JPS604360B2 - メカニカルシ−ルド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、坑道の構築にあたり安全性を維持しながら能
率的に施工するための・メカニカルシ・ールドに関する
ものである。

従来のメカニカルシールＮま、その外殻前部前面に略同
径のカッターが回転自在に菱説されていたために、掘削
作業中に坑内から地山への掘進方向に先行ボーリングを
行って、地山の猿水や軟弱等の性状を予見し、その地山
性状に適応する薬液を注入して、止水や地質改良等の予
備作業を適確に施すことができないうえ、計画線どおり
のトンネル線形と勾配の方向性に誤差を来たしたときの
方向修正を容易かつ迅速に行うことができず、坑道の構
築にあたり安全性を維持しながら能率的に施工すること
ができない実状にあった。

本発明は、上記のような実状に鑑み、その欠点を一掃す
べく創案されたものであって、切羽中央部を大背の形で
残存させて地山のゆるみを防止し又、カッターの切羽へ
の接触面積を減少させて掘削回転動力を軽減し、しかも
セグメントの坑道からの運搬と組立作業を切羽中央部の
手掘作業との平行によって切羽の掘進作業を能率よく行
うと共に、掘進作業中に坑内から地山の掘進方向への先
行ボーリングによって地山の擬水や軟弱等の性状を予見
し、その地山への止水や地質改良等の予備作業を的確に
施工することができ、しかも切羽の掘削摩耗によるビッ
トの交換作業や方向修正作業を簡単かつ容易に行わしめ
、もって坑道の構築を安全性を維持しながら能率的に施
行することができるメカニカルシールドを提供しようと
するものである。

本発明の構成を図面に示された一実施例について説明す
れば、１はメカニカルシ−ルド外殻であって、該メカニ
カルシールド外殻１‘ま、その内周面に突設された反力
部２と坑道を形成するセグメントＳ，Ｓ，・・・前端間
周方向に所定間隔を存して配されたシールドジャッキ３
，３，・・・の伸長動作によりセグメントＳ，Ｓ，・・
・からの反力を上記反力部２で受けて切羽に対して所定
距離推進した後、ヱレクター４によりセグメントＳ，Ｓ
，…に新たなセグメントＳ，Ｓ，・・・を組立てて坑道
を形成しつつシールドジャッキ３，３，・・・で切羽に
対して推進し、これを順次繰返すことにより坑道を掘進
するように構成されている。

前記メカニカルシールド外殻１の前部中央部には手堀シ
ールド５がメカニカルシールド外殻１の反力部２後部に
軸心方向と直交方向に架設された支持フレーム６を介し
て内装され、かつメカニカルシールド外殻１の内周面と
手掘シールド５の外周面間には、切羽を掘削するカッタ
ー７が回転自在に設けられている。

すなわち、上記カッター７は、その後端部にはメカニカ
ルシールド外殻１の反力部２内周面周方向に通間隔を存
して装備されたカッタ回転用油圧モータ８７８，・・・
の駆動軸８ａ，８ｂ，・・・に噛合するりングギヤー９
が設けられ、かつカッター７の前端から後端に向けて異
径縮小階段状に形成された外周面１・０とメカニカルシ
ールド外殻１の反力部２前部周方向に突設された支承部
１１との間にはシール部材１２，１２とスラストローラ
１３およびローラベアリング１４がそれそれ介装され、
さらにカッター７の前面１５には長方形のずり導入スリ
ット１６，１６，．・・が放射状に刻設され、該ずり導
入スリット１６，１６，…の長側緑にビット１７，１７
，・・・が着脱自在に装着されており、上記カッタ回転
用油圧モータ８の駆動回転と前記メカニカルシールド外
殻１の切羽に対する推進によりカッター７の前面１５で
切羽の崩壊を阻止しながらビット１７，１７，・・・で
切羽を掘進し、該掘進時のずりをずり導入スリット１６
，１６，・・・からずり排出口（図示せず）を介して手
掘シールド５の外周面頂部上方に装設されたずり搬出用
のコンベア−１８上に排出するようになっている。また
手堀シールド５はメカニカルシールド外殻１の推進方向
に開放した筒状体５ａが前記メカニカルシールド外殻１
内に設けられた支持フレーム６前部に一体的に装着され
てシールドジャッキ３，３，・・・の伸長動作によって
メカニカルシールド外殻１と一緒に切羽に対して推進さ
れるように構成されており、その後面中央部にはデッキ
１９が水平状に設けられ、かつその前周端に刃口２０が
設けられ、該刃口２０の後部における筒状体５ａの内周
面内には山蟹板２１，２１，…が手堀シールド５の周方
向に通間隔を存して設けられたフェースジャッキ２１ａ
，２１ａ，・・・を介して掘削及び前方探査等の必要時
に取はずし自在に上記デッキ１９の前端上下方向に設け
られており、上記デッキ１９と山蟹板２１，２１，・・
・はそれぞれ油圧ジャッキ１９ａ，１９ａ，とフェース
ジャッキ２１ａ，２１ａ，…の伸長動作によりメカニカ
ルシールド外殻翼とは別個に推進方向に進退自在になっ
ている。

２２，２２は前記手堀シールド５の頂部に設けられたム
ーバブルフードであって、該ムーバプルフード２２，２
２は手掘シールド５の一部を可動式とした部分で、その
刃口２０の内周面頂部をメカニカルシールド外殻１の推
進前後方向に凹欠して該凹欠部に遊嫉され「かつ該ムー
バブルフード２２？ ２２の後端と手擬シールド５の後
端間にムーバブルフードジャッキ２２ａ，２２ａが装着
され「そして該ムーバプルフードジャッキ２２ａ，２２
ａの伸長動作によってメカニカルシールド外殻１の推進
方向に向けて進退自在に構成されていると共に、ムーバ
ブルフード２２，２２の前端は手堀シールド５の前端と
同様な刃口２３，２３が形成されている。

２４は手掘シールド５のずり搬出用のコンベアであって
、該コンベア２４の移送始端は手堀シールド５の内周面
底部に臨まされ、かつ移送終端はその中間部で前記カッ
ター７からのずり搬出用コンベア１８を介して排出され
たずりを移教して「手掘りによるずりとカッター７によ
るずりを後方坑道側へ搬出するようになつている。

次に叙上のように構成した本発明の掘削方法を第４図を
用いて説明する。

先ずメカニカルシールド外殻１の内周面と手協シールド
５の外周面との間に設けた環状のカッター７を回転し、
シールドジャッキ３，３，…を伸長動作させると同時に
、山留板２１，２１，・・・のフェースジャッキ２１ａ
，２１ａ，・・・を上記シールドジャッキ３，３，・・
・の伸長動作と相対的に後退動作させると、メカニカル
シールド外殻１の切羽に対する推進に伴なつて、切羽の
中央部が手掘シールド５の刃口２０内周面と山蟹板２１
，２１，…によって保持されて、手海シールド５内に大
背の形で残存されると共に、切羽の周側部がカッター７
によって掘削され、後にヱレクター４で組立てられるセ
グメントＳ，Ｓ，・・・の組立単位幅員ａの半分を前進
させる。このときカッター７の切羽への接触面積が外周
部だけなので掘削回転動力を軽減した状態で掘削される
（第４図Ａ，Ｂ参照）。次いで切羽の周側部をセグメン
トＳ，Ｓ，「・・・の組立単位幅員ａの半分掘進したと
きに、上記カッ夕−７を停止させ、セグメントＳ，Ｓ，
・・・を坑道からメカニカルシールド外殻１のテール部
に運搬する間に、手掘シールド５内の大背を手掘掘削し
た後、再びカッター７を回転しシールドジャッキ３，３
，…を伸長動作させると同時に山蟹板２１，２１のフェ
ースジヤツキ２１ａ，２１ａ，…をシールドジャッキ３
，３，・・・の伸長動作を保持したまま相対的に後退動
作させると、切羽の中央部を手堀シールド５内に大背と
して残存保持しつつ切羽の周側部がカッター７によって
、後にェレクター４で組立てられるセグメントＳ，Ｓ，
・・・の組立単位幅員ａの全距離が掘進される（第４図
Ｃ，Ｄ参照）。

そして、前記大背の手堀掘削時に坑道からメカニカルシ
ールド外殻１のテール部に運搬されたセグメントＳ，Ｓ
，・・・をェレクタ−４によって坑道を形成しているセ
グメントＳ，Ｓ，・・・前端に連結状に組立てると同時
に、手堀シールド５内の大背を手堀掘削し、これを順次
繰返すことにより切羽を推進して坑道を構築する（第４
図Ｅ参照）。この場合、シールドジャッキ３の推進力は
フェースジャッキ２１ａ推進力より比較にならない程度
大きいので、フェースジャッキ２１ａはシールドジャッ
キ３の伸長動作にともないその推進力を同じ力に保持し
ながらシールドジャッキ３と相対的に後退動作させられ
る。

従って、切羽の中央部が手掘シールド５内に大背の形で
残存し、地山とは別体にこの部分の士の重量とフェース
ジャッキ２１ａによる推力が作用することになり、これ
が切羽の土庄に抵抗するため、シールド前面での切羽の
自立高さ全体にかかる±圧は、この中央部で低減させら
れ、ここに手堀部分があっても、小土庄の切羽で掘削が
行われるから、従来の全断面型の手堀シールドーこ比べ
て地山のゆるみが著しく減少し、シールド掘削中の地盤
沈下を防止することができる。更に、メカニカルシール
ド外殻１の前部中央部に手擬シールド５が内装されてい
るので、切羽の掘進作業中に、坑内から地山への掘進方
向に手腕シールド５内の切羽中央部を介して、先行ボー
リングを随時行って、地山の湧水や軟弱等の性状を予見
し、その地山の性状に適応する薬液を注入して止水や地
質改良等の予備作用を的確に施工することができると共
に、メカニカルシールド外殻ｌが計画線どおりのトンネ
ル線形と勾配の方向性に誤差を来たしたときには、切羽
の中央部に山留板２１，２１，…をフェースジヤツキ２
１ａ，２１ａ，・・・を介して山蟹作用させながら先掘
することにより、その方向修正を容易かて迅速に行うこ
とができる。

また、手擬シールド５の頂部にはメカニカルシールド外
殻１の推進方向に向けて進退自在に構成したムーバプル
フード２２，２２が設けられているので、該ムーバプル
フード２２，２２をムーバブルフードジャツキ２２ａ，
２２ａの伸長動作によって手擬シールド５の頂部からメ
カニカルシールド外殻１の推進方向に向けて突出させる
ことにより、手掘シールド５の前方切羽上方に位置する
地山がムーバブルフード２２，２２の外周面とカッター
７の前面１５で保持されて、カッター７の前面における
手楓部への切羽崩壊現象が確実に阻止され、また、切羽
の掘削によってカッター７のビット１７，１７，・・・
が摩耗した場合は、ムーバブルフード２２を突出させた
前記の庇護のもとで、手堀シールド５の内部上方におい
てカッター７の下半部にあたるものから順に交換するこ
とができるので、ビット１７，１７，・・・の交換作業
が簡単かつ容易に行える。

尚、実施例ではカーブ等を考えてシールド機長を短くす
るため１回の掘削を２度に分けて（セグメント組立幅員
の１′２づつ）行っているが１度でやつつても良い。

これを要するに、本発明はメカニカルシールド外殻の前
部中央部に山蟹板を装備した手掘シールドを内装し、該
山蟹板をメカニカルシールド外殻と同軸方向に、かつ相
対的に進退可能に構成すると共に、前記メカニカルシー
ルド外殻の内周面と手掘シールドの外周面間に切羽を掘
削するカッターを回転自在に設けられたから、切羽中央
部を大背の形で残存させて地山のゆるみを防止し、かつ
カッターの切羽への接触面積を減少させて掘削回転動力
を軽減することができるうえ、セグメントの坑道からの
運搬と組立作業を切羽中央部の手掘掘削作業との平行に
よって、切羽の掘進作業を能率よく行うことができる許
りでなく、地山の性状を坑内から予見して切羽への予備
作業を的確に施工することができ、しかもメカニカルシ
ールド外殻の推進中に方向性に誤差が生じても、その方
向修正作業計画線どおりに簡単かつ容易に行うことがで
き、更に手堀シールドの頂部にムーバブルフードをメカ
ニカルシールド外殻の推進方向に向けて進退自在に設け
た場合には、切羽の掘削摩耗によるビットの交換作業も
容易に行い得て、坑道の構築を安全性を維持しながら能
率的に行うことができ、工期の短縮化をも図ることがで
きる等極めて有用な新規的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るメカニカルシールドの一実施例を示
すものであって「第富図は一部断面全体正面図、第２図
は全体縦断側面図、第３図は一部断面全体背面図〜第４
図Ａ〜８は作用説明図である。 図中、１はメカニカルシールド外殻、３はシールドジヤ
ッキ、４はェレクター、５は手腕シールド、７はカッタ
−、８はカッタ回転用油圧モータ、９はリングギヤー、
１６はずり導入スリット、１７はビット、１９はデッキ
、１９ａはその油圧ジャッキ、２０‘ま刃口、２１は山
蟹板、２１ａはそのフェースジヤツキ、２２はムーバブ
ルフード、２２ａはそのムーバブルフードジヤツキ、２
３はその刃口。 第１図 第２図 第３図 第４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ メカニカルシールド外殻の前部中心部に山留板を装
   備した手掘シールドを内装し、該山留板をメカニカルシ
   ールド外殻と同軸方向に、かつ相対的に進退可能に構成
   すると共に、前記メカニカルシールド外殻の内周面と手
   掘シールドの外周面との間に切羽を掘削する環状カツタ
   ーを回転自在に設けたことを特徴とするメカニカルシー
   ルド。