JPS6036466B2 - フエライト−オ−ステナイト二相ステンレス鋼 - Google Patents

フエライト−オ−ステナイト二相ステンレス鋼

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JPS6036466B2
JPS6036466B2 JP13044281A JP13044281A JPS6036466B2 JP S6036466 B2 JPS6036466 B2 JP S6036466B2 JP 13044281 A JP13044281 A JP 13044281A JP 13044281 A JP13044281 A JP 13044281A JP S6036466 B2 JPS6036466 B2 JP S6036466B2
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steel
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nitric acid
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duplex stainless
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JP13044281A
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未子夫 小林
毅 吉田
正紘 青木
勝夫 大久保
正昭 永山
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は硝醸環境において、すぐれた耐食性を有するフ
ェライトーオーステナィトニ相ステンレス鋼に関するも
のである。
硝酸環境においては、Cr含有量の多いステンレス鋼ほ
ど低抗力が強く、かつ硝酸濃度によって粒界腐食性が極
めて大きいため、従釆極低炭素型及びNbなどの添加元
素で安定化した高クロムオーステナィトステンレス鋼、
例えば31山C、31のCNbなどが使用されている。
しかし、このようなNi含有量の多いオーステナィトス
テンレス鋼は炭素Cの固溶限が小さいため500〜90
0qoでの加熱又は溶接熱影響でクロム炭化物が結晶粒
界へ優先的に析出して耐粒界腐食性が劣化する懐向があ
り、また溶接時、凝固割れ感受性が高く、溶接部の信頼
性に欠けるなどの弱点を有している。これに対しフェラ
イトーオーステナイト二相ステンレス鋼はCr含有量が
多く溶接時の凝固割れに対する抵抗が大きいなどの特長
をもつ反面溶接熱影響などにより組織間の選択腐食を起
し易い欠点を有する。特に硝酸環境においては、このよ
うな腐食傾向が強く、従来の二相ステンレス鋼では溶接
構造をもつ耐硝酸材としては信頼性に問題があつた。本
発明者らはステンレス鋼の耐硝酸性に与える組織及び徴
量成分に影響について研究を進めた結果、上述のオース
テナィトステンレス鋼及び二相ステンレス鋼の欠点を解
消し、耐硝酸性及び溶接性にすぐれ、而も低価格の高ク
ロム二相ステンレス鋼を得たものである。
即ち、本発明鋼は従来のフェライトーオーステナィト二
相鋼として一般的なCr23〜25%、Ni4〜6%に
比べてCr及びNi含有量を高く設定すると同時に特定
のNiバランスを有し、而も31山Cや31山CNbな
どに比べて高価なNi成分は少なくても耐硝酸性はこれ
らの材料よりもすぐれている耐硝酸性の最もすぐれた組
織構成を見し、出したものである。本発明鋼においては
さらに0.001〜0.03%のBを添加して耐硝酸性
を改善し、又不可避的不純物として含有するP、SをP
O.010%以下、SO.005%以下に低減すること
により耐硝酸性をさらに一層向上させたもので、以下に
示すような組成を有するものである。【1’重量%でC
O.03%以下、Si2.0%以下、Mn2.0%以下
、PO.040%以下、SO.030%以下、Cr25
〜35%、Ni6〜15%、NO.35%以下、残部F
e及び不可避的不純物より成り、かつ次式−13<Nj
eq−1.1xCreq+8.2<−9を満足するもの
:(2} 上記鋼に0.001〜0.03%のBを添加
するもクつ:【31上記鋼{1’、‘21においてP.
Sを単独又は同時にPO.010%以下、SO.005
%以下に低減するもの。
次に本発明鋼の化学組成の範囲の限定理由について説明
する。C: Cはオーステナィト形成元素として有力な
元素であるが、炭化物を形成して粒界腐食感受性を増大
するため出来るだけ少ない方がよい。
、然し工業的に容易に製造し得る範囲を考慮して上限を
0.03%とする。Si及びMn: Si及びMnは製
鋼工程中に脱酸剤として使用される元素であり、工業的
に容易に製造するには通常2.0%以下のSi及びMn
の添加が必要であるため、それぞれ2.0%以下に限定
する。
Cr: Crはフェライト形成元素であり、オーステナ
イト及びフェライトの二相組織を形成せしめるのに重要
な元素であると同時に耐食性、特に硝酸に対する低抗性
を増すためには極めて重要であり、良好な耐硝酸性を得
るためには25%以上の添加が必要である。
耐硝酸性は適正な組織バランスのもとではCr含有量が
増加するに従って向上するが、35%を超えると加工性
が劣化し、鋼材の製造及び機器の製作が困難となり実用
性に欠くので上限を35%とする。Ni: Niはオー
ステナィト形成元素でCrとともに二相組織の形成に重
要な元素であるが、全面腐食など活性溶解速度を低減せ
しめるためにも極わて重要な元素であり、主たるフェラ
イト形成元素であるCr量と対応して好ましいフェライ
トーオ、一ステナィトの組織バランスを得るためには6
%から15%までの範囲の添加が必要である。
N: NはC、Niと同様、強力なオーステナィト形成
元素であり、耐孔食性などの耐食性の向上にも有効な元
素であるが、Nが0.35%を超えると鋼の製造工程に
おいて鋼塊にブローホールが発生したり、熱間加工性を
劣化するので、0.35%以下に限定する。
本発明においてはこれら諸元素を夫々単独に規定しても
よく意味がなく、最適な組合せの下においてのみすぐれ
た効果を発揮するもので、次式を満足するように各成分
の範囲を限定することが必要であり、これが本発明の特
徴の一つでもあることを知見した。
−13<Niバランス〈一9 こ)でNiバランス =Nieq−1.1xCreq+8.2 Nieq=Ni%+0.5×Mn%十30×(C+N)
% Crbn=Cr%+1.5×Sj% である。
Niバランスが−13以下では組織間では選択腐食煩向
が大きくなり、この条件ではCrを高めても耐硝酸性を
改善することができないばかりでなく、Niバランスを
耐食性上、より不利な方向へ移行させることにより逆に
腐食を加速することもある。一方、Niバランスを−9
より大きくすることは高価なNiなどの添加量を増して
経済的に不利となるばかりでなく、これによって熱間加
工性が阻害され、また耐食性も悪くなるのでNiバラン
スな−13以上、一9以下に限定する。B:B添加によ
る耐硝酸性の改善効果は0.001%以上添加すること
により顕著となり、又0.03%を超えると溶酸性や加
工性の劣化が著しいので0.001〜0.03%に限定
する。P及びS:不純物元素であるP、Sはこれを低減
するほど好ましいがJISなどで明らかなようにPO.
040%以下、SO.030%以下が通常許容される範
囲である。しかしながらPO.010%以下、SO.0
05%以下に制限すると耐硝酸性の改善効果はなお一層
大きくなる。なおLa及びCeなどの希土類元素(RE
M)を少量添加するとP及びSを低減すると同等の効果
が認められた。
次に本発明にかかわる二相ステンレス鋼の特徴を実施例
をもって詳述する。
下表は供誌材の化学組成並びにその性能を示したもので
ある。
第1図及び上表実地試験腐食度の値は硝酸プラント中に
おける377組rの実機試験の結果を示したものである
第1図より明らかなようにFe−Cr−Ni系二相ステ
ンレス鋼の耐硝酸性は本発明におけるNiバランス(一
13〜一9)の範囲において、Cr量の増加とともに改
善され、これらの鋼種では従釆鋼(310LC、31山
CNb)よりも良好な耐食性を示す。耐食性判断基準と
して0.1夕/めohr(約0.1側/年)を採用すれ
ば、本発明のNjバランス範囲内でCrは25%以上が
必要である。Niバランスが上記範囲を外れたものの耐
硝酸雌まいずれも悪く、特に一13以下の鋼では耐食性
の劣化が大きい。このような鋼種では溶接部(溶接金属
部、ボンド部、熱影響部)の腐食が特に著しく、オース
テナィト相での選択腐食が問題化している。これに対し
て本発明鋼では溶接部での選択腐食もなく顕微鏡観察で
も健全な耐食性が確められた。第2〜15図は溶接材に
ついて硝酸プラント中で実地腐食試験した試料の断面検
鏡結果を示したものである。図中第2図,第3図は鋼番
1(比較鋼)の5倍及び10ぴ斉藤微鏡写真を示し、第
4図,第5図は鋼番2(比較鋼)、第6図,第7図は鋼
番15(比較鋼)、第8図,第9図は鋼番17(比較鋼
)、第10図,第11図は鋼番6(本発明鋼)第12図
,第13図は鋼番7(本発明鋼)、及び第14図,第1
5図は鋼番11(本発明鋼)の同様の写真である。同写
真より明らかなように本発明鋼は溶接部を含めて健全で
あるが、本発明鋼の成分範囲を外れる比較鋼では溶接部
に選択腐食が認められる。なお、Niバランスでは適合
してもMoを含有する鋼は腐食が大きく本用途ではMo
は忌避すべき成分である。
(鋼番3、4参照)上表中の硝酸試験結果は65%HN
03十Cr十610帖pm溶接中において4班rの粉謄
試験を1回毎に腐食液を更新して3回試験した結果を3
回の腐食量の平均値で示したものである。
上表に示すように本発明鋼の耐硝酸性は比較鋼に比べて
明らかにすぐれている。又本発明鋼の中、B添加鋼(鋼
番10、11、12)及びP、S低減鋼(鞠番13、1
4)の腐食減量は本発明鋼の中でも特に少なくその耐硝
酸性改善効果が顕著である。上表には又本発明鋼と比較
鋼についてフィスコ試験(JISZ3155に準拠する
)によりその溶懐凝固割れ感受性を割れ率(%)で評価
した結果を示した。これにより明らかなように二相ステ
ンレス鋼は本発明鋼、比較鋼いずれも全く割れ感受性を
示さないのに対して耐硝酸材として著名な31山C及び
31WCNbは鋼は割れ率20%及び22%であり、割
れ感受性が著しく高い。以上本発明鋼は従来耐硝酸材と
して用いられて来たオーステナィト系の高Cr−Ni鋼
よりもすぐれた耐硝酸性を有するばかりでなく、従来鋼
において問題となることの多い溶接部の信来性(溶接割
れ、溶接熱影響部での粒界腐食)でも格段の改善が認め
られるものであるから工業上益するところが大きいもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は硝酸プラントの実機試験における腐食度とCr
含有量との関係を示したものであり、第2〜15図は本
発明鋼及び比較鋼の溶接材の顕微鏡(5倍、10ぴ音)
写真である。 第2図 第1図 第3図 第4図 第5図 第6図 第7図 第8図 第′9図 第10図 第11図 第12図 第13図 第14図 第15図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C0.03%以下、Si2.0%以下、Mn2.0
    %以下、Cr25〜35%、Ni6〜15%、N0.3
    5%以下、残部Fe及び不可避的不純物より成り、かつ
    次式−13<Nieq−1.1Creq+8.2<−9
    但し、Nieq=Ni%+0.5Mn%+30×(C+
    N)%Creq=Cr%+1.5Si%を満足すること
    を特徴とする耐硝酸性にすぐれたフエライト−オーステ
    ナイト二相ステンレス鋼。 2 不可避的不純物であるP及びSを単独又は同時にP
    0.010%以下、S0.005%以下とする特許請求
    の範囲第1項記載のフエライト−オーステナイト二相ス
    テンレス鋼。 3 C0.03%以下、Si2.0%以下、Mn2.0
    %以下、Cr25〜35%、Ni6〜15%、N0.3
    5%及びB0.001〜0.030%、残部Fe及び不
    可避的不純物より成り、かつ次式−13<Nieq−1
    .1Creq+8.2<−9但しNieq=Ni%+0
    .5Mn%+30×(C+N)%Creq=Cr%+1
    .5Si%を満足することを特徴とする耐硝酸性にすぐ
    れたフエライト−オーステナイト二相ステンレス鋼。 4 不可避的不純物であるP及びSを単独又は同時にP
    0.010%以下、S0.005%以下とする特許請求
    の範囲第3項記載のフエライト−オーステナイト二相ス
    テンレス鋼。
JP13044281A 1981-08-20 1981-08-20 フエライト−オ−ステナイト二相ステンレス鋼 Expired JPS6036466B2 (ja)

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