JPS6040596Y2 - 溶融亜鉛メツキの合金化処理炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は溶融亜鉛メッキの合金化処理炉の改良に関する
ものである。

従来よりガルバニール材が知られている。

このガルバニール材は一般に連続亜鉛メツキラインのメ
ッキ浴で鋼ストリツプ表面にＺｎを付着させた後、ガス
絞りノズルでメッキ付着量をコントロールし、次いで直
火式の合金化処理炉（ガルバニール炉）で加熱処理する
ことによってＺｎ−Ｆｅを合金化させたもので、塗装性
と溶接性にすぐれた塗装下地鋼板として新たな需要が期
待されている。

ところで、従来の合金化処理炉は操業時、定量のＣガス
を流し、所定の炉温（８５０℃以上）でＺｎメッキ後の
鋼ストリップを加熱処理しているが、その際合金化処理
炉の下方に有するガスノズルからのガス（約２００°Ｃ
）は、一般には４００〜５００ｒｒＬ／秒もの流速を有
することから走行する鋼ストリップとともに炉内に入り
、炉温を下げるため、炉内温度を維持する必要上Ｃガス
使用量を増さなければならず、きわめて不経済である。

この場合、ガルバニール炉能力（Ｃガス最大使用量）内
であればガスコントロールで操業できるか、鋼ストリッ
プのサイズによってそれ以上の炉温を必要とする場合に
はおのずとラインスピードを遅くせざるを得す、操業能
率がダウンすることは避けられない。

しかも操業状態を最大能力で行なっていると、鋼ストリ
ップの形状（中伸、耳波）によっては、ガルバニール炉
での加熱状態が変わり、鋼ストリツプ表面が均一に加熱
されることなく、いわゆる焼ムラ状態となって製品の格
落や歩留低下の原因ともなる。

本考案はこのような従来の不利欠点を解決するために工
夫されたものであり、特に前記合金化処理炉とガス絞り
ノズルとの間に外気遮壁板を設けることをその基本的特
徴とするものである。

以下本考案の一実施例を添付図面に従って説明すると、
まず第１図及び第２図において１は亜鉛メッキ浴、２は
押えロール、３．３ａはガス絞りノズル、４は合金化処
理炉であり、これらは従来と同様である。

しかるに本考案では前記合金化処理炉４とガス絞りノズ
ル３，３ａとの間に鋼ストリップＳをはさんで一対の外
気遮壁板５，５ａが設けられている。

本実施例では固定フレーム６に設けられた脚部？、７ａ
（これら脚部は第２図に示すごとく鋼ストリツプ幅方向
にそれぞれ一対設けられている）にガス絞りノズル３，
３ａが支持されると共に、該脚部７，７ａを補強するた
め補助材８，８ａが鋼ストリツプ幅方向に設けられ、か
つこの補強材８．８ａに前記遮壁板５，５ａが鋼ストリ
ツプ８方向に節回可能となるように取付けられている。

この節回構造としては、例えば補強材８，８ａをパイプ
で構威し、これを内管として該内管に対して節回可能な
外管に遮壁板５，５ａを固定してもよく。

あるいは補強材８，８ａの両端を脚部７゜７ａに枢着せ
しめる等その構成は任意である。

また、前記固定フレーム６の脚部７，７ａの上方にはチ
ェーンガイドローラ９，９ａが枢着されると共に、図示
しないドラムから延ばされたチェーン１０．１０ａはこ
のローラ９，９ａを介して前記遮壁板５，５ａと連結さ
れている。

一方、本実施例では遮壁板５，５ａの先端と鋼ストリッ
プＳの表面との間隔をガス絞りノズル３．３ａのそれと
ほぼ同等の５０７７１１１１としているが、この間隔は
鋼ストリップＳの走行中のバタッキの度合で決定される
。

本考案では前記脚部７，７ａが固定フレーム６にスライ
ド可能に取付けられており、例えばターンバックル機構
により、該脚部７，７ａが直角方向、即ち第１図に向か
って左右方向に移動可能となっており、同時に該脚部７
，７ａに支持されたガス絞りノズル３，３ａ及び遮壁板
５，５ａも移動可能となっている。

また本考案では前記脚部７．７ａの中間部にターンバッ
クル機構等の昇降機構１１．ｌｌａが設けられており、
これによりガス絞りノズル３，３ａが昇降可能となって
いる。

さらに本考案では、外気との遮断をより完全なものとす
るため、前記合金化処理炉４の入口４ａ付近にシールロ
ールを取付けてもよい。

なお、図面に示した遮壁板５，５ａの開閉機構は単なる
一例であり、シリンダ一方式等必要に応じて各種の設計
変更が可能であることはいうまでもない。

以上のような本考案によるときは、Ｚｎメッキ後のスト
リップに合金化処理を施す場合、図示しないドラムによ
ってチェーン１０．１０ａを巻き付け、遮壁板５，５ａ
を鋼ストリップＳの面に対してほぼ直角となるように引
き上げることで合金化処理炉４を外気と遮断するもので
あり、また不要の際にはチェーン１０．１０ａを延ばし
て遮壁板５，５ａが鋼ストリップＳの面とほぼ平行状態
となるようセットしておくものである。

このような本考案によれば、特に合金化処理炉４とガス
絞りノズル３，３ａとの間に外気侵入遮壁板５，５ａを
設ける簡単な装置によって、鋼ストリップＳに引き込ま
れてくるガス絞りノズルからのガスを極力遮断し外気等
の侵入を少なくし、従来に比らべ、炉温の低下をさける
ことができるため、その分Ｃガス使用量の節約となり、
しかも外気による対流熱損失が減少し、メッキ後のスト
リップ表面への輻射伝熱が増加するため炉の熱効率が向
上する。

また従来のごとく鋼ストリップのサイズによってライン
スピードを落す必要がないため、操業能率が向上すると
共に、鋼ストリツプ表面が均一に加熱され、焼ムラ状態
がなくなるため、歩留りが向上し、さらには亜鉛メッキ
浴上方の雰囲気温度も所定温度に保つことができる等、
種々の効果が得られ、実用的価値のすぐれた考案である
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す概略側面図、第２図は
同じく遮壁板を下げた状態での概略正面図である。 図中４は合金化処理炉、ガス絞りノズル３，３ａ、５．
５ａは外気遮壁板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連続亜鉛メツキラインにおけるメッキ浴上方に設置され
   たガス絞りノズルと合金化処理炉との間に、外気侵入遮
   壁板を設けたことを特徴とする溶融亜鉛メッキの合金化
   処理炉。