JPS6039644Y2 - 高電圧発生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、圧電素子に衝撃力を与えて高電圧を発生させ
る高電圧発生装置に関する。

この種の圧電素子を用いた高電圧発生装置は、ガスライ
ターその他の点火装置に広く使用されている。

ところで、従来の高電圧発生装置は圧電素子を金属製の
収納体内に収納するものであった。

しかしながら、このように圧電素子を金属製の収納体内
に入れる構造であると、圧電素子に圧力を加えるために
当て金にハンマを強打して高電圧を発生させる際に大き
な音が発生し、また圧電素子間に絶縁を施さなければな
らず、部品点数が多くなる不都合を生じる。

このため、最近絶縁性樹脂製のケース内に圧電素子を設
ける構造が採用されるようになってきている。

第１図はこの種の絶縁性樹脂製ケースを用いた従来の高
電圧発生装置の１例を示す。

この図において、絶縁性樹脂製で角筒状の本体ケース１
内には、衝撃力を受ける当て金２及び圧電素子３が収納
され、本体ケース１の端部には圧電素子電極面と接触す
るように金属座金４が螺着されている。

また、本体ケース１には圧電素子が発生した高圧を取出
すための高圧リード線５が接着固定され、さらに本体ケ
ース１内には操作部材１を突出方向（圧電素子から離れ
る方向）に付勢する戻しばね６が設けられている。

この戻しばね６は、アース側となる金属座金４に接続す
るアース用延長部６Ａを有している。

一方、操作部材１０は絶縁性樹脂で角筒状に形成され、
その頭頂部には透孔１１が形成されている。

この頭頂部内側には前記透孔１１に嵌入するようにアー
ス用端子１２が配設される。

また、操作部材１０の内面四隅の対角部分に金属製のス
ライドピン１３Ａ、１３Ｂが固定され、さらに圧電素子
３に衝撃を与えるためのハンマ１４及び該ノ）ンマを圧
電素子方向に付勢する衝撃ばね１５が操作部材１０の内
側に設けられる。

ここで、スライドピン１３Ａ、１３Ｂはハンマ１４の摺
動を円滑にするためのものである。

また、前記本体ケース１及び操作部材１０の側面にはカ
ム孔１６，１７が夫々形成されており、両方のカム孔１
６，１７に係合するようにハンマ１４にハンマピン１８
が固定される。

すなわち、操作部材１０は本体ケース１内側に摺動自在
に嵌合された状態でノ＼ンマピン１８により抜けないよ
うに取付けられることになる。

上記構成において、高電圧の発生は、操作部材１０を押
込んで衝撃ばね１５に弾性力を蓄え、これをカム孔１６
．１７の作用により解放して圧電素子３にハンマ１４の
機械的衝撃を加えることによって行っている。

ところで、上記の如き従来の構成であると、アースの取
出しは金属座金４及び操作部材１０の頭頂部のアース用
端子１２の両方から可能であるが、操作部材１０内に組
込む部品の数が多く、組立作業性が良好でない欠点があ
った。

本考案は、上記の点に鑑み、スライドピンをアース取出
しに用いることにより部品点数の削減及び組立作業性の
向上を図った高電圧発生装置を提供しようとするもので
ある。

以下、本考案に係る高電圧発生装置の実施例を図面に従
って説明する。

第２図乃至第４図は本考案の第１実施例を示す。

これらの図において、操作部材１０Ａは絶縁性樹脂で角
筒状に形成され、その頭頂部端面には内側の対角部分に
貫通するスライドピン挿入穴２０Ａ、２０Ｂが形成され
ており、スライドピン挿入穴２０Ａ、２０Ｂを結ぶよう
に受は溝２１が形成されている。

スライドピン１３ｃは、一対の直線状スライド部２２と
、両方のスライド部２２を連結するアース取出部２３と
を有するように金属棒を略コ字形に折曲げた構成である
。

このようなスライドピン１３ｃはスライドピン挿入穴２
０Ａ、２０Ｂより操作部材１０Ａの内側に差し込まれる
。

受は溝２１はスライドピン１３ｃのアース取出部２３と
嵌合するようになっており、この受は溝２１の部分に接
着剤を設けることによりスライドピン１３ｃは操作部材
１０Ａに固定される。

なお、操作部材１０Ａ内にハンマ１４及び衝撃はね１５
を設ける構造、本体ケース１側の構造等は第１図の場合
と同様である。

上記構成において、スライドピン１３ｃのスライド部２
２は操作部材１０Ａ内面の四隅のうちの対角部分に位置
し、ハンマ１４を円滑に摺動させる役目を果す。

また、アース取出部は、２３スライド部２２、ハンマ１
４、戻しばね６及びこれのアース用延長部６Ａを介して
アース側の金属座金４に接続されるから、このアース取
出部２３を利用することにより操作部材１０Ａの頭頂部
側からのアース取出しができる。

上記第１実施例によれば、次のような効果を上げること
ができる。

（１）スライドピン１３ｃは操作部材１０Ａの頭頂部よ
り露出するアース取出部２３を一体に有しており、これ
よりアースの取出しができるから従来の構成よりも部品
点数を少なくすることができ、アースの取出しが確実に
行える。

（２）スライドピン１３ｃを操作部材１０Ａの頭頂部よ
り差込むことでスライドビジ１３ｃの取付けができ、組
立容易である。

第５図及び第６図は本考案の第２実施例を示す。

これらの図において、操作部材１０Ｂは絶縁性樹脂で外
面は角筒状に形成され、内面は１つの角部３０を残して
円周面３１となっている。

また、操作部材１０Ｂの頭頂部端面には内側の角部３０
部分に貫通するスライドピン挿入穴２０Ｃが形成され、
所定の間隔をおいてスライドピン挿入穴２０Ｄが形成さ
れる。

そして、両方の穴を結ぶように受は溝２１Ａが形成され
ている。

スライドピン１３Ｄは、直線状スライド部３２と、これ
に対し直角なアース取出部３３と、係止部３４とを有す
るように金属棒を略り字形に折曲げた構成である。

このようなスライドピン１３Ｄはスライドピン挿入穴２
０Ｃに直線状スライド部３２を挿通し、スライドピン固
定穴２０Ｄに係止部３４を差込み、さらに受は溝２１Ａ
の部分に接着剤を設けることにより操作部材１０Ｂに固
定される。

なお操作部材１０Ｂ内にハンマ１４及び衝撃ばね１５を
設ける構造、本体ケース１側の構造等は第１図の場合と
同様である。

上記の場合、操作部材１０Ｂの内面は１つの角部３０を
残して円周面３１となっているから、角部３０に挿入さ
れたスライドピン１３Ｄの直線状スライド部３２により
ハンマ１４は円滑に摺動可能になっている。

また、スライドピン１３Ｄのアース取出部３３を利用す
ることにより、操作部材１０Ｂの頭頂部側からのアース
の取出しができる。

以上の２実施例によっても、部品点数の削減及び組立作
業性の向上を図ることができる。

第７図は本考案の第３実施例を示す。

この図において、操作部材１０Ｂの頭頂部端面にはスラ
イドピン挿入穴２０Ｅ及び受は溝２１Ｂが形成されてお
り、直線状スライド部４０及びアース取出部４１から成
るＬ字状のスライドピン１３Ｅが前記スライドピン挿入
穴２０Ｅに挿通され、受は溝２１Ｂにて接着固定される
。

なお、その他の構成は前述の第２実施例と同じであり、
作用効果も第２実施例と同等である。

なお、本体ケース側の構成は適宜変更可能であり、例え
ば本体ケース側面のカム孔の代りに内側にカム溝を形成
したり、カム孔を覆うカバーを本体ケースの外側に設け
た防塵樹脂タイプの高電圧発生装置にも適用可能である
。

叙上のように、本考案によれば、スライドピンをアース
取出しに用いて部品点数の削減及び組立作業性の改善を
図った高電圧発生装置を得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高電圧発生装置の断面図、第２図は本考
案に係る高電圧発生装置の第１実施例を示す断面図、第
３図は同分解斜視図、第４図は操作部材にスライドピン
及びハンマを設けた部分の正面図、第５図は本考案の第
２実施例を示す分解斜視図、第６図は操作部材にスライ
ドピン及びハンマを設けた部分の正面図、第７図は本考
案の第３の実施例の主要部を示す分解斜視図である。 １・・・・・・本体ケース、３・・・・・・圧電素子、
４・・・・・・金属座金、５・・・・・・高圧リード線
、６・・・・・・戻しばね、１０、ＩＯＡ、ＩＯＢ・・
・・・・操作部材、１３Ａ乃至１３Ｅ・・・・・・スラ
イドピン、１４・・・・・・ハンマ、１５・・・・・・
衝撃ばね、１６．１７・・・・・・カム孔、１８・・・
ハンマピン、２０Ａ乃至２０ Ｃ，２０Ｅ・・−−−−
スライドピン挿入穴、２０Ｄ・・・・・・スライドピン
固定穴、２１．２１Ａ、２１Ｂ・・・・・・受は溝、２
２，３２゜４０・・・・・・直線状スライド部、２３．
３３． ４１・・・・・・アース取出部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）圧電素子を有する本体ケース内側に操作部材を摺
   動自在に設け、その操作部材内側にハンマ及び該ハンマ
   を前記圧電素子方向に付勢する衝撃ばねを設け、前記操
   作部材を突出方向に付勢する戻しばねを前記本体ケース
   内に配設した高電圧発生装置において、前記操作部材の
   頭頂部端面にその操作部材内側の角部に連通ずる挿入穴
   を少くとも１個設け、ハンマ摺動用の直線状スライド部
   とこれに対して折曲げられたアース取出部とを有するス
   ライドピンを前記挿入穴に前記アース取出部が露出する
   ように挿通固定したことを特徴とする高電圧発生装置。
2. （２）前記操作部材の頭頂部端面に前記アース取出部と
   嵌合する受は溝が設けられている実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の高電圧発生装置。