JPS6054564B2 - 空気調和装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は空気調和機の吹出風向変更装置に関するもの
で、冷暖房時に室内外温度差に応じて周期的に風向を変
更させることにより快適な冷暖房環境を提供しようとす
るものである。

従来の周期風向変更装置を有した空気調和装置は、室
内の上下温度差あるいは室内の水平方向の温度差など室
内の温度の差を検知してその差が大きくなつた時に風向
変更装置を動作させていたた めに次の様な不都合が生
じていた。

暖房時室内上下温度差を検知するとすれば、第１０図に
示す曲線ａ、ｂの様に、空気調和装置の運転を始めると
時間と共に室温が上昇して行く。この時曲線ａは室内上
部温度、曲線をは室内下部温度であり、曲線ｃは室内の
上下温度差（ａ−ｂ）である。室温が上昇して室内上下
温度差が大きくなり、図中ＯＮの温度差まて達すると風
向変更装置が動作する。そうすれば室内の空気は温風機
から周期的に吹出された温風によりかき乱されて室内上
下温度差は小さくなる。そして、図中ＯＦＦの温度差ま
で縮まると風向変更装置は停止する。停止すれば再び室
内上下温度差が大きくなり風向変更装置が動作する。す
なわち時間ＴｌからＴ。まて動作し、Ｔ。で風向変更装
置がＯＦＦし上下温度差がＯＮ点に達すると、Ｔ。で再
びＯＮする。以下このくり返し運転が行なわれる。 こ
の様に室内の２ケ所以上の点の温度差で風向変更装置を
動作させると短時間に発停をくり返し’てしまうため居
住者に不快感を与えるばかりでなく、制御装置にも悪い
影響を与える原因となつている。

本発明は室内温度分布の要因である室内外温度差を検
知して風向変更装置を動作させることによ・り上記従来
の欠点を解消するものである。

以下本発明の一実施例について、第１図〜第９図に基づ
いて説明する。第１図において、１は熱交換器２、送風
機３を内蔵する空気調和装置本体、４は本体１の前面上
部に設けたスリット状の吹出口、５は本体１の前面下部
に設けた吸込口、そして吹出口４の前面には吹出方向を
上下に吹き別ける横ベーン６と、内部に吹出方向を水平
に周期変更させる風向変更装置７と吹出風速を変更させ
る吹出口絞り装置８とが設けてある。

第２図はその風向変更装置を説明するものである。９は
吹出口に縦に回動自在に並設された縦ベーンで、縦ベー
ン９はクランク装置１０を介して低速モータ１１ど連結
している。

第３図は絞り装置８を説明するものである。１２はラッ
ク１３とピニオン［４を介してステップモータ１５と連
結している絞り板である。

１６は本体１の天板である。

第４図は風向変更装置７と吹出口絞り装置８の制御装置
で、１７は室内側感熱素子、１８は室外側感熱素子、１
９は電位差増幅器、２０はモータ制御部である。上記構
成において、暖房時の動作は第５図の様になる。

第５図は時間経過における室温と外気温の変化及ひ風向
変更装置と吹出口絞り装置の動作を示す。Ａは室内上部
温度変化を示す曲線、２２は室内下部温度変化を示す曲
線、Ｃは外気温度変化を示す曲線、Ｄは風向変更装置と
吹出口絞り装置の０Ｎ，０ＦＦ動作時間を示すものであ
る。暖房を始めると、室内上下温度差が室温の上昇と共
に大きくなつてくる。この時、外気温度の変化が少ない
とすれば、室内外温度差は大きくなりｔ１の温度差に達
する。この温度差は、感熱素子１７，１８より、電位差
増幅器１９に伝えられモータ制御部２０に信号を送る。
そしてモータ制御部２０からは低速モータ１１とステッ
プモータ１５に動作信号を発する。低速モータ１１は回
転し、クランク装置１０を介して縦ベーン９を首振り動
作させる。同時にステップモータ１５も回転し、吹出口
．４の幅を第３図に示すＨ１から鴇まで移動させる。こ
の時外気温度が上昇し室内外温度差がらにまで低下した
とすれば、制御装置により、低速モータ１１は停止し首
振り動作は止まる。同時にステップモータ１５により吹
出口４の幅はＨ２から−Ｈ１に移動する。第５図の点線
は従来の空気調和装置の室内上下温度を示す。この制御
動作を第６図Ａ，ｂ，ｃで説明する。第６図ａは風向変
更装置及び絞り装置の動作しない場合である。この場合
は室内外温度差が大きくなれば、比例して室内上下温度
差は大きくなる。これは、室内外温度差に応じて換気量
や熱伝導が増して冷気が室内に侵入するため、床面付近
の温度が冷やされるためである。第６図ｂは第５図で説
明した制御動作で、室内外温度差がちになるまでは第６
図ａと同じように室内上下温度差は大きくなる。ｔ１で
前に説明したように風向変更装置及び絞り装置が動作し
て、風向が周期的に首振り動作し、吹出口面積が絞られ
るため、温風の到達距離が伸び床面付近に停滞しやすい
冷気を除くため室内上下温度差は小さくなる。風向変更
装置及び絞り装置の動作中、外気温度の変化あるいは室
内設定温度の変更により室内外温度差が小さくなりらに
なつたとすれば、風向変更装置及び絞り装置は停止し室
内上下温度差は第６図ａで示す状態に戻る。第６図ｃは
室内外温度差がちに達すると風向変更装置が始動し、さ
らに室内外温度差がちまで大きくなると絞り装置が動作
する制御である。これらの室内の温風及び冷気の状態を
説明する。第７図Ａ，ｂは室内外温度差の小さい時の状
態で、ａ図が床面付近の平面図、ｂ図が室内の中央を温
風の方向に断面した図である。２１は周壁である。

これによると、室内外温度差が小さいため冷気２２の侵
入が少なく、温風２８が床面に沿つて空気調和装置の対
壁近くまで伸びる。室内外温度差が大きくなれば第８図
Ａ，ｂに示すように、冷気の侵入する量が増し、しかも
室温と冷気の温度差が大きいため、比重の差が大きくな
り床面付近に冷気２２の停滞する範囲が広がる。そのた
め温風２３は床面に沿つて流れることができず室内上部
へ流れてしまい、室上下温度差はさらに大きくなる。こ
の状態て風向変更装置及ひ吹出口絞り装置を始動させる
と、第９図に示すように、温風２３の速度は増し、しか
も首振り吹出しになるため床面付近の冷気２２は周壁２
１の角にのみしか停滞できす上下温度差は減少する。以
上のように本発明の空気調和装置によれば、室内外温度
差が大きくなつた時に周期的に風向を変更させ、吹出風
速を上けて温風を吹き出すことにより、床面付近に停滞
しやすい冷気を防ぎ室内上下温度差及び、室内の水平温
度差を小さくすることができ快適な暖房が可能であるこ
とや冷房においても、同じように室内外温度差が大きく
なつた時に、冷風を周期的に風向変更することにより冷
風の循環する範囲を広げ、同じ効果を得ることができる
ことや急激な変化の少ない室内外温度差によつて風向変
更装置を制御するため従来の様に風向変更装置の発停を
くり返すこともなく居住者に不快感を与えないなどの優
れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の空気調和装置の一実施例を示す断面図
、第２図は上記空気調和装置の風向変更装置の説明図、
第３図は上記空気調和装置の吹出口絞り装置の説明図、
第４図は上記空気調和装置の制御部のブロック図、第５
図は上記空気調和装置の動作時の温度と時間の関係特性
図、第６図ａは上記空気調和装置の風向変更装置及び吹
出口絞り装置を動作させない場合の室内外温度差と室内
上下温度差の関係特性図、第６図ｂは上記空気調和装置
の関係特性図、第６図ｃは他の実施例における関係特性
図、第７図Ａ，ｂはそれぞれ本発明の空気調和装置の一
実施例における室内外温度差の小さい時の冷気と温風の
分布図、第８図Ａ，ｂはそれぞれ上記空気調和装置の室
内外温度差の大きい時の冷気と温風の分布図、第９図Ａ
，ｂはそれぞれ上記空気調和装置の風向変更装置及び吹
出口絞り装置動作時の冷気と温風の分布図、第１０図は
従来の空気調和装置の温度と時間の関係特性図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 吹出口に風向を周期的に変更せしめる風向変更装置
   と吹出口面積を絞る絞り装置とを有し、室内外温度差に
   応じて前記風向変更装置及び前記絞り装置を動作せしめ
   る制御装置を設けてなる空気調和装置。 ２ 室内外温度差が大きくなつた時に風向変更装置を始
   動させ、小さくなつた時に風向変更装置を停止させる制
   御装置を設けてなる特許請求の範囲第１項記載の空気調
   和装置。 ３ 室内外温度差が大きくなつた時に吹出口面積を絞り
   、小さくなつた時に吹出口面積を拡げるように上記絞り
   装置を動作せしめる制御装置を設けてなる特許請求の範
   囲第１項記載の空気調和装置。 ４ 風向変更装置と絞り装置の作動する室内外温度差に
   差を有する制御装置を設けてなる特許請求の範囲第１項
   記載の空気調和装置。