JPS6047957B2 - 固形廃棄物を原材料とするパルプの精製方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は古紙などの紙類を富含有した固形廃棄物など
（都市ゴミなど）の原材料からパルプ繊維を回収再生す
る過程におけるパルプの精製方法に関するものてある。

都市ゴミなどの固形廃棄物中には紙類、プラスチック
類、厨芥類などが多く含有されるが、これよりパルプ繊
維を取出すとき、従来の古紙再生処理で実施されている
難解工程及びスクリーンなどの選別工程をそのまま適用
してパルプ繊維とそれ以外の異物とを分離した場合、こ
れらの処理工程て微細化された多くの異物はスクリーン
類の間隙を通過してパルプ繊維と共存状態て残留するこ
とが認められている。 この共存している微細異物は都
市ゴミ等の固形廃棄物から得られるパルプ原料特有の「
厨芥類」及び「繊維状に細分化されたプラスチック」で
ある。

この共存異物は、例えば製紙用に供するとき製紙工程に
おいて障害となるばかりでなく、紙の機能価値及ひ商品
価値を損傷するものてある。更に厨芥に起因する有害菌
は衛生上好ましいものではない。 厨芥は、いわる台所
ゴミでこれは植物性厨芥、動物性厨芥が含まれる。

跪菜の皮の微細片、木片からの微細片、樹木の葉の微細
片などの植物性厨芥はパルプ繊維中の夾雑物となつてい
る。特に油脂類は紙類に強固に滲しパルプ繊維との分離
が困難である。又繊維状微細プラスチックはいわる樹脂
などが繊維状に縦裂けし、それにインクが附着して毛髪
状の夾雑物となつている。更に樹脂性の糊の微細粒子は
紙に汚点をもたらす夾雑物である。 本発明はこれらの
パルプ繊維と共存する「厨芥類」及び「繊維状微細プラ
スチック」の溶解、分離、除去と有害菌の殺菌に有効な
パルプ繊維の精製方法を提供するものてある。

本発明を図面に示した実施例に基き説明する。

微細厨芥及びプラスチックを含有するパルプスラリー
を濃縮機１で濃度２０〜３５％以上に濃縮する。ミキサ
ーなどの混合機２で少なくとも厨芥物溶解剤、殺菌剤、
金属イオン封鎖剤として作用する薬品Ａを添加し、薬品
との混合を均一にする。次に繊維混練機３で上記高濃度
で練り合せ、厨芥類と薬品類との接触を充分に行なう。
繊維混練機３ては温度８０〜１００′Ｃ℃を保持する様
に蒸気により加熱する。バルブ繊維と強固に附着してい
る油脂類及び樹脂性糊は、繊維混練機３において加温状
況下でバルブ繊維相互の摩擦により薬品Ａが滲透された
分離・分散、溶解、殺菌の予備処理を受ける。繊維状微
細プラスチックは熱によソー部変形するが、なお原型を
留めている。上記濃縮、混合、繊維混練機１〜３までは
連続して行なうものである。

繊維混練機３で熱アルカリの処理を受けた原料は次に貯
槽４に温度８０〜９０℃で、９０〜１２吟間滞留せしめ
、上記薬品との反応を完成させる。滞留時間経過後、貯
槽の底部より水を加えて希釈し洗浄機５で更に水を加注
しながら洗浄し溶解した厨芥類を除去する。洗浄機５を
通過したバルブ繊維と微細繊維状プラスチックは次の濃
度１〜２％に水希釈されて浮上分離機６に導入し、上記
微細繊維状プラスチックに浮上促進作用を与える薬品Ｂ
を添加して浮上を容易ならしめ微細繊維状プラスチック
及び樹脂糊を分離し除去する。

薬品Ａ：苛性ソーダ、硅酸ソーダ、過酸化水素、金属イ
オン封鎖剤である。

過酸化水素はバルブの殺菌漂白の目的で使用するもので
ある。厨芥類に起因する大腸菌などの有害菌を薬品及び
熱作用により殺菌すると共にバルブの色相改善の漂白を
繊維混練機３及び貯槽４において同時に実施するもので
ある。苛性ソーダ及び硅酸ソーダは上記過酸化水素によ
る反応を促進させる作用を有し、同時に微細厨一芥物の
溶解剤として作用させる。

又金属イオン封鎖剤は固形廃棄物に多く含有する金属イ
オンの捕捉作用を行なわせ、同時に過酸化水素の金属イ
オンによる分解を抑制するために添加される。

同封鎖剤としては公知のエチレンジアミンチトラ酢酸（
ＥＤＴＡ）、ジエチレントリアミンペンタ酢酸（Ｄ′Ｉ
ＰＡ）などが用いられる。

固形廃棄物中には種々の重金属が含まれるが、バルブ化
過程においてはそれが洗浄や濃縮の工程・で除去するも
のが殆んである。

繊維混練機３及び貯槽４の殺菌漂白工程で金属イオン封
鎖剤添加と無添加の差異は実験例にも示される様にバル
ブ白色度で２ポイントであつた。薬品Ｂ：繊維状プラス
チックや樹脂系糊の軽量異物の浮上を促進させるための
薬剤で、公知のノニオン系界面活性剤が用いられる。

繊維混練機３において１００℃以上の温度にすると、バ
ルブ繊維自体の熱アルカリ劣化を惹起しバルブ強度に好
ましくない。上記ノニオン系界面活性剤はプラスチック
系ひげ状夾雑物の変形を抑制し、浮上分離効果を促進す
る。

浮上分離機６で軽量異物を除去したバルブ繊維原料は、
その後更に白色度を上昇させるために漂白塔に導入し次
亜塩素酸塩漂白や過酸化水素漂白を実施する。

更に紙への用途によつては公知のスクリーン類や液体の
サイクロンによる精製度の向上が可能である。本発明は
上記漂白処理を前記洗浄機５処理後行ない、その後前記
浮上分離機６にかける場合も含む。

これを実験例から更に説明する。

実験試料に供されたバルブスラリーの成分分析結果は温
水抽出物２．６〜３．４％、エーテル抽出物１．２〜２
．０％、１％苛性抽出物１２．１〜１４．８％を含有し
、又微細繊維状プラスチック２００００〜２５０００個
／ボ、重金属２０〜３０ＰＰＭを含有する。

〔第１実験例〕 濃度２７％、温度９０℃の上記バイブスラリーに苛性ソ
ーダ３〜４％、硅酸ソーダ５〜７％、過酸化水素１．０
〜２．０％を添加（金属イオン封鎖剤及びノニオン界面
活性剤無添加）し前記繊維混練機３にかけ、これを前記
貯槽４に入れ滞留温度９０′Ｃ滞留時間９０〜１２０分
の条件で反応させた場合、前記洗浄機５の出口における
バルブスラリー中の温水抽出物は１．８〜２．０％、同
エーテル抽出物０．５〜０．７％、同１％苛性抽出物７
．４〜９．２％、同微細繊維状プラスチック６３００〜
６５０柵／イであり、かなりの厨芥物等の溶出除去効果
が認められた。

〔第２実験例〕 又上記と同一の条件で金属イオン封鎖剤０．３％を添加
した場合、洗浄機５の出口におけるバルブスラリー中の
重金属は５〜１０ＰＰＭに減少していることが認められ
た。

〔第３実験例〕 又第１実験と同一の条件て処理を施した後、ノニオン界
面活性剤０．２％添加下で、前記浮上分離機にかけた場
合、同分離機出口におけるバルブスラリー中の微細繊維
状プラスチックは３０００〜３２００個／イに減少する
ことが認められた。

【図面の簡単な説明】 図面は本発明の実施例を示す固形廃棄物を原材料とする
バルブ精製工程のブロックダイヤフラムである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 少なくとも厨芥物溶解剤及び金属イオン封鎖剤並び
   に殺菌剤添加の条件下で微細厨芥類及び繊維状プラスチ
   ックなど固形廃棄物特有異物の共存するパルプ原料を混
   練して異物の分離・分散、溶解、殺菌の予備処理を行な
   い、該予備処理後、貯槽において温度８０〜９０℃、帯
   留時間９０〜１２０分の条件下で上記薬品との反応を完
   成させ、該反応処理後水洗浄して溶解反応せる厨芥異物
   を除去し、更に界面活性剤添加の条件下で浮上分離処理
   を行ない繊維状プラスチック及び樹脂糊などの軽量異物
   を浮上分離させ除去することを特徴とする固形廃棄物を
   原材料とするパルプの精製方法。