JPS604918B2 - 内燃機関の軸受およびその製造方法 - Google Patents

内燃機関の軸受およびその製造方法

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JPS604918B2
JPS604918B2 JP17249079A JP17249079A JPS604918B2 JP S604918 B2 JPS604918 B2 JP S604918B2 JP 17249079 A JP17249079 A JP 17249079A JP 17249079 A JP17249079 A JP 17249079A JP S604918 B2 JPS604918 B2 JP S604918B2
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眞一 岡本
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【発明の詳細な説明】 本発明は、主に銅(Cu)系およびアルミニウム(AI
)系のすべり軸受の表面に、電気メッキ法により二層ま
たは三層軸受の複合形式として用いる軸受表面層(以下
オーバィレという)の合金に関するものである。
従来すべり軸受は銅合金粉末を暁縞法により炭素鋼板の
表面に接合したり、或はアルミニウムースズ、アルミニ
ウム−カドミウムーシリコン等のAI合金圧延板を炭素
鋼板の表面に圧延により接合し、プレス成型、切削加工
等の成形工程を施し、半割或は円筒状にし、これらCu
合金或はN合金(以下ライニングという)表面に鉛(P
b)系合金或はスズ(Sn)系合金を電気メッキ法また
は銭着法によりオーバレィを施している。オーバレィの
初期の目的は、軸受のなじみ性の向上則ち軸およびすべ
り軸受の組み込まれるハウジングの加工精度および粗付
時のミスアラィメントを吸収する性質を附加することに
あり、更に潤滑油中に混入する蛙砂、鉄粉等の異物をオ
ーバレィ中に埋収させ、軸および軸受を保護することに
あった。
しかし最近の内燃機関では、機械加工精度の向上と潤滑
油中の異物を除去する炉過器の改良により、前述した問
題は解消する方向にあるが、新らたに内燃機関の高出力
化に伴うオ−バレイの疲労はくり、潤滑油の交換時期の
延長に伴うオーバレィの腐食摩耗および潤滑油中の低圧
部で発生した気泡が高圧部で破壊されたときその衝撃で
軸受が損傷するキャビテーションェロージョンが発生す
るようになってきている。オーバレィが疲労はくり、腐
食或はキャビテーションェロージョンを発生することに
より短時間で損傷を受け、消失するとCu系或はAI系
のライニングが露出しラィニングの損傷を早めることに
なり軸受の寿命は低下することになる。本発明はかかる
問題を解・消すべく、Cu系およびAI系のラィニング
の表面に施されるオーバレィ合金を提供せんとしたもの
で、Sn5〜20%、残部Pbよりなる合金にインジウ
ム(ln)0.1〜2.5%またはタリウム(TI)0
.1〜2.5%或はlnおよびTIの両金属をそれぞれ
0.1〜2.5%含有させたものである(%はすべて重
量%を示す)。更に本発明の他の目的はこれら元素また
は合金による電気メッキを行っても空孔が生じないメッ
キ層を得ることにあり、かっこのオーバレイの厚さを5
〜20ムmになるように電気メッキ法により施したもの
である。本発明に於いて、Pb、Sn、lnおよびmは
軸受のなじみ性向上を目的として附加する元素であり、
更にSn、lnおよびTIは潤滑油が高温で使用された
時に生成する低分子の有機酸による腐食を防止する目的
で添加する。尚、Sn、ln、mはなじみ性、耐食性の
面でほぼ同様の目的を持つが、その元素の特性上使い分
ける必要があるSnは上記効果のほかにオーバレイ合金
の硬さの向上を図ることを目的に添加される。しかし、
Sn量を多くすることはいわゆるハンダ合金のSn量の
約26%に近づくことになり、融点を下げる欠点が生じ
るので、本件はこの意味でもSn量を20%以下と限定
した。また5%以下ではなじみ性、耐食性「硬さの向上
とも充分な効果は期待できない。尚、Snを本件組成範
囲内で多量に添加した場合硬さの向上が充分に図られ、
特にディーゼルエンジンのような高荷重下で使用される
と有効である。ln、TIはなじみ性、耐食性のほかに
特に耐キャビテーション性に効果がある金属であるが、
Pb相にあまり多く入りすぎると軟かくなりすぎ逆効果
となる。
第1図は、鉛青銅合金を炭素鋼板に燐結した二層複合合
金材の表面にニッケル層約1仏のを電気メッキ法により
施した後、第1表に示すメッキ条件でPb−Sn合金を
メッキし、更にlnおよびSnを表面に電気メッキし、
温度15000で約1時間拡散焼鈍して、最終的にオー
バレイ厚さが12山肌、組成がPbを残部、Snを10
%一定、lnを5%まで変化させたすべり軸受を作成し
、軸回転数106比.p.m.一定、SAE30の潤滑
油を80午0で給油して耐キャビテーション性の試験を
行ったもので、縦軸にキャビテーションェ。
ージョン量、横軸にオーバレィ中のln量をとったもの
である。この図よりlnが2.5%を超えるとェロージ
ョン量が増え、0.1%以下では充分な効果が期待でき
ないことが判る。mは耐ェロージョン性においてlnと
同種の効果がありこの意味でlnおよび(または)TI
の量は0.1〜2.5%が適量である。第1表 Pb−
Sn−Sb〆ッキ浴・条件またPb、Sn、lnおよび
mは単一元素を含有させるだけでは充分でない。
すなわち、オーバレィ中Snのみでは内燃機関で使用さ
れたときライニングに拡散する速度がlnおよびmより
も大であり、有機酸性油中の耐食性を長期間維持するこ
とは因※であるが、Snはlnと共存すると、金属間化
合物を形成し、単体で存在するよりも安定して存在する
ことになる。また、mはlnに比して融点も高くオーバ
レィ中では単独でも安定して存在するが、価格が他のS
nおよびlnに比し高価であるので他の元素と合金化し
使用することが望ましい。更に、本発明でメッキ厚さを
5〜20仏肌に限定したのは、後述するようにオーバレ
ィの疲労強さおよび摩耗量はメッキ厚さが増加するにつ
れ低下するからであり、高負荷にて使用された時、一定
時間使用された後のラィニング表面に残存しているオー
バレイ厚さは第2図の如く約5〜10ムのであり20仏
の以上のオーバレィでは高負荷の条件下で疲労はくりを
伴った摩耗量も多く安定した性能を維持しないだけでな
く摩耗による軸と軸受のクリアランスの増加により打音
の発生要因となり、使用に耐えなくなるからである。次
にオーバレィ合金中の空孔の問題について今少し詳細に
述べると、一般的にオーバレイの性能は、その使用され
る金属および金属の組み合わせによる点と他にはそのオ
ーバレィの構造に左右されることが多い。つまり電気;
.ずッキ法によるオーバレイ法は、その電流密度、格組
成等によりオーバレィ中に空孔が出来やすく、この空孔
は軸受性能に大きな影響を及ぼす。すなわち、空孔が存
在するため耐荷重性の低下、空孔を核として生じやすい
ワレ、ヒビ等によるハクリあるいは空孔に侵入した腐食
性液体による内部腐食から生じるハクリ等による耐摩耗
性の低下等があって、オーバレィ中の空孔をなくするこ
とは性能によい結果をもたらす。尚、特に上記空孔をな
くするためには、単に前記オーバレィ合金組成を電気メ
ッキするだけでは得られず特殊な製造方法を用いる必要
がある。すなわちラィニング表面上に重量でSnlo%
以下および残部が本質的にPbよりなる合金を第一の層
として、電気メッキを施し次に第一の層上にln、Ti
、Snあるいはこれら各元素の合金を数層に渡り電気メ
ッキを施し、その後に固相一閲相の金属間相互拡散が生
じる温度で焼鈍し、最終的にオーバレィ組成が重量でS
n55〜20%、lnおよび(または)TIO.1〜2
.5%および残部が本質的にPbよりなることを特徴と
した内燃機関用軸受の製造方法を用いる。ここで好まし
い範囲はSn8〜15%、lnおよび(または)TIO
.5〜2.0%である。
次に、本発明の組成および厚さを有するオーバ. レィ
の実施例についてより詳細に説明する。
実施例 1鉛青銅合金を炭素鋼板に焼結した二層複合合
金材の表面に、ニッケル層約2rmを電気メッキ法によ
り施した後に、第1表に示すメッキ条件で鉛ースズ合金
を施し、更にインジウムおよびスズを表面に電気メッキ
し、温度150ooで約1時間拡散焼鈍し、スズ、イン
ジウム残り鉛よりなる第3図に示す組成の合金3,4,
5で厚さ約5〜20仏ののオーバレィを施したすべり軸
受。
実施例 2 実施例1と同様のニッケルメッキされたラィニング表面
に、鈴ースズ合金メッキを施した表面にタリウムおよび
スズを表面に電気メッキで施した後、温度約150oo
で1時間拡散焼鈍を施し、スズ、タリウム残り鉛よりな
る第3図に示す組成の合金6,7,8で厚さ約5〜20
Amのオーバレィを施したすべり軸受。
実施例 3 実施例1と同様にラィニング表面にニッケル〆ッキを施
した後、鉛−スズの二元合金メッキを施した表面にタリ
ウム、インジウムおよびスズを施した後、約15000
で1時間拡散競鈍を施しスズ、インジウム、タリウム残
り鉛よりなる第3図に示す組成の合金9,10,11で
厚さ約5〜20仏ののオーバレイを施したすべり軸受。
前述したように、実施例1〜3では鉛青銅ラィニング表
面にニッケルメッキを施した後に第1表に示すような条
件で鉛−スズ二元合金メッキを施すのは、スズが約10
%を超えて共折電着すると第4図に示すようにオーバレ
ィ内部では結晶粒が粗大化し、かつ空孔が発生し第5図
で示すようなオーバレィの内部欠陥を皆無にしたオーバ
レィ層が得られないからである。次に上記実施例により
得られた各すべり軸受について各種実験を行った。
実験1 曾由式動荷重試験機を用いてオーバレィの摩耗量を測定
した。
(試験条件は下記第2表による)第2表上記試験結果を
第3図に示す。
この図より明らかなように本件発明品は従来材に比して
摩耗量は少なく、特に図では明らかに出来ない面として
本件発明品の摩耗面は非常になめらかに摩耗しており、
いいかえればハクリ、アブレシブ摩耗のような現象は生
じていない。これに比し従来材はハクリ、アブレシブ摩
耗面が見うけられ、軸受としては致命的欠陥である現象
が生じている。実験2 次にオーバレィの耐腐食性を調べる実験を行った。
(試験条件は下記第3表による)第3表 この結果を第7図に示す。
この図より明らかなように本件発明品は従来材に比して
ほとんど腐食されず良好な結果を示している。尚、本件
発明品の他の実施例である合金3,5,6,8,9,1
1も合金4,7,10と同様な結果を得ている。以上の
如く、本発明品はオーバレィ合金とその構造に関するも
ので特に疲労はくり、腐食摩耗の問題を解決し、かつ構
造上の欠陥であるオーバレィ中の空孔をなくする製造方
法を見出した点にあり、これによって相手材の材質また
は形状に左右させることなく極めて安全なオーバレィ性
能を維持することができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はlnの効果を示す耐キャビテーション試験結果
を表した図。 第2図はオーバレィの厚さについて試験前と試験後の関
係を表した図。第3図はオーバレィの摩耗量を表したグ
ラフ。第4図はオーバレィ内部空孔がある金属組織の断
面図。第5図は内部空孔がない金属組織の断面図。第6
図は実験1に使用した軸形状を表した図。第7図はオー
バレィの耐食性を表したグラフである。第1図第2図 第3図 第6図 第T図 第4図 第5図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 軸受表面に重量でSn5〜20、Inおよび(また
    は)T10.1〜2.5%および残部が本質的にPbよ
    りなる合金を、電気メツキしたことを特徴とする内燃機
    関の軸受。 2 ライニング表面上に重量でSn10%以下および残
    部が本質的にPbよりなる合金を第1の層として電気メ
    ツキを施し、次に第一の層上にIn、Tl、Snあるい
    はこれら各元素の合金を数層に渡り電気メツキを施し、
    その後に固相−固相の金属間相互拡散が生じる温度で焼
    鈍し、最終的にオーバレイ組成が重量でSn5〜20%
    、Inおよび(または)T10.1〜2.5%および残
    部が本質的にPbなることを特徴とした内燃機関用軸受
    の製造方法。 3 ライニング表面上にニツケル層を電気メツキ法によ
    り施したことを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の
    内燃機関用軸受の製造方法。
JP17249079A 1979-12-28 1979-12-28 内燃機関の軸受およびその製造方法 Expired JPS604918B2 (ja)

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