JPS6041788Y2 - 電力ケ−ブル用接続箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、特に架橋ポリエチレン電カケープルを用いた
系統のクロスポンド用の電カケープル用接続箱に関する
ものである。

一般に、クロスボンド用接続箱として絶縁接続箱が用い
られてきているが、絶縁接続箱の接続部外部半導電層の
縁切部先端には電界が集中する欠点がある。

以下これを第１図により説明する。１はケーブル導体、
２はケーブル導体１端部相互を接続する導体接続部、３
はポリエチレン材のケーブル絶縁体、４は導体接続部２
の外周に形成されたポリエチレン材の接続部絶縁層であ
る。

５はポリエチレンベースのケーブル外部半導電層、６は
ポリエチレンベースの接続部外部半導電層で、接続部絶
縁層４の外周に形成されている。

７は接続部外部半導電層６の縁切部であり、８は縁切部
先端、１２は金属遮蔽層である。

この第１図において縁切部先端８に電界が集中し、縁切
部先端８とケーブル導体１、導体接続部２の高電位側導
体との間で絶縁破壊が生じ易い。

このため、縁切部先端８に電界が生じにくいような先端
部構造にしたり、他の方法が用いられるが、構造が複雑
となったり、作業性が悪くなるなどの問題があった。

本考案は上記の状況に鑑みなされたものであり、簡単な
構造で、作業性及び絶縁に対する信頼性が向上でき施工
時間を短縮できる電カケープル用接続箱を提供すること
を目的としたものである。

本考案の電カケープル用接続箱は、ケーブル導体端部相
互間を接続した導体接続部と、該導体接続部外側に設け
られる接続部絶縁層の外周に形成された接続部外部半導
電層と、該接続部半導電層に形成された縁切部とを設け
てなり、該縁切部が、上記接続部外部半導電層を長さ方
向に所定の距離を切り欠き形成された半導電層切欠部と
、該半導電層切欠部外周に上記接続部外部半導電層の縁
切部先端を内蔵して高誘電率ゴム・プラスチック等から
形成された高誘電率層と、上記接続部絶縁層と上記高誘
電率層との間に形成された接続部外部半導電層と材質的
に同系統の薄い層とからなるものである。

以下本考案の電カケープル用接続箱の一実施例を第１図
と同部品は同符号で示し同部分の説明は省略し第２図に
より説明する。

１３は接続部外部半導電層を長さ方向に所定の距離を切
り欠き接続部中央部分に形成された半導電層切欠部、９
は接続部外部半導電層６と同材質の薄いフィルムから形
成された半導電層で、半導電層切欠部１３に接続部絶縁
層４の外周によく接着して界面に欠陥を作ることがない
ように巻回されている。

１０は半導電層切欠部１３の半導電層９の外周に接続部
外部半導電層６の縁切部先端８と重なるように形成され
た高誘電率ゴムまたはプラスチック層からなる高誘電率
層である。

高誘電率層１０の厚さは、その誘電率、誘電率の周波数
特性、半導電層切欠部１３の長さ、ケーブル絶縁体３の
材質及び絶縁厚さの他ケーブル導体１のサイズ等によっ
て異なる。

しかし、何れにしても、半導電層切欠部１３の各周波数
におけるインピーダンスが低く、サージ電圧等によって
半導電層切欠部１３の電位が浮動しない範囲であればよ
い。

半導電層９の厚さは、約５０Ｐｍと十分に薄いため、固
有電気抵抗が低いにもかかわらず抵抗値は高く、商用周
波クロスボンド電圧による発熱はあまり問題にならない
。

そして、半導電層９は、接続部絶縁層４と高誘電率層１
０とが異質であることによる界面に問題の生じることを
防止する。

一方、高誘電率層１０は、クロスボンド電圧に対しては
縁切りの作用を行ない、ケーブルへの課電圧あるいは高
周波のサージ性異常電圧に対しては、高誘電率層のため
静電遮蔽され、縁切部先端８への電界の集中を阻止する
。

従って、この部分が欠陥になるようなこともない。

また、ケーブル外部半導電層５、接続部外部半導電層６
の外側には金属遮蔽層１２が設けられ、ケーブルあるい
は接続箱部の長さ方向に対する電位流動が生じないよう
になっている。

このように本実施例の電カケープル用接続箱は縁切部が
、半導電層切欠部と半導電層切欠部外周に形成された高
誘電率層とから構成されており、従来のクロスボンド用
接続箱に比べ接続箱の構造が簡単となり、絶縁に対する
信頼性、作業性が向上され、施工時間が短縮され、安価
に製作できる。

また、縁切部両端に、アレスタあるいは可飽和リアクト
ルを接続して薄い半導電層あるいは高誘電率層に高い電
圧が加わらないようにしてもよい。

そして、高誘電率層を二種類にすることもでき、また、
薄い半導電層の代りに半導電性塗料とすることもできる
。

以上記述した如く本考案の電カケープル用接続箱は、構
造が簡単で、作業性及び絶縁に対する信頼性が向上でき
るとともに施工時間も短縮できる効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の絶縁接続箱の断面図、第２図は本考案の
電カケープル用接続箱の実施例の断面図である。 １・・・・・・ケーブル導体、２・・・・・・導体接続
部、４・・・・・・接続部絶縁層、６・・・・・・接続
部外部半導電層、７・・・・・・縁切部、訃・・・・・
・・・縁切部先端、９・・・・・・半導電層、１０・・
・・・・高誘電率層、１３・・・・・・半導電層切欠部
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーブル導体端部相互間を接続した導体接続部と、該導
   体接続部外側に設けられる接続部絶縁層の外周に形成さ
   れた接続部外部半導電層と、該接続部半導電層に形成さ
   れた縁切り部とを設けたものにおいて、該縁切部が、上
   記接続部外部半導電層を長さ方向に所定の距離を切り欠
   き形成された半導電層切欠部と、該半導電層切欠部外周
   に上記接続部外部半導電層の縁切部先端を内蔵して高誘
   電率ゴム・プラスチック等から形成された高誘電率層と
   、上記接続部絶縁層と上記高誘電率層との間に形成され
   た接続部外部半導電層と材質的に同系統の薄い層とから
   なることを特徴とする電カケープル用接続箱。