JPS6050439B2 - アイからの天然色素製造法 - Google Patents
アイからの天然色素製造法Info
- Publication number
- JPS6050439B2 JPS6050439B2 JP51157145A JP15714576A JPS6050439B2 JP S6050439 B2 JPS6050439 B2 JP S6050439B2 JP 51157145 A JP51157145 A JP 51157145A JP 15714576 A JP15714576 A JP 15714576A JP S6050439 B2 JPS6050439 B2 JP S6050439B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- callus
- eye
- culture
- pigments
- medium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は天然色素の製造方法に関する。
アントンアン系の色素は各種草花の色素として天然に存
在しているが、本発明者等は、このアントンアン色素を
工業的に製造する方法について研究を重ねた結果、アイ
植物組織から誘導したカルスを好気的な液内培養法によ
り大量に増殖し、この増殖細胞を酸で加熱還流してアン
トンアン系色素を抽出するという新しい天然色素の製造
法を発明することができた。
在しているが、本発明者等は、このアントンアン色素を
工業的に製造する方法について研究を重ねた結果、アイ
植物組織から誘導したカルスを好気的な液内培養法によ
り大量に増殖し、この増殖細胞を酸で加熱還流してアン
トンアン系色素を抽出するという新しい天然色素の製造
法を発明することができた。
即ち本発明はアイ植物の組織を切断し、これをカイネチ
ン、2・4−D及びミヨイノシトールを含有するカルス
培養用培地に置床し、カルスを誘導・増殖せさめ、次に
これを同組成の液体培地で好気的条件下で培養し、カル
スを増殖せしめ、この培養細胞を分離・採取後塩酸で加
熱還流することによりアントンアン系色素を抽出する天
然色素の工業的製造方法てある。カルス誘導用に供され
るアイ植物の組織としては、天然アイ生産用のアイ植物
(紅花種、学名Polygonumtinctoriu
m)の無菌組織が供せられ、特に幼苗の組織が望ましい
。このアイ植物の幼苗は該植物の種子から、常法に従い
、無菌的に発芽育成したものが良く、数0に育成した幼
苗は95%エタノール、アンチホルミン等で夫々殺菌処
理をほどこした後、根、胚軸及び子葉に切断してカルス
誘導用のアイ植物組織として供せられる。カルスの誘導
・増殖法は、切断した幼苗をカイネチン、2 ・ 4−
D)サイアミン及びミヨイノシトールを含むカルス培養
用培地上に置床し、暗所で培養することにより、カルス
の誘導が始まる。この誘導カルスを同組成の固体培地上
でさらに育成し、一次カルスとする。このカルス培養用
の培地は、糖・無機塩類及び酵母エキスからなる通常の
組織培養に用いられる基本培地に、カイネチン、2・
4−D(NAAで代替可)、サイアミン及びミヨイノシ
トールを適当量添加た培地であるが、基本培地のみでは
カルスの誘導、増殖は著しく遅れる。
ン、2・4−D及びミヨイノシトールを含有するカルス
培養用培地に置床し、カルスを誘導・増殖せさめ、次に
これを同組成の液体培地で好気的条件下で培養し、カル
スを増殖せしめ、この培養細胞を分離・採取後塩酸で加
熱還流することによりアントンアン系色素を抽出する天
然色素の工業的製造方法てある。カルス誘導用に供され
るアイ植物の組織としては、天然アイ生産用のアイ植物
(紅花種、学名Polygonumtinctoriu
m)の無菌組織が供せられ、特に幼苗の組織が望ましい
。このアイ植物の幼苗は該植物の種子から、常法に従い
、無菌的に発芽育成したものが良く、数0に育成した幼
苗は95%エタノール、アンチホルミン等で夫々殺菌処
理をほどこした後、根、胚軸及び子葉に切断してカルス
誘導用のアイ植物組織として供せられる。カルスの誘導
・増殖法は、切断した幼苗をカイネチン、2 ・ 4−
D)サイアミン及びミヨイノシトールを含むカルス培養
用培地上に置床し、暗所で培養することにより、カルス
の誘導が始まる。この誘導カルスを同組成の固体培地上
でさらに育成し、一次カルスとする。このカルス培養用
の培地は、糖・無機塩類及び酵母エキスからなる通常の
組織培養に用いられる基本培地に、カイネチン、2・
4−D(NAAで代替可)、サイアミン及びミヨイノシ
トールを適当量添加た培地であるが、基本培地のみでは
カルスの誘導、増殖は著しく遅れる。
この基本培地に”使われる糖はシュークローズ、グルコ
ース等であり、無機塩類としては次に示すものが使用さ
れる。基本培地の無機塩類:NH、NO。
ース等であり、無機塩類としては次に示すものが使用さ
れる。基本培地の無機塩類:NH、NO。
、KNO。、KH2PO4、KI) CaCl2、Ha
B04、MgSO4、CUS04、Znso4、FeS
04、Na2MoO。、CoC12次にカルスの液体培
養法について述べると、上記の方法で得られる一次カル
スを、カルス培養用培地と同じ組成の殺菌した液体培地
に適当量接種し、好気的条件下て液内培養することによ
り、カルスを増殖せしめることにより大量の培養細胞が
得られる。この際の培養PHは中性附近、望ましくはP
H6.Oてあり、培養温度は15〜35℃で行われ、好
気的条件の下て増殖が促進される。このようにして液内
培養法によつて大量の増殖細胞を得ることができるが、
この増殖細胞からアントシアン系色素を製造するには、
増殖細胞を培養液から分離後、これを希塩酸で加熱還流
することにより、赤色のアントシアン系色素が抽出され
る。これを5%塩酸酸性メタノールに転溶して吸収極大
(λMax)を測定したところ λMax=
535n777.であつた。
B04、MgSO4、CUS04、Znso4、FeS
04、Na2MoO。、CoC12次にカルスの液体培
養法について述べると、上記の方法で得られる一次カル
スを、カルス培養用培地と同じ組成の殺菌した液体培地
に適当量接種し、好気的条件下て液内培養することによ
り、カルスを増殖せしめることにより大量の培養細胞が
得られる。この際の培養PHは中性附近、望ましくはP
H6.Oてあり、培養温度は15〜35℃で行われ、好
気的条件の下て増殖が促進される。このようにして液内
培養法によつて大量の増殖細胞を得ることができるが、
この増殖細胞からアントシアン系色素を製造するには、
増殖細胞を培養液から分離後、これを希塩酸で加熱還流
することにより、赤色のアントシアン系色素が抽出され
る。これを5%塩酸酸性メタノールに転溶して吸収極大
(λMax)を測定したところ λMax=
535n777.であつた。
又加熱還流で抽出されたものは淡赤色を呈しているが、
溶液のPHを中性塩基性にして放置すれは退色する。即
ちPH7.部付近から消失し始め、淡緑色を呈し、PH
8.Oでは完全に消失する。これらのことよりアイ植物
の培養細胞から抽出される色素はアントシアン系の色素
と同定される。なお本色素の生産はカルス培養時に光照
射を行うことにより促進される。以下実施例にて詳細に
説明する。
溶液のPHを中性塩基性にして放置すれは退色する。即
ちPH7.部付近から消失し始め、淡緑色を呈し、PH
8.Oでは完全に消失する。これらのことよりアイ植物
の培養細胞から抽出される色素はアントシアン系の色素
と同定される。なお本色素の生産はカルス培養時に光照
射を行うことにより促進される。以下実施例にて詳細に
説明する。
実施例1
ペトリ皿に濾紙をしき水で湿らせる。
その上に市販紅花種のアイ(POlygOnumtin
ctOriumLOur.)の種子20粒を播種し暗所
に置き時々湿気を与えた。5日後に全ての種子が発芽し
た。
ctOriumLOur.)の種子20粒を播種し暗所
に置き時々湿気を与えた。5日後に全ての種子が発芽し
た。
この内成育のよいものを1株選んで湿つた濾紙をしいた
腰高シヤーレに移し幼苗の室温下で育てた。2、週間後
には幼苗は5〜6cmの大きさに成育した。
腰高シヤーレに移し幼苗の室温下で育てた。2、週間後
には幼苗は5〜6cmの大きさに成育した。
次にこれらを95%エタノールで洗浄し0.6%アンチ
ホルミン溶液に20分間浸漬して殺菌処理を行い、滅菌
水にて3回洗浄した後、根、胚軸、子葉の各部分に切断
し角型培養びん中で表1の組成の!寒天培地に置床し、
これを30゜Cの暗所で2力月間静置培養したところ、
胚軸部分からカルスが誘導された。この誘導されたカル
スを同条件の下に、さらに1力月培養してカルスを増殖
させた。
ホルミン溶液に20分間浸漬して殺菌処理を行い、滅菌
水にて3回洗浄した後、根、胚軸、子葉の各部分に切断
し角型培養びん中で表1の組成の!寒天培地に置床し、
これを30゜Cの暗所で2力月間静置培養したところ、
胚軸部分からカルスが誘導された。この誘導されたカル
スを同条件の下に、さらに1力月培養してカルスを増殖
させた。
このカルス(約10TWL片)を5本の角型培養ピン中
の、前述の組成の固体培地に植継ぎ2力月間培養し、植
継一代目のカルスを得た。
の、前述の組成の固体培地に植継ぎ2力月間培養し、植
継一代目のカルスを得た。
この内湿重量10yを0.1NHC1100m1で10
分間加熱還流を行い、濾過して淡赤色の色素溶液90m
1を得た。この溶液のPHを中性にすると淡緑色になり
、PH8.Oで消失した。この色素の5%塩酸酸性メタ
ノール溶液に於けるλMaxを測定したところλMax
=535nmであつた。一方植継一代目のカルス0.5
yを表−1の組成の液体培地50m1に接種し、28℃
の暗所でフラスコ培養(500m1容フラスコ使用、振
幅7Crft11050SCi1.1min.)した。
分間加熱還流を行い、濾過して淡赤色の色素溶液90m
1を得た。この溶液のPHを中性にすると淡緑色になり
、PH8.Oで消失した。この色素の5%塩酸酸性メタ
ノール溶液に於けるλMaxを測定したところλMax
=535nmであつた。一方植継一代目のカルス0.5
yを表−1の組成の液体培地50m1に接種し、28℃
の暗所でフラスコ培養(500m1容フラスコ使用、振
幅7Crft11050SCi1.1min.)した。
2力月間振盪培養し、培養液よ)リカルスを分離したと
ころ湿重量15yであつた。
ころ湿重量15yであつた。
これを0.1Nの塩酸100m1で1紛間加熱還流し、
濾別して淡赤色々素溶液が得られた。この溶液のPHを
NaOHでPH7.Oに調整すると退色し淡緑色になり
PH8.Oで完全に消失した。 (表−1) カル
ス培養用培地組成シユークロース
30yIeN114N031.65〃KNO3l.9O
〃 CaCl2・2H200.44〃 ・MgSO4・7H200.37〃 KH2PO,O.l7〃 H3BO36.2m9leKIO.83 〃 Na2MOO4◆2H200.25〃 COCl2●6FI200.025〃 MnsO4●4H2022.3〃 CUSO4弓鴇00.025〃 ZnsO4◆4H208.6〃 Na2上DTA37.3〃 FeSO4I7H2O27.8〃 酵母工キズ(DlfcO社製) 3.0y1
eKjnetin0.2m91e2◆4−Dl.O〃 Tlllamine●Hcll.O〃 MyO−1n0sit0I100.0〃 PH6.l (殺菌:120℃、1紛間) 実施例2 アイ幼苗の胚軸を表−1の組成の固体培地(但し表−1
の2・4−Dの代りにNAAlOOppmを用いた)で
実施例1と同様の方法に従つて培養し2fのカルスを得
た。
濾別して淡赤色々素溶液が得られた。この溶液のPHを
NaOHでPH7.Oに調整すると退色し淡緑色になり
PH8.Oで完全に消失した。 (表−1) カル
ス培養用培地組成シユークロース
30yIeN114N031.65〃KNO3l.9O
〃 CaCl2・2H200.44〃 ・MgSO4・7H200.37〃 KH2PO,O.l7〃 H3BO36.2m9leKIO.83 〃 Na2MOO4◆2H200.25〃 COCl2●6FI200.025〃 MnsO4●4H2022.3〃 CUSO4弓鴇00.025〃 ZnsO4◆4H208.6〃 Na2上DTA37.3〃 FeSO4I7H2O27.8〃 酵母工キズ(DlfcO社製) 3.0y1
eKjnetin0.2m91e2◆4−Dl.O〃 Tlllamine●Hcll.O〃 MyO−1n0sit0I100.0〃 PH6.l (殺菌:120℃、1紛間) 実施例2 アイ幼苗の胚軸を表−1の組成の固体培地(但し表−1
の2・4−Dの代りにNAAlOOppmを用いた)で
実施例1と同様の方法に従つて培養し2fのカルスを得
た。
この内湿重量0.5yのカルスを表−1の組成の5本の
試験管液体培地(液量各15m1)に接種し、26℃の
暗所で試験管内振盪培養(振幅2.0cm11900s
cj11min.)を行つた。1週間振盪培養によりカ
ルスの培養細胞の増殖が始まり、さらに1力月培養を行
い細胞培養液60m1を得た。
試験管液体培地(液量各15m1)に接種し、26℃の
暗所で試験管内振盪培養(振幅2.0cm11900s
cj11min.)を行つた。1週間振盪培養によりカ
ルスの培養細胞の増殖が始まり、さらに1力月培養を行
い細胞培養液60m1を得た。
Claims (1)
- 1 ポリゴナム(Polygonum)に属するアイ植
物の組織を、カイネチシ、2・4−D、ミヨ・イノシト
ールを含有するカルス培養用培地で培養してカルスを誘
導し、該カルスを好気的に液体培養してカルスを増殖せ
しめ、これを分離・採取後酸で加熱還流し、アントンア
ン系色素を抽出することを特徴とするアントンアン系色
素の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP51157145A JPS6050439B2 (ja) | 1976-12-25 | 1976-12-25 | アイからの天然色素製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP51157145A JPS6050439B2 (ja) | 1976-12-25 | 1976-12-25 | アイからの天然色素製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5384026A JPS5384026A (en) | 1978-07-25 |
JPS6050439B2 true JPS6050439B2 (ja) | 1985-11-08 |
Family
ID=15643155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP51157145A Expired JPS6050439B2 (ja) | 1976-12-25 | 1976-12-25 | アイからの天然色素製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6050439B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100352455B1 (ko) * | 2000-08-07 | 2002-09-11 | 최석철 | 혼합용매를 이용한 천연 생 쪽 잎 추출액의 염색장치 및그 방법 |
CN102690529B (zh) * | 2012-04-28 | 2014-01-22 | 贵州丹寨宁航蜡染有限公司 | 蓝靛膏的工业制备方法 |
CN102690531B (zh) * | 2012-04-28 | 2014-04-02 | 贵州丹寨宁航蜡染有限公司 | 以蓝靛膏制备高上染率防脱色靛蓝染水的方法 |
-
1976
- 1976-12-25 JP JP51157145A patent/JPS6050439B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5384026A (en) | 1978-07-25 |
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