JPS6051362B2 - 改良ポリベンツイミダゾロン選択透過膜 - Google Patents

改良ポリベンツイミダゾロン選択透過膜

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JPS6051362B2
JPS6051362B2 JP4097877A JP4097877A JPS6051362B2 JP S6051362 B2 JPS6051362 B2 JP S6051362B2 JP 4097877 A JP4097877 A JP 4097877A JP 4097877 A JP4097877 A JP 4097877A JP S6051362 B2 JPS6051362 B2 JP S6051362B2
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JP
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membrane
polybenzimidazolone
crosslinking
film
polymer
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重義 原
豊 竹谷
譲 林
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/58Other polymers having nitrogen in the main chain, with or without oxygen or carbon only
    • B01D71/62Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain

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  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、逆浸透膜として優れた実用性能を有する改良
ポリベンツイミグゾロン選択透過膜に関するものである
本発明者らは、先に下記式(I) 〜ArC■O ・・・・・・・・・(I)(れ) 〔但し、式中Arは芳香族基、NとNは芳香族基におい
て、オルト位に位置している。
〕で表わされるベンツイミダゾロン環を主鎖に有する新
規重合体の合成方法を見出し(例えは特開昭ぐン・、汗
50−1520叩号)、更にそれが、優れた選択透過性
を有する逆浸透膜として使用出来ることを見出している
(例えば特開昭51−3787月)。
該ポリベンツイミグゾロン膜は従来この分野において用
いられてきたセルローズアセテート膜や芳香族ポリアミ
ド膜に比して、少なくとも同等の選択透過性を持つだけ
ではなく耐熱、耐酸、耐アルカリ性及びある種の酸化剤
に対する安定性がより優れている事が、確認されており
、従来の如き、ガン水の脱塩、超純水の製造の如き限ら
れた用途のみでなく、各種メッキ等の金属表面処理の洗
浄水のクローズド化処理やジュース、煮た七汁ノ等の濃
縮処理等、加熱、アルカリ又は酸化剤による滅菌処理の
必要な各種食品処理等の各種工業のプロセスに、実用的
に使用出来る事を見出した。しかし、該膜は、一般には
従来から慣用的に用いられてきた相分離法によつて得ら
れるものを使ク用した場合、高圧下はいわゆる圧密現象
がセルローズアセテート膜や芳香族ポリアミド膜と同程
度ではあるが観測される事、極端な高PHや高温で使用
した場合,又はある種の有機溶媒を含有する水溶液に接
せしめた場合には,有効な不均質構造が破壊される事等
,より広範な用途に用いる場合には未だ不都合な点が存
在する事が判明してきた。そこで本発明者等はポリベン
ツイミダゾロン膜の有する優れた性質を保持しつつ,そ
の欠点を克服する方法を鋭意検討した結果,可溶性のポ
リベンツイミダゾロンを用いた成膜過程及び/又は成*
3膜後の処理によつて,適当な架橋剤と反応せしめて,
架橋されたポリベンツイミダゾロン膜を形成せしめる事
によつて上記の如き欠点を大巾に改良しうる事を見出し
,本発明に到達したものである。即ち,本発明は, 下記構造式 で表わされる繰返し単位からなるポリベンツイミダゾロ
ンから形成されたポリベンツイミダゾロン選択透過膜に
おいて,当該ポリベンツイミダゾロンを有機溶媒溶液か
ら成膜及び/又は成膜後に処理する際に架橋剤を存在せ
しめて架橋せしめた改良ポリベンツイミダゾロン選択透
過膜である。
本発明で用いられる可溶性のポリベンツイミダゾロンは
上記構造式で表わされるベンツイミダゾロン環結合を主
鎖中に有する実質的に鎖状のものであるが,一般に,高
分子鎖中の炭素数6晦に少なくとも平均一個以上存在す
るものである事が好ましい。本発明において用いられる
ポリベンツイミダゾロンは,それ自体,自立性のフィル
ム形成能を発現する程度の重合度を有するものが好まし
いが,成膜過程において架橋を行なう形式をとる場合に
は,それよりも小さい分子量のものを使用する事.も出
来る。
その場合,固有粘度は一般に0.1以上、前者の場合に
は0.4以上である事が好ましい。本発明による架橋膜
を得るための架橋反応の態様としては,もとのポリベン
ツイミダゾ七ンのど,の部分が架橋に関与するかによつ
て,下記の三種に大別出来る。
即ち, 1式(1)のポリベンツイミダゾロン環自体の寅又はO
原子に対する架橋剤の求電子反応によ・つて架橋結合が
形成される場合 12 2式(■)中のN,Nに対する架橋剤の求電子反応によ
つて架橋結合が形成される場合3 それ以外のポリベン
ツイミダゾロン中の置換及び/又は主鎖結合基と,架橋
剤の反応によつて架橋結合が形成される楊合である。
用いられる架橋剤及びポリベンツイミダゾロンの種類に
よつては上記1〜3の内の1種のみが起る場合と2種以
上が同時におこる場合とがありうる事になる。
かかる架橋方法のうち,1及び2の分類に属する架橋剤
としては,下記a−cに述べられる様な架橋剤が好適に
用いられる。
a アルデヒド類 アルデヒド類としては,ホルムアルデヒド(水溶液,又
はバラホルムアルデヒド),トリオキサン,グリオキザ
ール,サクシン酸ジアルデヒド,アジピン酸ジアルデヒ
ド,テレフタル酸ジアルデヒド,イソフタル酸ジアルデ
ヒド等の多官能性アルデヒド或はそれらの重亜硫酸塩等
が好適に用いられる。
就中,水溶性のアルデヒド,ホルムアルデヒド,グリオ
キザール等が好適である。bアルキレンオキシド類 アルキレンオキシド類としては通常の架橋反応に用いら
れる多官能性のアルキレンオキシド類を挙げる事が出来
る。
例えば,ビスフェノールA−ビスグリシジルエーテル,
エチレングリコールビスグリシジルエーテル,グリセリ
ンビスグリシジルエーテル,グリセリントリグリシジル
エーテル等のポリグリシジルエーテル類;或はエピクロ
ルヒドリン,アリールグリシジルエーテル等があげられ
る。
かかるアルキレンオキシド類と置換反応或は,付加反応
を生起しうる様な活性基を有する化合物を同時に用いる
場合には,架橋反応を段階的に進行させる事が出来,特
に架橋の度合を調整する事が出来,好ましいと考えられ
る。c下記一般式で表わされる化合物。
〔但し,nは,0又は1であつて,m+n=2である。
又Xは窒素原子又は酸素原子を表わし,Rは水素原子又
は一価或いは二価の有機基であつて,二価の場合は〉C
=Xで形成される官能基に分子内で結合する。Qは水素
原子又は炭素原子数5以下の低級アルキル基を表わ−す
。〕かかる化合物を更に詳細に説明すると, cm1Xが酸素原子の場合 cm11nがOでRが一価の有機基又は水素原子
の場合; 尿素,N−モノメチロール尿素,部
分的にアルキルエーテル化されたN一 メチロ
ール尿素或いは尿素−ホルマリ ン樹脂の初期重縮
合物等をあげる事が 出来る。
cm12nがOでRが二価の有機基の場合: エ
チレン尿素,グリオキザールモノ ウレン,ウロン
或いはトリアゾン系の 環状尿素誘導体があげられ
る。
cm13n=1でRが1価の有機基の場合; N,
N″−ジメチルーN,N″−ジ゛メ チロール尿素
,N,N−ジメチロール 尿素等,尿素化合物のジ
メチロール体 をあげる事が出来る。
又,Rが水素の 場合は,cm11の化合物に該当
する場 合が多い。N−メチロール化ナイロン
6,6,或はN−メチロール化ナイロ ン6等のN
−メチロール化ナイロンを 挙げる事が出来る。
cm14n=1で,Rが2価の有機基の場合; N
,N5−ジメチロールエチレン尿 素, N,N′−ジメチロールプロピレン 尿素, N,N″−ジメチロールグリオキザ ーノレ モノウレイン,N,N″−ジメチロー ルト
リアゾン,ジ・メチロールウロン等 の環状尿素ジ
メチロール誘導体を挙げ る事が出来る。
cm2Xが窒素原子の場合: この場合は,一般的に使える化合物 とし
てはRが1価の有機基又は水素原 子である事が多
い。
Xが窒素原子であ る場合の主たる化合物は,メラ
ミン系 の化合物である。 例えば,n=0
でかつRが水素原子 であえばメラミンであり,か
かる場合 は,cm1で述べた如くアルデヒド
類,特にホルマリンを共存させる事が 必須であ
り,これは尿素カルバメート 等メチロール基,ア
ルキルエーテル化 トリメチロール基を全く有し
ていない 場合と同じである。
又n=1である場 合にはN,N″,N″一トリメ
チロール メラミン,或はN,N″,N″″−ヘキ
サ メチロールメラミン等を挙げる事が出 来
る。更に,上記cm1,c−2の混在したものとして,
尿素−ホルマリンーメラミン樹脂初期縮合体を挙げる事
が出来る。
上記cm2の分類に属する架橋剤のうち,前記一般式(
■)のYが,−COOR4の場合を除いては大部がa−
cの範囲の架橋剤で架橋反応は生起するが,特に,Yが
−COOR4の場合には,これらa−cの他に下記に述
べる様な,水酸基,アミノ基等を有する化合物を用いる
事が出来る。
かかる好適例としては,活性水素を有している様な化合
物が考えられ,その様な化合物の例としてはエチレング
リコール,ジエチレングリコールの如きジオール誘導体
,エチレンジアミン,ジエチレントリアミン,バラフェ
ニレンジアミン,メタ−フェニレンジアミンの様なジア
ミノ誘導体,ビスフlエノールA,ビスフェノールSの
如きビスフェノール誘導体,これら単量体或は低分子状
化合物の他にポリエチレンジアミン,エピアジンポリビ
ニルアルコール等の高分子物質を用いても何等差支えな
い。又,カルボニル基により活性化されたαーメチレン
プロトンを有している様なポリビニルピロリドンを用い
ても架橋反応が充分進行する。一方,前記(■)式に於
て,Yが水素原子である場合や,上記反応分類3に属す
る重合体のうち,アミノ基等の塩基性を有しているもの
に対する架橋剤としては,その置換する官能基により,
通常に用いられる化合物を用いる事が出来る。かかる化
合物としてはテレフタル酸クロリド,イソフタル酸クロ
リド,1,3−ベンゼンスルホン酸カルボン酸クロリド
,アジピン酸クロリド等の多官能性の酸クロリド,或は
,スルホン酸クロリドピロメリト酸ジ無水物等のポリカ
ルボン酸ポリ無水物類をあげる事が出来るし,トリレン
ジイソシアネート,ジフエニルメタンジイソシアネート
等の多官能性のイソシアネート等をあげる事が出来る。
一方,分類3に属する重合体が酸性基を有しているもの
である時には,その架橋剤としては既述した如き活性水
素を有しているものが好ましく用いられる。
かかる架橋剤を用いる場合,通常架橋促進剤として,少
量の塩酸,硫酸,等を用いる事が望ましいし,特に,上
記3の化合物の場合には,繊維処理用に用いられる加速
剤(促進剤)を併用すると架橋速度の向上が期特出来る
かかる架橋剤としては,重金属やアミンの硫酸塩,リン
酸塩等が用いられる。一般に,これら用いる促進剤の量
としては架橋剤の量に対し1〜50Wt%使用するのが
好ましく,より好適には5〜(7)憇%である。本発明
による架橋膜を得る為には,ア 製膜用原液への直接的
な架橋剤及び促進剤の添加イ 凝固浴への架橋剤及び促
進剤の添加 ウ 製品膜を水溶液中で架橋剤及び促進剤で後処理する
一般には,ア)とウ)が好ましい結果を与える製膜用原
液の調整方法,成膜方法に関しては,特開昭51−37
879号明細書に詳細に記述されている。
従つて,本発明で述べる如き架橋膜を上記ア)・の方法
,即ち成膜時に得る為には,その製膜用原液を調製する
段階に於て,目的とする架橋密度に対して,ベンツイミ
ダゾロン結合を主たる構成単位とする重合体に対して任
意の割合で架橋剤,及び促進剤を添加することが出来る
が,一般にかかる架橋剤は固体,或は水溶液として用い
る為に,その添加量は成膜原液の相平衡を乱さない範囲
に於てのみ添加され得る。
これらの架橋剤の添加量はポリマー重量に対し0.1〜
200Wt%を用いると良く,より好的には2〜100
wt%である。架橋反応を生起せしめる為には上述した
如く,ベンツイミダゾロン環を含む重合体,架橋剤及び
架橋促進剤一を共存させた系を高周波数処理或は紫外線
,Xノ線,ガンマ線及び高エネルギー原子の如き放射線
処理,或はただ単に加熱処理及び/又はこれらの組合せ
の処理方法によつて行う事が出来るが,一般には加熱処
理が簡便であり,かつ,条件の選択も容易である等の理
由により好ましい。加熱処理,を用いる場合は,特開昭
51−37879号明細書で述べる如くの成膜加熱条件
であり,通常50゜C〜200℃であるが,より好まし
くは,80℃〜170℃の範囲が適当である。特に架橋
剤が重合体と混和しない場合,成膜原”液に添加される
場合には,高温で一気に加熱処理すると流延された成膜
液より重合体の急速な沈澱が観測される事があり,選択
透過性膜としての基本性能が発現されない事がある。
この場合は加熱条件をより緩和に行う必要がある。即ち
,ア)の方法による成膜方法をより詳細に説明すれば,
本発明の架橋された選択性透過膜は通常有機溶媒を主と
する溶液から製膜する事によつて得られる。
かかる有機溶媒としてはポリマー架橋剤,及び架橋促進
剤に不活性で,実質的に溶解しうるものであればよい。
すなわち,常温ではもちろん加熱状態でも溶解し均一状
にせしめるようなものが好ましいが,若干の不均一部分
を残すようなものでも良い。また必要ならば塩化リチウ
ム,塩化カルシウム等の無機塩の添加により溶解性を増
大せしめることも出来る。本発明の改良された選択性透
過膜を得るために,製膜の際に好ましく使用しうる溶媒
の具体的な例としては,N−メチルピロリドン,N−メ
チルカプロラクタム,N,N−ジメチルアセトアミド,
ヘキサメチルホスホルアミド,テトラメチレン尿素等の
いわゆるアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスル
ホキシド系溶媒:フエノール,クレゾール,クロロフェ
ノール等のフェノール系溶媒等をあげることができる。
またこれらの溶媒を使用して重合体溶液を調整する際に
適当な稀釈剤を加えて,架橋剤及び架橋処理剤の溶解性
,凝固性等を調節することができる。本発明の選択性透
過膜は使用形態に応じて,平板又は管状等のフィルム状
或いは中空系等の各種の形態に賦型される。
フィルム状として使用する場合には,例えば,多孔質平
板や管状の基材と本発明の重合体からなる薄膜とを一体
化して使用する方法を採用することができる。
このような薄膜は通常0.05μ以上10μ以下の膜厚
を有しているものが使用される。薄膜の製膜方法や多孔
質基体との接着,或いは一体化方法は従来公知の技術を
使用することができる。例えば製膜用の原液をベルト或
いは平板状の支持体上に所望の厚みに流延し,乾燥等の
手段により溶剤を除去せしめた後に,支持体より剥離し
,得られた薄膜を必要ならば接着剤等の方法により多孔
質材と一体化する方法が用いられる。
又多孔質基材との一体化のための他の方法としては,例
えばロールコート,スプレィ,浸漬等により,原液を直
接基材上にコートする方法も採用し得る。特に架橋剤が
多孔質基材とも反応しうる場合には容易に一体成膜を行
う事が出来る。このような薄膜を製造するため0.5重
量%以上,特に好ましくは1重量%以上,1呼量%以下
の重合体を含む原液を使用するのが有利である。フィル
ム状として使用し得る他の形態として.は,LOeb等
による酢酸セルローズ膜(例えば米国特許3,133,
13鏝)と同様の非対称構造,即ちうすく,ちみつな上
皮層と厚く比較的多孔質の下層の二重構造を有する膜が
ある。
このような非対称構造を得るためには,例えば.湿式膜
においては膜面の一方のみを,凝固液と接触せしめてそ
の側から凝固をせしめる方法;乾式製膜においては,同
様に膜面の一方の側から溶媒を蒸発せしめ,まだ一部の
溶媒等が残存する部分固化膜を浸出液中に浸漬して,残
存する溶媒等を・抽出除去せしめる方法によれば良い。
その際,無機質,有機質,あるいは他の有機化合物であ
つて平均的な大きさ及び揮散速度が用いた有機溶媒と異
なる分子量500以下の物質を製膜用原液中に添加して
おき,抽出の際に除去する事によつて選択透過膜を大巾
に向上せしめることができる。かかる効果的な添加剤と
しては,例えば塩化リチウム,臭化リチウム,塩化カル
シウム,硝酸リチウム等の無機塩類,或いはホルムアミ
ド等の有機物をあげることができる。添加剤の重合体に
対する割合は重合体の種類および使用溶媒によつて異な
るが,一般に5〜60重量%が好ましい。又,架橋の為
に添加した架橋剤そのものが架橋反応に関与しない場合
には,上述の作用を発現させる事も可能である。
部分固化膜は製膜用原液を平板又は管状の支持体上に所
望の厚さに流延し,片面からの部分凝固により得られる
乾式法による部分凝固の場合の好適な皮膜温度は溶媒の
種類,流延厚さ,乾燥時間風速等によつても異なるが,
一般に50〜200℃,好ましくは80〜150℃の範
囲が適当である。部分固化膜には,重合体に対して20
0〜25重量%の溶媒および添加剤が残存していること
が好ましい。かくして得られた部分固化膜は,それを浸
出液中に浸漬し,該膜中に残存している溶媒および添加
剤の大部分を除去することによつて目的とする選択性透
過膜を得ることができる。
その際使用される浸出液としては,前記有機溶媒および
添加剤に対して相溶性のある液体にして,かつ重合体に
対しては溶解性を持たず,化学的にも不活性であるとい
う条件を満足する必要がある。
その具体例としては,水,メタノール,エタノール或い
はそれらの混合物等をあげることができるが,水が最も
好適である。浸出湿度としては,一般に−20℃〜50
℃の範囲が用いられる。
なお,あまり高温で,浸出操作を行なうと浸出速度は早
くなるが,失透その他の不均質部分が発生し,膜の性能
を著るしく損じることがあるから注意を要する。浸出時
間は一般に溶媒及び添加塩等の部分固化膜中の残存物が
大部分,浸出されるのに充分な時間をかけることが好ま
しい。
浸出終了後の膜は水中に含水状態のまま貯蔵するのが好
ましい。なお,上記残存物の大部分が浸出された後,膜
を70〜95℃の熱水で短時間処理することによつて塩
排除率等の性能を更に向上せしめることができる場合が
ある。かくして得られた非対称構造の選択性透過膜の膜
厚は一般に10〜500μ,好ましくは40〜200p
範囲で用いられる。
使用膜形態の他の例として,中空系をあげることができ
る。
この場合には,中空の紡糸口金を用いて,前記の原液を
押し出等の方法により,湿式,乾式或いは両者の併用等
の公知の方法によつて製膜することができる。又,その
場合外径20〜150μ,肉厚5〜40μ,孔率0.1
〜0.6の範囲が一般に用いられる。一方,ウ)の方法
で,成形された膜を後で架橋する事も出来る。
この方法によれば,成膜原液に架橋剤を加える事なく上
記で述べた如くの慣用的な成膜処理の後工程,例えば浸
出浴で架橋する事も出来るし,一担形成保存した膜を,
別途作製した架橋浴に浸漬させる事によつても架橋処理
する事が出来る。一般にこの浸漬架橋浴は,上述した浸
出浴の浴媒をそのまま用いる事が出来,更には本質的に
成形された選択透過性膜を溶解させない事が望ましいが
,短い時間の接触で架橋処理が行える場合には,膜の形
態が保持されてさえいればこれらの溶媒を用いても何等
かまわない。その具体例としては,水,メタノール,エ
タノール,或はそれらの混合物;N−メチルピロリドン
,N,N″−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;
スルホキシド系溶媒;或は,フェノール,クレゾール等
のフェノール系溶媒等をあげる事が出来るが,水が最も
好適である。
架橋剤の濃度は,一般に浸漬浴の溶媒に対し0.1〜9
9%が好ましく,架橋反応速度や膜性能の急激な変化よ
り考え,より好適には0.5〜35%である事が望まし
い。又,架橋剤が液体或は加熱時に液体になる場合には
,溶媒を用いずに直接,架橋剤に浸漬する事により架橋
反応を進行せしめる事も出来る。架橋反応を生起せしめ
る為の処理温度としては溶媒或は架橋剤の種類により変
化するが,一般には,50゜C〜150′Cが望ましく
溶媒に水を用いる場合には70C〜100℃がより好適
に用いられる。処理時間は,加熱温度により異るが一般
に,数秒から2備間の範囲が好ましく,場合によつては
数日間の浸漬で架橋密度をあげる事も出来る。以上の如
くして得られた本発明の透過膜は,例えば逆浸透圧法に
よる海水や,かん水の脱塩に適用した場合,良好な透水
性,塩排除性を有しており,しかも膜基本の重合体が架
橋される事により化学的に安定であり,且つ機械的に丈
夫な膜が容易に得られるため,長期の使用に耐え且つ,
高圧下においても,圧密による透水量の低下が小さく極
めて実用性に優れた選択膜であると云える。
本発明の選択性透過膜は,前述した如く海水やかん水の
脱塩のみならず,バルブ工場,メツキエ場等からの有害
な工場廃水の処理,原子炉等の放射性廃液の分離処理,
医薬品,生化学及び食品工場等における各種成分の分離
や濃縮工程等の広範な範囲に利用する事ができる。以下
実施例をあけて本発明を更に詳細に説明するが,実施例
は説明のためのものであつてそれに限定されるものでな
い。
なお実施例中固有粘度は,0.5y/100m1重合体
濃度のN−メチルピロリドン(以下NMPと略す)溶液
において,30℃にて測定した値である。
実施例1無水炭酸ソーダ(21.2部),4−4″−ジ
アミノジフェニルエーテル(20虹部)を乾燥ジメチル
スルホキシド(250部)に溶解させる。
これに4,4′ージクロルー3,3′ージニトロジフェ
ニルスルホン(以下DCDNDPSと略す)37.7部
を加え,100℃にて20時間加熱撹拌を続けた。反応
後,水過剰の水に反応溶液を加え,橙赤色ポリマー(4
7.5部)を得た。このポリマーの固有粘度は0.73
であつた。該ポリマーをメタノール1(1)部と水15
(2)の混合溶媒に懸濁させ,ブランキツド75部を加
え,75゜Cにて一時間加熱撹拌を続けニトロ基の還元
を行なつた。
反応終了後大量の水に反応物を加え,無機塩を充分溶解
させた後,ろ過水洗し,乾燥後,固有粘度0.63の灰
白色ポリマーを得た。このポリマーの元素分析値および
赤外吸収スペクトルより,次式で示されるアミノ基を側
鎖に有するポリエーlテルイミンスルホン(以下PEI
S−NH2と略す)である事を確認した。かくの如くし
て得られたPEIS−NH2(3.卯部)をNMP(3
0』部)に溶解させ,これにクロル炭酸フェニル(2.
印部)を加え室温にて約4時間撹拌した後,反応系を1
60゜Cに昇温し6時間反応を続けた。
反応後大量の水に加え,重合体を回収し*恥た。この重
合体の固有粘度は0.83で,赤外吸収スペクトル,お
よびNMRスペクトルより本質的に次式で示されるポリ
ベンツイミダゾロンであることを確認した。この様にし
て得られたポリベンツイミダゾロン重合体(15部),
塩化リチウム(4.5部),N,N″−ジメチロールエ
チレン尿素を50%含む水溶液(8部),ACX(住友
化学製有機アミン塩系加速剤)(1.5部),N−メチ
ルピロリドン(85部)からなる製膜用原液を調整した
該原液を開口500μのドクターブレードよりガラス板
上に流延し105℃で14分間予備乾燥し,更に145
℃で5分間加熱処理した後,直ちに大量のイオン交換水
中に24時間浸漬し膜中の残留物を除去し非対称膜を得
た。この様にして得られた膜の一部をN−メチルピロリ
ドン中に浸漬させたが膜の形状を保持し,再溶解は観測
されなかつた。この膜を1%NacI水溶液を用いて,
40kg/D,28゜C,供給水の循環速度100e/
Hr.で行つた。その結果,透過水量は17.5e/d
−Hr.て脱塩性能は97.2%であソー週間の連続運
転でも殆どその性能の変化は観測されなかつた。比較例
1 実施例1の製膜用原液の組成のなかで,N,N″−ジメ
チロールエチレン尿素及びACXを除いた原液を調整し
実施例1と同様の要件で製膜した。
得られた膜の一部をとりNMPに浸漬した所,完全に溶
解する事を確認した。又,実施例1と同様の逆浸透実験
を行つた所,運転開始1Cy!1−後に透過水量は25
′/d−Hr.で脱塩性能は98%であつたが,一週間
の連続運転では,透過水量は18′/d−Hr.に低下
し,脱塩性能は99.2%に上昇している事が確認され
た。実施例2 実施例1で得られたベンツイミダゾロン環を含む重合体
(15部),塩化リチウム(4.5部),住友化学製繊
維処理剤ULW(尿素,メラミン,ホルマリン初期縮合
物)(9.6部),住友化学製加速剤ACX(1.5部
),とN−メチルピロリドン(85部)とからなる製膜
用原液を調整した。
これを実施例1と同様の方法で非対称膜化し,逆浸透実
験に供した。透過水量は,14.7e/イ・Hrであり
脱塩率は96.4%であつた。又,この性能は一週間の
連続運転でもその性能は殆ど変化しなかつた。
・実施例3 実施例1と同様に重合体(15部),塩化リチウム(4
.5部),ヘキサメチロールメラミン(5.1部),加
速剤ACX(1.5部),N−メチルピロリドン(85
部)からなる製膜用原液を調整した。
これ町を実施例1と同様の方法て非対称膜化した。透過
水量は13.2′/d−Hr脱塩性能98.7%であつ
た。一週間の連続運転で透過水量は12.91/d−H
r.脱塩性能は99.1%に変化している事が観測され
た。ノ実施例4 比較例1で得られた非対称膜を1%硫酸を含む18%ホ
ルマリン水溶液に浸漬させた後,1紛間75゜Cで加熱
処理を行つた。
処理後,脱イオン水で充分洗浄した後,逆浸透実験に供
した。得られた膜の一部をとりNMPでの溶解性を検討
したが膜の大部分は溶解せず架橋反応が進行している事
が確認された。この膜の透過水量は,8.21/d−H
r.であり脱塩性能は99.4%であつた。一週間の連
続運転後も透過水量の低下は観測されなかつた。実施例
5実施例4と同様に,未架橋の非対称膜を2%の加速剤
(住友化学製“゜ACX゛)を含む粗製ウロン系よりな
る繊維処理剤(住友化学製“810゛)の12%水溶液
に浸漬させ,浸漬浴を75゜Cで1紛間加熱処理した。
得られた膜を逆浸透実験に供した所,透過水量は6.8
e/7TI−Hr.であり脱塩性能は99.1%であつ
た。又,逆浸透実験を一週間経続したが,殆ど性能の変
化は観測されなかつた。
実施例6 実施例4と同様に,未架橋の非対称膜を1.0%の硫酸
を含む,グリオキザールジ(ナトリウムピサルフアイト
)の5%水溶液中で30トCで24時間処理して架橋膜
を得た。
透過水量は,20′/イ・Hr.で,脱塩性能は98.
3%であつた。この膜を1週間の連続運転を行つた所,
透過水量の変化は殆ど観測されなかつた。
【図面の簡単な説明】
図1は,実施例1で得られたポリベンツィミダゾロン重
合体の赤外吸収スペクトルである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記構造式 ▲数式、化学式、表等があります▼ で表わされる繰返し単位からなるポリベンツイミダゾロ
    ンから形成されたポリベンツイミダゾロン選択透過膜に
    おいて、当該ポリベンツイミダゾロンを有機溶媒溶液か
    ら成膜及び/又は成膜後に処理する際に架橋剤を存在せ
    しめて架橋せしめた改良ポリベンツイミダゾロン選択透
    過膜。
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