JPS6037612Y2 - ガバナ−駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエンジンの燃料噴射ポンプ用ガバナ駆動装置の
改良に関する。

エンジンの燃料噴射ポンプはエンジンの回転数及び負荷
に応じて燃料噴射量を自動的に調節する装置であるが、
従来の燃料噴射ポンプに使用されているガバナは、例え
ば実開昭５２−８５０２４号公報や、実開昭５５−２３
４１５号公報に示されるように、ポンプの駆動軸（カム
軸）に支持板とこの支持板上にブラケットを設けて、或
いはフライウェイトホルダと称される部材に重錘（フラ
イウェイト）をピンで揺動自在に取付でいた。

そしてこの重錘の動きを前記軸に手動自在に設けた可動
スリーブに伝達してこれでガバナ用レバーを駆動し、こ
のレバーで燃料噴射ポンプの噴射量制御用ラックを駆動
していた。

したがって従来のガバナ駆動装置は、重錘を支持するた
めの支持板、ブラケットやフライウェイトホルダ、およ
びピン等の部品を必要とするので部品点数が多く、構造
が複雑となる欠点があつた。

本考案の目的は、前記従来のガバナ駆動装置の有する欠
点を解消し、重錘を支持するのに特にブラケット等の余
分な部材を用いることなく、構造が簡単で製造コストが
安価であり、かつ耐久性のあるガバナ駆動装置を提供す
ることである。

前記目的を達成する本考案のガバナ駆動装置は、燃料噴
射ポンプの駆動軸に取り付けた歯車の内周面に断面円弧
状の溝を設け、この溝に前記駆動軸の回転により歯車の
外周方向に移動する重錘の揺動基部を係合させ、更にこ
の重錘を前記駆動軸上に揺動自在に設けたスリーブに係
合させことを特徴とするものである。

次に図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の主要部を示す断面斜視図で、機体１に
軸受２を介して燃料噴射ポンプの駆動軸例えばカム軸３
が設けられこのカム軸３にキャップ状の歯車４が固定さ
れ、更にこのカム軸３の先端にスリーブ５が遊嵌されて
いる。

上記歯車４の内部には後述する断面円形の溝６が円周方
向に設けられて、この溝６に重錘７の係合部が係合され
更にこのスリーブ５のフランジ部５ａに重錘７の凹部７
ａが係合している。

第２図は歯車４の一部を断面して示す斜視図で、歯車の
周縁部４ａと壁部４ｂとの接合部分に半径がＲの円形溝
６が円周方向に設けられている。

第３図は重錘７の斜視図を示すもので、取付部７ｂの両
側に球状の係合部７ｃが設けられ、この取付部７ｂに連
続して重錘部７ｄと駆動部７ｅが設けられ、この駆動部
７ｅと重錘部７ｄの間に凹部７ａが設けられている。

第４図は歯車４に設けた断面円形の溝６に重錘７の係合
部７ｃが係合した状態を示すもので、この２個の球状の
係合部７ｃが溝６中に嵌入接触腰この２個の係合部７ｃ
を支点として重錘７が揺動するように構成されている。

そしてこの重錘７は溝６に沿って複数個配列されている
と共に、係合部７ｃの間にばばね８が配列されて重錘７
の間隔を保持している。

次に本考案に係る装置の動作を説明するに、第５図にお
いてカム軸３がエンジンによって駆動されると、これの
先端に固定されているキャップ状の歯車４が回転し、こ
の歯車４の溝６と重錘７の係合部７ｃとの摩擦力によっ
てこの重錘７が回転する。

第６図はこの重錘７の動作状態を示すもので、係合部７
ｃと重錘部７ｄの重心Ｇとの距離１１を腕とする左廻り
のモーメン）Ｍが発生し、係合部７ｃと距離１□をおい
て駆動部７ｅがスリーブ５のフランジ部５ａに接触して
いるので、前記モーメントＭによってスリーブ５は矢印
り方向、即ち燃料が減少する方向に作動する。

第５図において９はガバナレバー、１０は噴射ポンプの
ラックを示し、１１は前記ガバナレバー９とラック１０
を連結するリンクであり、１２はラック１０をＤ方向に
付勢するガバナスプリングである。

スリーブ５が矢印り方向に移動するとガバナレバー９が
支点９ａを中心として左回転してリンク１１を介してラ
ック１０を矢印Ｄ′方向に移動させる。

このラック１０の移動により燃料噴射ポンプの燃料は減
少し、エンジンは所定の回転数に制御される。

なお重錘７の球状の係合部７ｃの半径Ｒ１は溝６の半径
Ｒより若干小さくして重錘７がこの溝６を支点として揺
動し易くしておくのがよい。

本考案に係る装置は、燃料噴射ポンプ駆動用の歯車４を
キャップ状とし、この内部に円周方向に断面円形の溝６
を設け、重錘７の枢支部に球状の係合部７ｃを設け、こ
の係合部７ｃより延長した駆動部７ｅに、前記歯車４に
より駆動されるカム軸３に遊嵌したスリーブ５のフラン
ジ部５ａを係合させているので、次の効果を奏する。

（イ）重錘７は球状の係合部７ｃが歯車４の円周方向に
設けた断面が円弧状の溝６に係合することによって枢支
されているので、従来の装置の如くカム軸に設けた基板
やこの基板に設けたブラケットや、重錘をブラケットに
支持するためのピン等を省略することができる。

（ロ）燃料噴射ポンプの駆動用の歯車の内部に、重錘や
これによってカム軸方向に摺動するスリーブが収容され
るのでガバナ装置をコンパクト化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はガバナ駆動装置の要部を示す断面斜視図、第２
図は燃料噴射ポンプ駆動用キャップ状歯車の断面斜視図
、第３図は重錘の斜視図、第４図は歯車に設けた溝中に
重錘の係合部を嵌入し、更にばねでその位置を保持した
状態を示す正面図、第５図はガバナの全体構成説明図、
第６図は重錘の動作状況の説明図である。 ３・・・・・・カム軸、４・・・・・・歯車、５・・・
・・・スリーブ、５ａ・・・・・・フランジ部、６・・
・・・・溝、７・・・・・・重錘、７ａ・・・・・・凹
部、７ｂ・・・・・・取付部、７ｃ・・・・・・係合部
、７ｄ・・・・・・重錘部、７ｅ・・・・・・駆動部、
８・・・・・・ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料噴射ポンプの駆動軸に取り付けた歯車の内周面に断
   面円弧状の溝を設け、この溝に前記駆動軸の回転により
   歯車の外周方向に移動する重錘の揺動基部を係合させ、
   更にこの重錘を前記駆動軸上に摺動自在に設けたスリー
   ブに係合させてなるガバナー駆動装置。