JPS6036347B2 - アルミニウム及びアルミニウム合金材溶接におけるブロ−ホ−ル防止方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はアルミニウム及びアルミニウム合金材熔接に
おけるブローホール防止方法及びそ．の装置に関するも
のである。

一般にィナートガスアーク（以後ＭＩＧと称する）溶接
によってアルミニウム又はアルミニウム合金材を熔接す
る際、その被溶接部村厚さに応じた余盛ビードの高さは
疲労強度面から規制されているため、Ｖ形又はＸ形開先
を蚤合部に設けることが多い。

このようにしてＶ形又はＸ形開先内を溶接する通常のＭ
ＩＧ熔接方法では、第１図に示すように綾池ａからの先
流れ又はスパッタ発生による小玉状金属塊ｂが港池前方
の開先ｃ内にたまることがあり、そして表面が酸化した
アルミニウム金属となったこれら金属塊ｂは溶接が進行
するにつれて港池ａ内に巻き込まれるということがある
。この場合微小な金属塊は溶解するが、大塊状のものは
溶接金属ｄ内に完全に溶けない状態で残存して、溶接部
におけるブローホール、酸化膜巻き込み等の欠陥となり
、補修溶接の必要が生じていた。この欠陥を防止する方
法として、溶池から溶接金属が先流れしないように被熔
酸部材を前上がり式に５〜１ｙ煩斜させる方法があるが
、この方法は被溶接部材の厚さが４物吻以上で大電流Ｍ
ＩＧ溶接を行う場合を除き、あまり実用化されておらず
、大部分の溶接方法では依然として前述のブローホール
酸化膜巻き込み等の欠陥が生じていた。この発明は上記
問題を解決することを企図してなされたもので、溶接時
に溶池から溶接方向に向けてアルゴン等の不活性ガスを
有する気体を噴射させることによって、溶池からの先流
れ又はスパッタ発生による小玉状金属塊を除去させて、
これら金属塊の溶接金属内への侵入を防止させるように
したもので、従来の溶接装置の主要部の構造を変える必
要がなく、しかも従来通りの溶接方法によって、ブロー
ホール、酸化膜巻き込み等の欠陥を一掃できるようにし
たものである。以下にこの発明の一実施例を添付図面の
第２図に示すＭＩＧ溶接について説明すると、図中１は
被熔接部材であって、その接合部にはＶ形開先１が設け
られている。

２は溶接トーチであって、筒状のガスノズル２ａのほぼ
中心にこのガスノズル２ａから下方に突出する電極ワイ
ヤ２ｂを設けるとともに、この電極ワイヤ２ｂと連結す
る電導体２ｃを設けて成り、また電極ワイヤ２ｂとガス
ノズル２ａとの間には、イナ−トガスであるアルゴンガ
ス３の通路２ｄが形成されている。

この場合電極ワイヤ２ｂには溶加材が使用され、この電
極ワイヤ２ｂは連続的に送給されてアークを発生するよ
うになっている。４は清掃用管路であって、ガスノズル
２ａの外側に配置され、下端に噴出孔４′を有し、上端
には図示しないガス供給源が連結されている。

そしてこの管路４の噴出孔４′は開口方向を若干変える
ことができるように、管路下端部は例えば蛇腹状に形成
されており、ガス供給源から管路４を通って噴出孔４′
から噴射されるガスが溶池５より溶接方向にに向って噴
出されるように噴出孔４′の向きを変えることができる
ようにしてある。この場合使用されるガスはィナートガ
スであるアルゴンガスが好ましいが、その他アルゴンガ
ス等の不活性ガスに少量の活性ガスを加えたガスでもよ
く、また空気を使用することも可能である。上記のよう
に構成されるこの発明の装置は、溶接時に溶池５より熔
接方向に向けてアルゴン等の不活性ガスを有する気体を
噴射させるようにしたため、溶池５からの先流れ又はス
パッタ発生による小玉状金属塊６を飛散させ、これら金
属塊６の溶池５内への巻き込みを防ぐことができる。こ
の発明によれば、ィナートガスの一部あるいは空気等を
用いてブローホールの原因となる金属塊を除去した後、
溶接を行うことができるので、溶接金属内に不純物を混
入させることがなく、品質の良い溶接を行うことができ
る。また従来の溶接装置の主要部はそのまま使用できる
とともに、従来通りの溶接作業で行うことができるので
、その利用価値は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熔接装置の使用状態を示す断面図で、第
２図はこの発明の溶接装置の使用状態を示す断面図であ
る。 図において、１・・・・・・被溶接部材、１′・・・・
・・開先、２・・・・・・溶接トーチ、２ａ・・・・・
・ガスノズル、２ｂ・・・・・・電極ワイヤ、２ｃ・・
・・・・電導体、２ｄ・・・・・・ガス通路、３…・・
・ィナートガス（アルゴンガス）、４・・・・・・清掃
用管路、４′噴出孔、５・・・・・・溶池、６・・・・
・・フローホールの原因となる金属塊である。 第１図第２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 不活性ガスふん囲気中で消耗電極式アーク溶接を行
   うに当つて、溶池から溶接方向に向けて不活性ガスを含
   む清掃用ガスを噴射させて、開先面に付着したブローホ
   ールの原因となる金属塊を飛散除去させるようにしたこ
   とを特徴とする、アルミニウム及びアルミニウム合金材
   溶接におけるブローホール防止方法。 ２ 不活性ガスふん囲気中で消耗電極式アーク溶接を行
   うものにおいて、溶接トーチに沿つてその先端に設けた
   噴出孔の向きが変位可能な清掃用管路を設け、この管路
   の他端に連結された清掃用ガス供給源からこの管路を通
   つて前記噴出孔から噴射される不活性ガスを含む清掃用
   ガスを、溶池から溶接方向の開先面に噴射させるように
   して成り、この溶接部に付着したブローホールの原因と
   なる金属塊を飛散除去させるようにしたことを特徴とす
   る、アルミニウム及びアルミニウム合金材溶接における
   ブローホール防止装置。