JPS60110844A - ロッカア−ム用鋳鉄 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ＩＪフッカアーム鋳鉄に関し、詳しくは、無
鉛力ソリンエンパ、；ン用としてのみならず、高鉛カッ
リンエンジン用としても、耐摩耗性、耐スカッフィング
性に優れ、摺動する相手材に対する損傷性の少ない、ロ
ッカアーム用鋳鉄にかかる。

口、従来技術 エンジンの動弁機構において、カムの回転運動を、バル
ブの上下運動に変換するロッカアームは、曲げ、引張り
、あるいは、圧縮等の、複雑に作用する応力に耐えるべ
く、充分な機械的性質が必要なことはもちろんのこと、
他部品（カム、バルブ等）との摺動部においては、特に
、耐摩耗性、引っ掻き摩耗に耐える特性、いわゆる、耐
スカッフィング性に優れ、しかも、摺動する相手材に列
する損傷性が少ないことが必要とされている。

ところで、使用するガソリンの種類によって、従来、無
鉛ガソリンでは良好な摺動性能を示したロッカアーム材
料を、高鉛ガソリンで使用すると、著しい摩耗、スカッ
フィングを生じることがある。

これは、高鉛ガソリンを使用すると、無鉛ガソリンの燃
焼によっては生成しない、高鉛ガソリン特有の燃焼生成
物が、ガソリンの燃焼によって生成され、これが潤滑オ
イル中に混入し、ロッカアームの摺動部の摺動性能を、
■害しているものと考えられる。

ハ、発明の目的 本発明は、上記のような、従来のロッカアーム材料の摺
動性能に関する欠点を解決するもので、ロソカアーノ、
用鋳鉄の組成と組織を調整することによって、無鉛ガソ
リン使用時ばかりでなく、高鉛ガソリン使用時において
も、耐摩耗性、耐スカッフィング性に優れ、摺動する相
手材に対する損傷性の少ない、ロッカアーム用鋳鉄を提
供することをＬＩ的としζいる。

二、発明の構成 このような目的は、本発明によれば、重量比率で、Ｃ，
０，５〜４％、５ｉＨ０，１〜２．０％、Ｃｒ　；　、
０−５〜３５％、Ｗ　ｉ　０．０５〜２０．０％、Ｖ　
；　０．０３〜１０．０％、Ｍｏ；０．０５〜１５．０
、ｃｏｉｉ、０〜１（）、０％、残部実質的にＢｅから
なる組成の鋳鉄であって、 前記Ｆｅは１０％以上となし、その組織ばオーステナイ
１〜、マルテンサイト、ベイナイト、パーラ−（トのう
ら、少なくとも１種類以上の相を含む組織からなる基地
中に炭化物が分散晶出していることを特徴とする、ロッ
カアーム用鋳鉄によって達成される。

ホ、発明の作用 以下、本発明の詳細な説明する。

まず、本発明鋳鉄における各々の合金元素の、範囲限定
理由について説明する。

なお、以下の説明において、合金元素の含有量はすべて
重量比率（％）で表示する。

Ｃ含有量を０．５〜４％としたのは、０．５％未満では
鋳造性力（悪いからであり、４％を越えると鋳鉄中にＣ
が入りにくいばかりでな（、黒鉛化を促進するなど、摺
動性能の改善効果が期待できないからである。

Ｃｒ含有量を０．５〜３５％としたのは、０．５未満で
はＣｒ炭化物の晶出が少なく、Ｃｒ添加の効果が充分で
ないからであり、３５％を越えると、添加量に見合った
摺動性能の改善効果の向上がみられないからである。

Ｍｏ含有量を０．０５〜１５．０％としたのは、０．０
５は未満ではＭｏ添加の効果が十分でないからであり、
１５％を越えると、材料が高価となり、また、それに見
合った効果が得られないからである。

Ｗおよび■含有量をそれぞれ、０．０５〜２０．０％お
よび０．０３〜ｌＯ％としたのは、Ｗおよび■は類似し
た効果であり微量で摺動性能改善効果があるが、Ｗは０
．０５％未満、■は０．０３％未満ではその効果が十分
でなく、Ｗは２０．０％、■は１０％を越えると硬いＷ
Ｃ炭化物およびＶＣ炭化物が多９に晶出して、摺動する
相手材に対す・る損傷性が大きくなるからである。

Ｃｏ含有♀を１．０〜ｌＯ％としたのは、Ｃｏは鋳鉄の
耐熱性を向上して耐摩耗性、耐スカッフィング性を改善
し、摺動する相手材に対する損傷性を少なくするので有
効であるが、１．０％未満ではそのりＪ果が十分゛Ｃな
く、１０％を越えると材料コストが高くなる割に、それ
に見合って効果の向上が認められないからである。

そして、」二連の成分範囲の鋳鉄を、鋳造状態において
、オーステナイト、マルテンサイト、ベイナイト、パー
ライトのうち、少なくとも１種類以上の相を含む組織か
らなる基地中に、炭化物を分散品出させることにより、
無鉛ガソリン使用時ばかりでなく、高鉛ガソリン使用時
においても、耐摩耗性、耐スカッフィング性に優れ、摺
動する相手材に対する損傷性の少ない、いわゆる、摺動
性能に優れたロッカアーム用鋳鉄とすることができるも
のである。

へ、実施例 以下、添付図面に基づいて、本発明の詳細な説明する。

型温８００℃のロストワックス法にて、下表に示すよう
な組成のロッカアーム粗材を鋳造成形した。

なお、出湯温度は１６００〜１７００°Ｃ２鋳込温度は
、１４５０〜１５５０°Ｃである。

表　評価試料の化学成分　（％） 表におい′ζ、試料ｒｈ　ｔないし試料隘５は、本発明
祠の代表的なものであり、試料隘６ないし試料Ｎｏ、１
０は、本発明号オを比較評価するための比較材である。

また、試料Ｎｏ、１１および試料Ｎ１１１２は、無鉛ガ
ソリン用にもっばら使用されているロッカアーム用材料
、いわゆる、高クロム鋳鉄である。

上記のようにして、鋳造成形した各ロッカアーム粗材を
、機械加工仕上げした後、高鉛、高オクタン価ガソリン
を用い、摺動性能劣化の著しい、Ｚｎ；　０．１６　ｗ
ｔ、％、Ｐ’；　０．１２　ｉｙｔ、％を含む、劣化オ
イルを用いて、１０００　ｒ、ｐ、ｍ、のモータリング
による、低速スカッフィング試験を行なった。

なお、用いたエンジンは、２０００ｃｃ、６気筒、カム
シャフトはＪＩＳ規格Ｆ　Ｃ２５Ｃチル＆１鉄）である
。

第１図に試験結果を示す。試験時間は２００時間、油温
は６０℃である。

第１図から明らかなように、試料１ｔｌｌないし試料隘
１２の、一般的な高クロム鋳鉄を基準として比較した結
果、本発明の試料隘１ないし試料陽５は各添加元素量の
相違によるバラツキはあるが、すべて、摺動性能が良好
である。

試料は、隘６は、Ｗ、Ｖ含有量を多く添加したものであ
るが、これは、高硬度のＷＣ炭化物も■Ｃ炭化物の品出
が多く、摺動する相手材に対するｔＩｉ傷性が大きいた
め、カムシャフト摩耗量が多い。

試料Ｎ［Ｌ７は、Ｍｏ、　Ｇｏを無添加としたものであ
るが、この鋳鉄は、Ｍｏ炭化物の晶出が認められず、し
かも、ｉｌ’ｂ　ｍにおける硬度・強度が低いため、ロ
ッカアームの耐摩耗性が劣っている。

試料１Ｖｋ１８はｗ、ｖ、を無添加として、Ｗ、Ｖ（７
）影響を調査したものであるが、この結果からＷ、■は
、耐摩耗性向上元素として有効であることが理解される
。

試料階９は、Ｃｒ、　Ｗの影響を、調査したものであり
、粗大なＣｒ炭化物の存在が、耐摩耗性の観点から必要
であることが理解される。

試料Ｎａ１Ｏは、力Ｊ１シャフトと同一材料を評価した
もので、結果は第１図から明らかなように、スカッフィ
ングの発生が認められ好ましくない。

上記結果から、本発明鋳鉄は本発明の組成の範囲内にお
いて、バラツキは認められないものの、良好な摺動性能
を示していることが理解される。

以上の結果から、本発明鋳鉄は、Ｃ，Ｓｉ、　ＣｒＷ、
■、ＭＯ％　Ｃｏの元素を添加して、第２図の試料磁２
の顕微鏡組織写真、および第３図の試料隘３の顕微鏡組
織写真に示すように、組織を、オーステナイト、マルテ
ンサイト、ベイナイト、パーライトのうち、少なくとも
、Ｌ種類以上の相を含む基地中に、炭化物を分散晶出さ
た組織とすることにより、無鉛ガソリン使用時ばかりで
なく、高鉛ガソリン使用時においても、優れた摺動性能
を示すロッカーアーム用材料として、好適に適用できる
ことが明らかとなった。

ホ、発明の効果 以上により明らかなように、本発明にかかるロッカアー
ム用鋳鉄によれば、鋳鉄の組成と組織を調整することに
よって、無鉛ガソリン使用時ばかりでなく、高鉛ガソリ
ン使用時においても、耐摩耗性、耐スカッフィング性に
優れ、摺動する相手材への損傷性が少なく、いわゆる、
摺動性能に優れているという利点があることから、本発
明の範囲において、バルブシート材、バルブリフタ祠、
カムシャフト月、バルブステムガイド材等の耐摩耗材料
としても好適に通用できる利点がある。

−タリング試験結果を示すグラフ、 第２図および第３図は、本発明鋳鉄のそれぞれ試料陽２
および試料Ｎ［Ｌ３の顕微鏡組織写真を示す。

出願人　トヨタ自動車株式会社 第１図 手続補正書　（方式） １．事件の表示 昭和５８年特°許願第２１８５１０号 ２、発明の名称 ロッカアーム用鋳鉄 ３６補正をする者 事件との関係　特許出願人 住所　愛知県豊田布トヨタ町１番地　〒４７１昭和５９
年　２月２８日 ５、補正の対象 明細書 ６、補正の内容

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １４重量比率で、Ｃ；　０．５〜４％、５ｉＨ０，１〜
   ２．０％、Ｃｒ　；　ｏ、　５〜３５％、Ｗ　ｉ　０．
   ０５〜２０．０％５．Ｖ　；　０．０３〜１０．０％、
   Ｍｏ；　０．０５〜ｌ　５．０、Ｃｏ；１．０〜１０．
   ０％、残部実質的にＦｅからなる組成の鋳鉄であって、 前記Ｐｅは１０％以」二となし、その組織はオーステナ
   イト、マルテンサイト、ベイナイト、パーライトのうら
   、少なくとも１種類以上の相を含む組織からなる基地中
   に炭化物が分散品出していることを特徴とする、ロッカ
   アーム用鋳鉄。