JPS6043463A

JPS6043463A - ロツカア−ム用鋳鉄

Info

Publication number: JPS6043463A
Application number: JP15070783A
Authority: JP
Inventors: Yuji Okada; 裕二岡田; Ryuichi Masuda; 舛田　隆一; Tsutomu Sekiguchi; 関口　勉
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 1983-08-18
Filing date: 1983-08-18
Publication date: 1985-03-08

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、ロッカアーム用鋳鉄に関し、詳しくは、無鉛
ガソリンエンジン用としてのみならず、高鉛ガソリンエ
ンジン用としても、耐摩耗性、耐スカッフィング性に優
れ、摺動する相手材に対する損傷性の少ない、ロッカア
ーム用鋳鉄にかかる。

エンジンの動弁機構において、カムの回転運動を、バル
ブの上下運動に変換するロッカアームは、曲げ、引張り
、あるいは、圧縮等の、複雑に作用する応力に耐えるべ
く、充分な機械的性質が必要なことはもちろんのこと、
他部品（カム、バルブ等）との摺動部においては、特に
、耐摩耗性、引っ掻き摩耗に耐える特性、いわゆる、耐
スカッフィング性に優れ、しかも、摺動する相手材に対
する損傷性が少ないことが必要とされている。

ところで、使用するガソリンの種類によって、従来、無
鉛ガソリンでは良好な摺動性能を示したロッカアーム材
料を、高鉛ガソリンで使用すると、著しい摩耗、スカフ
ソシングを生じることがある。

これは、高鉛ガソリンを使用すると、無鉛ガソリンの燃
焼によっては生成しない、高鉛ガソリン特有の燃焼生成
物が、ガソリンの燃焼によって生成され、これが潤滑オ
イル中に混入し、ロッカアームの摺動部の摺動性能を、
阻害しているものと考えられる。

本発明は、上記のような、従来のロッカアーム材料の摺
動性能に関する欠点を解決するもので、ロッカアーム用
鋳鉄の組成と組織を調整することによって、無鉛ガケリ
ン使用時ばかりでな（、高鉛ガソリン使用時においても
、耐摩耗性、耐スカッフィング性に優れ、摺動する相手
材べの損傷性の少ない、ロッカアーム用鋳鉄を提供する
ことを目的としている。

このような目的は、本発明によれば、重量比率で、Ｃ；
１〜５％、Ｃｒ；０．５〜４０％、ＣＯ；１〜２５％と
残部実質的にＰｅかうなる組成の鋳鉄であって・オーステナイトと、マルテンサイトないしパーライトの
うち、単独ないし混合相の基地と、分散晶出炭化物から
なる組織としたことを特徴とするロッカアーム用鋳鉄鉄
によって達成される。

以下、添付図面に基づいて、本発明の詳細な説明する。

型？Ａ　８００°Ｃのロストワ・ソクス法にて、下表ニ
示すような組成のロッカアーム粗材を鋳造成形した。

なお、出湯温度は１６００〜１７００°Ｃ５鋳込温度は
、１４５０〜１５５０°Ｃである。

表において、試料Ｎｏ、　１ないし試料点３は、本発明
材の代表的なものであり、試料１１１ｏ、　４ないし試
料１１ｉｏ、　８は、本発明材の組成の上、下限を限定
するための試溶材である。

ただ、試料点８はチル鋳鉄である。

試料点９および試料点１０は、無鉛ガソリン用にもっば
ら使用されているロッカアーム用材料、いわゆる、高ク
ロム鋳鉄である。

上記のようにして、鋳造成形した缶口・ツカアーム粗材
を、機械加工仕上げした後、高鉛、高オクタン価ガソリ
ンを用い、摺動性能劣化の著しい、Ｚｎ；　０．０５６
　ｗｔ、％、Ｐ　；　０．０４８ｗｔ、％を含む、劣化
オイルＢを用いて、１０００　ｒ、ｐ、ｍ、のモータリ
ングによる、低速スカッフィング試験を行なった。

第１図に試験結果を示す。試験時間は２００時間、湯温
は６０℃である。

なお、Ｚｎ；　０．１６　ｗｔ、％、　Ｐ　；　０．１
２ｗｔ、％を含む、劣化オイルＡを用いても、上記と同
様の、低速スカッフィング試験を行ったが、結果は、劣
化オイルＢを用いた場合とほぼ同様であった。

試料Ｎｏ、９ないし試料点１０の、一般的な高クロム鋳
鉄を基準として比較した結果、本発明の試料点１ないし
試料点３は各添加元素量の相違によるバラツキはあるが
、すべて、摺動性能が良好である。

これは、第２図に示すように、高クロム鋳鉄は試料Ｎｏ
、１０の顕微鏡組織写真から明らかなように、巨大かつ
角ばった炭化物が多量品出しているのに対し、第３図、
第４図に示すように、発明材は試料１ｌｌ１１１１、試
料８１１３の顕微鏡組織写真から明らかなように、巨大
炭化物の晶出が少なく、しかも、角部が丸みをもってい
ることによると思われる。

試料点４は、４％Ｃ−１７％Ｃｏ残部実質的にＦｅであ
るが、Ｃｒ無添加であるため、炭化物の晶出が少なく、
黒鉛の析出が認められ、ロッカアーム摩耗量が多い。

試料点５は３％Ｃ−３５％Ｃｒ−３０％Ｃｏ残部実質的
にＦｅであるが、ＣＯ添加量が多すぎるため、耐摩耗性
に劣っている。

試料点６は、０．５％Ｃ−１５％Ｃｒ８Ｃｏ−残部実質
的にＦｅであるが、Ｃ添加量を少なくし、Ｃｒ鋳鋼程度
としたため、Ｃ量が不足して炭化物の晶出が少なく、摺
動する相手材に対する損傷性は少ないが、ロッカアーム
自身の摩耗量が多い。

試料歯７の２％−■２％Ｃｒ−０．７％Ｃｏ−残部実質
的にＦｅからなる試料は、Ｃｏの添加量を少なくし、Ｃ
ｏの添加効果を調査したものであるが、カム摩耗量、ロ
ッカアーム摩耗量ともに多く、ロッカアーム材料として
適していないことを示している。

本発明拐の試験結果からみて代表的なものは、試料歯ｌ
の２％Ｃ−２％Ｃｒ−５％Ｃｏ−残部実質的にＦｅから
なる鋳鉄であり、この鋳鉄は、本発明材の中で摺動性能
にバランスがとれており、カム摩耗量、ロッカアーム摩
耗量、耐スカッフィング性とも、すべて、最良の結果を
示している。

この試料の成分付近を調査・検討した結果、試料＋１１
Ｑ、２０１．５％Ｃ−１０％Ｃｒ　−１％Ｃｏ−残部実
質的にＰｅの鋳鉄や、試料Ｎｏ、　３の３％Ｃ−３０％
Ｃｒ−１５％Ｃｏ−残部実質的にＦｅの鋳鉄のように、
Ｃ１Ｃｒ、　Ｃｏの組合せにより、耐摩耗性が特によく
なったり、耐スカッフィング性が特によくなったりする
などの、特別な性能が得られるものもあるが、Ｃｏを添
加していない試料隘８、試料Ｎｏ、　９の、一般的な高
クロム鋳鉄と比較すると、明らかに良好な摺動性能を示
して−いる。

また、試料隘８および試料魚９では、劣化オイルＡと劣
化オイルＢにおいて、摺動性能の差が認められるが、Ｃ
Ｏ添加した試料については、このような傾向が認められ
ない。

試料Ｎ１１８は、Ｃｒ添加を行なったチル鋳鉄である。

この鋳鉄は、耐摩耗性に劣り、また、スカッフィングの
発生も認められ、ロッカアーム材料としては適していな
い。

以上の結果から、ＣＯの添加は、口・ツカアーム用鋳鉄
の耐摩耗性、耐スカッフィング性を改善し、摺動する相
手材に対する損傷性を少な（し、また、劣化オイルＡと
劣化オイルＢでの摺動性能の差や、高鉛ガソリン使用時
と、無−鉛ガソリン使用時における摺動性能の差を低減
できる効果がある。

以上により明らかなように、本発明にかかるロッカアー
ム用鋳鉄によれば、鋳鉄の組成と組織を調整すること、
とりわけＣＯ元素の添加によって、無鉛ガソリン使用時
ばかりでなく、高鉛ガソリン使用時においても、耐摩耗
性、耐スカッフィング性に優れ、摺動する相手材への損
傷性が少なく、いわゆる、摺動性能に優れているという
利点がある。

−タリング試験結果を示すグラフ、第２図は、従来の高クロム鋳鉄（試料Ｎｏ、１０）の顕
微鏡組織写真、第３図および第４図は、本発明材のそれぞれ試料隘ｌお
よび試料階３の顕微鏡組織写真を示す。

出願人　トヨタ自動馴粘第１図

Claims

【特許請求の範囲】１、重量比率で、Ｃ；１〜５％、Ｃｒ；　０．５〜４０
％、Ｃｏａｌ〜２５％と残部実質的にＦｅからなる組成
の鋳鉄であって、オーステナイトと、マルテンサイトないしパーライトの
うち、単独ないし混合相の基地と、分散晶出炭化物から
なる組織としたことを特徴とするロッカアーム用鋳鉄。