化処理時の熱処理最中に二次炭化物の再析出が
起こつて、製品としての組織が決.定される。窒化処理
は、例えば580℃×2時間の条件下のガス軟窒化、又
はタフトライド等の塩浴窒化による。窒化層のカタサは
HV7OO〜1100である。窒化層の厚さは5μm以
下では耐摩耗、耐焼付1効果は不充分てあり5μm以上
とすることによりその効果は著しく向上する。
処理層の厚さが増してもこれらの特性の著しい向上は望
めなく、30μmを越える場合は逆に処理時間の延長及
び寸法変化により後加工が必要となる等、経済的に不利
となる。従つて窒化処理層の厚さを5μm〜30μmと
する。次に本発明を実施例によつて説明する。
実施例1 580゜C×2時間の条件でガス軟窒化した本発明品、
比較のための材料として、13Cr鋳鋼、SKH9,S
US42OJ2及びA286の熱減退率測定結果を併せ
て第1図に示す。
各材料共15.875φ×1.6結×0.88Tのリン
グに加工し、4000C,500゜C及び600℃の温
度て各川侍間保持し、試験前後の自由合口すきまの変化
量より熱減退率を求めたものである。各材料の組成及び
図中のグラフのプロット符号は以下の通りであつた。こ
の結果から明らかな様に13Cr鋳鋼は500″Cで又
SKH9,SUS42OJ2は600′Cて急激に熱減
退率が増大するのに対して本発明の材料の熱減退率は6
00゜Cでも急激な上昇はない。
これは本発明の材料が優れた耐熱性を備えた材料である
ことを示すものである。第2図は本発明品(MO,W同
時添加)の組織(50皓)を示す写真であり、表面に約
20pmの窒化層が形成されており、内面には比較的粗
大な一次炭化物及び微細な二次炭化物が分散しているこ
とを示す。
一次炭化物はオーステナイト基地に沿つて網状となつて
おり、鉄、クロム、タングステン及びモリブデンの複合
炭化物である。一方、二次炭化物は均一に分布した多数
の粒状炭化物であり、鉄、炭素を主体とし、若干のモリ
ブデン及びリンを含んでいる。実施例2 本発明の材料の摩耗特性を第3図の如きリング1−ロー
タ2式摩耗試験機によりロータ周速を変化させて試験し
た結果を第3図に示す。
別に比較のための材料として本発明の母材、13Cr,
SKH9,SUS420J2及びA286の結果を併せ
て示・す。これらはいずれも実施例1と同一の材料を用
いた。試験はエンジンオイルを潤滑剤として20cc/
Minの流量で供給し、荷重7k9直径23.5mnの
JIS−SUM43相当のロータを周速100,150
及び200m,/Minとして回転させ、各1Hrの試
験を行な)つた。第4図に示される結果から明らかな様
に本発明の材料の耐摩耗性は比較材に対し著しく優れて
いる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の材料と5種の比較材料の熱減退率を示
し、第2図は本発明の材料の表面の断面組織を示し、第
3図はリング−ロータ式摩耗試験の略図を示し、第4図
は本発明の材料と5種の比較材料の摩耗量を示すグラフ
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 重量比で、炭素0.8〜2.5%、炭化物形成元素
    としてクロム10〜30%の他に、モリブデン1〜5%
    及びタングステン1〜10%のうち1種又は2種を含有
    し、炭化物を面積比で5〜30%微細に析出させ、更に
    オーステナイト生成元素を20〜45%、但しそのうち
    ニッケルは少なくとも15〜30%、残部はコバルトを
    含有せしめ基地をオーステナイト主体にした鋳鋼材の表
    面に窒化処理層を厚さ5μm〜30μm設けたことを特
    徴とする耐熱、耐摩耗性シールリング。
JP20145681A 1981-12-16 1981-12-16 耐熱、耐摩耗性シ−ルリング Expired JPS6058780B2 (ja)

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