JPS6046566B2 - 帯域制限回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、モノリシックフィルタを使用した帯域制限回
路に関するものである。

水晶等の圧電素子を使用するモノリシックフィ。

ルタによる帯域制限回路は、無線周波数受信機の中間周
波回路等に使用されている。この中間周波回路は、所要
の受信信号だけを通過させ、他の防害信号等を除去する
ものである。したがつて、中間周波回路に使用されてい
る帯域制限回路のスプ；リアス特性が悪い場合には、中
間周波数以外の周波数信号も通過し受信機の特性を悪化
させることになる。従来、無線受信機の中間周波回路に
使用する帯域制限回路として、２極のモノリシックフィ
ルタを縦続に接続したタンデム型フィルタが広く知られ
ている。

フィルタを縦続に接続すれば、通過特性が各素子の代数
和となり、所要の選択度を得るとともにスプリアス特性
を改善できる。例えば、１５０ＭＨ２帯の業務用無線通
信装置では、スプリアス特性として９■Ｂ以上が必要と
なる。

また、フィルタの極数は、ｍ極相当の選択度が必要とな
る。この場合に、２極のモノリシック・フィルタを使用
すると、５個のフィルタを接続することになり非常に高
価なものとなる。スプリアス特性に関しては、１個の２
極モノリシックフィルタが、例えば２０ｄＢ減衰してい
るとすれば、５個の合計で１００ｄＢが得られる。上記
ｍ極相当のフィルタを単一の圧電基板上に形成すれば、
安価にできる長所はあるが、単一の基板ではスプリアス
が同一周波数に現われる欠点がある。

単一の圧電基板によるスプアスの減衰量は、４０ｄＢ〜
５０ｄＢ程度となり、一般に５０ｄＢ程度の減衰量が不
足する。多極モノリシックフィルタのスプリアス周波数
は、圧電基板自身の固有振動周波数付近に発生する。

また、フィルタの通過周波数は、電極金属を圧電基板上
に付着させるため、圧電基板の固有振動周波数より、わ
ずかに低くなる。すなわちフィルタの通過周波数よりも
多少高い周波数にスプリアスが発生することになる。本
発明は、多極モノリシックフィルタのスプリアスは通過
周波数より高い周波数にある特徴に着目してなされたも
のである。

本発明の目的は、製造コストを低くすることのできるモ
ノリシックフィルタを使用し、かつ、スプリアス特性が
良い帯域制限回路を提供することにある。

以下、図面により詳しく説明する。

第１図は２極のモノリシックフィルタの一構成例図てあ
る。

１は圧電基板（例えば水晶基板）、２は入力電極、３は
出力電極、４は接地電極、５，６および７，８は入出力
端子である。

端子５．６に加えられた入力信号は、電極２，４に加え
られる。これにより、入力信号は、圧電基板１を経て音
響的に結合され、端子７，８に出力される。この入出力
の周波数特性を第２図に示す。

第２図において、曲線は減衰曲線を示し、横軸は周波数
、縦軸は減衰量である。ＦＯは通過帯域の中心周波数、
Ｆｓｐはフィルタのスプリアス周波数である。前述のよ
うに、一般にスプリアス周波数Ｆｓｐはの関係がある。

第３図は、第１図に示した２極モノリシックフィルタを
タンデム接続した構成図である。

中間の各電極９には実効的に電流が生じないので図のよ
うに接地しておいてよい。第４図は、第３図のタンデム
接続フィルタの入出力特性を示す図である。

スプリアスがかなり抑圧され減衰特性は累加される。こ
の方法によると、スプリアス特性は良いが複数のフィル
タを別個に製作し調製し、気密ケースにそれぞれ封入す
るため非常に高価なものとなる欠点がある。

第５図は多極モノリシックフィルタの構成例図である。

このフィルタは１個の圧電基板１に多数対の電極を形成
して、これを縦続接続して構成する。このフィルタは、
第３図に示すフィルタと同様に減衰特性は累加する。第
６図は第５図に示すモノリシックフィルタの入出力特性
図である。

このフィルタのスプリアスは、同一基板上で同一周波数
に現われるので、これが累加し、スプリアス特性は第３
図のタンデム接続フィルタに比較して相当悪くなる。し
かし、このフィルタは基板が一つであり、各電極も同時
に付着されることができるため、安価に製作できる特徴
がある。第７図は本発明実施例装置の構成図である。

入力端子５，６に与えられる信号は、２極モノリシック
フィルタからなる第一のフィルタ１１を通過して、周波
数混合器１３に与えられる。この周波数混合器１３には
局部発振器１４から、周波数Ｆ，の信号が加えられてい
る。その出力の信号は、多極モノリシックフィルタから
なる第二のフィルタ１５を通過して出力端子７，８に導
かれる。２極モノリシックフィルタ１１は第１図で説明
したものと同等であり、多極モノリシックフィルタ１５
は第５図で説明したものと同等である。

ここで、第一のフィルタの通過周波数をｆ１、第二のフ
ィルタの通過周波数をＦ２とするとき、局部発振器１４
の出力周波数ｆしとの間に、なる関係が成立するように
、各周波数を選ぶ。

特にこの例では、となるように周波数が選ばれる。

このように構成することにより、第一のフィルタ１１に
生じるスプリアスは、第２図のように通過域より高い部
分に生じるが、第二のフィルタ１５に与えられるときに
は、これが反転されて通過域より低い部分に移る。

第二のフィルタ１５にも、第６図で説明したように、通
過域より高い部分に生じるが、第一のフィルタ１１のス
プリアスはこの部分には現われないので、総合特性は第
８図のようになる。このように、本発明により、２個の
フィルタにより生じるスプリアスを通過域周波数の上下
に分散させて、これが累加しないように構成することが
できる。

上記例では、第一のフィルタを２極、第二のフィルタを
多極としたが、いずれのフィルタも２極以上のものであ
れば、同様に本発明を実施することができる。

第一のフィルタと第二のフィルタを同一の圧電゛基板上
に形成することもできるが、このときには、周波数の選
定、フィルタの構成等に制限条件がある。

本発明の装置は、第一のフィルタの周波数を第一中間周
波とし、第二のフィルタの周波数を第二中間周波として
、ダブルスーパヘテロダイン受信機に実施することがで
きる。

以上述べたように、本発明により圧電基板上に形成され
たモノリシックフィルタのスプリアスが分散され、少な
い素子数でスプリアス特性のよい帯域制限回路を実現す
ることができる。

本発明の装置は従来の同一性能を得るフィルタに比べて
、小形かつ安価に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は２極モノリシックフィルタの構成図。 第２図はその特性図。第３図は２極モノリシックフィル
タの縦続接続構成図。第４図はその特性図。第５図は多
極モノリシックフィルタの構成図。第６図はその特性図
。第７図は本発明実施例装置の構成図。第８図はその特
性図。１・・・圧電基板、２・・・入力電極、３・・・
出力電極、４・・・接地電極、５，６・・・入力端子、
７，８・・・出力端子、９・・・中間電極、１１・・・
第一のフィルタ、１３・・・周波数混合器、１４・・・
局部発振器、１５・・・第二のフィルタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ モノリシック圧電基板に形成されたモノリシックフ
   ィルタから成る第一のフィルタと、この第一のフィルタ
   の出力が導かれた周波数混合器と、この周波数混合器に
   局部発振周波数を与える局部発振器と、上記周波数混合
   器の出力が導かれモノリシック圧電基板に形成されたモ
   ノリシックフィルタから成る第二のフィルタとを備え、
   上記第一のモノリシックフィルタの通過周波数をｆ＿１
   とし、上記第二のモノリシックフィルタの通過周波数を
   ｆ＿２とし、上記局部発振周波数をｆ＿Ｌとするとき、
   ｆ＿Ｌ＝ｆ＿１＋ｆ＿２となるように上記各周波数が選
   ばれたことを特徴とする帯域制限回路。 ２ ｆ＿１とｆ＿２が等しい特許請求の範囲第１項記載
   の帯域制限回路。