JPS6042264Y2 - 電磁安全弁付ガス燃焼装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電磁安全弁付ガス燃焼装置に関し、さらに詳
しくは、パイロットバーナの火炎内に配設した熱電対に
生じる起電力により作動するとともにメインバーナ着火
後はその火炎内に配設した酸素濃度差センサーに生じる
起電力により作動して前記両バーナへのガス供給通路を
開放保持する電磁安全弁を備えた電磁安全弁付ガス燃焼
装置に関する 一般に、電磁安全弁付ガス燃焼装置は、メインバーナに
て不完全燃焼が生じた場合に両バーナへのガス供給を停
止して不完全燃焼の継続を阻止すべく開発されたもので
、不完全燃焼時に生じるＣＯに起因する酸素濃度差によ
り酸素濃度差センサーに起電力を生じさせ、この起電力
により電磁安全弁を閉止して両バーナへのガス供給を停
止するように構成されている。

このため、従来のこの種のガス燃焼装置においては、酸
素濃度差センサー自体に異常が生じた場合には、たとえ
メインバーナに不完全燃焼が生じても電磁安全弁を閉止
させることができずに不完全燃焼が継続し、この点にお
いて安全（フェイルセイフ性）上重大な欠点があった。

本考案は、この問題に対処しようとするもので、以下本
考案を図面に基づいて説明するに、第１図には本考案に
係る電磁安全弁付ガス燃焼装置の一例が示されている。

この電磁安全弁付ガス燃焼装置（以下単にガス燃焼装置
ということがある）は、ガス湯沸器に組込まれたもので
、メインバーナ１１へのガス通路であるメインガス通路
１２はパイロットガス通路１３を備えていて、メインガ
ス通路１２のパイロットガス通路１３より上流側部位に
は電磁安全弁２０が介装され、またパイロットガス通路
１３より下流側部位には自動開閉弁３０が介装されてい
る。

電磁安全弁２０は、電磁石２１と、吸着板２２および弁
体２３を有する操作ロッド２４と、操作ロッド２４を図
示上方へ付勢して弁体２３を弁座２５に着座させるスプ
リング２６とを備えていて、操作ロッド２４をスプリン
グ２６に抗して押動するとメインガス通路１２の上流側
を開放腰かつこの状態で電磁石２１に磁力が生じると操
作ロッド２４を吸着保持するように構成されている。

また、自動開閉弁３０は、給水通路１４に介装した水圧
応動装置１５のダイアフラムに連結されたロッド３１と
、これを図示右方へ付勢して弁体３１ａを弁座３２に着
座させるスプリング３３とを備えていて、熱交換器１６
への給水によりメインガス通路１２の下流側を開放する
ように構成されている。

しかして、電磁安全弁２０の電磁石２１は、この種電磁
石より巻数が多くかつ一巻き当りの抵抗値が少ない電磁
コイル２１ａを備えていて、第２図に示すように、電磁
コイル２１ａの一端はパイロットバーナ１７の火炎内に
配設した熱電対４１の（＋）極側に接続され、またその
他端はメインバーナ１１の火炎内に配設した酸素濃度差
センサー４２の（−）極側に接続されている。

酸素濃度差センサー４２は、ジルコニア等の酸素イオン
電導性固体電解質の両面に多孔性白金等の電極層を被着
してなる酸素濃淡電池を備えた平板状のもので、加熱に
より内部抵抗が約１００ＭΩから約２０Ω程度に減少す
るとともに、加熱時両電極層間に酸素濃度差が生じたと
き７００ｒ′ｒ１Ｖ〜８００ｒ′ｒ′ＩＶの起電力を生
じる。

また、酸素濃度差センサー４２はメインバーナ１１の正
常燃焼時火炎内の内炎と外炎との境界部に位置するよう
に配設されていて、正常燃焼時にはセンサー下面が内炎
にかつセンサー上面が外炎に曝されて内外内炎の酸素濃
度差により起電力を生じ、不完全燃焼時には内炎が伸び
てセンサー両面が内炎に包まれて起電力を低下または生
じさせない。

この酸素濃度差センサー４２の（＋）極側は、熱電対４
１の（−）極側に接続されて、電磁石２１の電磁コイル
２１ａ１熱電対４１および酸素濃度差センサー４２は互
に直列的に接続されている。

なお、熱電対４１は、この種ガス燃焼装置のパイロット
バーナ監視センサーとして常用されるもので、内部低抗
約ＩＱｍΩ、加熱時の起電力線２５ｍＶの特性を備えて
いる。

一方、自動開閉弁３０のロッド３１には操作ロッド３１
ｂが固着されており、この操作ロッド３１ｂにて開閉さ
れる常閉型スイッチ４３が設けられている。

この常閉型スイッチ４３は、熱交換器１６への給水によ
り自動開閉弁３０がメインガス通路１２を開放する際に
開成されるように構成されていて、電磁石２１の電磁コ
イル２１ａ１熱電対４１および酸素濃度差センサー４２
の直列接続回路間に、酸素濃度差センサー４２に対して
並列的に接続されている。

また、上記した直列接続回路間には、酸素濃度差センサ
ー４２および常閉型スイッチ４３に対して並列的にコン
デンサー４４が接続されている。

このように構成したガス燃焼装置においては、非使用時
メインガス通路１２は電磁安全弁２０と自動開閉弁３０
により閉止されており、また常閉型スイッチ４３は閉成
されている。

この状態で、図示しないガス元栓を開いて電磁安全弁２
０の操作ロッド２４をスプリング２６に抗して押動する
と、メインガス通路１２の上流側が開放されてパイロッ
トガス通路１３を通してパイロットバーナ１７ヘガスが
供給され、同時に図示しないイグナイタが作動してパイ
ロットバーナ１７が着火する。

これにより、熱電対４１が加熱されて起電力を生じ、熱
電対４１、電磁コイル２１ａおよび常閉型スイッチ４３
の閉回路に通電されて電磁石２１が励磁される。

この結果、電磁安全弁２０の操作ロッド２４は電磁石２
１に吸着され、メインガス通路１２は開放保持される。

なお、この間酸素濃度差センサー４２の内部抵抗が大き
いため、熱電対４１、電磁コイル２１ａおよび酸素濃度
差センサー４２の閉回路には通電されない。

次いで、熱交換器１６への給水操作を行うと、自動開閉
弁３０が作動してメインガス通路１２の下流側を開放し
、メインバーナ１１ヘガスが供給される。

このため、パイロットバーナ１７によりメインバーナ１
１が着火されて正常燃焼時には酸素濃度差センサー４２
を加熱して起電力を生じさせる。

なお、常閉型スイッチ４３は自動開閉弁３０の作動によ
って開成されるが、酸素濃度差センサー４２に起電力が
生じるまでの短時間の間は熱電対４１からコンデンサー
４４に充電される回路が形成されて電磁コイル２１ａに
通電され、電磁安全弁２０はメインガス通路１２の上流
側を開放保持する。

しかして、酸素濃度差センサー４２に起電力が生じると
、酸素濃度差センサー４２、熱電対４１および電磁コイ
ル２１ａの閉回路に通電されて電磁石２１が励磁される
。

この結果、電磁安全弁２０の操作ロッド２４は酸素濃度
差センサー４２と熱電対４１との脅威起電力、すなわち
主として酸素濃度差センサー４２の起電力により電磁石
２１に吸着され、メインガス通路１２が開放保持される
。

また、メインバーナ１１のみ消火すべく給水を停止する
と、自動開閉弁３０が閉じるとともに常閉型スイッチ４
３が開成される。

この結果、熱電対４１に生じる起電力にまり熱電対４１
、電磁コイル２１ａおよび常閉型スイッチ４３の閉回路
に通電され、メインガス通路１２が開放保持されてパイ
ロットバーナ１７の着火のみを維持する。

なお、この除土じる常閉型スイッチ４３の閉成動作の遅
れ、風等に起因する酸素濃度差センサー４２の起電力の
急激かつ短時間の変動等は、コンデンサー４４の放電に
より補償される。

ところで、当該ガス燃焼装置において、メインバーナ１
１に不完全燃焼が生じた場合には、酸素濃度差センサー
４２の起電力が極端に低下しまたは零となり、酸素濃度
差センサー４２、熱電対４１および電磁コイル２１ａの
閉回路は非通電状態となる。

この結果、メインガス通路１２は電磁安全弁２０により
閉止され、その後の不完全燃焼の継続が阻止される。

このように、当該ガス燃焼装置においては、パイロット
バーナ１７のみの着火時には常閉型スイッチ４３を介し
て熱電対４１に生じる起電力により電磁安全弁２０を開
いて、メインガス通路１２を開放保持し、かつメインバ
ーナ１１の着火時には常閉型スイッチ４３を開成させて
主として酸素濃度差センサー４２に生じる起電力により
電磁安全弁２０を開いて、メインガス通路１２を開放保
持するように構成されている。

従って、酸素濃度差センサ−４２自体に異常が生じた場
合、酸素濃度差センサー４２には電磁安全弁２０を開く
起電力は生じず、メインガス通路１２は電磁安全弁２０
により閉止されるため極めて安全である。

なお、当該ガス燃焼装置においては、メインバーナ１１
の着火動作と同時に開成される常閉型スイッチ４３を採
用するとともに、酸素濃度差センサー４２の活性状態に
なるまでの時間差を保償すべくコンデンサー４４を採用
しているが、常閉型スイッチ４３に換えて、着火動作か
ら所定時間遅れて開成される感熱リードスイッチ、遅延
リレーリードスイッチ等の遅延リレーを採用してもよい
。

また、本考案は、パイロットバーナの火炎内に配設した
熱電対に生じる起電力により作動するとともにメインバ
ーナ着火後はその火炎内に配設した酸素濃度差センサー
に生じる起電力により作動して前記両バーナへのガス供
給通路を開放保持する電磁安全弁を備えた各種の電磁安
全弁付ガス燃焼装置に適用しうるものである。

以上説明したように、本考案は上記した各種の電磁安全
弁付ガス燃焼装置において、前記酸素濃度差センサーを
前記メインバーナの火炎内における正常燃焼時起電力を
生じさせかつ異常燃焼時起電力を生じさせない部位に配
設して前記熱電対に直列的に接続し、かつ前記メインバ
ーナへのガス供給操作に連動して開成される常閉型スイ
ッチを前記熱電対、酸素濃度差センサーおよび電磁安全
弁の電磁コイルの直列接続回路に酸素濃度差センサーに
対して並列的に接続したことにその構成上の特徴がある
。

従って、本考案によれば、酸素濃度差センサー自体に異
常が生じた場合、電磁安全弁を介してガス供給通路を閉
止しえて、ガス燃焼装置の安全性を一層向上させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るガス燃焼装置の一例を示す概略構
成図、第２図は当該ガス燃焼装置における電磁安全弁の
制御回路図である。 符号の説明、１１・・・・・・メインバーナ、１２・・
・・・・メインガス通路、１３・・・・・・パイロット
ガス通路、１４・・・・・・給水通路、１７・・・・・
・パイロットバーナ、２０・・・・・・電磁安全弁、２
１・・・・・・電磁石、３０・・・・・・自動開閉弁、
４１・・・・・・熱電対、４２・・・・・・酸素濃度差
センサー ４３・・・・・・常閉型スイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パイロットバーナの火炎内に配設した熱電対に生じる起
   電力により作動するとともにメインバーナ着火後はその
   火炎内に配設した酸素濃度差センサーに生じる起電力に
   より作動して前記両バーナへのガス供給通路を開放保持
   する電磁安全弁を備え、前記酸素濃度差センサーを前記
   メインバーナの火炎内における正常燃焼時起電力を生じ
   させかつ異常燃焼時起電力を生じさせない部位に配設し
   て前記熱電対に直列的に接続し、かつ前記メインバーナ
   へのガス供給操作に連動して開成される常閉型スイッチ
   を前記熱電対、酸素濃度差センサーおよび電磁安全弁の
   電磁コイルの直列接続回路に前記酸素濃度差センサーに
   対して並列的に接続してなる電磁安全弁付ガス燃焼装置
   。