JPS6039655Y2 - 熱伝達装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、管路内に封入した作動流体の液と蒸気との
相変化を利用して、受熱部で吸収した熱を放熱部に熱輸
送して発散させるようにした熱伝達装置に関するもので
ある。

従来のこの種の熱伝達装置の概要構成を第１図に示しで
ある。

この第１図において、１は上方に水平に配された受熱部
、２は下方に垂直に配された放熱部、３Ａ、３Ｂは共に
一方向へのみの流通を許容する逆止弁、４はアキュムレ
ータである。

また５Ａは受熱部１と放熱部２との間の管路、５Ｂは放
熱部２と第１の逆止弁３Ａとの間の管路、５Ｃは第１の
逆止弁３Ａと第２の逆止弁３Ｂとの間の管路、５Ｄは第
２の逆止弁３Ｂと受熱部１との間の管路であって、これ
らの受熱部１、放熱部２および各管路５Ａないし５Ｄは
内部の平滑なループ、いわゆる閉管路を形成し、管路５
Ｃにはアキュムレータ４を接続させて、このアキュムレ
ータ４を含む管路内に熱輸送媒体としてのフロン、メチ
ルアルコールなどの作動流体６を適量封入すると共に、
第１および第２の逆止弁３Ａ、３Ｂは協働して放熱部２
よりの作動流体６を受熱部１に向ってのみ流し得るよう
にさせ、かっこ）で液体状の作動流体６を液６Ａ、気体
状のそれを蒸気６Ｂとすると、始動時にはアキュムレー
タ４以外の管路内に液６Ａがみたされた状態にある。

こ）で今、受熱部１に熱や供給されると、この受熱部１
での液６Ａが与えられた温度に対応する高圧の蒸気６Ｂ
になって、受熱部１とアキュムレータ４との間に差圧を
生腰受熱部１側が高圧となるために、管路５Ａ、放熱部
２、管路５Ｂにある液６Ａが逆止弁３Ａを経てアキュム
レータ４に流れ込み、このアキュムレータ４の圧力を徐
々に高める。

そして受熱部１で発生した蒸気６Ｂは、放熱部２に達し
て冷却され、凝縮熱を放出して液化されるために、これ
を受納部温度と放熱部温度とに規制されることになり、
結果的に受熱部１、管路５Ａ１放熱部２の蒸気６Ｂの圧
力は、この受納部温度と放熱部温度との中間程度の温度
に相当した飽和蒸気圧となり、従って受熱部１て液６Ａ
の蒸発が行なわれている間、アキュムレータ４の圧力も
はＳ゛この圧力に維持される。

この状態で受熱部１に発生した蒸気６Ｂが放熱部２に達
して再び液化される動作により、受熱部１での熱が放熱
部２に熱輸送されることになるが、この動作は受熱部１
に液６Ａがなくなるまで続く。

ついでこの受熱部１での液６Ａがすべて蒸発すると、受
熱部１、配管５Ａおよび放熱部２にある蒸気６Ｂの圧力
は、放熱部２の温度のみに規制されて低くなり、アキュ
ムレータ４と受熱部１との間に差圧を生じ、アキュムレ
ータ４側の圧力が高くなるために、このアキュムレータ
４に貯溜されている液６Ａは、第２の逆止弁３Ｂを通っ
て受熱部１に還流することになる。

以上の動作が順次に繰り返されて、上部に位置する受熱
部１からの熱が、下部に位置する放熱部２に、何等の動
力をも利用することなく熱輸送されるものである。

しかし乍ら前記従来構成ての動作にあって、受熱部１に
液６Ａが供給された場合、この液６Ａは第２図からも明
らかなように、受熱部管路の底部を流れるために、この
受熱部１での液６Ａへの熱伝達は、その底部においての
みなされること）なって、受熱部管路の内面を効果的に
利用できない。

すなわち、この受熱部１と作動流体６との間の熱抵抗が
大きくなることによる熱輸送量の減少を伴なう欠点があ
った。

この考案は従来のこのような欠点に鑑み、受熱部管路を
隔壁により複数流路に区画させ、かつこれらの各流路へ
均等に作動流体を流し得るようにして、受熱部内部での
伝熱面積の増加を図り、これによって熱輸送量を向上す
るようにしたものである。

以下、この考案装置の一実施例につき、第３図および第
４図を参照して詳細に説明する。

これらの第３図および第４図において前記第１図および
第２図と同一符号は同一または相当部分を示しており、
この実施例では前記受熱部１の管路７を隔壁により複数
の流路に区画すると共に、この管路７への流入管路であ
る管路５Ｄの一部を垂直に保持させて、液６Ａが各区画
された流路に平均的に流入し得るようにしたものである
。

この実施例構成での作用、動作は、基本的に前記従来構
成と同様であるが、この実施例の場合、受熱部１への液
６Ａの流入は、垂直保持された管路５Ｄの一部を通して
、管路７の隔壁８で区画された各流路に平均的になされ
ることになり、各流路では液６Ａがそれぞれの底部に沿
い第４図にみられるように流れる。

従ってこの状態は、前記従来例での場合に比較して、受
熱部１の管路７における液６Ａとの伝熱面積が増加する
ことを意味している。

すなわち、熱輸送量をＱ、熱伝達率をｈ、伝熱面積をＳ
、受熱部温度と液との温度差をΔθとすると、 Ｑ−ｈＳΔθ の関係にあり、この式からも明らかなように伝熱面積が
大きくなることで、熱輸送量を向上できるものである。

以上詳述したようにこの考案によれば、受熱部管路内を
複数の流路に区画させ、かつ各流路に液を平均的に流入
し得るようにしたから、受熱部における作動流体との伝
熱面積を増加でき、結果的に装置の熱輸送量の向上を図
り得るほか、受熱部のコンパクト化にも役立ち、しかも
構造が簡単で容易かつ安価に提供可能であるなどの効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例による熱伝達装置の概要構成を示す説明
図、第２図は同上Ａ−Ａ線部の断面図、第３図はこの考
案の一実施例による熱伝達装置の概要構成を示す説明図
、第４図は同上Ｂ−Ｂ線部の断面図である。 １・・・・・・受熱部、２・・・・・・放熱部、３Ａ、
３Ｂ・・・・・・逆止弁、４・・・・・・アキュムレー
タ、５Ａないし５Ｄ、 ７・・・・・・管路、６・・
・・・・作動流体、６Ａ・・・・・・作動流体の液、６
Ｂ・・・・・・作動流体の蒸気、８・・・・・・隔壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上方の受熱部と下方の放熱部との間をループ状に接続す
   ると共に、内部に熱輸送媒体としてのフロン、メチルア
   ルコールなどの作動流体ヲ適量封入した管路を有し、こ
   の管路中に放熱部より受熱部に向ってのみ作動流体を流
   し得るようにした第１および第２の逆止弁を介装させ、
   かつこれらの両逆止弁の間にアキュムレータを配設した
   構成において、前記受熱部への流入管路を垂直方向に配
   すると共に、受熱部の管路内を隔壁により複数流路に区
   画したことを特徴とする熱伝達装置。