JPS6037358B2 - 潤滑装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はギャにより放出された潤滑油を、ギャケースに
設けた樋により受け取り、必要箇所へ供給するようなギ
ャ装置の潤滑装置、例えば、大型トラック等に用いられ
ているインタアクスルデイフアレンシヤル（以下インタ
デフという）付タンデムアクスルの潤滑装置に関するも
ので、特に高速度の油温の上昇を防ぐことを目的とする
ものである。

まず、従釆の装置を第１図及び第２図により説明する。

図において、１はインタデフケースであってその内部に
はィンタデフ２が収納されている。３は、ィンタデフケ
ース１に隣接して固定されたギャケースであって、ギャ
トレーン４が収納されている。

５はキャリアであってギャケース３に固定されている。

キャリア５内には、前記ギャトレーン４を構成する２つ
のギヤ４１と４２のうち下方のギャ４２に固定されたピ
ニオン６が突出支持され、更にこれと噛み合うリングギ
ャ７が支持されている。なお８は、キャリア５に固着さ
れたアクスルケースである。エンジンからィンタデフ２
に伝達された動力の一部は、同ィンタデフ２及びギヤト
レーン４を貫通して後方へ伸びるスルードライブシャフ
ト９により、２軸駆動型タンデムアクスルの後軸側（第
１図右側）へ伝達され、また残りの動力は、ギャトレー
ン４、ピニオン６、リングギヤ７を介して前軸側へ伝達
される。

前記ィンタデフスに対する潤滑は次のように行われる。

即ちアクスルケース８及びキャリア５内の底部に溜めら
れた潤滑油は、リングギャ７の回転により上方に持ち上
げられる（リングギャ７に付着したものと、半径方向に
放出されるものとがある）。この潤滑油は、適当な手段
、例えば、リングギヤ７の回転する外周部分に接近して
設けた「受け」（図示せず）によりすくい取られ、キャ
リア５とギャケース３間の仕切壁に設けた孔（いずれも
図示せず）からギヤケース３内に導入される。ギャケー
ス３内に、このようにして導入された潤滑油は、ギヤト
レーン４により上方に持ち上げられ、その一部は第４図
に示すように）上方のギャ４１から半径方向に放出され
る。

ギャケース３内の上側壁部３ａには、ギャ４１の回転方
向に相対向する向きの開口部を有する樋３０がほゞギャ
４１の軸万向に沿って一本形成されており、ギャ４１か
ら放出さされた亨函滑油は、直接あるいはギャケース３
の上壁に沿ってこの樋３０内に流入する。この樋３０の
端部であって、ギャケース３とィンタデフケース１間の
仕切壁には、孔３０ａが設けられ前述した、樋３０内の
潤滑油は、インタデフケース１内に流入するよう横成さ
れている。ところが、ギャ４１の回転速度の上昇につれ
、樋３０内への潤滑油の流入量は増加し、遂には流入量
は樋３０端の前記孔３０ａからィンタデフケース１内へ
の流入量を越え、相当量の潤滑油が題３０の閉口部付近
に溢れて港まり、これが高速回転するギャ４１により第
４図４・矢印のように激しく鍵拝されて油溢の著しい上
昇を招く。油溢が許容使用温度（例えば１２０ｏｏ）以
上に高くなると、潤滑油の劣化を招き、冷却効果も低下
するため、最悪の場合ギャの焼き付きのおそれがある。
ギャケース内でギャから飛散した潤滑油を油受けでとら
え、これを軸受に供給するものとしては、実開昭４９−
７６１６８号公報に示されたウオーム減速装置の潤滑装
置の如く、ウオームホィールの上部で噛み合うウオ−ム
軸上方においてウオーム歯車の噛み合いによって飛散す
る潤滑油を油受け１１，１３で受け、これを一旦油だめ
２３，２２に溜め、ここで鉄粉等を沈ませた軸受５，６
に供給して油抜き１９，１７から潤滑油たまり２０へ戻
すものがあり、前記油だめ２３，２２内は仕切壁？（番
号なし）で分けられているが、油だめは樋のように所要
個所へ油を流すものではなく、また仕切壁は油受け１１
，１３で受けた油に含まれる鉄粉等を一旦沈殿させるた
めに設けられたもので、仕切壁の両側の一方は軸受５，
６に管連結されているが、他方の油受け１１，１３側は
前記沈殿の目的のためであるので、何処にも連結されて
おらず、また連結できない。また、歯車により歯車箱天
井にはね上げた油を天井に形成した突起部により所要個
所に滴下し給油するものが実公昭４４−１１３６５号公
報に示されているが、この実公昭の突起部構造ではたと
え前記実開昭と組合せても前述の問題点を解決すること
はできない。本発明は前記の如き欠点を除去するために
成されたもので、ギャを収納したギャケース内上方壁付
近に、前記ギヤから放出された潤滑油を受けて潤滑必要
個所に流す樋と、これに隣接して前記髄から溢れだ函猪
油を潤滑油溜めに戻す樋を併設したことを要旨とする。

これを第３図，第５図及び第６図により説明すると、本
発明潤滑装置は、前記樋３０の外側（ギャ４１から遠い
側）に同様な樋３１を仕切３３を挟んで併設し、この樋
３１の端部であってギャケース３とキャリア５間の仕切
望３ａに孔３１ａをあげ、樋３０から溢れた潤滑油を樋
３１で受けて孔３１ａを介してキャリア５側へ流すよう
構成し、樋３０のギャ４１と面した閉口部付近に潤滑油
が溢れ、この潤滑油が激しく頚拝されることを防止する
ようにしたものである。

なお、樋３１の幅、仕切３３の高さ等は樋３０の許容流
量、ギャ４１から放出されてくる潤滑油の量などを勘案
して実験等により決定される。このような構成によりギ
ャ４１から放出された潤滑油は、第５図のようにギャケ
ース３の上壁に沿って前記ギャ４１の回転方向に放出、
飛散し、多くは漣３０内に流入する。ギャ４１の回転速
度が上昇すると、樋３０への油量がィンタデフケースー
への流出量を越え、樋３０の前記閉口部から溢れ、仕切
３３を越えて樋３１内に流入し、該樋３１内を円滑に流
れて孔３１ａからキャリア５へ流出する。これにより第
４図によって説明した如き、樋３０閉口部付近で潤滑油
が溢れ、これがギヤ４１によって鯛拝されることが防止
される。なお、第３図において、３２はギャケース３の
上壁における樋３０の関口部上方に形成された突起状の
ガイドであって、ギャ４１から放出された潤滑油が樋３
０内に効率よく流入できるようガイドするために設けら
れたものであり、必要に応じて設置される。オーバーフ
ロー用の樋３１の潤滑油は、この例では孔３１ａからキ
ャリア５内へ戻すようにしてあるが、これをギャケース
３内へ戻しても、あるいは、他の潤滑箇所へ供給しても
よい。

要するに、穣３１は、滋３０の関口部付近で、潤滑油が
溢れて溜らないように、樋３０から溢施れた潤滑油を流
出させるために設けたもので、その流出先は、必要に応
じて適宜決定すればよい。従って樋３１の孔３１ａは、
樋の端部に設けなくとも成立するし、仕切３３の高さも
図示の例に限るものはない。また、本発明は、インタデ
フ付タンデムアクスルのギャケース部分を例にとって説
明したが、もちろん、この装置に限定されるものではな
く、他の同様な潤滑装置にも広く適用されることはいう
までもない。

本発明は上述のように、潤滑装置について、ギャを収納
したギャケース内上方蟻付近に、前記ギャから放出され
た潤滑油を受けて潤滑必要個所に流す樋と、これに隣接
して前記樋から溢れだ函鴻池を潤滑油溜めに戻す樋を併
設するようにしたもので、前記ギャから放出された潤滑
油が一の樋で的確に受けて所要個所に過不足なく潤滑さ
れるとともに、潤滑油がこの樋から溢れるときは仕切を
越えて他の樋に流入させ、該樋により潤滑油潜まりに流
すようにしたので、前述の如き樋から溢れた潤滑油がギ
ヤにより鷹拝されることによる潤滑油の異常な温度上昇
とそれによる潤滑油の性状劣化を未然に防止することが
でき、更には潤滑油の、冷却効果をも維持できるので、
前記焼き付きを引き起こすこともなく、潤滑油の寿命を
延ばすことができる等の効果を有する。

図面の簡単な説頚 第１図は従来装置の一例を示す断面図、第２図は第１図
のローロ矢視断面図、第３図は本発明の一実施例を示す
部分的な断面図であって、第２図と同様な図を示す。

また第４図は第２図の要部拡大断面図、第５図は第３図
の要部拡大断面図で各々作動時の潤滑油の流れを示すも
の、第６図は第５図のＡ−Ａ断面矢視図である。符号
１・・・・・・ィンタデフケース、３・・・・・・ギャ
ケース、５……キャリア、３０，３１ａ……樋、３０ａ
，３１ａ……孔、３２……ガイド、３３……仕切。

第１図 第３図 第２図 第４図 第５図 第６図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ギヤを収納したギヤケース内上方壁付近に、前記ギ
   ヤから放出された潤滑油を受けて潤滑必要個所に流す樋
   と、これに隣接して前記樋から溢れた潤滑油を潤滑油溜
   めに戻す樋を併設してなる潤滑装置。 ２ 前記ギヤケースの上方壁が前記潤滑必要個所に流す
   樋の上方付近においてガイドを備えてなる特許請求の範
   囲第１項記載の潤滑装置。