JPS6052897B2 - ブロ−チ加工用工作物支持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は管状工作物、特に薄壁工作物のプローチ加工
、又は類似の加工を受ける工作物用支持装置に関する。

薄壁工作物のプローチ加工が、刃先と刃物の転位方向と
に垂直なりに基因する前記壁の半径方向変形のため、し
ばしば不可能になることは知られている。この変形はが
たがた又は相当な削り不整合をもたらし、それで不満足
な表面状態と精度の欠除とが生ずる。キーみぞ、又はス
プラインの切削のような局部的プローチ加工ができるよ
うに、薄壁チューブのような工作物を囲うことが提唱さ
れているが、工作物のブランクの挿入とプローチ加工完
了后の工作物の取外しを可能にし、しかも挾み具の内面
を通じて良好な受け関係を成就するために、ブランクに
は高精度の外側寸法が要求される。フォーミング延伸又
は其他従来の加工法によつて工作物が得られる場合には
、その面は非常に不正確で物によつて著しく異る結果、
上記改良案は効果に乏しい。事実、ブランクの外側寸法
が理論寸法を越える場合には、挾み具へのブランクの挿
入は困難で、半径方向の弾性縮みを生じ、これが原因で
、挾み具から取外した後、所望寸法より小さな寸法のも
のを生ずる。他方、ブランクの外側寸法が理論寸法より
小さい場合には、工作物の挾み具への挿入は意のままで
、プローチ加工作業中、工作物は刃先の推力の影響下に
弾性膨張し、その結果として加工の終了後原形への弾性
戻りに基因する工作物の縮みが生じ、又所望寸法より大
きなものが生じる。加工不整合に因る損害．は、この場
合の方が大きい。この発明の目的は、ブランクの厚さが
正確な寸法公差内に維持されていない場合でも、薄壁工
作物に良好な表面状態と、正確な寸法とを付与するプロ
ーチ加工作業を可能にすることにある。

この．発明は、特に、延伸、圧延、熔接、鍜造、フォー
ミング、熱間あるいは冷間線条延伸で得られる部分チュ
ーブのプローチ加工を可能にするものである。この発明
は管状工作物をプローチ加工するため・支持する装置を
提供し、この装置は、支持体に担持され、かつ工作物の
ほぼ縦方向に伸びる少くとも１個の受け表面を形成する
剛性スリーブと、このスリーブに対して縦方向に移動可
能に取付けられ、第１面でスリーブの受け表面に接触し
、この第１面と反対側に形成された第２面の扇形領域に
おいてプローチ加工をうける工作物の外表面の扇形部と
全長に亘つて係合するようになつている少くとも１個の
くさび形手段と、工作物の縦方向にほぼ垂直で、中心開
口部をもち、かつ工作物の一端面が当接する固定当接面
と、くさび形手段をその作用方向に推進する手段と、く
さひ形手段を作用方向と反対方向に転位させる手段とを
具えていノ る。

其他有利な特徴は、スリーブの受け表面とくさび形手段
の隣接表面とは、工作物の縦方向に対して約２〜１０度
の角度を成して傾斜し、もう１つのプレートが支持体と
直進プレートとの間に設けら・れている。

この発明を添付図面に示す実施例に基いて以下により詳
細に述べる。

第１〜３図は、プローチ加工作業をうける薄壁管状工作
物の保持に使用されるこの発明に係る工″作物支持装置
を示す。

この場合の工作物Ｐは一部環状横断面をもつ三対のレー
スウエーＣを有する三脚等速継手の一部材と考えられる
。しかしながら、プローチ加工される工作物の断面形が
異なるので、この発明の装置をその休止中変形し、それ
ぞれの特殊形に使用できるようにすることは理解されよ
う。前記装置は、例えば筒状リング３にねじ止めされた
環状プレート１によつて形成された固定支持体を有する
。

リング３の内部には硬く重いスリーブ４が位置し、それ
はおのおのが１２０度の中心角を有する３個の同一部品
から成る。これら３個の部品はそれぞれ空所を有し、こ
の空所は、ほぼ矩形の断面をもち、平な底部５とほぼ工
作物の縦方向に向いているが、工作物と装置のＸ−Ｘ軸
線に対して約２〜１０度の間の角度で傾斜する２個の側
壁６（第２，３図）とで形成されている。側壁６はプレ
ート１の方向に向つて細くなつている。プレート１には
中心開口部７があり、その形状と寸法は、半径方向当接
面８がスリーブの空所の底部５を限定するに足る程度の
ものである。固定支持体、さらに正確にはリング３には
、取付部材が取付けられている。

この取付部材はリング３の前壁３ａにねじ込まれるねじ
山端部１１をもつ３本の案内ロッドと、ばね１４のワッ
シャ１３の接合面としての作用をするヘッド１２とを具
えている。リング３の前面に傾斜部位置６ａ及びほぼ水
平な部位置６ｂ（第２図）に終る３本の傾斜部１６を担
持する回動プレート１５を装着する。さらに、このプレ
ート１５には３個のわん曲開口部１７が設けられ、この
開口部１７は軸線Ｘ−Ｘを中心とし、その中をロッド１
０が伸びる。プレート１５にはハンドル１８が固着して
おり、このハンドル１８で回転される。直進プレート２
０は案内ロッド１０に沿つて摺動可能に取付けられ、ば
ね１４で回動プレート１５の方向に偏倚される。この直
進プレート２０には３個の開口部２１があり、それへ傾
斜部１６が嵌入するのが普通である。直進プレート２０
は６個のくさび形部材２２を担持し、この部材は一端２
３でこのプレート２０に枢支され、定着部材２４を中心
に旋回する。これらくさび形部材には傾斜面２５があり
、それとほぼ同一角度で傾斜するスリーブの隣接側壁６
と当接するようにされている。さらに、くさび形部材に
は第２面２６があり、この面は摺動面一２５に対向し、
またプローチ加工の対象工作物Ｐの外形に一致する。く
さび形部材は、被加工ゾーン内の工作物にもたれかかる
。上記した装置は次のような方法で使用される。

加工される工作物のブランクは、直進プレート２０がハ
ンドル１８及び回動プレート１５の回動と、傾斜路１６
の作用とで退出位置にあり、くさび形部材２２が左へ移
動したところで正しく配置される。ブランクＰは、（図
示されるように）その右端て固定プレート１の当接面８
にもたれかかる。

次で、回動プレート１５を反対の解除位置に回動すると
、ばね１４の作用て直進プレート２０は第１〜３図に示
す位置にくる。くさび形部材の平面２５は、スリーブの
対応する平面６に沿つて摺動し、ブランクを正しい位置
に固定する。くさび形部材の勾配としては、それにより
生ずる摩擦がシステムの逆行を阻止するに足る最小のも
のを選択するのがよい。これらのくさび形部材は、その
結果、プローチ加工作業中、ばね４０の作用で、その当
初得られた位置を維持する。プローチ加工作業中、ここ
に述べる実施例のレースウエーＣの表面で形成される被
加工物の内表面は、それに垂直な切削力を受けても曲ら
ない。これは、くさび形部材自体が剛性スリーブの傾斜
面に支持されているので、ブランクの対応外側ゾーンを
堅固に保持するからである。このようにして、薄壁のた
わみ性工作物のプローチ加工を、あたかも厚く、剛性な
工作物におけると同様な正確さで実施できることになる
。プローチ加工作業が完了した場合には、回動プレート
１５を回動してプレート２０とくさび形部材２２とを左
に移動させて工作物の支持を解除する。

くさび形部材の解除又は係合に用いられる手段を、この
発明の範囲を逸脱せずに変更できることは理解されよう
。

従つて、カム装置を、プレート２０を軸線Ｘ−Ｘ方向に
推進する水圧ジャッキあるいはその他のやや複雑な類似
装置と置換することも可能であろう。第４，５図は、全
体として同じ構造であるが、次の点で第１−３図の実施
例と異なる。

第１点として、第１実施例のプレート１５，２０に相当
する２個のプレート３０，３１は、第４図に図示されな
いロッド１０のようなロッド上に摺動可能に取付けられ
る。ばね１４のようなばねの取付けもできる。これら各
プレートは、スリーブおよびリングの隣接面から相互に
離れて、第５図に示すスペーサブロック３２，３３によ
つて退出位置に維持される。さらに、各ブロック３５は
ここでは複数のブロック３６，３７，３８，３９で形成
され、その端ブロック３６はロッド４０に固着され、こ
のロッドは直進プレート３１に軸支される。

其他のブロックはこのロッドに摺動可能に取付けられ、
かつばね４１によつて相互に間隔を置いて配置される。
ばね４２をブロック３９とプレート３０との間に設ける
こともできる。プローチ加工をうけるブランクが、前記
のように端プレート１に当接して配置されたのち、プレ
ート３０，３１とくさび形部材３５を解除位置にもたら
すと各くさび形部材はスリーブ４の傾斜平面６と、プロ
ーチ加工される工作物の壁の外面とにもたれかかる。こ
のた・め前記壁はその全長を通じて堅固に維持され、ブ
ランクの両端間に起り得るいかなる厚さ又は形状の変化
も補正される。なぜならばくさびを構成する各部位が移
動して、遂には形成された空間に従つてくさび止め位置
に達するからである。固定支持体の前方壁とプレート３
０の間、および２個のプレート３０，３１間にそれぞれ
２個のブロック３２，３３を設けることによつて、くさ
び形部材の退出運動が増大され、工作物の取外しおよび
位置ぎめの促進が可能となる。

これで充分な場合には、プレート３１のみを、第１−３
図に示す実施例の場合のように、軸方向に転位すること
も可能であることが理解されよう。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例の縦断面図、第２図は第１図
の線２−２による断面図、第３図は第２図の線３−３に
よる断面図、第４図と第５図はこの発明の他の実施例の
第３図の類似の断面図である。 １・・・環状プレート、３・・・リング、４・・・スリ
ーブ、５・・・底部、６・・・側壁、７・・・開口部、
８・・・当接面、１０・・・ロッド、１２・・・ヘッド
、１４・・・ばね、１５・・・回動プレート、１６・・
・傾斜路、１７・・・わん曲開口部、１８・・・ハンド
ル、２０・・・直進プレート、２１・・・開口部、２２
・・・くさび形部材、２５・・傾斜面、２６・・・第２
面、３０，３１・・・プレート、３２，３３・・・ブロ
ック、３５・・・ブロック、Ｃ・・ルースウエー、Ｐ・
・・工作物。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 支持体に担持され、かつ工作物のほぼ縦方向に沿つ
   て伸びる少くとも１個の受け表面を有する剛性スリーブ
   と、このスリーブに対して縦方向に移動可能に取付けら
   れ、スリーブの受け表面に接触する第１面及び、ブロー
   チ加工を受ける工作物の扇形領域に位置し、工作物の外
   表面の扇形部と全長に亘つて係合する第１面と反対側の
   第２面が形成されている少くとも１個のくさび形手段と
   、工作物の縦方向にほぼ垂直となつていて中心開口部を
   もち、かつ工作物の一端面と協働するようになつている
   固定当接部材と、くさび形手段をそのくさびの作用方向
   に推進する手段と、くさび形手段をそのくさびの作用方
   向と反対の方向に転位させる手段とを具えていることを
   特徴そするブローチ加工用工作物支持装置。 ２ 前記スリーブの受け表面及びこれと隣接するくさび
   形手段の表面が、工作物の縦方向に対して約２〜１０度
   傾斜していることを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の支持装置。 ３ 前記くさび形手段が複数のブロックによつて構成さ
   れ、そのうち少くとも若干は案内手段に沿つて摺動可能
   に取付けられ、ばねが隣接ブロック間に設けられている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項又は第２項記載
   の支持装置。 ４ 前記くさび形手段が支持体に固着したロッド、又は
   その類似手段に沿つて工作物の縦方向に平行な方向に摺
   動可能に取付けられる直進プレートに担持されることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項、第２項、又は第３項
   記載の支持装置。 ５ くさび形手段が直進プレートに軸支されることを特
   徴とする特許請求の範囲第４項記載の支持装置。 ６ 前記支持体と直進プレートとの間にもう１つのプレ
   ートを有することを特徴とする特許請求の範囲第４項記
   載の支持装置。 ７ 前記もう１つのプレートがロッド又は類似手段に摺
   動可能に取付けられることを特徴とする特許請求の範囲
   第６項記載の支持装置。 ８ 前記もう１つのプレートが支持体と直進プレートと
   に対して回転可能に取付けられ、かつ直進プレートを支
   持体から離すように移動させる作用をもつ傾斜路を具え
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第６項又は第７
   項記載の支持装置。 ９ くさびの作用方向に前記くさび形手段を備倚する手
   段が弾性手段であることを特徴とする特許請求の範囲第
   １〜８項のいずれかに記載の支持装置。 １０ 前記弾性手段を案内ロッド上の受け表面と、直進
   プレートとの間に介在させることを特徴とする特許請求
   の範囲第９項記載の支持装置。 １１ 前記支持体が工作物のための半径方向当接面を有
   するプレートと、スリーブを収容するリングとから成る
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１〜１０項のいずれ
   かに記載の支持装置。