JPS6056525B2 - 使い捨て可能なフイルタ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ハウジングを、該ハウジングに対して周囲を
シールさせたフィルタ薄膜によつて前記ハウジングが入
口室と出口室とに分割した形式の使い捨て可能な直線型
フィルタに関する。

本発明になるフィルタは、フィルタの使用中流体からろ
過した物質の判別或は分析のためにフィルタ薄膜を取り
外すことができるように容易に分解可能である。使い捨
て可能な直線型フィルタは通常２個の成型された有機プ
ラスチックハウジング部材で作られており、これらのハ
ウジング部材は周囲のフランジを有し、該フランジはそ
れらの間に配置されるフィルタ薄膜の周囲部とともに永
久的に密封接合されている。

このような直線型フィルタは比較的低コストで製作てき
るが、しかし使用後ろ過の結果フィルタ薄膜上に残留し
ている物質の判別或は分析のため、フィルタ薄膜とその
ままの形で取り外すことはできない。ろ過後において、
フィルタ薄膜を取り外すため分解可能な直線型フィルタ
は知られている。しかし、これらは高価であり、１回だ
け使用して捨てるという、いわゆる使い捨てするには不
経済である。また、これらを再使用するのも、使用後、
次の使用に先立つて清掃作業が必要なため不経済である
。本発明のフィルタ装置は、使用後にフィルタ薄膜の取
り外しのため容易に分解可能であり、しかも比較的低コ
ストで製造でき、従つて、経済性を犠性にすることなく
、１回だけの使用後に捨てることができる。

本発明によれば、フィルタハウジングは２個の有機プラ
スチック成形体を具備し、これらの成形体は互に衝合関
係ではまり合う円筒状の側壁と、周囲に隣接して環状面
をもつた端壁とを有している。

フィルタ薄膜が、その周囲部を前記環状面の．間に位置
させて配置され、かつ前記環状面の一方とフィルタ薄膜
の周囲部との間には弾性材料のシールリングが配置され
ており、成形体の円筒状の側壁を互にはめ合わせた時、
フィルタ薄膜の周囲部がハウジングに対してシールされ
るようになつ・ている。有機プラスチックの変形可能な
環状体が前記成形体の互にはまり合つた側壁を取り囲ん
でおり、ろ過前及びろ過中に前記成形体を、フィルタ薄
膜が内部にシールされて配置された組立状態に維持して
いる。この有機プラスチックの環状体はろ過後に変形さ
せることにより容易に取り外し可能であり、従つて、成
形体を分解しフィルタ薄膜を取り外すことを可能にして
いる。後述の好適な実施例では、有機プラスチックの環
状体は、フィルタ装置の製造の最終ステップとして、成
形体の互にはまり合つた側壁のまわりに直接成形される
。また、好適な実施例では、有機プラスチックの環状体
は少くとも１個の、好ましくは直径方向″に向い合つた
２個の断面の小さい部分を有するように成形することに
より容易に変形可能とされている。このような断面の小
さい部分は環状体を取り外すため、容易に引し伸はした
り破断することができる。これら及び他の特徴と利点は
以下に示す本発明の好適な実施例に発明の詳細な説明か
らより明白となるだろう。

添付図面に示す装置は有機プラスチックの、好ましくは
透明の２個の成形体２，４を有するハウ“ジンクを持つ
ている。成形体２は円筒状の側壁６と軸方向端壁８を有
しており、端壁８はその中心に流体開口１０を、又周囲
に隣接してかつ側壁６と同心状の環状面１２を有してい
る。開口１０は一体に形成された管１４と連通しており
、管１４は流体出口として作用する。成形体４も同様に
円筒状の側壁１６と軸方向端壁１８を有しており、端壁
１８もその中心に流体開口２０を、又周囲に隣接してか
つ側壁１６と同心状の環状面２２を有している。

開口２０は一体に形成された管２４と連通しており、こ
の管２４は流体入口として作用する。２個の成形体は、
成形体２の側壁６が成形体４の円筒状の側壁１６に衝合
しかつはまり合うようにして、組立てられている。

フィルタディスク２６、例えば、多孔質の或は微細多孔
質の薄膜がその周囲部を環状面１２，２２の間に位置さ
せて取付けられており、環状面２２とフィルタディスク
の周囲部との間には弾性シールリング２８が設けられて
いる。弾性シールリングは好適には断面円形で、比較的
軟かい変形可能なエラストマーで作られており、フィル
タディスクは多孔質を失うまで圧縮可能である。図示さ
れ説明された組立体において、側壁６は側壁１６内に十
分に差し込まれ、シールリングとフィルタディスクの周
囲部に大きい圧力を加えてフィルタディスクの周囲部を
多孔質でなくなるまで圧縮させ、かくして、フィルタデ
ィスクの周囲部の片側が環状面１２に対し流体密に押し
付けられ、押圧されたシールリングが環状面２２とフィ
ルタディスクの周囲部の他方の側との間に流体密のシー
ルを与えるから、フィルタディスクはハウジング内にお
いてシールされる。成形体４の円筒状の側壁１６と環状
面２２との間には環状溝３０が形成されており、この溝
３０は円筒状の側壁６が円筒状の側壁１６内に差し込ま
れる時、側壁６と整合し、該側壁６を十分に受け入れて
シールを作ることができる。成形体２は開口１０から環
状面１２に向つて半径方向外方に延びる複数個の等間隔
のリブ３２を有し、これらのリブ３２はフィルタディス
クの支持体として作用する。

図示の実施例において、もし必要なら、フィルタディス
クの周囲部を環状面２２に接触させ、環状シールリング
２８を環状面１２とフィルタディスクの周囲部との間に
配置する要領て、フィルタディスクを取付けてもよい。
それ故、図示の実施例において、成形体４にも成形体２
のリブ３２と同様に半径方向に延びるリブが設けられて
おり、このリブはフィルタディスクを、その周囲部が図
示の如く環状面１２に接触するかわりに環状面２２に接
触するように位置決めした場合には、フィルタディスク
の支持体として作用する。図示の場合でなく、そのよう
に組立られた場合には、管１４は勿論流体入口として作
用し、管２４は流体出口として作用する。成形体２，４
はそれらの間にフィルタディスクとシールリングを配置
して、有機プラスチックでできた変形可能な環状体３６
によつて上述したような組立関係に維持される。

図示の好適な実施例ては、環状体３６は円筒状の軸方向
中央部分３８と半径方向内方に延びるフランジ４０，４
２とを有している。中央部分３８は円筒状の側壁１６，
６に衝合し、フランジ４０は成形体２の端壁８に、又、
フランジ４２は成形体４の端壁１８に衝合する。かくし
て、組立られた成形体２，４は環状体３６のほぼＣ形断
面内に機械的に固定保持される。更に、図示の好適な実
施例において、環状体３６は直径方向に向い合つた横断
面の小さい部分４４，４６を有している。これらの部分
４４，４６は、その一方若しくは双方を引き伸すか破断
することにより、環状体３６を容易に変形させることが
できる。図示実施例において、横断面の小さい部分の各
々の一対の細いほぼ円筒状の線材４８，５０からなり、
線材４８，５０は約１．６７ｍ（１１１６インチ）の長
さである。従つて、線材４８，５０を連結する向い合つ
た円周部分５２，５４の間のギャップも約１．６ｗＩｎ
（１１１６インチ）である。これは、ナイフ或はコイン
をこのギャップに押し込み円周部分５２，５４を押し開
くことにより、線材を容易に引き伸ばすか破断すること
ができる。かくして環状体３６を容易に取り外すことが
でき、成形体２，４をフィルタディスクの取り外しのた
め分解することができる。第３図は、環状体３６の片側
の線材４８，５０を破断し、環状体を変形させ環状体の
取り外しを容易にした後の分解状態のフィルタ装置を示
している。この環状体に直径方向に向いあつた２つの細
い部分を設けることによつて、一方の細い部分が破断さ
れると、他方はヒンジとして作用し、環状体の変形およ
び取り外しを一層簡単にする。更に、軸方向にへだたつ
た２本の線材を、１本が環状体の一方の軸方向の端に隣
接し、もう１本が環状体の他方の軸方向端に隣接して使
用することによつて、環状体の意図しないかつ望ましく
ない早期変形を防止し、しかも必要な時には環状体を容
易に変形させ取り外すことができる。好適な実施例では
、環状体３６は組立られた成形体２，４に対して直接成
形される。

即ち、成形体はそれらの間にフィルタディスクとシール
リン”グをはさんで組立てたあと、この組立体を、固定
具（図示せず）の中に入れる。この固定具は、円筒状の
側壁６を円筒状の側壁１６内に所望のシールを与えるに
十分はまり合つた状態に維持し、かつ、環状の成形キャ
ビティを有している。成形キ，ヤビテイの内方壁は、環
状体と接触するようになる組立体の周囲部分からなる。
次に、環状体を作るべき有機プラスチックを成形キャビ
ティ内に射出し、その場で環状体を成形体に成形する。
成形キャビティの形状は、勿論、所望の環状形を与え）
るようなものである。また、環状体を形成すべき有機プ
ラスチックは成形体の有機プラスチックに接着しないも
のであり、かつ成形温度及び時間は、環状体を成形する
間に、成形体２，４を軟化させたり変化させたりするこ
とがないように選ばれることは当然である。環状体用の
有機プラスチックとしてはポリエチレン又はポリプロピ
レンが使用可能てあり、成形体２，４用の有機プラスチ
ックとしてはアクリル或はポリスチレンが使用可能であ
る。以上、本発明を好適な実施例について説明したが、
特許請求の範囲の記載範囲内で種々な変形や修正が可能
であることは理解されるだろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の好適な実施例の側断面図、第２図は第
１図の装置の斜視図、第３図は第１図、第２図の装置を
分解したときの分解斜視図、第４図は第１図〜第３図の
実施例の部品の一つの拡大部分図である。 ２，４・・・・・・成形体、６，１６・・・・・・側壁
、１２，２２・・・・・・環状面、２６・・・・フィル
タディスク、２８・・・・・ウールリング、３６・・・
・・・環状体、４４，４６・・・・・・断面の小さい部
分、４８，５０・・・・・・線材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ２個の有機プラスチック成形体を有するハウジング
   を備え、前記有機プラスチック成形体の各々は円筒状の
   側壁と、中央に隣接して流体開口を、周囲に隣接して前
   記円筒状の側壁と同心状の環状面を有する端壁とを持つ
   ており、前記２個の成形体の円筒状の側壁は衝合かつは
   まり合つた関係に配置されており、更に、前記２個の成
   形体の環状面の間に周囲部を位置させて配置されたフィ
   ルタディスクと、前記フィルタディスクの周囲部と前記
   環状面の一方との間に配置された弾性シールリングと、
   前記成形体のはまり合つた端壁を取り囲んでいる有機プ
   ラスチックの変形可能な環状体とを備え、該環状体は、
   前記環状面の間のフィルタディスクの周囲部及びシール
   リングを圧縮しかつシールするに十分な程前記成形体の
   側壁を互にはまり合わせた状態に、前記成形体を組立て
   た関係に維持しているが、変形させることにより取り外
   し可能であり、それによつて前記成形体がこれらの間の
   フィルタディスクの取り外しのために分解することがで
   きることを特徴とする使い捨て可能なフィルタ装置。 ２ 前記有機プラスチックの環状体が、軸線方向の端部
   に半径方向内方に延びるフランジを有し、該フランジが
   前記成形体の端壁を支えていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載のフィルタ装置。 ３ 前記有機プラスチックの環状体は前記成形体のはま
   り合つた円筒状の側壁に対し、その場で成形されている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のフィルタ
   装置。 ４ 前記有機プラスチックの環状体は、該環状体を変形
   可能にするため少くとも１個の断面の小さい部分を有し
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項、第２項
   、第３項のいずれか１項に記載のフィルタ装置。 ５ 前記有機プラスチックの環状体は２個の直径方向に
   向い合つた断面の小さい部分を有していることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項、第２項、第３項のいずれか
   １項に記載のフィルタ装置。