JPS6048548B2 - 新規な結晶形ρ型銅フタロシアニンの製造方法 - Google Patents

新規な結晶形ρ型銅フタロシアニンの製造方法

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JPS6048548B2
JPS6048548B2 JP3279277A JP3279277A JPS6048548B2 JP S6048548 B2 JPS6048548 B2 JP S6048548B2 JP 3279277 A JP3279277 A JP 3279277A JP 3279277 A JP3279277 A JP 3279277A JP S6048548 B2 JPS6048548 B2 JP S6048548B2
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copper phthalocyanine
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敦 駒井
直之 白根
雄二 伊藤
定男 照井
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な結晶形を有する赤味の強い青色銅フタロ
シアニン顔料の製造法に関するものである。
詳しく述べれば、本発明は1−アミノー3−イミノ−イ
ソインドレニン、塩化カルシウム、エチレングリコール
三成分の組成比率がある特定の範囲内にある原料混合組
成物と2価の銅塩とを、あらかじめ60〜900Cの温
度で少なくとも2時間加熱させ、ついで60〜90’C
の温度で反応を完結せしめることにより新規な結晶形を
有する銅フタロシアニン顔料を製造する方法を提供する
ことである。銅フタロシアニン顔料は、美しい青色の色
相を持ち、耐熱性、耐薬品性、耐光性などの諸性質に・
優れた有機顔料で、塗料用、印刷インキ用、樹脂着色用
などの各種着色剤として広く用いられている。
銅フタロシアニンは多形異性体であり、これまでにアル
ファ(α)型、ベータ(β)型、ガンマフ(γ)型、デ
ルタ(δ)型、パイ(π)型、カイ(χ)型などの結晶
形が諸文献に報告されている。
これらは、その結晶形の違いにより、色相、耐溶媒性、
耐熱性、その他の物性が異なり、またその用途も異なつ
てきている。これらの結晶形の中で、特に、α型(有機
溶媒不安定型)は赤味の青色顔料として、β型(有機溶
媒安定型)は緑味の青色顔料として工業的にもつとも広
く顔料分野で用いられている。本発明は、以上の報告さ
れている結晶形の銅フタロシアニンとは異なり、新規な
結晶形を有する銅フタロシアニン顔料の製造法を提供す
るものである。
しかも、この新規結晶形の銅フタロシアニン顔料は、独
特の色相を持ち、従来のα型銅フタロシアニン顔料と比
較しても、はるかに赤味の色J相てかつ鮮明さを有し、
工業的にも価値あるものてあることを本発明者らは見出
し、本発明を完成するに至つた。この新規な結晶形をロ
ー(ρ)型と名付ける。この新規な結晶形のp型銅フタ
ロシアニンに関しては、本発明者等が特願昭51−15
7号明細書において詳細に記している様に、この結晶形
の銅フタロシアニンは、λ=1.5418ΛのCuKα
線を用いてX線分析すると、約8.6度、17.2度、
18.3度、23.2度、25.3度、26.5度28
.8度に相当するブラック角2θに強い線を示すX線回
析図形を有する結晶構造であり、従来公知のα型、β型
、γ型、δ型、π型およびX型とは結晶形が異なる新規
な結晶形のものであることを認められた。
このp型銅フタロシアニンは、ベンゼン、トルエン溶媒
中で煮沸する時には、β型に転移することから有機溶媒
不安定型である。
本発明の方法によつてえられる、この新規な結晶形を有
するp型銅フタロシアニン顔料の特徴は、独得のすぐれ
た色相をもつていることであ.る。
この色相は、赤味を強く帯びた青色で、彩度も高く、α
型銅フタロシアニン顔料と比較した場合、はるかに赤味
を示すものである。従つて、近時、鮮明な帯赤色の青色
が強く要求されているが、この新規な結晶形の顔料はこ
の要求に応じる.ものであり、捺染、樹脂着色、印刷イ
ンキなどに用いる場合に非常に有用なものである。−例
えば、後述の実施例に示すように、このρ型銅フタロシ
アニン顔料を用いて着色したポリ塩化jビニール樹脂は
、α型銅フタロシアニン顔料を用・いて着色したポリ塩
化ビニール樹脂に比較して、鮮明で、はるかに赤味を帯
びた独得の着色された美しい樹脂となる。
また、このρ型銅フタロシアニンの耐光性、耐候性は従
来の結晶形のものに劣らず非常にすぐれたものである。
本発明は、この様に工業的にきわめて有用な、新規な結
晶形を有するρ型銅フタロシアニン顔料を製造する方法
を提供するものてある。
本発明は、1−アミノー3−イミノーイソインドレニン
(X)、塩化カルシウム(Y)、エチレングリコール(
Z)Ξ成分の重量組成比率が第1図で図示された如き、
IA)X =1、Y =1.4、Z=10) (B)X
=1、Y=0.よZ=2、(C)X=1、Y=0.01
Z=2、刊X=1、Y=0.03、Z=6.5および(
E)X=1、Y=0.60、Z=10の5点を結ぶ直線
で囲まれた範囲内にある原料混合組成物と2価の銅塩と
をあらかじめ60〜90゜Cの温度範囲にて少くとも2
時間加熱させ、次いで60−150℃の温度範囲で反応
を完結せしめることによる新規な結晶形の銅フタロシア
ニン顔料の製造方法である。
この様に、本発明は、1−アミノー3−イミノーイソイ
ンドレニン、塩化カルシウム、エチレングリコールΞ成
分の組成比率がある特定の範囲内にある原料混合組成物
と2価の銅塩とを60゜C〜90゜Cの温度て少なくと
も2時間加熱せしめることによる新規な結晶形を有する
ρ型銅フタロシアニン顔料の製造方法である。すなわち
、本発明者らは、1−アミノー3−イミノーイソインド
レニンを2価の銅塩とを塩化カルシウムを添加してエチ
レングリコール中で反応させる場合に、1−アミノー3
−イミノーイソインドレニン、塩化カルシウム、エチレ
ングリコールΞ成分の重量組成比率が第1図のA,B,
C,D,Eで囲まれ範囲内の原料混合物になる場合に6
0〜90゜Cの温度で加熱する操作を行なうことにより
新規な結晶形を有するρ型銅フタロシアニンを高純度で
容易に得られること、しかし、1−アミノー3−イミノ
ーイソインドレニン、塩化カルシウム、エチレングリコ
ールΞ成分の重量組成比率が第1図のA,B,C,D,
Eて囲まれた範囲内の原料混合組成物でも60〜90℃
の加熱保持する操作をしないで、すぐさま90゜C以上
の温度で加熱反応させるときにはγ型に近い結晶形のも
のが生成し、本発明が目的とするような新規な結晶形の
ρ型銅フタロシアニン顔料を高純度でえられないことを
知見した。
独国公開特許第2136767号には「インドレニン系
化合物と銅塩を水溶性無機塩類と少量の親水性有機溶媒
の存在下に、強力な攪拌力或いは磨砕力をもつた反応器
中で反応させることによる銅フタロシアニン顔料の製迭
方法」が開示されている。
この方法は、反応時に微細なフタロシアニン顔料をえる
ことを目的としたもので、粗製銅フタロ .シアニンを
多量の水溶性無機塩類と少量の有機溶剤の存在下にて二
ーダー中にて磨砕して微細化する従来から公知である微
細化方法を銅フタロシアニンの合成に取入れたものであ
る。従つて、この方法は磨砕が効果的に、行なわれる様
な条件に限−られ、水溶性無機塩類は磨砕助剤として用
いられるのでインドレニン類に対し5重量倍と当然多量
に用いられるし、またその組成も磨砕されやすい特定の
組成範囲に限定されている。この様に、この方法は、双
腕型二ーダー中にて、多量の無機塩類の存在下、磨砕し
ながらフタロシアニンの反応を行なつて直接微細なフタ
ロシアニンを合成することを目的としたものてあるのに
対し、本発明は新規な結晶形の銅フタロシアニンを製造
することを目的としたものてあり、無機塩類の使用目的
、使用量、反応組成液の組成比率、及び反応条件が異な
り、明らかに区別されるものである。しかも、この方法
においては、本発明者が実施例を追試確認したが、目的
とする銅フタロシアニンの結晶形はα型であり、本発明
者が見出した新規な結晶形のp型銅フタロシアニンはえ
られてはいない。つぎに、本発明の具体的な態様につい
て以下説明する。
本発明において用いられる原料は、1−アミノー3−イ
ミノーイソインドレニン或いはその互変異性体の1・3
ージイミノーイソインドレニンである。この出発物質は
、フタロニトリルより公知の方法で容易に得られる化合
物であり、合成、精製、粉砕した後に用いられる。 モ
本発明の新規な結晶形のρ型銅フタロシアニンを合成す
るのには、溶媒が重要な因子であり、エチレングリコー
ルを用いることが必須条件である。エチレングリコール
以外の溶媒、例えばブタノール、ジエチレングリコール
、エチルセロソル ιブ、グリセリンを用いても新規な
結晶形の銅フタロシアニンを合成することはできない。
エチレングリコールの使用量は、1−アミノー3−イミ
ノーイソインドレニンに対し2〜W重量倍であり、好ま
しくは3〜8重量倍てある。また、本発明て用いられる
銅塩は、2価の銅塩であることが必要で、特に、塩化第
2銅、酢酸第2銅、臭化第2銅が好ましい。塩化第1銅
、臭化第1銅の様な1価の銅塩ではほとんどρ型銅フタ
ロシアニンを生成しないので好ましくない。銅塩の使用
量は、1−アミノー3−イミノーイソインドレニン4モ
ルに対し、0.8〜1.2モルの範囲である。さらに、
本発明では塩化カルシウムが添加剤として用いられる。
塩化カルシウムの添加量は、1−アミノー3−イミノー
イソインドレニン1重量部に対し0.03〜1.4重量
部であり、好ましくは0.03〜1.腫量部である。し
かし、この添加量は1−アミノー3−イミノーイソイン
ドレニンの使用量だけでなくエチレングリコールの使用
量とも深い関係にあり、最適添加量は、エチレングリコ
ール及び1−アミノー3−イミノーイソインドレニンの
使用量によつて決つてくる。この塩化カルシウムは、通
常エチレングリコールに溶解させて使用するので粒度は
さほど問題にならないが、使用上細かい方が好ましい。
本発明はこれらの原料を用いて行なわれるが、効果的に
行なうには、原料を仕込み終つた後にえられる原料組成
物ができるだけ均一に分散したぺ. −スト状混合液に
なる様な仕込み方法が好ましい。
エチレングリコール中に残りの原料を同時に仕込んでも
よいが、エチレングリコール中に先ず塩化カルシウムを
仕込んで溶解させたのち、1−アミノー3−イミノーイ
ソインドレニンと銅塩を仕込む方が好ましい。
このとき、1−アミノー3−イミノーイソインドレニン
と銅塩とを粉体のま)個々に仕込んでもよいし、また、
両者をできるだけ均一に混合した混合粉末の形で仕込ん
でもよ夕い。また、1−アミノー3−イミノーイソイン
ドレニンを粉体のま)仕込んだのち、銅塩をエチレング
リコール中にとかした溶液或いはスラリー液で仕込んで
もよい。以上の方法により均一に分散したペースト状原
フ料混合物をえることができるが、場合によつてはさら
に室温下で1〜2時間攪拌する操作、あるいは、混合分
散機、例えばホモミキサー(特殊機化工業)、ビスター
(日本染色機械)などを用いてもよく混合する操作によ
り、さらに均一に分散したペースト状原料混合組成物を
をえることができるので好ましい。本発明を実施する上
で特徴的なことは、1−アミノー3−イミノーイソイン
ドレニン、塩化カルシウム、エチレングリコールΞ成分
の組成比率がある特定の範囲内にある原料混合組成物を
用いて行なうことである。
第1図に、本発明で用いられる原料混合物組成を示す。
第1図に示された如く、本発明は1−アミノー3−イミ
ノーイソインドレニン(X)、塩化カルシウム(Y)、
およびエチレングリコール(Z)三成分の重量組成比率
が園X=1、Y =1.ホZ=10、(B)X=1、Y
=0.3、Z=2、(C)X =1、Y=0.03、Z
=2、(D)X =1、Y =0.0よZ=6.5およ
び(E)X=1、Y=0.60、Z=10の5点を結ぶ
直線で囲まれた範囲内に原料混合組成物を用いて行なわ
れる。この様に、本発明で用いられる原料組成物は特殊
な組成のもので、1−アミノー3−イミノーイソインド
レニン、塩化カルシウム、エチレングリコールの使用量
は密接な関係があり、1−アミノー3−イミノーイソイ
ンドレニンに対しエチレングリコールを多く用いる時に
は塩化カルシウムを概して多く用い、エチレングリコー
ルを少く用いる時には塩化カルシウムを概して少く用い
る。本発明の最も特徴的なことは第1図で示された如き
特定の組成の1−アミノー3−イミノーイソインドレニ
ン、塩化カルシウム、エチレングリコール三成分からな
る原料混合組成物と2価の銅塩.とを用いて、60〜9
0℃の温度範囲に少なくとも2時間加熱保持するところ
にある。
この様な方法によつては、はじめて、新規な結晶形を有
する銅フタロシアニンを製造することができる。この場
合、加熱保持温度が60゜C以下の時には、保持する二
時間が非常に長時間になるので工業的に好ましくなく、
また、90’C以上の時には保持しても新規な結晶形の
銅フタロシアニンを高純度でえることができるのて好ま
しくないのである。この保持温度は原料混合組成物の組
成と関係があり、原料混合4組成物の組成に応じてある
適正なる保持温度範囲がある。また、この保持時間は原
料混合組成物の組成、銅塩の種類、保持温度などの条件
によつて変つてくるが、2時間以上を必要とし、通常2
〜3時間である。たとえば、65℃近辺では10〜2m
間程度であり、また、80℃近辺では3〜8時間程度で
ある。この60〜90゜Cの温度範囲に加熱保持する操
作は60〜90℃の温度範囲のある一定温度にて少くと
も2時間加熱保持する操作でもよいし、また、60℃か
ら90℃に少くとも2時間以上を要して昇温する操作で
もよい。この様に、本発明の特徴は、ある特定の組成の
原料混合組成物と2価の銅塩とを一旦60〜90゜Cの
ク温度範囲で加熱保持することにあるが、この効果のあ
らゆる原因は、はつきりと分らないが、この様な特定の
組成の原料混合組成物を低温保持する間に、種々の反応
が起こり、複雑な反応の結果、新規な結晶形の銅フタロ
シアニンを生成する中間丁錯塩が生成してくるためでは
ないかを推察される。
次に、銅フタロシアニンの合成は、この様に60〜90
℃の温度範囲に少くとも2時間加熱保持する操作を行な
つたのち、60〜150℃の温度に加熱さノれることに
よつて行なわれる。
この場合、60〜90℃の温度に少くとも2時間加熱保
持したのち、引き続き同温度で加熱反応させてもよιル
、また、60〜90℃の温度に少くとも2時間加熱保持
したのち、昇温して、90〜150゜Cの温度範囲で加
熱反応させてもよい。
60〜90℃の温度に長時間加熱保持すると、銅フタロ
シアニンが生成してくる、銅フタロシアニンがかなり生
成したのち90〜150゜Cに昇温して加熱反応させて
もよい。
この合成温度が60℃以下の温度では、反応速度が遅い
ので工業的に好ましくなく、また150゜C以上の温度
では反応混合物組成条件によつては、新規な結晶形を有
するρ型銅以外の結晶形の銅フタロシアニンが生成する
ので好ましくない。
銅フタロシアニンを合成する反応時間は1〜10時間で
あり、通常は1〜6時間である。
また、本発明は回分式でも、セミ連続式、連続式でも行
なうことができる。このような反応を行なつたのち、ろ
過、水洗、乾燥して新規な結晶形を有する銅フタロシア
ニンがえられるが、希酸、希アルカリ溶液で処理すれば
一層鮮明な新規な結晶形を有する赤味の強い銅フタロシ
アニンがえられる。
この様にして得られた新規な結晶形の銅フタロシアニン
は、すでに粒径が0.05〜0.5μ程度の非常に微細
な結晶で、しかも、その粒度は非常に揃つているのであ
る。しかも、この銅フタロシアニンは、微細な粒子であ
るにも拘らず、非常にソフトであり、莫大な機械的エネ
ルギーや長時間の混・練りを必要とせずに容易に展色剤
中に分散でき、その分散性が優れているのである。この
ように、本発明の方法によれば、新規な結晶形の銅フタ
ロシアニンが製造され、しかも微細な粒子状で、且つソ
フトな形でえられるのである。
従つて、微細化、顔料化の様な後処理操作を何等するこ
となくそのまゝ顔料として用いることができるのである
。しかも、本発明によつてえられた新規な結晶形の銅フ
タロシアニン顔料は極めて赤味の強い青色顔料であるの
で、捺染、樹脂着色、印刷インキ、塗料用などの着色剤
として用いるのに有用なものてある。
以下に本発明をくわしく説明するため実施例を示すが本
発明はこれら実施例の範囲内に限定されるものではない
以下、「部」は重量部を示す。実施例1イカリ型かきま
ぜ機、冷却器、温度計をそなえた300cc容量の3つ
口円筒型丸底フラスコにエチレングリコール15喀と無
水塩化カルシウム8部を加え、かきまぜて、無水塩化カ
ルシウムを溶解させたのち、32メッシュの篩を通過し
た酢酸第二銅(一水塩)10.識と60メッシュの篩を
通過した1−アミノー3−イミノーイソインドレニン3
(2)を加える。
室温にて約6吟間かきまぜたのち、さらに約6紛間て7
5゜Cに昇温し、75゜Cで9時間かきませながら加熱
保持したのち、120℃に昇温して、120’Cにて2
時間反応させた。反応終了後冷却して枦過し、ついでメ
タノールで洗つたのち、ろ過ケーキを2%塩酸水溶液で
煮沸処理して、水て十分に洗滌した。ついで生成物を真
空乾燥器中にて90’Cで乾燥した。この様にしてえら
れた生成物は、鮮明て、赤味を強くおひた青色の銅フタ
ロシアニン顔料であり、その収率は約90%であつた。
つX線分析 この銅フタロシアニン顔料をλ=1.5418A.Uの
CuKα線を用いてX−線分析すると第2図に示すよう
な約8.6度、17.2度、23.2度、25.3度、
26.5度、28.8度に相当するブラック角2θにピ
ークを示すX−線回折図形を有する結晶形の銅フタロシ
アニンであつた。
このX線回折図形は、明らかに他の公知のいずれの結晶
形の銅フタロシアニンのものとは異なつており、全く新
しい結晶形の銅フタロシアニンであつた。粒度測定 15000倍の電子顕微鏡を用いて測定した結果は、長
径が0.05〜0.2μ、短径が0.02〜0.05μ
程度の非常に微細な粒子であり、その粒度のバラツキも
少く、揃つていた。
尚、第3図に、この銅フタロシアニンの電子顕微鏡写真
を示す。分散性試験 えられた銅フタロシアニン顔料0.5yと印刷ワニス4
号1gをフーバーマーラーを用いて荷重150ボンドで
100回転×3回線り合わせた。
得られたペーストを深さ0 〜25μのグランドメータ
ー上に取り、スクレーバーで引きのばして生じたスジを
観察することによつて分散性を測定した。この試料では
全然スジが生じなく、非常にソフトで易分散性であつた
。色相試験 えられた銅フタロシアニン顔料0.5yと印刷ワニス4
号1yをフーバーマーラーを用いて、荷重150ボンド
で100回転×3回線り合わせた。
別にアシツドペーステイング法により製造されたα型銅
フタロシアニン顔料についても同じ操作を行ない、この
二種類の練り合せたペーストを白紙上に並べて展色し、
上色と底色とを比較した。ノ本発明でえられたp型銅フ
タロシアニン顔料を用いたペーストの色は、α型のもの
に比しはるかに赤味を帯びた青色であり、濃く、しかも
鮮明で美しいことが観察された。次に、本発明でえられ
た銅フタロシアニン顔料70.1ダ、酸化チタン2.0
y)ホイル油1yをフーパーマーラーを用いて荷重15
0ボンドで100回転×3回線り合せた。
えられたペーストを清浄な白厚紙上に鋼ベラで約0.2
wrnLの厚みに展色した。一方、アシツドペーステイ
ング法により製造さフれたα型銅フタロシアニン顔料に
ついても同じ操作を行ない。塗面が乾燥したのちこの二
種類の試料を分光光度計で測色した。その結果を第1表
に示す。第1表から、本発明のp型銅フタロシアニン顔
料は、α型銅フタロシアニン顔料と比較して強く赤味を
帯びた色相で鮮明な青色顔料であることが分る。
視覚的に比較した場合でも、ρ型銅フタロ イシアニン
顔料を用いた試料は、はるかに赤味を帯びた青色で独得
の美しい色相であることが観察された。ポリ塩化ビニー
ル樹脂着色試験 えられたρ型銅フタロシアニン顔料が0.1ダ、ポリ塩
化ビニール50ダ、ジオクチルフタレート30q)ステ
アリン酸カルシウム1g、ジラウリン酸−ジーn−ブチ
ル錫0.5y)マレイン酸−ジーn−ブチル錫0.5y
をロールミル上で145℃、■分間混練りし、次に10
0K9Icイ、175゜Cにて1分間加圧成型して青色
に着色した厚さ0.9477Z77!のシートを作つた
一方、アシツドペーステイング法により製造されたρ型
銅の銅フタロシアニン顔料についても同じ操作を行ない
、この二種類のシートについて分光光度計で反射色及び
透過色を測定した。
その結果を第2表に示す。第2表から、p型銅フタロシ
アニンを用いたシートは、α型銅フタロシアニンに比べ
て鮮明で、はるかに赤味を帯びた美しい青色に着色成型
されていることが分つた。
視覚的にも、ρ型銅フタロシアニンを用いて作つたシー
トは、反射色、透過・色いずれの場合にも鮮明で、はる
かに強く赤味を帯びた独得の美しい青色であることが観
察された。これらの結果より、えられた銅フタロシアニ
ンは全く新規な結晶形を有するρ型銅フタロシアニン顔
料であり、しかも、非常にすぐれた顔料特性をもつこと
を示した。
実施例2i実施例1に用いたのと同じ300cc容量の
3つ口円筒型丸底フラスコにエチレングリコール150
部と無水塩化カルシウム8.3部を加え、かきませて無
水塩化カルシウムを溶解させたのち、1−アミノー3−
イミノーイソインドレニン5園と無水塩0化第2銅11
.5部を粉体同志で均一に混合した混合粉末を徐々に加
えた。
室温にて約6紛間かきませたのち、昇温し、85℃にて
4時間かきませながら加熱保持したのち、100℃に昇
温して100゜Cで2時間反応させた。反応終了後、実
施例1と同じ後処5理をして銅フタロシアニン生成物を
えた。その収率は92%であつた。この生成物をX線分
析すると新規な結晶形を有するρ型銅フタロシアニンで
あり、しかもその粒度は微細であり、ソフトて分散性も
よく、色相もフ鮮明で極めて赤味の強い青色で、顔料と
して用いた場合非常にすぐれたものであつた。
実施例3 実施例1、2に用いたのと同じ300cc3つロフラス
コにエチレングリコール15瑯と無水塩化力,ルシウム
15部を加え、かきまぜて塩化カルシウムを溶解させた
のち、1−アミノー3−イミノーイソインドレニン3揶
を無水塩化第2銅6.面Vを均一一に混合した混合粉末
を徐々に加えた。
室温にて約6紛間かきませたのち、昇温し、80’Cで
6時間かきまぜながら加熱保持したのち、110゜Cに
昇温し110゜Cで2時間反応させた。反応終了後、実
施例1と同じ後処理をして銅フタロシアニン生成物をえ
た。その収率は90%であつた。この生成物をX線分析
すると新規な結晶形を有するρ型銅フタロシアニンであ
り、しかも、その粒度は微細であり、ソフトで分散性も
よく、色相は鮮明で赤味の強い青色で、顔料として用い
た場合非常にすぐれたものであつた。
実施例4 2000cc容量の円筒型丸底フラスコに無水塩化カル
シウム24部とエチレングリコール720部からなる溶
液を加え、ホモミキサー(特殊機化工業)にて激しくか
きまぜながら1−アミノー3−イミノーイソインドレニ
ン18瑯を加えた。
よく分散したペースト液になつてから、無オ塩・(″1
,第z銅41.4部、塩化カルシウム6部、エチ+ング
リコーール18瑯からなる溶液を徐々に加え、かきまぜ
て均一に分散したペースト液にした。次に、この様にし
てえられた原料混合組成物を!イカリ型かきまぜ機、冷
却器、温度計をそな凡た2000cc容量の3つ円筒型
丸底フラスコに移し、かきませながら約753Cに昇温
し、75℃でI時間反応させた。
反応終了後、実施例1と後処理をしで銅フタロシアニン
生成物をえた。その収率は85%で.あつた。この生成
物をX線分析すると新規な結晶形のρ型銅フタロシアニ
ンであり、しかも、その粒度は微細であり、ソフトで分
散性もよく、色相も鮮明で赤味の強い青色で、顔料とし
て用いた楊合非常にすぐれたものであつた。実施例5 実施例2に用いたものと同じ300cc3つロフラスコ
にエチレングリコール2m部と無水塩化カルシウム川部
を加え、しばらくかきまぜて無水塩化カルシウムを溶解
させたのち、1−アミノー3一イミノーイソインドレニ
ン3耳と無水塩化第2銅6.職を均一に混合した混合粉
末を徐々に加え、約6紛間かきませたのち、約65℃に
昇温し、65゜Cて1♂寺間反応させた。
反応終了後、実施例1と同じ後処理をして銅フタロシア
ニン生成物をえた。その収率は約83%であつた。この
生成物をX線分析すると、新規な結晶形のρ型銅フタロ
シアニンてあり、しかもその粒度は微細であり、ソフト
で分散性もよく、色相も鮮明て赤味の強い青色で、顔料
として用いた場合非常にすぐれたものであつた。実施例
6 実施例2に用いたのと同じ300cc3つロフラスコに
エチレングリコール2和部と無水塩化カルシウム3?を
加え、しばらくかきまぜたのち、1− ノアミノー3−
イミノーイソインドレニン3?を徐々に加えた。
加え終つたのち約30分かきまぜ、次に酢酸第2銅(一
水塩)10.識を徐々に加え、このあと約3紛かきませ
たのち昇温して、70〜75゜Cてル時間反応させた。
反応終了後、実施例1と ι同じ後処理をして銅フタロ
シアニン生成物をえた。その収率は約83%であ一つた
。この生成物をX線分析すると、新規な結晶形のp型銅
フタロシアニン顔料であり、しかもその粒,度は微細で
あり.、ソフトて分散性もよく、色相も鮮明で赤味が強
く非常にすぐれたものであつた。実施例7 300cc容量CI)円筒型丸底フラスコに塩化カルシ
ウ.1、114部とエチレングリコール12目からなる
均一−ー溶媒を仕込み、、ホモミキサー特殊機化工業)
にて激しく攪拌しながら1−ーアミノー3−イミノーイ
ソインドレニン4喀を加え約3粉間かきまぜた。
次に、このペースト液171.4部を実施例2に用いた
のと同じ300cc3つロフラスコにとり、かきませな
がら無水塩化第2銅9.識、無水塩化カルシウム1.喀
、エチレングリコール40部からなる原料混合物を徐々
に加えた。こののち約6紛間かきまぜたのち昇温し85
゜Cで6時間加熱保持したのち130゜Cに昇温し、1
30’Cで1時間反応させた。反応終了後、実施例1と
同じ後処理して銅フタロシアニン生成物をえた。その収
率は92%であつた。この生成物をX線分析すると新規
な結晶形のρ型銅フタロシアニンであり、しかもその粒
度は微細であり、ソフトて分散性もよく、色相も鮮明で
赤味の強い青色で、顔料として用いた場合非常に優れた
ものであつた。比較例1 実施例1において使用した酢酸第2銅(一水・塩)の代
わりに、塩化第1銅5.1部を用いて、その他は実施例
1と同様の方法で反応させたところ、えられた銅フタロ
シアニンはγ型に近い結晶形のものであり、新規の結晶
形のものではなかつた。
フ比較例2〜4 実施例1において使用したエチレングリコールの代りに
、グリセリン、ブタノール、エチルセロソルブを各々用
いて、その他は実施例1と同様の方法で反応させたとこ
ろ、えられた銅フタロシア5ニンはいずれもγ型に近い
結晶形のものであり、新規の結晶形のものではなかつた
比較例5 実施例1において使用したと同じ原料混合組成物をかき
ませながら、60分間で室温から120゜Cまクで一気
に昇温し、120℃で4時間反応させたところ、えられ
た銅フタロシアニンはγ型に近い結晶形のものであり、
新規の結晶形のものではなかつた。
比較例6 独国公開特許2136767号明細書、実施例5におい
て使用された食塩の代わりに無水塩化カルシウムを用い
て、その他は実施例5と同様の方法で反応させた。
すなわち、双腕型ニーダー中に1−アミノー3−イミノ
ーイソインドレニン145部、無水塩化第2銅33.7
部、無水塩化カルシウム700部とエチレングリコール
116部を加え、10分以内に100℃に加温し、10
0〜110゜Cの温度で3時間反応させた。反応終了後
、温水、1%塩酸、次いで1%水酸化ナトリウム水溶液
でそれぞれ洗滌処理したのち水洗いし乾燥した。この様
にして得られた銅フタロシアニンは、X線で分析すると
、α型の結晶形のものであり、新規な結晶形のものでは
なかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で用いる原料混合組成物の1ーアミノー
3−イミノーイソインドレニン(X)、塩化カルシウム
(Y)、およびエチレングリコール(Z)の組成範囲を
示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 1−アミノ−3−イミノ−イソインドレニン(X)
    、塩化カルシウム(Y)、およびエチレングリコール(
    Z)三成分の重量組成比率が、(A)X=1、Y=1.
    4、Z=10、(B)X=1、Y=0.3、Z=2、(
    C)X=1、Y=0.03、Z=2、(D)X=1、Y
    =0.03、Z=6.5および(E)X=1、Y=0.
    60、Z=10の5点を結ぶ直線で囲まれた範囲内にあ
    る原料混合組成物と2価の銅塩とを、あらかじめ60〜
    90℃の温度範囲において少くとも2時間加熱せしめ、
    ついで60℃〜150℃の温度で反応を完結せしめるこ
    とを特徴とする新規な結晶形ρ型銅フタロシアニンの製
    造方法。 2 60〜90℃の温度範囲で少くとも2時間加熱し、
    引き続き、同温度範囲にて加熱を続行して、反応を完結
    せしめることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    新規な結晶形ρ型銅フタロシアニンの製造方法。 3 60〜90℃の温度範囲で少くとも2時間加熱し、
    次で、90〜150℃の温度範囲において加熱し反応を
    完結せしめることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の新規な結晶形p型銅フタロシアニンの製造方法。
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