JPS6052036B2 - 海苔刈取り船 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、海苔養殖網から海苔を収穫する海苔刈取り船
に関し、特に通常「浮き流し」と言われる浮子を付けた
海苔網を、海面に浮カルて錨で止める養殖法による海苔
網から海苔を収穫するのに適した海苔刈取り船に関する
。

〔従来の技術〕

従来、海中に立設した支柱に、海苔網を張つて養殖した
海苔を収穫する作業、もしくは前記「浮き流し」によつ
て養殖された海苔の収穫作業は、バキュームポンプを搭
載した船を海苔網に横付けして、該バキュームポンプと
フレキシブルホースなどにより連結している吸い込み口
を海苔網の上面に持つていき、海水とともに海苔を吸い
上げて船内に貯蔵していくものである。

しかしながら、このような作業形態では、手間の掛る割
りに海苔の収穫率が悪く、また収穫作業が厳寒の冬の海
で行われるため、船上で行うことは非常に作業条件Ｊを
悪くするという欠点を有していた。このような問題点を
解消するために、例えば特開昭５３−１３８１８９号公
報に開示されているように、ピアノ線式刈取り機を搭載
した箱舟を海苔網の下側をくぐらせ、上記刈取り機によ
つて海苔を採取７するものが提案されているが、この種
箱舟による海苔の刈取りは、動力推進器がない箱舟であ
り、人力によつて海苔網を舟上にたぐり揚げ、ピアノ線
式刈取り機の上に海苔網をかけ、人力によつて海苔網を
たぐり寄せながら箱舟を推進させ、海苔網の下に垂れ下
つた海苔葉を刈取るもので、海苔網の両外側に夫々１人
の最低２人の作業者を配置させる必要があり、相当苛酷
な労働を強いられるばかりか、作業スピードが遅く、そ
のため長時間の労働が要求されるなど数々の問題があつ
た。

〔発明の目的〕本発明は、このような実情に鑑みなされ
たもので、簡単な而も合理的手段、詳しくは、少くとも
、船体に搭載せる刈取り構構より前方の船体左右舷側上
方に、海苔網の前部案内部材を設け、該前部案内部材の
前部を下向きに傾斜させ、かつ、その先端を、船体の舶
より前方の海中に没入する位置に配したので、船の推進
力によつて、海面と張設された海苔網の張設延長方向よ
り船を進行させれば、自動的に海苔網を海面から連続的
に抄い上げ、少くとも、海苔刈取り機に導くことができ
、人力により海苔網をたぐり寄せつつ船を前進させ、海
苔網を海面から引きあげて海苔刈取り機の上方まで苦労
して誘導しなくてはならないといつた従来技術の問題点
を解消せしめ、海苔の刈取り効率及び省力化の向上を計
り、更に、刈取り構構の下手側に、海苔網のほぼ全巾に
わたつて、これの下方から上向きに噴射する注水部材を
配設したことにより、刈取り後の海苔網の洗浄と海苔の
回収効率の向上が計れる海苔刈取り船を提供せんとする
ものである。

〔実施例の説明〕

図面について、本発明実発明の詳細な説明す一る。

第１図は通常１浮き流しョと言われる海苔の養殖法の斜
視図であり、１は海苔網、２はフィ、３は錨であり、こ
れらはそれぞれ綱４により締結されている。そして海苔
網１はフィ２により海面に浮び、錨３により固定されて
いる。第２図は、！本発明の一実施例の側面図、第３図
は平面図で、推進器を備えた船体５の上部には、案内バ
イブ６が設けられており、該案内バイブ６は、前部案内
バイブ７及び上部案内バイブ８に分割されている。そし
て前部案内バイブ７は平面形状がＵ字型・に形成されて
おり、このＵ字型の湾曲した先端は船首よソー定の傾斜
で海中に没し、他端は下向きの脚９により甲板に立脚す
るとともに、前部案内バイブ７の基部は、前記上部案内
バイブ８にボルト１０により着脱自在および回動可能に
取り付けられている。また前記上部案内バイブ８は、船
体５の左右舷側上方に、船体５の軸線方向と平行に２本
配設されたバイブにより形成されており、それら２本の
バイブは、船体５の軸線方向と直交する数本の桟１１に
より相互に連結されるとともに、脚１２により船体５に
固定されている。そして上部案内バイブ８は、前記前部
案内バイブ７により抄い上げられた海苔網１が円滑に船
体ノ後部へ導かれるように前部案内バイブ７と連続した
曲線、もしくは、直線を形成するように構成され、上部
案内バイブ８の後部は海苔網１が円滑に海面に戻り得る
ように下方に屈曲されている。前記前部案内バイブ７及
び上部案内バイブ８の幅・は、海苔網１の幅とほぼ同一
にか、それよりも大きくすることが望ましい。前記案内
バイブ６は上記のように、ボルト１０部からの分割及び
回動可能とされている方が、船の養殖場への往復時に前
部案内バイブ７を海中よ”り引き上げることができ、海
水の抵抗を受けることがなく、また碇泊時における前部
案内バイブ７の損傷、破壊を防止する意味て好ましいが
、分割せすに全てを固定しておいても、海苔の刈取り作
業には、本質的に問題はない。

また前部案内バイブ７の先端形状はＵ字型に限らず■字
型など海面に浮かんでいる海苔網１を船体５の前進に伴
ない、円滑に抄い上げ得る形状であればよいので、特に
限定されるものではない。前記前部案内バイブ７の船首
領斜部の下方には、従来公知の刈取り構構１３が設けら
れており、該刈取り構構１３は、電動機（図示せす）な
どによつて回転される軸１４に、ほぼ前部案内バイブ７
と同一の幅を有するＬ字型の刃１５を放射状に取り付け
、そのＬ字型刃１５を回転させることにより海苔網１か
ら垂れ下がる海苔を刈取るものである。

この刈取り構構１３としては、他に２枚の円盤の外周間
にピアノ線などの線材を張設したものを回転させること
により、張設された線状で海苔を刈取つても良く、連続
して刈取る構構であれば上記に限定されるものではない
。また刈取り構構１３の直後には前記前部案内バイブ７
の幅全体にわたつて海苔網１の裏側に水を噴射する穴１
６を有する注水部材１７が取り付けられており、前記刈
取り構構１３の刈り残した海苔を、海水の注水力で洗い
落し海苔の収穫率をさらに向上させるものである。

そして船体５の中央部には収穫された海苔を収穫する収
納部１８が設けられており、前記刈取り構構１３で刈取
られた海苔及び注水部材１７によ．つて洗い落された海
苔は、収納部に向つて傾斜している甲板を滑りながら収
納部１８に納められる。

また船体５の最後尾には操舵室１９が設けられており、
該操舵室１９の高さは、海苔網１の案内バイブ６上の走
行を妨げないように、案内バイブ６の高さより低くなつ
ており、該操舵室１９内には刈取り構構１３の電動機及
び海水ポンプなどの操作機器を備えており、全てこの操
舵室１９内で操作を行うことが最も好ましいものである
。

〔効果〕以上のように本発明の構成によれば、次のよう
な効果が得られる。

（ａ）船体を海苔網の張設延長方向より自刃推進力によ
り進入させ、先端を海中に没入させた前部案内部材によ
り海苔網を海面から連続的に抄い上げ、船の自刃前進に
伴い海苔網を船体後部へ導き、船体後部から再び海面に
戻すその間に前部案内部材に沿つて移動する海苔網から
垂れ下がつた海苔の葉体を刈取り構構により連続して刈
取り収穫し、船体内に収納することができ、収穫率の向
上が図れるとともに、作業性及び従来技術に比べ大巾な
省力化を高め、さらに海上作業の事故が防止しうる。

（ｂ）刈取り後の海苔網の裏面に対する注水作用により
、刈取り残しの悔苔の回収を計つて更に収率を高め、か
つ、海苔網の洗浄も同時になしうる。

（ｃ）構造が簡単で安価に製作でき実用上非常に優れた
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は浮き流しによる海苔養殖設備の斜視図、第２図
は本発明の一実施例の側面図、第３図はその平面図、第
４図は刈取り構構の一実施態様を示す縦断正面図である
。 １・・・・・・海苔網、５・・・・・・船体、６・・・
・・・案内バイ・プ、７・・・・・・前部案内バイブ、
８・・・・・・上部案内バイブ、１３・・・・・・刈取
り構構、１６・・・・・・穴、１７・・注水部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ （ａ）船体の上部に海苔網を海面から抄い上げ、船
   体の後部へ導きながら海苔網から垂れ下がる海苔を刈取
   る機構の海苔刈取り構構を搭載した海苔刈取り船におい
   て、（ｂ）該刈取り船に自力推進機構を設け、（ｃ）少
   なくとも、上記刈取り構構より前方の船体左右舷側上方
   に、海苔網の前部案内部材を設け、該の前部案内部材の
   前部を下向きに傾斜させ、かつ、その先端を、船体の■
   より前方の海中に没入する位置に配したことを特徴とす
   る海苔刈取り船。 ２ （ａ）船体の上部に海苔網を海面から抄い上げ、船
   体の後部へ導きながら海苔網から垂れ下がる海苔を刈取
   る機構の海苔刈取り構構を搭載した海苔刈取り船におい
   て、（ｂ）該刈取り船に自力推進機構を設け、（ｃ）少
   なくとも、上記刈取り構構より前方の船体左右舷側上方
   に、海苔網の前部案内部材を設け、該の前部案内部材の
   前部を下向きに傾斜させ、かつ、その先端を、船体の■
   より前方の海中に没入する位置に配し、（ｄ）更に上記
   刈取り構構の下手側に、海苔網のほぼ全巾にわたつて、
   これの下方から上向きに噴射する注水部材を配設したこ
   とを特徴とする海苔刈取り船。