JPS6040309Y2 - キヤツスルナツトの位置決め装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はキャッスルナツトの位置決め装置に関するもの
である。

ナツトとボルトの締付は状態において、その弛みを確実
に防止するために、ナツトとしてその頭部に溝を設けた
キャッスルナツトを用い、該キャッスルナツトの溝とボ
ルトに設けた孔に割ピン等を挿通する方策が採られてい
るのは周知である。

ところがキャッスルナツトをインパクトレンチ等のエア
動締付工具で締め込む場合、該エア動締付工具のソケッ
ト内に該キャッスルナツトを嵌め込み、エア動にて該ソ
ケットを回動させて締め込むので、所定トルク値に締め
込んだとき上記キャッスルナツトの溝とボルトの孔が合
致しているかどうかをチェックする為には一旦エア動締
付工具のソケットをキャッスルナツトからはずさねばな
らず、合致してなかったら再びソケットを嵌めてわずか
に回動させてソケットをはずし更に合致しているかどう
かを調べる等、キャッスルナツトの締付は作業は非常に
手間がかかり厄介なものであった。

本考案は上記のような従来の問題に対処することを目的
とするもので、以下附図実施例につき説明する。

第１，２図において、１はエア動締付工具本体、２はエ
ア動締付工具本体１の締付軸３に取付けられたソケット
４の外周面部を覆うよう上記本体１に取付けられたガイ
ドで、該ガイド２の外周部には後述するセンサガイド５
が軸方向スライド可能及び回動可能になるよう嵌装され
ている。

ソケット４先端部にはキャッスルナツト８を嵌め込むた
めの例えば六角穴等の角穴４ａが設けられ、該ソケット
４の角穴４ａにキャッスルナツト８を嵌めエア動締付工
具を作動させることにより、締付軸３及びソケット４が
一体となって回動してキャッスルナツト８をボルト７に
ねじ込み締付は得るようになっている。

キャッスルナツト８の頭部には放射状に複数対の溝８１
が形成され、該キャッスルナツト８のボルト７への所定
トルク値での締付状態位置において上記溝８１のいずれ
かに合致するピン挿通孔７１がボルト７に設けられてお
り、畝溝８１とピン挿通孔７１に割ビン等（図示省略）
を挿し込むことによりナツトの弛みを的確に防止し得る
ようになっている。

上記ソケット４及びセンサガイド５には、前記キャッス
ルナツト８の各溝８１に連通する孔４１及び５１が放射
状に複数対設けられ、センサガイド５の孔５１には光を
透過するファイバスコープ６の一端がそれぞれ取付けら
れている。

各孔５１に取付けられた複数対のファイバスコープの各
対の一方は投光側ファイバスコープ６１とに図示しない
投光器側に連結され、それに対向する他方は受光側ファ
イバスコープ６２として図示しない受光器側に連結され
る。

又、第３，４図に示すようにセンサガイド５は、その先
端部に星形形状部５２が形成され、又ソケット４の上記
センサガイド５の先端部に対向する位置にはセンサガイ
ド５の星形形状部５２に対応する星形形状部４２が形成
され、両星形形状部４２と５２がつき合わされ完全に両
者がかみ合った状態でソケット４とセンサガイド５の孔
４１と５１が正確に合致するよう構成されている。

９はエア動締付工具本体１に設けたシリンダ装置で、該
シリンダ装置９のピストン９１はセンサガイド５の基部
外周に設けた環状溝５３に保合し、該ピストン９１の作
動によってセンサガイド５を第３図示のように星形形状
部５２がソケット４の星形形状部４２より離れた後退位
置から、第４図示のように両星形形状部４２．５２の完
全にかみ合った前進位置にスライドさせ得るようになっ
ている。

上記の構成において、作業開始に当ってはセンサガイド
５は第３図示のような後退位置に保持され、この状態で
キャッスルナツト８にソケット４の角穴４ａをはめ込み
エア動締付工具を作動させてソケット４を回転させ、キ
ャッスルナツト８をボルト７にねじ込んで行く。

この場合センサガイド５はソケット４とは離れた後退位
置にあり且つ本体１に固定された固定部材であるガイド
２に支持されているので締付軸３及びソケット４の回動
がセンサガイド５に影響を与えることはない。

キャッスルナツト８の締付けが最低保障トルクの所定値
に達したとき一旦工具の締付作動を停止させ、シリンダ
装置９を作動させてピストン９１を前進作動させ、セン
サガイド５を前進位置にスライドさせる。

このときソケット４とセンサガイド５の回転方向の相対
位置がずれていても両星形形状部４２と５２のかみ合い
によりセンサガイド５は幾分回動してセンサガイド５に
設けたファイバスコープ６はソケット４の孔４１及びキ
ャッスルナツト８の溝８１に正確に一致する。

この状態で投光側ファイバスコープ６１へ投光を開始す
る。

このときキャッスルナツト８の溝８１とボルト７のピン
挿通孔７１が一致していないと、投光側ファイバスコー
プ６１の光線は受光側ファイバスコープ６２側へは至ら
ない。

そこで投光を開始してからエア動締付工具の締付軸３を
ゆっくり締付方向へ回動し、ボルト７のピン挿通孔７１
とキャッスルナツト８の溝８１が一致しはじめると受光
側ファイバスコープ６２へ光が透過しはじめ、受光器に
より光量最大時を感知してエア動締付工具の作動を停止
させてはずし、センサガイド５を後退させ作業を完了す
る。

以上のようにしてソケット４をキャッスルナツト８より
はずすことなく正確にキャッスルナツト８の溝８１とボ
ルト７のピン挿通孔７１を一致すせることができ、キャ
ッスルナツト締付作業の大幅な簡易化をはかることがで
きる。

以上のように本考案によれば、エア動締付工具のソケッ
トにキャッスルナツトに設けた溝に一致連通ずる孔を設
け、該孔に対応する投光側ファイバスコープと受光側フ
ァイバスコープを設けたセンサガイドを上記ソケットと
干渉しない位置及びソケットに係合してファイバスコー
プがソケットの孔に一致する位置に移動できるようソケ
ット外周部に取付け、該センサガイドの移動を制御する
シリンダ装置を工具本体に設けたことにより、キャッス
ルナツトの最低保障トルク値までの締付作動及びそれ以
後のキャッスルナツトの溝とボルトのピン挿通孔が完全
に一致するまでのキャッスルナツト締込みをエア動締付
工具のソケットをキャッスルナツトよりはずすことなく
一連作業として行うことができるもので、作業の大幅な
簡易化、能率化をはかり得ると共に、溝と孔の一致検出
をファイバスコープを用いた光透過量にて行っているの
で、扱いが極めて容易で且つ検出機能が的確であり、更
に構が極めて簡単となる等多くの利益をもたらし得るも
のである。

【図面の簡単な説明】

附図は本考案の実施例を示すもので、第１図は要部縦断
側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、第３図及び第
４図はセンサガイド後退時及びセンサガイド前進時をそ
れぞれ示す要部外観図である。 １・・・・・・エア動締付工具本体、２・・・・・・ガ
イド、３・・・・・・締付軸、４・・・・・・ソケット
、５・・・・・・センサガイド、６・・・・・・ファイ
バスコープ、７・・・・・・ボルト、８・・・・・・キ
ャッスルナツト、９・・・・・・シリンダ装置、４１．
５１・・・・・・孔、４２．５２・・・・・・星形形状
部、７１・・・・・・ピン挿通孔、８１・・・・・・溝
。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）締付軸及び該締付軸に固定されたソケットを一体
   的に回転させて該ソケットに嵌め込まれたキャッスルナ
   ツトを締込むようにしたエア動締付工具において、該ソ
   ケットにキャッスルナツトの溝に一致して連通ずる孔を
   設けると共に、該孔に対応する投光側ファイバスコープ
   と受光側ファイバスコープを設けたセンサガイドを、上
   記ソケットに干渉しない位置及び該ソケットに係合して
   ファイバスコープがソケットの孔に一致する位置に移動
   制御され得るようエア動締付工具の本体側に取付け、前
   記受光側ファイバスコープの受光量を感知する受光器を
   設けたことを特徴とするキャッスルナツトの位置決め装
   置。
2. （２）センサガイドは、ソケットの外周を覆うようにエ
   ア動締付工具本体に固定された筒状のガイド外周に回転
   及び軸方向スライド可能に取付けられ、該センサガイド
   のソケットとの係合及びファイバスコープとソケットの
   孔との一致は、センサガイド先端に形成した星形形状部
   とソケットに設けた星形形状部のつき合せにより行わわ
   れるようになっていることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載のキャッスルナツトの位置決め装
   置。
3. （３）センサガイドの移動制御は、エア動締付工具本体
   に設けたシリンダ装置によって行われるようになってい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項又は
   第２項記載のキャッスルナツトの位置決め装置。