JPS605315Y2 - 太陽熱集熱管製造用型材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は太陽熱集熱装置に関し、殊に太陽熱集熱装置に
使用する集熱管を製造する型材に関する。

近時、各種の太陽熱集熱装置が使用されるようになった
が、中でも円筒状集熱管を有する集熱装置は追尾の必要
がなく又熱効率が高いので注目されている。

従来から使用されているこの種の装置は第１図に示すよ
うに、箱形ケーシング１の底部に断熱材２を介して表面
に光輝性を有して円弧状凹曲面を備える反射板３を並設
し、各反射板３の反射面の焦点には該反射板の母線に平
行の軸線を有する太陽熱集熱管４を配設し、ケーシング
１の上面を透光板５で被覆する。

透光板５を通過した太陽光線は反射板３で矢印の方向に
反射されて集熱管４に集収される。

集熱管４は第２図に示すように直径約１００ｍ＋ｙ＋の
集熱円筒６と、その内側母線上に沿って連接結合した抱
持円筒７と、該抱持円筒７内に嵌合した直径約１０ｍｍ
の導水管８とを備える。

集熱円筒６及び抱持円筒７は製作の容易性及び価格面か
ら通常アルミニウム合金等の押出型材を使用し、導水管
８は水に対する耐蝕性を考慮して通常銅を使用する。

集熱管４の集熱円筒６で集収した太陽熱線は抱持筒７を
介して導水管８に伝達し、導水管内の水を加温してこれ
を例えば建築物の暖・冷房に供する。

この場合熱伝導効率は抱持円筒７と導水管８との密着性
に大きく左右される。

２従来集熱管製造用型材は第２図に示す形状に形成され
ており、抱持円筒７に導水管８を嵌合するには両者の間
に若干の公差を与えて導水管８を遊嵌合した後、水圧、
油圧或は先端が球形の工具を用いて導水管８を孔の内側
から拡径して抱持筒７の内壁に密着状に圧着していた。

しかし、この従来の集熱管製造用型材により集熱管を製
造するには上記の如く何れも複雑な装置を必要とし、集
熱管４が長いと工作が困難となり、過度に拡径すれば抱
持円筒７が変形又は破損する等工作の困難、引いてはコ
スト高につながる欠点があり、又集熱円筒と抱持円筒を
２重円筒状に成型する押出金型の製作は甚だ困難なもの
であった。

本考案は上記を考慮してなされたもので、単純な操作に
よって抱持円筒と導水管とを確実に密着させ得るように
した太陽熱集熱管製造用型材を提供するものである。

以下添付図面に示す実施例について本考案を説明する。

本案集熱管製造用型材は第３図に示すように、集熱円筒
６の内側母線上に沿って抱持円筒７を連接結合し、その
反対側、即ち図の下方に向けて両円筒の部分６Ａ、６Ｂ
及び７Ａ、７Ｂが夫々左右に切開かれた開口部分９及び
１０を有し、又集熱円筒６の開口端辺上には補整的に係
合する咬合部１１Ａ、ＩＩＢを形成するように形成する
。

押出金型をこのように形成すると第２図のものに比べて
押出しが容易であるばかりでなく金型の製作が容易でか
つ耐久性がある。

又円筒部分６Ａ、６Ｂ及び？Ａ、７Ｂは内側母線の部分
１２を介して連結された型材のため高い寸法精度に形成
できる。

尚両円筒の部分６Ａ、６Ｂ及び７Ａ、７Ｂは夫々はぼ対
称に形成することが好ましい。

以下に本考案を用いて集熱管を製造する方法を説明する
。

このように形成した抱持円筒７の開口部１０内に導水管
８を収容する。

導水管８は集熱円筒６の内側母線に対して直角方向に挿
入してもよく又上記母線に平行に直接開口部分１０内に
挿入してもよいが、何れにしても開口部分１０内に遊嵌
合状態にある。

尚実施例のものは開口部分１０を導水管８の外径より若
干大きくし、集熱円筒６の内側母線に対し直角方向に挿
入できるようにしである。

次に第４図に示すように、部分６Ａ、６Ｂを左右外側よ
り押圧する（アルミニウム合金からなる集熱円筒６は適
宜の弾発力を有している）。

部分６Ａ、６Ｂを押圧すると抱持円筒７の部分７Ａ。

７Ｂも上記母線を軸として内方に撓み導水管８を挾持す
るに至る。

この時集熱円筒６の部分６Ａ。６Ｂの開目端辺は未だ互
に接触しない。

集熱円筒６の部分６Ａ、６Ｂをさらに押圧すると部分７
Ａ、７Ｂはテコの原理で導水管８を密着状態にさらに強
く圧着する。

さらに部分６Ａ、６Ｂを押圧して咬合部１１Ａ、ＩＩＢ
を互に係合すると集熱円筒６の咬合部１１Ａ、ＩＩＢに
は集熱円筒の弾発力が作用するので咬合部が容易に外れ
ることはなく円形断面を維持する（第５図）。

第６図は本考案の別の実施例を示したもので、この実施
例では集熱円筒６の内側母線の部分１２を図の上方に綾
状に突出させたもので、このようにすることによって集
熱円筒６及び抱持円筒７の弾発力をさらに向上させてい
る。

本考案の集熱管製造用型材は上記のように構成したので
集熱管の製造に際し単純な操作で導水管を抱持円筒に装
着でき、又導水管が抱持円筒に弾発状に密着挾持される
ばかりでなく多年使用後に導水管又は抱持円筒及び集熱
円筒を交換すること及び集熱管内面に表面処理を施すこ
とが容易である等多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の太陽熱集熱装置の一例を示す断面図、第
２図は第１図に使用する集熱管の拡大断面図、第３図な
いし第５図は本考案を利用した集熱管の製造工程を工程
順に示した断面図、第６図は本考案の別の実施例を示す
断面図である。 ４・・・・・・太陽熱集熱管、６・・・・・・集熱円筒
、６Ａ。 ６Ｂ・・・・・・集熱円筒の部分、７・・・・・・抱持
円筒、７Ａ、７Ｂ・・・・・・抱持円筒の部分、８・・
・・・・導水管、９・・・・・・集熱円筒の開口部分、
１０・・・・・・抱持円筒の開口部分、ＩＩＡ、ＩＩＢ
・・・・・・集熱円筒の咬合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 太陽熱を集収する集熱円筒と、該円筒の内部空間に
   これと平行配置の導水管と、該導水管を保持する抱持円
   筒とからなる太陽熱集熱管製造用型材において、集熱円
   筒６の内側母線上に沿って導水管８を収容する抱持円筒
   ７を連接結合し、その反対側周円筒部分６Ａｔ ６Ｂ
   ｔ ７Ａｔ７Ｂが夫々左右に切開かれた開口部分９，
   １０を有すると共に集熱円筒の開口端辺上に咬合部１１
   Ａ、ＩＩＢを形成してなり、さらに導水管８を円筒部分
   ？Ａ、７Ｂ間に挿入した状態で円筒部分６Ａ、６Ｂを押
   圧した場合に咬合部１１Ａ、ＩＩＢを係合するより先に
   上記円筒部分７Ａ、７Ｂは導水管８に密着される形状と
   したことを特徴とする太陽熱集熱管製造用型材。 ２ 上記集熱円筒６と抱持円筒７の一体製品がアルミニ
   ウム合金等の押出型材からなる実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の太陽熱集熱管製造用型材。