JPS6055215B2 - 水平連続鋳造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、保温式貯湯タンクに供給された溶湯か、流
路断面の挟小部を通つて水平方向の冷却式連続鋳造金型
へ流れ、この金型から環殻状硬化領域を有する鋳造ビレ
ツトが断続的に水平方向に引き出される水平連続鋳造方
法に関する。

水平連続鋳造方法は、設備投資費・運転費・人件費等
諸費用と、冶金領域とにおいて利点を有するものである
。

プロセス上においては、静液圧が僅かであること、ビル
ツトが曲がらないこと、二次冷却が有利であること等が
重要な点であり、鋳造性能は垂直または円弧鋳造法に対
し実際上同等である。鋳造温度の上昇に伴つて、水平金
型部分の金属ビレツトに問題が発生する。断続的引出し
造から、水平連続鋳造へ移すことが困難である。金属、
特に鋼を水平連続鋳造するため、最初に試験を行なうと
、大抵の場合失敗する。これは、殻形成の完全な熱制御
のための技術、粘着傾向の阻止および断続的引出し機能
に対する補償を求めるときに、水平金型および耐火材料
および（水平金型への移行部分）として使用する材料の
種類が少ないことによるものである。 水平金型から鋳
造ビレツトを連続的に引き出す時、その表面に不均一な
亀裂が生じる。

潤滑な１０て作動する水平金型を用いると、金型の始端
部分（分配部との接触部）において、制御できない殻が
生じ、この殼は耐火部まで遡ることがある。瞬間的に付
着する薄い膜はまばらに剥ぎ取られ、壁からは一部収縮
により再び剥がれ、一部しかまともに再成形されない。
これによつて生じる熱応力のため亀裂が深くなり、熱放
出がよくないときは、溶解および亀裂個所が特に金型出
口で折損することもあり得る。 鋼の水平連続鋳造は特
にシームレスパイプ、高合金および高品質鋼・高級鋼の
製造の見地から努力が払われており、従つてそれだけに
欠陥のない原材料が要求される。

固定した硬い水平金型から鋳造ビレツトを周期的に引
き出すことは公知である（西独国特許明細書第２０５８
０５１号）。

水平金型の鋳込み側端面の役をするのは、保温式貯湯タ
ンクから冷却式連続鋳造金型への流路断面の挟小部であ
る。引出しの際ビレツトの外皮に、いわゆる１湯境い個
所ョと、いわゆる１熱域ョとが形成されるＪ湯境い個所
ョは、周期的進行と、流路断面挟小部における硬化層の
接触部分とから生じる。１熱域ョとは、ビレツト殼厚さ
が最小の個所のことであり、ビレツト外皮の各個所ての
半径方向硬化開始を示すものである。

引出しの際Ｊ熱域ョは１湯境い個所ョから等間隔を保ち
つつこれと平行に鋳造方向に移動する。連続引出しを行
なうと、。熱域ョは水平金型の末端まで移動し、そこで
鋳造ビルツトを折損するおそれがある。この過程は従つ
て支障のない鋳造を妨げるものである。公知の方法では
引出しプロセスの際休止時間を置き、結晶化と０熱域ョ
での冷却進行とのための時間を与える。しかし、断続引
出しだけでは、引出し休止の間および終了後１熱域ョに
熱割れが生じるのは避けられない。このためこの方法は
周期的に行われ、引出し休止と押圧段階とを互いに交替
させている。押圧段階の間、。熱域ョは引続き冷却され
る。この力／行程／時間の過程を最適化することにより
、１湯境い個所ョおよび０熱域ョでの亀裂発生は避けら
れる。しかし引出し時の鋳造ビレツトの反動により、次
々に形成される殼は不十分にしか形成されなくなり、上
記とは別の表面亀裂を結果として伴う。

水平金型内部にて生じるこのような表面亀裂は、生産能
力減少と結び付かなくとも、あるいは鋳造．過程の中断
を生じさせることがなくとも、少なくとも製品の品質低
下をきたす。特にビレツト断片の断面がより大きくなり
従つて長さが増してくると、反動制御が極めて不正確で
あることが明らかになる。重量の増大（引出し機からの
水平金型ま．での距離）と比較的僅かなビレツト冷却（
重量に比し薄いビレツト殻）が反動制御を困難にする。
本発明は上記の問題点を解決し、改善された殼を有する
ビレツトを成形することによりこの鋳造ビレツトの表面
亀裂を避け、生産される連続鋳造・材料の生産量を高め
ることを目的とするものてある。このため本発明による
水平連続鋳造方法は、貯湯タンク内の溶湯、および／ま
たは、金型内の溶湯あるいは溶芯に対し、鋳造ビレツト
の継続的引出し運動に加えて、衝撃パルスがビレツト引
出し方向に伝達されるものである。

したがつて、金属ビレツトの殼の成形が改善され、表面
亀裂が避けられ、連続鋳造製品の生産性を向上させるこ
とができる。

これとは別の処置として、鋳造ビレツトの断続的引出し
運動と共に、あるいはこれらに加えて、水平金型をビレ
ツト走行方向に約０．５から５７ｍの行程で衝撃的に動
かし、続いて同じかまたは異なつた速度で原位置に戻し
てもよい。

この方式の利点は、製品品質あるいは表面品質により大
きい影響を及ぼすことにあり、これは特に鋳造しにくい
金属、たとえば鋼の場合極めて重要である。従来順次に
しか行われず、引出し機により行われた運動は、これに
より水平金型の運動と重ねられるため、引出し機の１反
動ョに水平金型の１推カョが加わり、あるいは引出し機
の運動を水平金型の運動と重ねて行うことができる。本
発明による方法においては、ビレツト走行方向の衝撃的
運動と帰還運動との間に、水平金型を静止させることを
意図してもよい。

このような停止時間に水平金型内部ては鋳造金属からよ
り多くの熱が奪われるため、ビルツト殼形成が一層強力
に進行する。水平金型の運動は、鋳造ビレツトの引出し
運動の間あるいはそれ以外の時に行なわれるものであつ
てよい。

さらに本発明による方法を実施するための装置として、
衝撃パルスを発生させる機械装置あるいは電気または空
圧もしくはその組合せ装置で、水平金型内の溶芯の作用
方向を有するものが、固設された貯湯タンクおよび固設
された水平金型内に設けられたものが考えられる。

また、別の装置として、貯湯タンクと水平金型とが水平
移動可能なユニットを構成し、このユニットを駆動する
直進駆動装置を設け、かつ溶湯の鋳造路の貯湯タンクと
水平金型との間に、流路断面の挟小部を設けたものが考
えられる。本発明の実施例を図に示し、以下これを詳細
に説明する。

第１図において、ａは引出し機による鋳造ビレツトの運
動を示し、この場合予め定められた速度が鋳造方向に維
持される。引出し機によるビレツトの運動の速度グラフ
は従つて台形となる。ｄで表わされた停止時間の後、ｂ
の時間水平金型の運動が行われ、その後再び水平金型が
静止する時間ｅがある。続いて時間ｃの間水平金型の鋳
造方向と逆の運動が行われ、これに直ぐ続いて、鋳造方
向に引出し機によるビレツトの新しい運動ａが行われる
。運動時間ＡＩ：．ｂを互いに置き換えることはもとよ
り可能であるが、但しその場合水平金型の速度を引出し
機の速度よりも小さくしなければならない。この速度差
は第１図のグラフにｆで示されている。時間Ｄ，ｂ，ｅ
，ｃ（総和）の間に水平金型内のビレツト殼が成長する
。

それにかかわらず運動時間ｂとｃの部分をビレツト殼成
長を妨げることなく行うことが可能である。これらの処
理時間において、時間ｂでの水平金型の運動（鋳造方向
）により生じる圧力のもとでの、水平金型内鋳造金属の
冷却が極めて重要な点になる。第２図および第３図は本
発明による方法を実施するための装置を示す。

ここで１は貯湯タンクを示しており、溶湯１ａにより絶
えず一部満たされているため液位置ｂが生じ、これは１
ｃの給液断面円周の最高点より上にある。貯湯タンク１
は耐火外装２が施されてあり、従つて冷却されない。水
平金型３は峠蕩タンク１と一つのユニ゛刈・をなしてお
り、従つて（以下図示されていないが）フランジ板等で
容易に分解できるように、貯湯タンク１に固定されてい
る。鋳造ビレツト４は水平金型３から出るとき溶芯４ａ
をもつており、これはビレツト殻５に包囲され支えられ
ている。貯湯タンク１と水平金型３の全ユニットはすべ
て支持体６の上にあり、シリンダ７と、ピストンおよび
ピストン棒８とからなる直進駆動装置により、ピストン
連接部材９につながれている。貯湯タンク１は勿論出来
るだけ少ない不活性材で施工されているため、材料は著
しく少なくて済む。

耐火外装２も溶湯１ａに触れない領域ではきわめて薄く
施工することができる。しかしながら、貯湯タンク１お
よび水平金型１３そのものの運動をなくそうとする場合
には、貯湯タンク１内の溶湯１ａ１および／または、水
平金型３内の溶湯１ａないしは溶芯４ａに対し、鋳造ビ
レツト４の断続的引出し運動に加え、以下にさらに述べ
る第４図による装置を用いて、ビレツト引出し方向に衝
撃パルスを伝達するものが用意されている。貯湯タンク
１と水平金型３との間に、耐火材料から成るリング状の
流路断面挟小部１０があり、この挟小部１０には（第３
図）、円錐状剥離縁（１０ａ）が設けられている。貯湯
タンク１とは逆に強制冷却されている水平金型３の中で
、溶湯１ａは硬化して環殼状硬化領域１１となるもので
あるが、これは特に溶湯１ａに対する衝撃パルスにより
生ずるものである。というのは、本発明の作動方式によ
り、最低限の冷却しか行われない熱領域が避けられるた
めである。ビレツト殼成長は従つて一層均等に進行する
ため、第３図に示したように、冷却によつて所望の楔状
の部分１２が得られる。この方法は第４図の装置に従い
、また次のようにも実施することができる。

すなわち貯湯タンク１内で連接部材９に壁面部１３を接
続し、ピストンあるいはピストン棒８により第１図のグ
ラフに従い溶湯１ａに衝撃を加える。比較的高い温度領
域で溶湯１ａを鋳入する際のバッキングその他の問題を
避けるため、壁面部１３を上部から作動機構に接続して
もよい。たとえば衝撃の働きをする振動を、超音波装置
あるいは電気誘導の方法で発生させることも可能である
。このようにして作られた鋳造ビレツト４は搬出ローラ
１４で輸送される。ビレツト走行方向に続く（公知）の
引出し機は描かれていない。以上述べたように本発明に
よると、金属ビルツトの殼の成形が改善され、表面亀裂
が避けられ、連続鋳造製品の生産性を向上させることが
できる。

以下に本発明の好適な実施例を列記する。

（４）保温式貯湯タンク１に供給された溶湯１ａが、流
路断面の挟小部１０を通つて水平方向の冷却式連続鋳造
金型３へ流れ、この金型３から環殼状硬化領域１１を有
する鋳造ビレツト４が断続的に水平方向に引き出される
水平連続鋳造方法であつて、貯湯タンク１内の溶湯１ａ
、および／または、金型３内の溶湯１ａあるいは溶芯４
ａに対し、鋳造ビレツト４の前記断続的引出し運動に加
えて、衝撃パルスがビレツト引出し方向に伝達されるこ
とを特徴とする水平連続鋳造方法。

（Ｂ）水平金型３が鋳造ビルツト４の断続的引出し運動
の他にまたはそれに加えて、約０．５から５顛の行程で
ビルツト引出し方向に衝撃的に動かされ、続いて同じま
たは異なつた速度でその原位置に戻されることを特徴と
する前（４）項に記載の水平連続鋳造方法。

（Ｃ）水平金型３が、ビレツト走行方向の衝撃的運動と
帰還運動との間に、静止状態に保たれることを特徴とす
る前（４）項および（Ｂ）項に記載の水平連続鋳造方法
。

（Ｄ）水平金型３の運動が、鋳造ビレツト４の引出し運
動の間あるいはそれ以外の時に行われることを特徴とす
る前（４）項から（Ｃ）項に水平連続鋳造方法。

（Ｅ）衝撃パルスを発生させる機械装置７，８，１３、
あるいは電気または空圧もしくはその組合せ装置で、水
平金型３内の溶芯４ａへの作用方向を有するものが、固
設された貯湯タンク１および固設された水平金型３内に
設けられていることを特徴とする前（４）項から（Ｆ）
項に記載の方法を実施するための水平連続鋳造設備。

（Ｆ）貯湯タンク１と水平金型３とが水平移動可能なユ
ニットを構成し、このユニットを駆動する直進駆動装置
７，８を設け、かつ溶湯１ａの鋳造路の貯湯タンク１と
水平金型３との間に、流路断面の挟小部１０を設けたこ
とを特徴とする前（４）項から（Ｆ）項に記載の方法を
実施するための水平連続鋳造設備。

【図面の簡単な説明】

第１図は、引出し機によるビレツトの運動と、貯湯タン
クとともに運動する水平金型の運動との、鋳造方向の速
度の変化を示す図、第２図は本発明を実施するための水
平連続鋳造設備の一例を示す図、第３図は第２図のＡ部
の詳細拡大図、第４図は本発明を実施するための水平連
続鋳造設備の他の例を示す図である。 １・・・・・・貯湯タンク、１ａ・・・・・・溶湯、３
・・・・・・水平金型、４・・・・・・鋳造ビレツト、
４ａ・・・・・・溶芯、１０・・・・・・挟小部、１１
・・・・・・環殼状硬化領域。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 保温式貯湯タンクに供給された溶湯が、流路断面の
   挟小部を通つて水平方向の冷却式連続鋳造金型へ流れ、
   この金型から環殻状硬化領域を有する鋳造ビレツトが断
   続的に水平方向に引き出される水平連続鋳造方法であつ
   て、貯湯タンク内の溶湯、および／または、金型内の溶
   湯あるいは溶芯に対し、鋳造ビレツトの前記断続的引出
   し運動に加えて、衝撃パルスがビレツト引出し方向に伝
   達されることを特徴とする水平連続鋳造方法。