JPS6042191B2 - 堆肥化装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は均一な発酵を行い得るようにした堆肥化装置に
関する。

近年畜産経営が専業化、多頭化の方向に進展してきた結
果、そこから発生する膨大な量のふん尿が積極的に利用
されず、悪臭、水質汚濁等の環境汚染をひきおこすこと
により社会的制約を受！ナ、経営自体の発展が危ぶまれ
る例が生じるようになつた。

一方長期間に亘つての無機化肥料の施用による地力低下
に対応して有機肥料の施用が進められ、ふん尿が単なる
公害防止にとどまらず堆肥として再資源化の面て重要視
されてきた。

このような情勢から、品質良好で販売しやすい堆肥を人
手のいらない簡単な操作で作り得て、しかも価格安価て
二次公害の完全防止を図り得る堆肥化装置の開発が早急
に必要になつた。

堆肥化装置には原料たる堆積物を混合するために攪拌機
を使用しているが、従来の堆肥化装置の攪拌機には２つ
の形式がある。

１つは発酵槽の全幅を一時に攪拌できるように、多数の
攪拌機を幅いつぱいに並列に設け、各々の攪拌機に走行
用の駆動装置をつけたものて、この場合各々の攪拌機の
回転に伴つて形成される堆肥化素材の流れが相互に干渉
することによつて素材が固粒化しやすフく、均一な発酵
を阻害すること、又摩擦力の増大によつて攪拌機の駆動
力が増大すること、攪拌機を多数設けるため製作コスト
が増大すること、等種々の欠点がある。

他の形式は上述の装置の欠点を除去するようにしたもの
て、数組の攪拌機を幅方向に横行させることによつて全
体５）攪拌する形式であるが、この場合には発酵槽の長
手方向の走行機構に加え、走行機構上に横行機構を重ね
合せる必要かあり、構造上複雑なものとなり、制御、管
理、コスト面を総合して不利となる。

更に、攪拌機能の面からみると、スクリユーオーガによ
る攪拌はスクリュー軸方向の素材の移動によつて行われ
るものであるが、素材の軸方向移動はスクリュー外周を
とりかこむ壁との摩擦力の存在によつてなされる。従つ
て、スクリューへの素材の流れを強制するものがない場
合、前進方向の素材による壁の構成力も弱く、スクリュ
ーの幅相当分を確実にスクリューに入れ攪拌することは
出来ない。一方、本案の如く槽幅一杯にスクリュー外径
を構成した場合は槽壁が素材の逃げを防ぎ、前進に伴つ
て確実に素材がスクリューに押込まれる。

本発明は従来手段の有する上記欠点を除去することを目
的としてなしたもので、その要旨とするところは強制通
気風の多孔通気板て底部を仕切つた横長の発酵槽に、該
槽の長手方向に平行に敷設されたレール上を往復走行可
能な走行台車を設け、該走行台車に、横幅に略等しい外
径のスクリュー形の攪拌機を具備ぜる攪拌装置を設けた
こと，を特徴とするものである。以下本発明の実施例を
図面を参照しつつ説明する。

発酵期間に応じて複数個独立して設けた横長の発酵槽４
は悪臭の外部への漏洩防止のために天井Ｊ及び側壁から
成るカバー１によつて覆われており、カバー１の上部に
設置した排気孔２には配管を介して脱臭装置３が連接さ
れている。

又カバー１は太陽熱を透過吸収できるプラスチックある
いはガラスから成り、外部への熱放散をも防止し得こる
よう形成されている。なお発酵槽４は本発明の実施例て
は発酵期間を４日間とし４基設けている。カバー１の内
側には多数のノズル５を有する分配管６が発酵槽４の上
側となるよう各発酵槽４ごとに配設されており、分配管
６の端部にはスラリー圧送用の切換弁７が取付けられて
いる。

各分配管６は主管８に連接されており、主管８には、ス
ラリー流れ方向に対して上流側から下流側に向い、畜舎
から送られてきたふん尿を破砕混合する破砕混合機９、
スラリー送給用のスラリーポンプ１０、スラリーを一時
的に貯留するスラリー貯留槽１１、スラリーを発酵槽４
に送るスラリーポンプ１２等が順次連結されている。

発酵槽４の下部には、均一に通気されるよう調整機能を
備えた多孔性の通気板１３が設置されており、該通気板
１３の下部に設けた空気路１４の吸気孔１５には、外気
を発酵槽４内に送る送風機１６が連接されている。

発酵槽４上部に平行に敷設されたレールには２基の発酵
槽４にまたがつて該発酵槽４の長手方向に適宜の駆動装
置によつて往復走行し得るようにした走行台車１７が載
置されており、該走行台車１７には各発酵槽４あたり１
基すつ配設されるように走行台車４１基あたり２基の攪
拌装置１８が設置されている。

攪拌装置１８は堆積物の発酵促進のための切返しを行う
縦形スクリュー式の攪拌機１９、攪拌機１９駆動用のモ
ータ２０、動力伝達機構２１等から構成されており、又
走行台車１７の前後部には、適宜の駆動装置によつて昇
降するならし板２２，２３が取付けられている。

又攪拌機１９のロータ径は発酵槽４の幅に略等しく形成
されており、同じ走行台車１７に設置された攪拌機１９
の回転方向は互に逆方向になるように構成されている。
これは１基の走行台車１７に２基の攪拌装置１８を設置
し攪拌機１９の回転方向を同じにするとねじりモーメン
トがレールに伝達され、不都合が生じるのでモーメント
の方向を逆にして相殺し、斯かる弊害を排除するためで
ある。なお図中２４は発酵槽４端部に設けた排出口、２
５はシリンダ等て作動する排出口扉、２６は堆肥運搬用
のコンベアである。次に本発明の作動について説明する
。

畜舎から送られてきたふん尿は破砕混合機９によつて破
砕混合されてスラリー化し、スラリーポンプ１０によつ
てスラリー貯留槽１１に送り込まれる。

このスラリー貯留槽１１に貯留されるスラリーの量は翌
田こ所定の発酵槽４に投入する全量分である。例えばＮ
Ｏ．ｌの発酵槽４にスラリーを送給する場合には、ＮＯ
．ｌの発酵槽４上にある分配管６の切換弁７を開にし、
他の系列の切換弁７を閉止し、一方ＮＯ．ｌの発酵槽４
内に水分調節用の乾燥堆肥をある程度残しておく。

次にスラリーポンプ１２を駆動してスラリーを圧送する
と該スラリーは主管８からＮＯ．ｌの系列の分配管６に
入り、多数のノズル５より発酵槽４内に散布され、発酵
槽４上のレールを走行台車１７に設置されてその長手方
向に走行している攪拌装置１８の攪拌機１９によつて乾
燥堆肥を攪拌混合され、発酵条件に適するよう水分調整
される。

スラリーの散布が完全に終了しても走行台車１７は停止
することなく走行し、攪拌機１９による攪拌混合も連続
的に行われる。堆肥物を攪拌混合しながら攪拌機１９が
移動すると該攪拌機１９の移動に伴つて発酵槽４の堆積
物上面は、長手方向では中間が凹状で両端に向つて上方
に傾斜する傾向があり、又幅方向では両縁に向つて上方
に傾斜し中凹状態なる傾向がある。

そこでならし板２２，２３のうち走行台車１７の進行方
向後側のものを下降させ、発酵の均一化図るためかきな
らしを行う。一方送風機１６によつて送られた外気は吸
気孔１５、空気路１４を通り通気板１３から均一に発酵
槽４内に送られ、好気性細菌の活動の活発化により堆積
物の均一な発酵が行われる。

又堆積物間を通つて排ガスは排気孔２より脱臭装置３へ
送られ、脱臭されて大気中に放出されるから、悪臭が外
部に漏洩することはない。更に太陽熱はプラスチックあ
るいはガラス板製のカバー１を通つて発酵槽４内に透過
され、発酵に必要な熱エネルギーとして利用されるし、
外部への熱の放出も少ない。堆積物の発酵中は走行台車
１７は常に発酵槽４上を停止することなく走行し、攪拌
機１９による攪拌混合が連続的に行われる。

又発酵期間を４日間とすると４基の発酵槽を設けている
場合、ＮＯ．ｌの発酵槽４にスラリーを投入する日には
ＮＯ．４の発酵槽４は発酵を完了し、堆肥として排出が
可能である。従つて装置全体としてみると連日投入、連
日排出が可能となる。堆積物を発酵槽４から堆肥として
排出する場合には、排出すべき系列の走行台車１７（本
実施例ではＮＯ．ｌの系列にスラリーを供給する日にＮ
Ｏ．４の系列の発酵が完了するからＮＯ．４の系列）が
発酵槽４の排出口２４の方向に移動するときに排出口扉
２５を開放し、攪拌機１９て堆積物を押圧することによ
つてコンベア２６上に排出する。

コンベア２６上に排出された堆肥は該コンベア２６によ
つて堆肥舎へ輸送される。発酵槽４からの堆積物の排出
に際しては排出口２４に近い側のならし板２３を下降さ
せ、ならし板２３で押すことによつて排出を行つてもよ
い。なお本発明の実施例においては発酵槽４を４基設置
する場合について説明したが、何基設けても実施し得る
こと、発酵槽４の端部はスクリューの形状に合せ半円形
とすることも可能なこと、その他本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内て種々変更を加え得ることは勿論である。

本発明の堆肥化装置上述のことき構成てあるから、下記
のごとき種々の優れた効果を奏し得る。

（Ｄ発酵槽の横幅に略等しい外径のスクリュー攪拌機１
基のみで攪拌装置を構成することにより、複数基の攪拌
機により構成された攪拌装置と比較して、複数の攪拌機
の回転に伴う干渉作用により堆肥が大きな固粒となり均
一な発酵を阻害するというとがなくなり、複数の攪拌機
の回転に伴う摩擦力の増大を防き攪拌装置の駆動力を少
くてき、しかも攪拌装置が簡単で且つ安価にでき、制御
、メンテナンスが容易になる。０Ｄ複数基の発酵槽に各
々１基の攪拌装置を設けることにより、槽の長手方向の
みの走行台車を設け、横行台車を不要としたため、製作
費の低減化が図られ、且つ制御、メンテナンスが容易と
なり、又隣接する発酵槽の攪拌装置２基を２槽にまたが
る１基の走行台車に取付け、２基の攪拌機の回転方向を
相互に相反するように構成したため、攪拌機の回転によ
つて生ずるねじりモーメントを相殺し、走行台車の走行
するレール部に過大なりが負荷されるのを防ぐことがで
きる。

（］発酵槽の端部を攪拌機のスクリュー外径に略等しい
半円形とすることにより、発酵槽にデツトスペースをな
くし槽内が隅々まて攪拌可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の堆肥化装置の説明用平面図、第２図は
第１図の説明用側断面図、第３図は本発明の堆肥化装置
の攪拌装置に使用するならし板の説明図である。 図中１はカバー、３は脱臭装置、４は発酵槽、５はノズ
ル、９は破砕混合機、１０はスラリーポンプ、１１はス
ラリー貯留槽、１２はスラリーポンプ、１３は通気板、
１６は送風機、１７は走行台車、１８は攪拌装置、１９
は攪拌機、２２，２３はならし板、２６はコンベアを示
す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 強制通風用の多孔通気板で底部を仕切つた横長の発
   酵槽に、該槽の長手方向に平行に敷設されたレール上を
   往復走行可能な走行台車を設け、該走行台車に、槽幅に
   略等しい外径のスクリュー形の撹拌器を具備せる撹拌装
   置を設けたことを特徴とする堆肥化装置。 ２ 強制通風用の多孔通気板で底部を仕切つた複数の横
   長の発酵槽に、該槽の長手方向に平行に敷設されたレー
   ル上を往復走行可能な走行台車を２槽毎に１基設け、各
   走高台車に槽幅に略等しい外径のスクリュー形の撹拌機
   を２基具備せる撹拌装置を取付け、２基の撹拌装置の撹
   拌機の回転方向を逆方向にしたことを特徴とする堆肥化
   装置。 ３ 発酵槽の横長方向の両端を撹拌機のスクリューの外
   径に略等しい半円形とした特許請求の範囲第１項若しく
   は第２項記載の堆肥化装置。