JPS6038435Y2 - 液体汲上げ式ポツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はいわゆるエアーポットあるいは電動ポットと称
される液体汲上げ式ポットの改良に関し、さらに詳しく
は中瓶の内壁面と中栓に装着された瓶内液体汲上げ用の
汲上げ管との衝突を防止するための好適な手段を施した
液体汲上げ式ポットに関するものである。

従来のエアーポットあるいは電動ポットでは中瓶の瓶口
内径は下口部材の中栓嵌挿用穴の内径と同内径又はそれ
より小径となっているのが通例である。

しかしこのようなポットでは中栓を下口部材の中栓嵌挿
用穴に対して嵌挿又は抜出させる際に、中栓が傾斜して
中栓に装着された液体汲上管の下端部が中瓶内の壁面に
衝突し、その中瓶を損傷させる虞れがあった。

又、外気温度が極めて低い場所で、中瓶内に熱湯等の高
温液体を入れて使用しているとき、中瓶を離脱せしめる
と、中瓶内外の極端な温度差によって中瓶が自爆するこ
とがあるが、このとき中瓶の破片が下口部材の中栓嵌挿
穴より外部に飛散して使用者を傷つける虞れがある。

なおこの自爆現象は中瓶内に熱を注湯している時にも起
る虞れがある。

本考案は上記の如き従来の液体汲上げ式ポットの問題点
に鑑み、下口部材に形成された中栓嵌挿用穴の開口縁に
下方に向けて筒状部材を延設することにより、中瓶の瓶
口部及び内壁面の損傷防止と中瓶自爆時におけるその破
片の飛散防止とを図ることができ、さらに残液排出時に
、中瓶瓶口部の内面と筒状部材の外面との間に形成され
る隙間内に溜まる液体を簡単で確実に排出することがで
きるようにすると共に、筒状部材の構成をできるだけ簡
素化しかつ衛生的なものにした液体汲上げ式ポットを提
供することを目的とするものである。

以下、添付の図面を参照して本考案の実施例にかかる液
体汲上げ式ポットを説明すると、図示の実施例では液体
汲上げ式ポットとしてエアーポットを適用した場合を示
している。

なお各図中符号１はエアーポット、２は本体ユニット、
３は蓋ユニット、４は本体ケース、５は下口部材、６は
中瓶、７は中栓、１０は中瓶６の瓶口、１１は瓶口パツ
キンを示している。

第１図に示すエアーポット１は本体ユニット２と蓋ユニ
ット３とに大別されており該本体ユニット２は内部に中
瓶６を収容した本体ケース４の上部に皿状の下口部材５
を載置固定して構成されている。

前記下口部材５には、その前方部位に嘴部１６が一体形
成され、又後方部位に蝶番受部２２が取付けられている
。

さらに下口部材５にはその中央部に中栓７を嵌脱自在に
嵌挿するための穴１３が形成されている。

なおこの中栓嵌挿用穴１３は瓶口パツキン１１を介して
瓶口１０と連通している、。

中栓７には、液体汲上管１７および液体注出管１８が装
着され、該液体汲上管１７と液体注出管１８は中栓７内
の通水路２０を介して連通されている。

又、中栓７内には中瓶６内に圧縮空気吹き込み用の内腔
２１が形成されており、さらに中栓７の胴部には前記中
栓嵌挿用穴１３を気密的に閉塞するための環状パツキン
２３が配設されている。

中栓嵌挿用穴１３の開口縁１３ａには所定長さをもつ筒
状部材１４が下方に向けて延設されている。

この筒状部材１４は第２図に示すように中栓７の傾斜を
規制することによって、中栓７に装着されている液体汲
上管１７を傾斜状態で中瓶６内に挿通させた際にも、該
液体汲上管１７が中瓶６の内壁面６ａに接触しないよう
にするためのもので、該筒状部材１４は中瓶瓶口１０内
に差し込まれ該中瓶瓶口１０の小径部分から拡径部分に
至るまでの間の中瓶口縁部のみ下方に延設されている。

又、この筒状部材１４はその外径Ｍが中瓶瓶口１０の内
径りよりや小径となるように形成されていて、該筒状部
材１４の外面と中瓶瓶口１０の内面との間には若干幅の
環状の隙間Ｓが形成されるようになっている。

これは、中瓶６又は筒状部材１４の成型時に、中瓶瓶口
内径り又は筒状部材外径Ｍの大きさに若干のバラツキが
生じるが、そのバラツキを吸収するためのものである。

筒状部材１４の前側（下口部材５の嘴部１６側）にはそ
の上方部に前記中瓶瓶口１０の内面と筒状部材１４の外
面との間に形成された前記隙間Ｓ内の最上方位置に開口
する水抜穴２４が形成されている。

この水抜き穴２４は、中瓶６内の残液を排出する際に、
その残液の一部が前記隙間Ｓ内に溜まるのを防止するた
めのもので、該隙間Ｓ内に流入した残液は水抜穴２４を
通って筒状部材１４の内部からポット側へ排出できるよ
うになっている。

なお、この実施例では、筒状部材１４は下口部材５とは
別置に成型されていて、該筒状部材１４を中栓嵌挿用穴
１３にネジ結合によって取付けるようにしているが、他
の実施例では筒状部材１４は下口部材５と一体成型する
こともできる。

蓋ユニット３にはエアーポンプ８が収容されており、押
え蓋９を押圧することによって該エアーポンプ８を駆動
させてその圧縮空気を中栓内腔２１を至で中瓶６内に吹
き込ませるようになっている。

又、前記本体ユニット２と蓋ユニット３は蝶番ピン１５
によって駆動自在に枢着されている。

尚、本考案の思想は前記実施例で適用したエアーポット
に限らず電動ポットにも適用できることは勿論である。

続いて本考案の液体汲上げ式ポットの効果について説明
すると、本考案の液体汲上げ式ポットは次のような効果
がある。

（１） 下口部材５の中栓嵌挿用穴１３の開口縁１３
ａに、中瓶瓶口１０内に差し込むようにして筒状部材１
４を中瓶瓶口１０の小径部分から拡径部分に至るまでの
間の中瓶口縁部のみ下方に延設し、中栓７に装着されて
いる液体汲上管１７を傾斜させた状態で中瓶６内に挿通
させた場合でも該液体汲上管１７が中瓶の瓶口部１０及
び内壁面６ａに接触することがないように構成されてい
るので、液体汲上管１７によって中瓶の瓶口部１０及び
内壁面６ａが損傷を受けるのを防止し得る。

特に、筒状部材１４は、中瓶瓶口１０の小径部分から拡
径部分に至るまでの間の中瓶口縁部のみ下方に延設しで
あるため筒状部材１４の長さが必要最小限ですみ該筒状
部材１４の構成が簡素化され、また筒状部材１４が直接
内容液に浸漬されることが少なく該内容液による熱劣下
が妨げられ、かつ衛生的なものになる効果がある。

（２）筒状部材１４を中瓶瓶口部１０内の所定深さまで
差し込んでいるので、何らかの原因で中瓶６が自爆した
場合でもその破片の全部又は一部が筒状部材１４によっ
て遮られて外部に飛散するのを防止し、それによって中
瓶自爆時の危険度を軽減することができる。

（３）筒状部材１４の外径Ｍを中瓶瓶口１０の内径りよ
りやや小径とし、該筒状部材外面と中瓶瓶口内面との間
に若干幅の環状の隙間Ｓが形成されるようにしているの
で、ポット組立時に筒状部外ｉＭ又は中瓶瓶口部内径り
の大きさに多少のバラツキ（特に中瓶成型時には瓶口部
にバラツキが生じ易い）があっても両者の嵌合をスムー
ズに行なうことができる。

なお、筒状部材外径Ｍと中瓶瓶口部内径を同径に設計し
ている場合には各部材の大きさのバラツキによっては組
立不能となることがある。

（４）筒状部材１４の上方部に、筒状部材外面と中瓶瓶
口内面との間に形成される隙間Ｓ内の最上方位置に開口
する水抜穴２４を形成しているので、中瓶６内の残液排
出時にポットを逆転させた際にその隙間Ｓ内に流入する
残液を残すことなく該水抜穴２４を通して簡単かつ確実
に排出することができ、ポットを衛生的に使用すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の液体汲上式ポットをエアーポットに適
用した場合の実施例を示す縦断面図、第２図は第１図の
エアーポットの作用説明図である。 １・・・・・・エアーポット、２・・・・・・本体ユニ
ット、３・・・・・・蓋ユニット、４・・・・・・本体
ケース５・・・・・・下口部材、６・・・・・・中瓶、
７・・・・・・中栓、１０・・・・・・瓶口、１３・・
・・・・中栓嵌挿用穴、１４・・・・・・筒状部材、１
７・・・・・・液体汲上管、１８・・・・・・液体注出
管、２４・・・・・・水抜穴、Ｌ・・・・・・瓶口内径
、Ｍ・・・・・・筒状部材外径。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケース４内に収容した中瓶６の上部に、該中瓶６の
   瓶口１０と連通する中栓嵌挿用穴１３を形成した下口部
   材５を装着し、さらに前記中栓嵌挿用穴１３に液体汲上
   管１７を有する中栓７を嵌脱自在に装着する一方、前記
   中栓嵌挿用穴１３の開口縁１３ａには前記中瓶６の瓶口
   １０内に差し込まれる筒状部材１４を設けて該筒状部材
   １４によって前記中栓７の傾斜を規制することにより前
   記液体汲上管１７が傾斜した状態においても該液体汲上
   管１７が前記中瓶６の内壁面に接触しないようにすると
   ともに、前記筒状部材１４は、前記中瓶瓶口１０の小径
   部分から拡径部分に至るまでの間の中瓶口縁部のみ下方
   に延設され、前記中瓶６の瓶口１０の内径りよりやや小
   径の外径Ｍを有して該中瓶瓶口１０の内面と該筒状部材
   １４の外面との間に若干幅の環状の隙間Ｓを形成すると
   共に、該隙間Ｓの最上方位置に水抜き穴２４を形成した
   ことを特徴とする液体汲上げ式ポット。