JPS6042251A - 低軟化点ホ−ロ−フリツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、低温焼成可能なホーローフリットに関するも
のであり、ホーロー加工の省資源、省エネルギーをもた
らすものである。

従来例の構成とその問題点 一般に、鋼板ホーローの焼付温度は８００〜８７０ごと
鉄鋼のＡ１変態点（了２３Ｃ）より高いので、焼付け（
Ｃ際して鉄の結晶型がＯ鉄からγ鉄に変態し、鋼板が熱
歪みによシ変形し易く、焼成加工後の寸法精度が悪く不
良率が大きくなる。従って板厚を厚くしなければならな
い。捷だ鋼板を高温で加熱すると、鋼板に吸着あるいは
吸蔵されている水素ガス等の発生が著しくなる。またス
リップ中の水分や鉄板上の水分は、焼成温度域では鋼板
中の炭素と反応して炭酸ガスを発生し、ホーロー表面に
泡、ビンホール等の欠陥が生じやすくなる。

例えば、オープン庫内壁を板厚０．６胴の鋼板にＳＯＯ
〜８７０Ｃでホーローを焼付けた場合、成彫物の変形が
大きく、泡、ピンホール等の発生も多いので、不良率が
大きい。一方、Ａ１変態点以下の低温でホーローを焼成
できれば、熱歪みによる変形が少なく、ガス発生による
泡、ピンホールの欠陥も少なくなるので、板厚が０．４
ｍｍ程度の薄板の使用が可能になり、さらに複雑な形状
のものにもホーロー加工がしやすい。

近年、省資源、省エネルギーが重要な問題点となってい
る。ホーローの焼成温度を下げることにより、燃料費の
節減が図れ、薄板の１史用が可能になることにより、基
材の材料費の節減が図れる。

このよう（Ｃ低温で焼成する低融ホーロー加工技術はす
ぐれた利点を持っているにもかかわらず、決状の高温で
焼成する一般ホーローに取って替るほどの特性を有して
いす、未だ不十分なものである。

その理由の一つとして、ホーローは耐熱性、耐食性等の
基材の表面保護機能と同時に、装飾的機能が要求される
ものであるが、従来の低融点フリットである鉛系フリッ
トでは両機能とも満足するものがなかったからである。

その中で特に、装飾機能上要求される事項として、ホー
ロー表面の表面状態、光沢等のほかに、各種色調の発色
性、安定性などがあげられるが、従来の低融ホーローフ
リットは発色性９色調の安定性等に問題があった。

そこで本発明者らは、特願昭５．７−１９２４３に記し
たように、鉄もしくは鉄基合金のＡ１変態点（７２３Ｃ
）以下で焼成でき、しかもすべての色調にわたって発色
させることができ、化学的にも安定な低勅化点のホーロ
ーフリットを提案した。

しかし、それらには次のような問題点が残されていた。

（１）ホーロースリップの長期保存性 （２）　ディッピング特性 （３）低グレード前処理（酸洗減量値およびニッケル処
理付着量が著しく少ない場合）における密着性 （１）の低軟化点ホーローフリットを用いたホーロース
リップの長期保存性に関する問題は次のとおりである。

ホーローフリットの軟化温度を下げるためには、アルカ
リ成分（Ｎａ２０．に２０．Ｌｉ２Ｏ等）をガラス中に
添加する必要があり、従来の一般ホーロー用フリットに
比べ、アルカリ成分の量を増大させることは避けられな
い。前記スリップの低軟化点ホーローフリソトラ用いて
、ホーロースリップを作製し、長期間保存しておくと、
ガラスフリットからアルカリ成分が徐々に溶出し、スリ
ップに悪影響を及ぼす。この長期間保存したスリップの
施釉、焼成を行うと、ホーロ一層にゆず肌、亀裂、コツ
バーヘッド等の重大欠陥の発生が見られた。

（２）のディッピング特性は殉釉法、すなわちスリップ
中に器物を浸して施釉するディップ法における問題であ
るが、スリップのチタントロピー性、ガラスフリットの
流動性が重要なポイントとなる。

前記先願の低軟化点ホーローフリットは主として、スプ
レー法用のガラスフリットであり、ディップ法で行うと
、ホーロ一層にピンホール、ヒケ等力発生し、好ましく
なかった◇ （３）の密着性に関する問題は以下のとおりである。

ホーロ一層と素地金属が強固に密着するためには、焼成
過程中に赴こる素地金属の熱酸化が大きく影響する。例
えば、鋼板ホーローを例にとると、焼成過程中に形成さ
れた鉄酸化物がホーロ一層中に溶解、拡散し、いわゆる
化学結合でホーロ一層が金属に強く密着している。

一般ホーローの場合、焼成温度が８ｏＯＣ以上と非常に
高いため、上述の鉄酸化物の生成が多く、この酸化物が
ホーロ一層中に溶解、拡散し、ホーロ一層の密着が強固
となる。それに対し、低軟化点ホーローフリットの場合
、一般ホーローより約１００〜１５０Ｃ低い温度で焼成
するため、前述の鉄酸化物の生成量が少なく、従来ホー
ローに比べて密着性に劣る。

そこで改善策について検討した結果、前処理条件、たと
えば酸洗減量値あるいはニッケル付着量を増加させるこ
とにより、＠訛先願の低軟化点ホーローフリットを用い
ても、一般ホーローに劣らない密着性を得ることが確認
された。しかし、酸洗減邦値あるいはニッケル付着刊を
増加させるためＱて（ｄ１酸洗処理時間あるいはニッケ
ル処理時間を増加させる必要があり、生産性、コストの
観点から問題があった。

そこで、このような問題点を解決するために、本発明者
らは次の組成の低軟化点本−ロ〜フリットを案出した。

すなわち下記のものがそれである。

５ｌｏ２　３２〜４５　重量係 Ｂ２Ｏ３７〜２０　重量係 Ｎ　ａ　２０　１４〜２２　重量係 に２０　０．４〜５　重量係 Ｌｉ２Ｏｏ、３〜２　重９％ ＣａＯＬ、Ｓ　〜１５　重量係 Ｂａ○　１．５〜１５　重量％ Ａｌ２Ｏ３０，６〜　５　重量係 Ｚｒ○２　ｏ、５〜４．６　重量係 Ｆ２　２〜９　重量係 Ｍ　ｏ　Ｏ３０−４〜　５　重量係 さらにこのフリットに耐水性を句与するために。

本発明者らは次の組成の低軟化点ホーローフリットを案
出した。すなわち下記のものがそれである。

３１０２　３２〜４６　Ｎ量係 Ｂ２Ｏ３７〜２０　重量係 Ｎ８２０　１４〜２２　重量％ に２０　ｏ、４〜５　重量係 Ｌ　１２０　０−３〜２　重量係 ＣａＯ１，５−１５重量係 ＢａＯ１，５〜１５　重量係 ＺｎＯＯ，１〜　５　重量％ ＡＪ２０３　ｏ、５〜５　重量％ Ｚ　ｒ　０２　０−６〜４−６　重量係Ｆ２　２〜９　
重量係 Ｍ２Ｏ３ｏ、４〜５　重量％ しかし、これらのものは、Ｍ２Ｏ３が入っているので密
着性にすぐれているという利点があるものの、一部の色
を除いて、加工条件によってはポーロ一層に大きな泡が
発生し、表面が凹凸になるという問題点があることがわ
かった。そこで、その改善がめられた。

発明の目的 本発明は、鉄鋼のＡ１変棟点（７２３Ｃ）以下て焼成で
き、しかもスリップの長期保存化が図れるとともに、デ
ィッピング特性、耐水性、低グレード処理における密着
性に優れ、さらに表面の平滑なホーローを得るための低
軟化点ホーローフリノーを提供することを目的とする。

発明の構成 本発明の低軟化点ホーローフリットは、重量比テ５ｉＯ
２３２〜４６％、Ｂ２０３７〜２０％、Ｎａ２０１４〜
〜２２係、ＫＯｏ、４〜５％ｌＬ１２００．３〜２％。

Ｃａ０１．５〜１５％、ＢａＯ２，５〜１５％、Ａ１２
０３０．５〜５％、　Ｚ　ｒ　０２０−５〜４−５％、
Ｆ２２〜９％１Ｍ００３０．４〜５％を含有し、Ｍ　ｎ
　Ｏ２とＣｒ２Ｏ３よシ群から選んだ１種又は２種を総
量で０．１〜２係含有するものである。

実砲例の説明 次に、本発明のフリットの組成範囲について説明する。

１）Ｓ１ｏ２．Ｂ２Ｏ３成分 ５１０２とＢ２Ｏ３はガラス形成酸化物として重要酸化
物で、５１０２およびＢ２Ｏ３の占める割合はガラスの
熱膨張係数、軟化点、スリップの寿命、ディピング特性
、ホーローの耐水性に大きく影響を与える。

ガラスの低融化を図る場合、ＳｉＣ２を減少させること
が必要であるが、他の成分との関係からその量が決定さ
れる。

本発明のフリットでは、Ｓ　ｚ　０２３２〜４５重量％
（以下単に係で表わす）、Ｂ２０３７〜２０％である。

５１０２が３２％未満になると水への溶解度が大きくな
り、スリップの寿命特性、ホーローの４水性が悪くなる
。逆に４６％を超えると、低温で焼成することが不可能
となる。

捷た、Ｂ２Ｏ３が７％未満になると軟化温度が高くな９
、ホーロー素面の光沢、ディッピング特性に問題があシ
、好ましくない。逆に２０％を超えるとスリップの寿命
特性が特に悪くなり、ホーローの耐水性にとっても好ま
しくない。

上記範囲において５１０２とＢ２Ｏ３の比５ＩＯ２／Ｂ
２Ｏ３が２〜６とするのが望ましい。すなわち、２未満
であれば、特にスリップの寿命、ホーローの耐水性にと
って好ましくなく、６を超えると軟化点が上列し、ディ
ッピング特性が悪くなるとともに、７２３Ｃ以下では焼
成ができなく、光沢が失わ扛る。

２　）　Ｒ２０成分 Ｒ２Ｑ成分とは、ここではアルカリ性成分のＮａ２Ｏ，
に２Ｑ、Ｌｉ２Ｏを表す。本発明における組成範囲はＮ
　ａ　２０が１４−２２％、に２０が０．４−６％、Ｌ
１２０が０．３〜２％である。

Ｒ２Ｏ成分は強力な溶融剤であり、溶融したガラスの流
動性を増し、フリット中にあっては軟化点を下げる重要
な成分である。しかし、Ｒ２Ｏ成分の使用量によっては
水溶液に対する抵抗性を減少し、風化に対する抵抗性を
減少させる。−１：た、ディッピング特性に重要な影響
を与える成分でもあり、フリットの膨張率を大きく変化
させる成分でもある。

これらＲ２Ｏ成分の中で軟化点を下げる効果としては、
Ｌ　１２０〉Ｎａ２Ｏ＞Ｋ２Ｏの順であり、スリップ寿
命、ディッピング特性にすぐれた低軟化点フリットを得
るためには、Ｒ２ｏ量もさることながら、どの成分を選
択するかが重要な問題である。

次に各成分の含有割合であるが、Ｎ　ａ　２０成分はフ
リットの易溶性を上げる効果があるが、フリットの化学
耐久性、スリップ寿命、ディッピング特性に対して悪影
響を与える成分である。表面状態。

光沢、耐水性、スリップ寿命の観点から１４〜２２係の
範囲が好ましい。

Ｋ２０成分は易溶性を上げるとともに、ホーロ層に光沢
が得られず、また６％以上では、化学耐久性、スリップ
寿命に与える影響が大であるため好ましくない。

Ｌｉ　○成分は前述のＮ　ａ　２０　＋　Ｋ　２０成分
に比べて、フリットの易溶性を上げる一番効果的な成分
であり、少量の添加で著しく軟化点を下けることができ
、本発明の必須成分である。しかし、光沢９表面状態に
悪影響を及ぼしやすい成分でもあるため、その添加量に
ついては注意しなければならない。

１１２０量を増加するにつれ、７リツトの流動性は大き
く低下するが、２％を超えると、ホーロ一層の表面状態
、特にゆず肌の発生が顕著で、それに伴い光沢が低下す
る。こｎらの点より、Ｌ１２０１は０．３〜２％が好ま
しい。

なお、Ｎ　ａ　２０．に２０．　Ｌ　１２０の含量の和
ＣＮ　ａ　２０十に２ｏ十Ｌｉ２Ｏ〕は１７〜２５％が
望ましい。すなわち、１７％未満ではフリントの軟化温
度が高くなり、ホーローの光沢、ディッピング特性が悪
くなり、２６％を超えるとスリップの寿命、ホーローの
耐水性が悪くなる。

３）　Ｒ’０ａｆＪｒ　、　ａｌ） Ｒ２Ｏ成分とは、ここではアルカリ土類金属酸イ呟で、
本発明においてはＢａＯが必須成分である。

Ｒ２Ｏ成分はアルカリ金属酸化物はどではないが、溶融
剤として働き、フリットの軟化点も下げる性ｐ４　ｆ持
っている。また弾性率、引っばり強度などの機械的性質
を向上させる。さらにアルカリ金属酸化物と大きく異な
る性質としては、アルカリ土類金属酸化物の添加により
、フリットの耐水性。

化学的耐久性を向上させるという性質を有している。

以下に各成分の挙動をより具体的に説明する。

ＣａＯ成分はスリップのチクソトロピー性全維持する傾
向があり、スリップの寿命特性あるいはディッピングの
作業性を向上させる傾向があり、本発明のホーローフリ
ットに必須の成分となっている。

ＣａＯ成分が１．６％未満では、スリップの寿命特性に
影響を与え、本発明の目的に反し好捷しくない。逆に、
１５％全超えるとガラスフリットの易溶性を減少させ、
ディッピング施釉に好ましくない。またホーローの光沢
が減少する。以上の理由によりＣａ　Ｏは１．５〜１６
％である。ＣａＯ成分は他の成分に比べ、比較的安価で
あるため、量的には多量添加したほうがコスト的に有利
である。

Ｂａ○成分はＲ２ｏ成分程ではないが、ガラスフリット
の流動性を向上させる成分であり、またその添加量を多
くしても、アルカリ成分はど耐水性が劣化することがな
く、本発明のガラスフリットに有効な成分である。しか
し、ＢａＯ成分は溶除・するつぼを浸食させやすいため
、その添加量には留意する必要がある。

ＢａＯ成分が１．６％未満では、本発明の目的に合致し
たホーローフリットが得られず、ディップ症釉では表面
状態の好ましいものが得られなかった。逆に、１６％を
超えると特性的には本発明の目的に合致したが、るつぼ
の浸食が激しく、工業的な見地から好ましくなかった。

以上の理由により、ＢａＯ成分は１．５〜１６％の範囲
が良い。ＢａＯ成分は比較的高価であるのと前述のるつ
ぼ浸食性の観点から極力少なくすべきである。

寸たＢａＯは単独で用いるよりもＣａＯと共に用いると
、特にガラスフリットの流動性は陵れ、ディッピング殉
釉方式に好ましいフリットが得られる。ＣａＯとＢａＯ
の含量の和の好ましい範囲は９〜２１％である。９％未
満ではディッピング特性が好捷しくなく、２１％を超え
るとスリップの寿命特性が悪くなる。

４）中間酸化物成分 中間酸化物成分として本発明においてはＡｌ２Ｏ３゜Ｚ
ｒＯ２が必須成分である。これらの成分はフリットの熱
水溶解や、酸性溶液などへの溶解量を減少するのに効果
がある。

しかし、あまり多量に入れると、フリットの軟化点を上
げ、ホーロー表面の光沢あるいは表面状態を低下させる
ので、その量９種類の選択は１要である。

Ａｌ２Ｏ３成分は、特にフリットの化学耐久性を向上さ
せる成分であり、本発明に必須の成分である。

Ａｌ２Ｏ３成分が０．５％未満では、フリットの耐水性
が劣化するとともに、スリソゲの寿命特性あ゛るいはホ
ーローの耐水性に悪影響を及ぼし好ましくない。逆に、
５％を超えるとフリットの流動性が低下し、ディッピン
グ施釉に不適当なものとなり、本発明の目的に反し、好
ましくない。

以上の理由により、Ａｌ２Ｏ３成分は０．６〜５％の範
囲が良い。

Ｚｒ○２成分は、Ａｌ２Ｏ３成分はどフリットの化学耐
久性を向上させる成分ではないが、ジルコン溶融炉の浸
食の観点から、本発明のフリットにとって必須成分であ
る。

ガラス溶融炉は通常長期間使用に耐えられるようジルコ
ン製が使用されている。このジルコン溶融炉の浸食防止
のためにガラスフリットにＺ　ｒ　Ｏ２成分を含有する
ことが好捷しい。

Ｚ　ｒ　Ｏ２成分が０．５％未満では、ジルコン溶融炉
の浸食を防止する効果は少ない。逆に、４．５％を超え
ると、フリットの流動性が低下し、ディッピング施釉に
不適である。

以上の理由により、Ｚ　ｒ　Ｏ２成分の量は０．５〜４
．６チの範囲にする必要がある。

５）Ｆ２成分 Ｆ２成分は一般的に、間接乳濁剤および溶融剤として耀
安な成分である。

本発明においてはＦ２成分は２〜９％が好ましい・Ｆ２
成分は７リツト製造時に理論調合量の３０〜５０φ飛散
する性質を持っているが、本発明のＦ２成分の最適範囲
は生成したフリット内に含有されているＦ２量である。

Ｆ２成分量が２％未満の場合、ディッピング性に必要な
ガラスの流動性が得られず好ましくない。

９％を超えるとホーロー面に無数のガス泡が発生し、外
観不良となると同時に、フリット製造時にるつぼが浸食
されやすく、工業的にも不利である。

６）密着性酸化物 通常、一般ホーローの下ぐすり用フリットには酸化コバ
ルトが密着性酸化物として効果全発揮すると言われてい
るが、ＣＯｏは高価なため、ＮｉＯあるいはＭ　ｎ　Ｏ
２と併用して用いら扛ている例が多い。

本発明のフリット組成範囲において、Ｍ２Ｏ３゜ＮｉＯ
，Ｃｏｏを単独で使用した場合のホーローの密着性をＰ
ＥＩ規格密着率で第１図に示した。基間ホーロー膜厚は
約１２０μｍであり、１がＭ　ｏ　Ｏｓを、２がＮ　ｉ
　Ｏを、３がｃｏｏをそれぞれ使用した場合である。一
般ホーローで言われている程Ｃｏ○は有効ではなかった
。たしかに０００成分は密着性がすぐれているが、添加
によってホーロー表面にゆず肌が発生し、好ましくない
。本発明のフリットにおいて、密着性に最も有効な成分
はＭ　ｏ　Ｏ３てあった。

ホーローの密着性は基材の酸洗減量とニッケル付着量と
相関関係にある。特にニッケル付着量との相関が強い。

これは焼成中にＮｉとＦｅが局部電池を形成し、鋼板表
面が荒され、ホーロ一層と鋼板の機械的結合、および化
学的結合が強くなるからである。

第２図にＰＥＩ密着率９０％を確保するためのニッケル
付着量と本発明のフリット組成へのＭ　ｏ　Ｏ３添加量
の関係を示した。暴利は板厚ｏ、６聰のＳ　ＰＣＣ鋼板
、す尤成条件は７１０Ｃで５分間、ホーロー膜厚は約１
２０７１ｍである。

５ＰＣＣ鋼板を一層ホーローの低グレード処理である二
回掛は用前処ＦＩｉを行なうと、酸洗減量は５０〜２５
０７ｎ９／ｄｍ”、ニッケル付Ｎ量は２〜５雫なでも、
良好な密着が得られる。Ｍ　ｏ　Ｏ３量が多いほど密着
性は良いが、光沢が減少し、スリツクの寿命、而」水性
を悪くする。上述の理由でＭ　ｏ　Ｏ３の組成範囲は０
．４〜６％、好捷しくけ１〜３％である。

力　発泡抑制成分 Ｍ　ｏ　０３を入れたことによって、密着性の優れたフ
リットを得たものの、ホーローの表面に大きな泡が発生
するという問題が生じた。この現象はＭ　ｏ　Ｏ３か１
％以上でガラス溶融時間が短い時に、特に発生しやすい
。また、６９０〜７２０Ｃで焼成すると発泡しやすく、
７４０１：以上で焼成すると発泡しない。しかし、これ
は本発明の目的とする焼成温度ではない。

この発泡は、ＭｏＣ２の昇華、あるいはＭ　ｏ　Ｏａが
０２を放出することによって起こるのではないかと考え
られるが、そのメカニズムについてはｑｉにされていな
い。

この発泡抑制について種々検討した結果、ＭｎＯ２とＣ
ｒ　２０３を添加すると効果が認められた。

Ｍ　ｎ　Ｏ２あるいはＣｒ２Ｏ３を個々で添加する場合
は１イｎ○２１　Ｃｒ　２　Ｏｓとも０．１％以上の微
量で効果がある。しかし、これらは共に２係を超えると
、フリットの流動性を悪くシ、ホーロー表面にピンホー
ルやはじき、ひけ等の発生する原因となる。

」−述の理由により好ましい組成範囲は、Ｍ　ｎ　０２
２％以下、Ｃｒ　２０３２％以下で、かつそ扛らの和は
〔Ｍｎｏ２＋Ｃｒ２Ｏ３〕＝０．１〜２％である。

上記の本発明の基本組成にＺｎ○を添加すると、ホーロ
ーの耐水性を一層向上できる。アルカリ土類金属酸化物
の耐水性および耐酸性の大きな順に示すと次のようにな
る。

配水性　Ｚ　ｎ　Ｏ）Ｍ　ｇ○＞ＣａＯ＞Ｂａ○耐酸性
　Ｚ　ｎ　Ｏ＞　Ｃａ　Ｏ＞Ｍ　ｑ○）ＢａＱＺｎＯ成
分は耐水性、耐酸性を向上させるとともに、光沢を上げ
る性質を有している。特にホーロ一層の面Ｉ水性は微量
の添加によっても著しく向上する。ＺｎＯ成分が０．１
％未満では、その効果が顕著でなく好１しくない。逆に
６％を超えると、フリットの流動性が低下し、ディッピ
ング施釉では、表面状態の好ましいものが得られなかっ
た。

以上の理由によりＺｎＯは０．１〜５％の範囲内にある
ことが必要である。

■２０６はＭｏＣ２と併用すると、フリッ１４着色する
ことなく、一層密着性に優れたホーローンリットが得ら
れ、いわゆる密着改善材としての働きを有する。これら
Ｉｄ、３％を超えるとフリットの流動性が低下し、表面
状態の好ましいものが得られなかった。

さらに、本発明においては、ＭｇＯ、Ｓ　ｒｏ　、Ｔ　
ｉ○２およびＳ　ｎ　Ｏ２を含有させることも可能であ
る。

ＭｇＯ，ＳｒＯはアルカリ土類酸化物で、溶融剤として
働き、フリットの軟化点も下ける性質を持っている。Ｍ
ｇＯ，Ｓｒｏを添加するとＺｎＯはどではないが、ホー
ローの耐水性が向上する。しかし、３％を超えるとホー
ロー表面が光沢を失い、ゆず肌を発生する。

ＴｉＯ２，ＳｎＯ２は中間酸化物で、Ａｌ２Ｏ３はどて
はないが、フリットの化学耐久性を向上させる。

３％を超えるとフリットの流動性が低下し、ディッピン
グ施釉に不適当なものとなる。

次に本発明のフリットを構成する原材料について述べる
。

ＳｉＯは珪石粉あるいは長石を用いる。Ｂ２Ｏ３の原料
としては主に硼砂（Ｎａ２Ｂ４０□・１ｏＨ２０゜Ｎ　
ａ　２　Ｂ　４０７　・４　Ｈ２０）　＊無水硼砂（Ｎ
ａ２Ｂ４０７）。

硼酸（Ｈ２ＢＯ３）が用いられる。Ｎ　ａ　２０として
はＮ　ａ　ＣＯＮ　ａ　ＮＯ３のような単独の成分から
持つ２　３＋ てくることもできるが、硼砂、Ｎａ２ＳｉＦ６　、氷晶
石、長石からも入ってくる。Ｆ２０はＫＮＯ３゜Ｋ２Ｃ
Ｏ３の他にに２ＳＩＦ６．長石がある。Ｌ　１２０Ｕ　
Ｌ　１２　ＣＯ３や天然鉱石のスポジーーメンなトラ使
用する。ＣａＯ（４Ｃａ　ＣＯｓ　、　Ｃａ　（ＯＨ）
　２の他に蛮行、ドロマイトからも入ってくる。ＢａＯ
はＢａＣＯ３Ｔ　Ｂ　ａ　（ＮＯ３）２．ＢａＦ２を使
う。Ａｌ２Ｏ３はアルミナ、水酸化アルミニウムの他に
氷晶石。

長石からも入ってくる。ＺｒＯ２はＺ　ｒ　Ｏ２よりも
ジルコン（ＺｒＯ２，ｎ５ｉｏ２）ｆ用いるのがよい。

このジルコンは単に価格が安いばかりでな（、Ｚ　ｒ　
０２単独よりも溶解しやすい。Ｆ２はＬｉＦ　、ＮａＦ
　、ＫＦ。

ＣａＦ２．Ｎａ２５ｔＦ６．Ｎａ３ＡｌＦ６．に２Ｓｉ
Ｆ６．ＢａＦ２などがあり、陽イオンの量を考慮した上
で原材料を決定する。密着性酸化物Ｍ　ｏ　Ｏ３の原料
はＭｏＯ２の他にＮａ２Ｍ００４・２Ｈ２０，（ＮＨ４
）６Ｍｏ７０２４・４Ｈ２０，ＭｏＳ２ｌＭｏ５１２が
ある。

Ｚｎ○の原料としては亜鉛華＋　Ｚ　ｎ　ＣＯ３を用い
る。

Ｆ２０．はＦ２０５単独を用いる。ＭｑｏとしてはＴ　
１０２としてはアナターゼ型とルチル型があるが、本発
明においてはどちらでもよい。Ｓ　ｎ　Ｏ２はＳ　ｎ　
Ｏ２雫独を用いる。

Ｍ　ｎ　Ｏ２としては電解二酸化マンガン、天然のＭｎ
ＯＫＭｎＯ４を用いる。Ｃｒ　２０３としては１ ｑ　ｒ　２０３ｅ　Ｋ　２　Ｃｔ　２０７を用イル。

上述した原材料は、それぞれの組成比に応じて調合する
。充分乾式混合された原材料は、１１００〜１３０ｏＣ
で加熱溶融する。加熱温度９時間は最終的なフリット成
分の組成比を変化させるので、良く管理することが必要
である。時間は原料の溶１臀後、２０〜４ｏ分間ガラス
化を進行させ、必要に応じて攪拌することが重要である
。長い間維持した場合は、アルカリ成分が昇華してしま
うので、余り長くしないようにする。溶融後、ガラスは
水中に投入し急冷する。これを乾燥し、目的とする低軟
化点透明ホーローフリットが得られる。

次に具体例について説明する。

第１表に本発明による低軟化点ホーローフリット（隔１
〜１ｏ）の組成を比較例（Ｎｏ、１１〜１３）と併せて
示した。

フリットの原材料はそれぞれの組成比に応じて調合する
。Ｎｏ、１の調合例を下に記す。

以　下　余　白 硅　石　３２４　、６重量部 無水硼砂　２１１．８　’ Ｎ　ａ　２　ＣＯ３（ノーダ灰）　１２９．２　Ｉ′ア
ルミナ　２７．６　ノ′ ／ルコン　３５．２　Ｉ＋ 亜鉛華　２０．９　” ＫＮＯ３３９，４Ｉ＋ Ｌ１２ｃｏ３　１９１２　Ｉｒ Ｃａ　ＣＯ３１６６，８Ｉ′ 硅硅化化ソーダ　９０．６　＃ Ｂ　ａ　ＣＯ３５９−８〃 Ｍｏ○３２゜、１，７ 電解二酸化マンガン　６．１　〃 充分乾式混合した原材料は、１２ｏｏｔＺ’で原材料溶
融後、同温度に３０分間保持した。溶融後、ガラスは水
中に投入急冷し、乾燥しフリットを得た。

スリットはボールミルでミル添加物と共に粉砕混合した
。フリソ）　１０００重量部に対し、蛙目粘±６０重量
部、硅石粉（３６０メツシユアンダー）６０車量部、ベ
ントナイト１０重量部、亜硝酸ソーダ１重量部、グリー
ン顔ｆ４５　、ＯＭ置部全配合し、水はフリット組成に
より異なり、ディッピングに適した量だけ入れるが、６
００〜７００重量部である。ミル引きは約３時間行ない
、ディッピングに適した粒度（６ｏｃｃのスリップの２
００メツシユ残ン盃が８〜１６！ｊｔ）、ビソクアソフ
値（４，０−６，２ｙ／ｄｒｒ？）のスリップを調整し
た。

そのスリップ中に、前処理を施した大きさ１０Ｃ×１ｏ
Ｏｒｒｒｒｎ１厚さ０．６ｎｒｍの５ＰＣＣ鋼板（酸洗
減量５０　”Ｆ／ｄｍ”　＋　＝　ｙケル付着量２”Ｉ
Ｐ／ｄｍ”）全浸漬し、ディップ法により砲釉を行なっ
た。その後、乾燥し７１０ｃで６分間焼成して試験板を
作成した。ＮＯ，２〜１３についても土に準じた。

このようにして作成したフリットおよび試験板の特性は
第２表のようになった。

以　下　余　白 なお第２表における評価方法は以下に従った。

１）フリノｉ・の熱水溶解量 熱水溶解量は２００〜３５０メソシユのフリット５ｆｌ
を１００ＣＧの蒸留水に浸漬し、１時間煮沸した後その
上澄み液を取り、メチルオレンジ指示薬を用いて、溶出
したアルカリ成分を０．１Ｎ−Ｈ２ＢＯ３で滴定し、そ
の消費量を溶出アルカリ量の尺度とした。０．１Ｎ−Ｈ
２Ｓ０４の消費量が０．６耐以下を◎、　０．５〜１　
ｍｅ　ｆｏ、１−３＋＋＋Ｊを△、それ以」二を×で表
した。

２）フリットの流動性 ガラスフリントの流動性は２００メノンユアンダーのフ
リット２ｙを採取し、その試料を金型に入ｇ、１１ン／
　ｃＪでプレヌ成型し、直径１２．γ胴のタブレットと
し、その試料を鋼板の一ヒにのせ、６９０１Ｚて５分間
熱処理を行ない、試料の流動径をノギスで測定し、その
径が２０ｍｍ以上のものを◎、２０〜１８胡のものを０
．１８〜１４請のものをへ、１４喘塀、下のものを×で
示した。

３）ホーローの表面状態 ホーロ一層の表面状態（泡、ゆず肌、ピンホール、亀裂
など）は、試験板のホーロー表面を目視観察した結果で
あり、○印は泡、ゆず肌、ビンポール、亀裂等が認めら
れないことを示し、Ｘ印は認められることを示す。

４）ホーローの耐水性 ホーロ一層の耐水性は、試験板を９８′ｃ熱水中に１時
間浸漬し、前後の重量差が６７ｎｇ／ｄｍ２以下のもの
を◎、６〜１０■／ｄｉのものを０．１０〜３０＋Ｒｇ
／ｄｍ２のもの＠△、　ｓ　ｏｍｙ／　ｄｍ’以上のも
のを×て示した。

６）ホーローの密着性 ホーロ一層の密着性はＰＥＩ密着試験機を用いて、評価
を行ない、その値が１００％のものは◎。

９０〜１ｏｏ％のものけ０，７０〜９ｏ％のものはへ、
７０チ以下のものを×て示した。

６）スリップのボットライフ スリップをポリ容器に入れ、３５Ｃの恒温水槽中に１ｏ
日間浸漬し、その後ディップ法により施釉し焼成したサ
ンプルを作成し、その入面状態を評価した。

次に、本発明の７リツトを用いれば、従来の高温型ホー
ロ〜では焼成時の熱歪み、変形の観点から用いることが
できなかった薄板鋼板の使用も可能である。以下それに
ついて説明を行う。

第１表に示す本発明のフリットを用いて、素材の板厚を
種々変化させ、焼成歪みを測定し、従来の高温型ホーロ
ーのそれと比較を行った。

焼成歪みの測定法を第３図及び第４図に示す。

試験板として、所定の板厚を有し、歪のない大きさｓＯ
Ｘ３００ｍの素材１０両面にホーロー膜厚が１００μに
なるように、ホーロー釉薬２を塗布したものを用い、第
３図に示すように、支持体３上に２５０祁の間隔て水平
に支持し、所定の温度で焼成し、放冷した。第４図に示
す様な歪が生じたならば、歪の量として中央部の元の水
平線からの変位量ρを測定した。ａの値が１陥以下の場
合は○、１〜３個の時はへ、３爺以上の場合は×で示し
た。

なお本発明のフリントを用いた場合の最適焼成条件は了
１ｏＣ１５分間であるのに対し、従来の高温型ホーロー
の場合の最適焼成条件はａ　２　ｏＣ。

５分間である。この条件におけるそれぞれの素材板厚と
焼成歪みの関係をめた。その給果を第３表に示した。

第３表 第３表から明らかなように、従来の８００Ｃ以上の高温
焼成型ホーローでは焼成時の歪の関係から、０．６ｍ以
上の厚板を用いる必要があり、ホーロー加工品もおのず
と重たいものとなる。

それに対し、本発明のホーローフリットを用いれば、鉄
のＡ１変態点７２３Ｃ以下で焼成することができるので
焼成による熱歪みがないため、ｏ、４ｔｔｒｍ＋ｏ、６
ｔｍｎ等従来のホーローフリットでは用いることができ
なかった薄板材が使用でき、得られたホーロー加工品が
軽量化される。

さらに、焼成温度を従来のホーローよりも約１００〜１
６０Ｃ下げることによって、ホーロー加工時の省エネル
ギーが図れ、その焼成に要する燃費を２６〜３６％低減
することができる。

捷た、従来の低融ホーローの問題点とされていたスリッ
プの寿命特性、ディッピング特性、耐水性および低グレ
ード処理での密着性が改善でき、さらに発泡のない表面
の平滑なホーローが実用可能な低軟化点ホーローフリッ
トを提供できる０寸り、比較的軟化点が低い７リツトを
用いれば通常のホーロー用鋼板のみならず、アルミナイ
ズド鋼板にも使用でき、膨張率等を考慮すれば、ステン
レス鋼、鋳鉄などにも使用可能である。

さらに本発明のフリットは、単に装飾用としてばかりで
なく、種々の基板の絶縁性を向上させる目的で、使用す
ることも可能である。

発明の効果 以上のように本発明のホーローンリットは、鉄のＡ１変
態点以下の温度で焼成可能であるとともに、ホーロ一層
の表面平滑性、密着性、耐水性。

スリップの保存性、ディッピング特性にも優れ、軽量ホ
ーロー加工品の実用死金可能とするものである０

【図面の簡単な説明】

第１図は密着性酸化物の添加量とホーローの密着性の関
係を示す図、第２図は良好な密着性を得るためのニッケ
ル付着量とＭ２Ｏ３の添加量の関係を示すグラフ、第３
図および第４図はホーロー加工時における焼成歪の測定
法を示す断面図である。 代理人の氏名　弁理士　中　尾　敏　男　ほか１名第１
図 酸イヒ＠！Ｉ添加量　（重量゛Ｚ、） 第２図 ニッケルレイ土着量（”９／ｄ、ｍ”）＠３図 第４図 手続補正書 昭和６９年　５月　二乙口 特許庁長官殿 田 １事件の表示 昭和５８年特許願第１４８３２７号 ２発明の名称 低軟化点ホーローフリット ３補正をする者 事１’ｌとの関係　特　許　出　願　人任　所　大阪府
門真市大字門真１００６番地名　称　（５８２）松下電
器産業株式会社代表者　山　下　俊　彦 ４代理人　〒５７１ 住　所　大阪府門真市太字門真１００６番地松下電器産
業株式会社内

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １：１）少なくともＳ　ｉ　Ｏ，、、Ｂ２Ｏ３，Ｎａ２
   Ｏ、Ｋ２Ｏ。 Ｌ１２０．ＣａＯ，ＢｎＯ，Ａｌ２Ｏ３，ＺｒＯ２，Ｆ
   ２．ＭｏＣ２およびＭ　ｎ　Ｏ２とＣｒ２Ｏ３のうちの
   １種または２（重とから構成され、これらの含量が重量
   比で、Ｓ　ｉＯ２３２〜４５％、　Ｂ２０３７〜２０％
   　、　Ｎａ２０１４〜２２％。 Ｋ２Ｏ０，４〜５％、　Ｌｉ２Ｏ０，３−２％、ＣａＯ
   １，５〜１５％、ＢａＯ’１．５−１５％、Ａ１２０３
   ｏ、ｔｓ−ｔｓ％　。 ＺｒＯ２０，６〜４．５％、Ｆ２２−９％、ＭＯＯ３０
   ，４〜〜５％て、かつＭＨＱ２’に４ｙとＣｒ　２０３
   うちの１瑣△ または２種が総量で０．１〜２％であることを特徴とす
   る低軟化点ホーローフリット。 （２）　ＺｎＯを０．１〜５％重量係含む特許請求の範
   囲第１項記載の低軟化点ホーローフリット。 （３）　ＭｇＯ，Ｓｒ○、ＴｉＯ２１Ｓ　ｎ　０２　お
   よび■２０．よシなる群から選択した少なくとも１成分
   を３重量％以下の範囲で含有する特許請求の範囲第１項
   又は第２項記載の低軟化点ホーローフリット。