JPS603977Y2 - 燃料供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃料タンクが気化器より下方に位置している
場合において、気化器への始動燃料の供給を容易にした
燃料供給装置に関するものである。

燃料タンクが気化器より下方に位置している場合におい
て、従来の燃料供給装置は一般に燃料ポンプが気化器に
設けられていて燃料吸い上げ方式となっていたため、燃
料ポンプ及び燃料タンクから燃料ポンプへ至る燃料供給
管の気密性を高め更に燃料ポンプ自体の性能を高度なも
のにしておかないと初期の燃料の吸い上げ即ち燃料供給
管内の空気も併せて吸引しなければならない機関始動時
の燃料の吸い上げかうまく行われないという問題があっ
た。

又、上記構造の場合、燃料ポンプが機関付近に位置する
ことになるので、機関から熱の影響を受けて燃料ポンプ
の性能が劣化してしまうという問題もあった。

本考案は、上記問題点に鑑み、プライマーを具備した脈
圧式燃料ポンプを燃料ポンプを燃料タンクの下部又は油
面下位置に設けることにより気化器への始動燃料の供給
を容易にした燃料供給装置を提供せんとするものである
が、以下図示した一実施例に基づきこれを説明すれば、
１は機関本体、２は機関本体１に接続された気化器、３
は気化器２に下方に位置している燃料タンク、４は燃料
タンク３の下部又は油面下位置に設けられた脈圧式燃料
ポンプであって、機関本体１の吸気マニホルド１ａと燃
料ポンプ４の負圧脈動室とが負圧導管５を介して接続さ
れ、燃料ポンプ４のポンプ室と気化器２のフロート室（
フロート式の場合）又は調節室（模式の場合）等とが燃
料供給管６を介して接続されている。

尚、負圧導管５の一端は機関本体の吸気マニホルド１ａ
に接続する代りに機関本体１のクランク室に接続しても
良い。

又、気化器２がオーバーフロ一式の場合は、燃料供給管
６の一端を気化器２のオーバーフロー室に接続し、更に
気化器２の燃料溜と燃料タンク３とをオーバーフロー室
（第１図点線図示）を介して接続しておくことが必要で
ある。

次に、脈圧式燃料ポンプ４の構造について第２図に基づ
いて第２図に基づき説明すれば、７は燃料ポンプ４内部
を負圧脈動室８とポンプ室９とに画成するダイアフラム
、１０は燃料タンク３の底部とポンプ室９の底部とを連
通ずる燃料通路、１１は燃料通路１０内に配設された燃
料フィルター １２はポンプ室９の底部に配設された吸
入弁、１３．１４はポンプ室９の上側部分に配設された
２個の吐出弁、１５は吐出弁１３．１４間に接続された
例えばゴムシ−トの如き気密性と弾力性とを有する材料
から成るプライマーである。

尚、プライマー１５は接続管を介在せしめることにより
燃料ポンプ４から離れた位置に設置することも出来る。

本考案による燃料供給装置は上述の如く構成されている
から、燃料タンク３に最初に燃料を入れた時又は燃料切
れにより機関が停止した後で燃料タンク３に燃料を補充
した時は、燃料ポンプ４のポンプ室９内は既に燃料で満
たされている。

ここでプライマー１５を押圧してやれば、吐出弁１３は
閉弁されて吐出弁１４は開弁されるので、プライマー１
５内に溜っていた燃料は、押し上げられ、燃料供給管６
を経て気化器２に送られる。

その後プライマー１５の押圧を解除すれば、プライマー
１５は自己の弾力により復元するが、この場合吐出弁１
４は閉弁されて吐出弁１３及び吸入弁１２は共に開弁さ
れるので、燃料通路１０を経て燃料が吸い上げられる。

従って、機関の始動に当りプライマー１５を断続押圧操
作すれば、燃料供給管６を介して始動に必要な燃料が気
化器２に送られる。

かくして、機関が始動せしめられれば、吸気マニホルド
１ａの脈動圧によりダイアフラム７が変位せしめられる
ようになるので、燃料ポンプ４自体のポンプ作用は続行
せしめられ、プライマー１５の押圧操作を中止してもそ
れ以後燃料は燃料供給管６を経て気化器２に送り続けら
れる。

上述の如く、本考案による燃料供給装置は、燃料押上げ
方式であるため燃料ポンプから気化器に至る燃料供給管
がさほど気密性に優れていなくとも更に燃料ポンプ自体
の性能がさほど高くなくとも機関始動時の燃料を確実に
気化器へ送ることが出来る。

又、燃料ポンプは機関から離れた位置に設置し得るので
、機関からの熱の影響による燃料ポンプの性能劣化の問
題は起らない。

又、燃料ポンプがプライマーを具備しているので、初期
始動及び燃料補充時の再始動が極めて容易である。

又、本案装置は、燃料ポンプのプライマーが燃料ポンプ
本体の二個の吐出弁の間に接続されていてポンプ室には
接続されていないので、ポンプ室の容積を増やしダイア
フラムの行程積比を小さくして圧力変動を緩和したりす
ることによりポンプの性能低下をきたすようなことがな
い。

又、プライマーが該二個の吐出弁を吸排弁として兼用し
ているので、従来装置のようにプライマー自身が固有の
吸排弁を有している場合に較べて安価且つ小型になる。

更に、燃料ポンプ内に燃料フィルターを内蔵し得るので
、装置全体のまとまりが良いという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による燃料供給装置の一実施例の概略図
、第２図は上記実施例の燃料ポンプの縦断面図である。 １・・・機関本体、２・・・気化器、３・・・燃料タン
ク、４・・・脈圧式燃料ポンプ、５・・・負圧導管、６
・・・燃料供給管、７・・・ダイアフラム、訃・・負圧
脈動室、９・・・ポンプ室、１０、燃料通路、１１・・
・燃料フィルター、１２・・・吸入弁、１３．１４・・
・吐出弁、１５・・・プライマー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンクが気化器より下方に位置している場合の燃料
   供給装置において、ポンプ室の上側部分に二個の吐出弁
   が配設された脈圧式燃料ポンプを前記燃料タンクの下部
   又は油面下位置に設け、前記二個の吐出弁の間にプライ
   マーを接続したことを特徴とする燃料供給装置。